とある稲妻の呪術廻戦   作:ネシエル

8 / 20
第三話 丹羽

呪霊の胃袋

肉の地面に置かれた一枚のカード。

そのカードが妖艶な炎に包まれ、ゆっくりと膨張を始める。

炎は肉へ、肉は鎧へ、鎧が亡霊へと姿を変え――

その存在は次第に巨大化していく。

 

やがて、その圧倒的な力が呪霊の腹を内側から引き裂いた。

 

「GOOOOOOOOO!」

 

全長5メートルに達する巨体。

赤い鎧を纏い、煮えたぎる蒼い炎に包まれたその姿――

魂が宿ったような魔眼が、呪霊の目の前でぎらりと輝く。

 

特級変異呪霊――丹羽久秀が再びこの世に顕現したのだ。

 

「俺の友たちに手を出すなあああああ!」

 

丹羽はその呪いの籠った籠手を振り上げると、呪霊の頭をがっちり掴む。

そのまま力任せに引き寄せ、拳を振り下ろした。

 

「はああああああ!」

 

握る、引っ張る、殴る――

それだけの単純な攻撃。しかし、それだけで呪霊の身体は崩れ、呪いの力に蝕まれ、絶命寸前に追い込まれていく。

丹羽の怒りと力が全て込められたその行動は、単なる破壊以上の威圧感を放っていた。

 

混乱の中、守柄の決意

「はあ……はあ……」

 

丹羽が呪霊を引きつけている間に、守柄は地面に倒れる沙良と子どもの亡骸を抱きかかえ、出口へと急いだ。

血に塗られた地面、赤黒く染まった学校の壁――そこは、まさに地獄の光景だった。

 

だが、守柄は振り返らない。

 

「早く……将軍様のところへ……」

 

呪霊はまだ死んでいなかった。

その異常な生命力ではなく、丹羽があえて殺さないように手加減をしているからだ。

呪霊を簡単に殺すつもりはない――もっと痛めつけなければならない。

丹羽のその目的が、この光景をさらに異常なものにしていた。

 

丹羽は守柄の呼びかけに応じて現れたものの、完全に制御されているわけではない。

その圧倒的な力が味方に向かう前に、守柄は沙良を安全な場所へ移動させる必要があった。

 

しかし、その時――

 

丹羽の声が、守柄の耳に直接響いた。

 

『頑張れよ、守柄。』

 

「!?」

 

守柄は驚き、振り返る。

だが、そこに丹羽の姿はなく、呪霊も払われていた。

そして、呪いの帳は静かに消えていった。

 

帳が晴れた後

「お疲れ。どうだった、初任務。結構、大変だったんじゃない?」

 

守柄の横に立つのは雷電眞。

彼女は微笑みながら、守柄に問いかけた。

 

「……いいえ、とても疲れました。」

 

守柄は短く答えると、その場に崩れるように座り込む。

体中の力が抜けていくのを感じながら、守柄はまるで死んだように眠りに落ちた。

 

その空間には、ただ静寂だけが残った。

丹羽の存在、呪霊との激闘、守柄の葛藤――

すべては嵐のように過ぎ去り、ようやく穏やかな時間が訪れた。

 

しかし、守柄の胸には、一つの問いが残っていた。

丹羽久秀の言葉――あれは何を意味していたのか。

 

だが、それを考える間もなく、守柄は意識を手放した。

闇に包まれる中、彼の心には微かな安堵の感覚だけが漂っていた。

 

 

 

 

▲▲▲

 

 

〇人々の反応

 

一般市民A『スゲぇええええ』

 

 

一般市民B『迫力が凄い。

ただ動いているだけで、ここまで、爽快感が味わえるものなのか」

 

 

一般市民C『まあまあだな』

 

 

一般市民D『うわ、血の描写エグイな。

これ、本当に放送できたのか。』

 

 

 

 

雷電将軍に憧れている人

『ふむ、

元素力を使わず、純粋な腕力で倒したのか。

これなら、元素力が使えない人にも見てもらえるし、

戦略としては正しい。

娯楽小説には元素力

または、神の力を使う主人公が多く登場するからな』

 

 

 

▲▲▲

 

七葉守柄――

元はどこにでもいる普通の一般人だった。

 

幼い頃、父親の仕事の都合で東京に引っ越した守柄。

新しい環境に馴染むことができず、彼は地元の子どもたちからいじめを受けていた。

 

泣きながら隅で縮こまる守柄。

そんな彼を助けたのが、赤い鎧の少年――丹羽久秀だった。

 

「うぅ……あなたは誰?」

 

涙を浮かべながら問いかける守柄に、丹羽は胸を張って答える。

 

「俺? 俺は正義のヒーロー、仮〇ライダーだ!」

 

その場しのぎの冗談めいた言葉だったが、それがきっかけで二人は仲良くなり、やがて唯一無二の親友となっていった。

 

ある日の夕暮れ、二人は夕焼けを眺めながら話をしていた。

 

「丹羽。」

 

「なんだ?」

 

「どうして、いつも僕と一緒に遊んでくれるの?」

 

丹羽は肩をすくめて笑う。

 

「それは、お前が俺の唯一無二の親友だからよ。」

 

しかし、守柄は首を横に振る。

 

「ううん、そうじゃなくて……僕以外の友達とはどうして遊ばないの?」

 

丹羽の表情が一瞬だけ曇る。

 

「……!?」

 

目を逸らし、照れ隠しのように笑いながら丹羽は答えた。

 

「くくく、守柄、甘く見ちゃ困るぜ。

実は俺には見えない無数の友達がいるんだ。

俺が召喚すれば、助けに来てくれるのさ!」

 

「本当?」

 

守柄の目が輝く。丹羽は勢いよく頷いた。

 

「ああ、本当だとも!」

 

守柄は小さく拳を握りしめた。

 

「じゃあ、僕も丹羽の友達になりたい。」

 

「……?」

 

丹羽は目を丸くする。

 

「いやいや、もう俺たちは友達だろう?」

 

「そうじゃなくて、僕も丹羽を守りたいんだ。

丹羽に守られるだけじゃなくて、僕が丹羽を守りたいんだ!」

 

その言葉に、丹羽は一瞬言葉を失う。

しかし、すぐに力強く頷き、何かをポケットから取り出した。

 

「そうか。じゃあ、俺たちは本当に無二の友だな。これをお前にやるよ。」

 

「……何これ?」

 

守柄が丹羽から受け取ったのは、一枚の古びたカードだった。

 

「これはな、俺の命よりも重いものだ。

これを使えば、いつでも俺を呼び出せるぜ。」

 

その言葉に、守柄の心は強く震えた。

 

「これ……何で書いてあるの?」

 

カードを見つめる守柄の問いに、丹羽は得意げに答えた。

 

「知らないのか? 遊〇王だぜ。」

 

「遊〇王?」

 

「ええ!? 知らないの? それ、人類史に残る遺物だぞ!」

 

丹羽の言葉に守柄は困惑しつつも笑い、二人は夕焼けの下で笑い合った。

 

その日――

 

一枚のカードを通じて、二人の間には切っても切れない絆が生まれたのだった。

 

 

 

▲▲▲

 

 

〇人々の反応

 

一般市民A『ええ、そんなに凄いものなのか』

 

 

一般市民B『どこの家宝だ。』

 

 

一般市民C『くだらない』

 

 

一般市民D『遊〇王。

聞くだけで強そうな名前をしているじゃん』

 

 

後に八重堂から遊戯王の漫画が発売され、

稲妻は空前絶後の遊戯王ブームが走った。

 

 

 

▲▲▲

 

病院内

守柄はゆっくりと目を開けた。

 

「うわあああ!」

 

突然の覚醒に驚き、息を荒げながら周囲を見回す。

視界に映るのは白い天井と、清潔感のある病室の光景だった。

 

「あれ……呪霊は……?」

 

混乱する守柄に、隣から冷静な声が飛ぶ。

 

「もう倒したぞ。」

 

守柄が振り向くと、椅子に腰掛けている雷電眞の姿が目に入った。

眞は片足を組みながら、軽く笑みを浮かべていた。

 

「しょ、将軍様! ということは……ここは……」

 

「そう、病院だ。」

 

別の声が守柄の耳に届く。

そちらを見ると、隣のベッドに寝ている九条沙良の姿があった。

患者用の布団にくるまれた彼女は、少し不機嫌そうに守柄を見ていた。

 

「沙良先輩……無事だったんですね。」

 

守柄が安堵の息をつくと、沙良はふんと鼻を鳴らした。

 

「どこぞのバカがヘマしたせいで、こんなことになったけどな。」

 

「す、すみません……」

 

守柄が縮こまると、眞が軽く笑いながら口を挟んだ。

 

「もう、沙良ちゃん。人のせいにしてはダメよ。

パピーもそう言ってたでしょう?」

 

その名前を聞いた瞬間、沙良の顔が赤くなる。

 

「!? 龍馬様のことはいいです!」

 

そんなやり取りを見て、守柄は思わず笑った。

 

「お二人、本当に仲がいいですね。」

 

その言葉に眞は得意げに頷く。

 

「おお、やっぱりそう見えるか?」

 

しかし、沙良はすぐに否定した。

 

「違います。」

 

眞の顔が驚きで固まる。

 

「え!? 沙良ちゃん、それどういうこと?」

 

沙良は少し顔をそむけながら答える。

 

「確かに、私は眞様の力だけは信用していますし、信じています。」

 

「ふふん!」

 

眞は得意げに鼻を鳴らすが、次の瞬間、沙良の言葉が続いた。

 

「ただし、尊敬はしていません。」

 

「えええええええ!?」

 

眞は大声を上げ、そのまま沙良のベッドに駆け寄る。

 

「嘘でしょう! 嘘だと言えよ、沙良ッチ!」

 

「やめてください、気持ち悪いです。」

 

沙良は冷たく言い放ち、眞の動きをぴしゃりと制した。

 

「これ以上やると、セクハラとして訴えますよ。」

 

「ええええ……」

 

眞はしょんぼりと肩を落とす。

 

 

 

 

▲▲▲

 

 

 

 

〇人々の反応

 

 

一般市民A『娑羅大将が将軍様にこういう反応をするとは、

なんか、新鮮だな』

 

 

一般市民B『この雷電将軍。

威厳なさすぎではないか』

 

 

一般市民C『雷電将軍はこんなへらへらしないのだよ。

神が人に合わせるなんで』

 

 

一般市民D『娑羅大将のあのゴミを見るような目。

何か、いい』

 

 

団子を売る人『なんか、この将軍様の方が親しみを感じるな。

なんか、距離感が近いし、いいかも』

 

 

雷電将軍に憧れている人

『ふむ、これはダメだな。

神、云々は元より、威厳がなさすぎる。

人の上に立つのだから、そんな媚びを売るようなことはしてはダメだろう。』

 

 

 

旅人『雷電眞。

意識空間であった人物はまるっきり別人だな』

 

 

パイモン『何で言うか。残念だな』

 

 

八重神子『意外とかわいいじゃないか。

それにしても、あの頑固頭がこうも酷評するとは。

大変じゃのう』

 

 

雷電影『眞、何しているの』

影は画面に映る。

己の姉に対し、感想を述べる。

 

 

 




次回投稿1/31
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。