蜜柑がアイドルに!?   作:haina07

10 / 53
第9話 再会

「僕は今から君について上の方に報告に行かなくちゃいけないから、しばらく彼とここで大人しく待っててね♡」

本部の客室のようなところに、この棗とかいう奴と一緒に置いていかれる。

ご、豪華な部屋やな〜…。めっちゃ広いし…。

特にすることもなくボケーっとしていると、部屋のドアが勢いよく開かれる。

「鳴海ーっ!!温室から無断で鞭豆盗ったのお前かーーっっ!!!」

「キャ———ッ!!!」

 

入ってきたのは、岬という教師やった。さっき使っとった鞭みたいなものを盗んだ鳴海先生を追いかけてきたらしい。

ほ…ほんまにびっくりした……。

棗という男の子が脱走しようとしていて、それに鞭豆を使っていたのだと説明した。

「鳴海は棗を庇ってそういう行動に出たんだな」

え?庇って…?

「棗は騒ぎ・脱走の常習犯だ。もしあの場で罰も受けず失神もせずただ捕まっていたら、上に引き渡された後これよりももっと重い罰則を受ける事になったハズだ」

アリス学園ってやっぱりそういうの変わらずあるんやな…。

「あ、そや!先生このお面何?」

棗がつけていた黒猫の仮面について聞いてみる。

「それはアリス(能力)完全制御面だ。それを被ってる間はその人間のアリスを0まで封じる。危険人物専用の罰則用のお面だ。生徒の中には危険と隣り合わせのアリスを持つ子もいるからね。いわば目印だ」

罰則…か。

「まあ棗にしたら、いざとなったらこんなお面意味のないものにしてしまえるんだろうけど」

すると、ピロロ…と着信音のようなものが鳴る。

「はっ!!『温室に侵入者』!?すまない!急用が出来たので俺はこれで失礼する」

そう言って部屋から出ていってしまう。

 

危険人物…。

そう言われていた男の子の顔をなんとなく眺める。少し、お母さんのことが思い出される。

でもまずは…やっと会えるんや、蛍に…。

そう思い蛍との写真が入ったアルバムを抱きしめていると、ツインテールの片方を引っ張られる。

「え」

そしてソファの上で棗に馬乗りにされる。

「5秒で答えろ。答えなかったらこの髪燃やす。お前、何者だ」

は、はあぁぁ!?何こいつ!

すると、その部屋の窓ガラスが破られ、初等部の男の子が1人入ってくる。

「…遅かったじゃん、流架」

「…たく、誰のせいだと思ってんだよ、棗」

な…何この人…。窓から…!?

流架と呼ばれた男の子は服についてガラスを払いながらこっちを見てくる。

「何してんの?」

「起きたらいた。わめくだけで正体言わねー」

「そいつアリス?」

「さあ。知んね」

抗っているうちをよそ目にそんな会話が繰り広げられている。

「とにかくゆーこときかねーし、泣かしてやろうと思って」

それだけでなく、パンツでも脱がすか、と言っている。

ギャ——————ッ!!!

「ヘンタイ!!スケベ!!!!」

「ところで棗、なんでアリス使って脅さねーの?」

「疲れてんのか調子でねーんだよ」

そんなん無効化のアリス使って防いでるだけや!!なんなん、早くどけーーー!!

徐々に遠くから走っている足音が聞こえてくる。

「あ、やべ」

棗がそういうと、部屋のドアが開かれる。

「大丈夫!?蜜柑ちゃん!」

鳴海先生と岬先生が駆けつけてくれて、棗から解放される。

「棗っ!流架っ!!」

窓から逃げようとする2人を止めようと岬先生が叫ぶ。

「じゃあな、’’水玉パンツ’’」

窓から去ろうとする棗の手元にはうちの…パ…パン…

ひ…ヒギャ————————————っっ!!!!!

 

「さあさあもう泣きやんで、蜜柑ちゃん」

さっきの悔しさと棗へのイラつきが爆発して、部屋で大泣きしながら暴れていた。

「パンツ脱がされたくらい大した事ないってー♡」

「大した事だろう…」

ほんまにそうですよねっ!!岬先生!!

「ウチもうお嫁に行けへん〜〜!」

「あー大丈夫!そん時は棗に責任とらせるから♡」

いやじゃーーっっ!!

「はい、これ蜜柑ちゃんの制服。泣いてる顔は蜜柑ちゃんには似合わないよ。はやく泣きやんで着替えておいで♡」

そうやった、ウチ泣いてなんかいられへんやった……。

制服に着替え涙を拭いて引っ込ませる。

「おー!かーわいい♡」

えへ♡

機嫌を直そうと鳴海先生がウチのことを持ち上げながら褒めてくれる。

そんなことをしていると、ノック音が耳に入る。

「失礼します。初等部B組学級委員2名入ります」

「あ、きたきた。蜜柑ちゃん、君のクラスメイト代表のおでましだよ」

ほ…

「蛍っっ!!」

目の前には忘れるわけがない整った顔をした親友。

「あ」

久しぶりに顔が見れて、つい涙が出てくる。嬉しさのあまり抱きつこうとすると、蛍にぐいっと押し返される。

「汚い顔して寄らないで。あたしの知ってる蜜柑はもっと可愛いかったハズ…」

前に、『いつも笑ってて』と言われたことを思い出し、急いで涙を拭く。

「ウチ、蛍にすごくすごく会いたくて…ここまで来てもうてん。蛍…だきついていい…?」

「…友達に会いたいからってだけで後先考えず()()()()に来るバカそういないわね…。びっくりした…」

怒っているのかと少し心配になるが、蛍の表情が少し柔らかくなる。

「おいで、’’バカ’’」

その言葉がとても蛍らしくて、嬉しくて、思いきり蛍に抱きついた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。