「…ちゃん、みかんちゃん」
ウチを読んでる声がどこからか聞こえる…。
「蜜柑ちゃん」
目を開けた瞬間、ガバッと勢いよく起き上がる。
「な、棗は!?あいつ体ヘロヘロのくせに力使って…!」
「蜜柑」
蛍の声で名前が呼ばれたと思ったらおでこに何か貼られた。
「落ち着け」
すると、さっきまですごい興奮状態だったのにスッと冷静になってきた。精神を安定させる湿布らしい。
…ここ…病院?
周りには、蛍と委員長、鳴海先生とルカぴょんがいた。
「…丸2日目を覚さないで…あんまり心配かけんじゃないわよ、バカ」
蛍…っ!
いつも無表情の蛍が少し焦っているような、安心したような顔をしている。
委員長とルカぴょんも良かった、と安心した様子だ。
「事件は無事解決。といっても、間一髪でレオ達に
先生っ!
「棗とパーマは!?」
「誰がパーマよ!」
病室の入り口から怒った声が聞こえてきた。
パーマ…良かった…!
「レオが結界を弱めた事で学園は
「棗君の怒りの爆発のお陰でちょうど現場に着いたばかりの僕らは君らの正確な場所が分かって保護できたんだ」
そうやったんや…。
「…棗は?」
「棗は大丈夫」
ルカぴょんが答えてくれる。
「…今はしばらくの間絶対安静が続くけど、いずれ体調が戻れば心配はいらないって」
そ、そっか…棗も無事で…。
「……ありがとう。…2人共棗を助けてくれて、ありがとう」
ルカぴょんが照れながらそうお礼を言うと、パーマはウチのことを突き飛ばしてルカぴょんに抱きついていた。
パ…パーマ…。
「とにかく今は体を休めて。退院後学校へ行けば、今回の軽はずみな行動に関して怖〜い先生にみっちり絞られるからその覚悟でね」
げ、絶対ジンジンや…。
「でも今回の君達の活躍で、それ以上に大方の先生は君達に感謝しています♡よって蜜柑ちゃん!!」
は…はいっ?なに!?
「''
そういって鳴海先生が金のバッジを1つくれた。
う、うそっ!!
「ウチ、シングル!?」
「イエース♡今日から部屋も屋根裏からシングル用の部屋で、食事もおこづかいも昇格♡これで一人前のアリス学生だね♡」
嬉しくて嬉しくて、委員長に抱きついたりパーマとはウザがられながらも無理やりハイタッチしたり…みんなと喜びあった。
数日検査を受けて、問題ないと判断されたため明日やっと退院である。
棗も治り始めていてウチと同じタイミングで学校にも復帰できるらしい。
夜、消灯時間になり静まり返っている病院。ベッドに横になりながらもらったバッジを見て未だにニヤニヤしてしまう。
やっぱシングルへの昇格…嬉しい…!明日から学校やから寝なあかんのに寝れへん…!
それに…あの日レオから聞いた裏工作員、Zのこと、お母さんのことをついつい考えてしまう。
初校長のせいで……。
そんなことを考えていると、ドアが開く音がした。こんなに時間に誰や、と警戒しながらそっちを向くと…
「…棗?」
寝巻き姿の棗が立っていた。
「…お前、何者だ」
へ?なんや、急に入ってきたと思ったら…。
「この前、無効化以外のアリス使ってただろ」
あ、あぁ〜…そりゃバレるよな…。
記憶を消すアリスを創造して消してもええんやけど、作れたかてそのアリスが上手に使えることには直結せーへんから…下手すると違う記憶も消してしまうんよな…。そんなリスクのあるもん使えへん…。
「ん〜…秘密、かなぁ」
そんな答えでは納得しないというような顔で見てくる。
「ま、あんたの敵とかではあらへんよ」
「は、そういうことじゃ…」
創造のアリスで眠らせるアリスを作り、眠らせる。
棗、納得するまでずっと聞いてきそうやもんな…。
そして
「ごめんな、初校長にバレるわけにはいかへんのや」