ついに今日、アリス祭開幕です!
「すっご————いっっ」
特力系『RPG・アラジンと魔法のランプ』、かなりの出来である。
「
わっ、翼先輩かっこいー!
先輩達みんなアラビア系の服装になっていた。
その後美咲先輩に連れられ、ウチも衣装に着替える。
「おーっ!!可愛い可愛い」
先輩達が褒めてくれて嬉しさでいっぱいだ。
「では、特力RPG開店!!がんばるぞーー!!」
と、みんなで意気込んでいたのはいいが30分経っても人は来ず、外に通りすらしない…。
「なんでや…」
「まあ大半が潜在能力系エリアと技術系エリアに行くと思ってたけど、ここまでとはなー」
「ここ場所も結構不利ってのもあるよなー」
そうなのだ。1位争いの、潜在能力系エリアがある初等部と技術系エリアがある中等部とはかなーり離れている高等部が体質系と特力系のエリアになっている。
落ち込んでいると、やっと外に人が来たのが見える。
「特力RPGに…いらっしゃ〜い!!」
みんなで客引きのために声をかけるが、体質系目当ての男子生徒達だった…。
「特力RPGもおもしろいよ!!」
これを逃すわけには…と思ってなんとか来てもらえるように宣伝する。
「えー、特力なんてどーせ見なくてもたかがしれてるって。毎年そーだし」
笑いながら男子生徒達は体質系の方へ行ってしまった。
あーあ…『たかがしれてる』、かぁ…。
少し落ち込んでいると、翼先輩に抱き上げられる。
「なーにへコンでんだよ、あれくらいで。俺らにはこれくらいのハンデあった方が逆に有利なんだよ。さっきは失敗したけど一度客を掴めばこっちのもん。客がこっちに期待してない分、その期待を上まわって客を楽しませるのがそれだけラクってことだろ?いいスタートに立ったよな俺ら」
「だよなー、こういう方が俄然燃えるっつーか!」
「雑草魂ってやつだ!」
特力のみんなでまたやる気を入れ直していたら…
「おや、何だかお客もいないのに盛り上がってるねー♡もしかして僕ら1番乗りかな?」
鳴海先生!ルカぴょんにパーマもっ!
「来てくれたんっ!?」
「蜜柑ちゃんの事が心配でね♡ なーんて!」
「体質系はパフォーマンス祭がメインなのよ。模擬店祭には特に力を入れてないし時間に余裕があるからヒマツブシよっ。1番近場だったし」
あっ、そういえば…
「ルカぴょんかわいーっ!!ウサ耳やー!」
ティールーム『アリスのお茶会』の店員さんらしい。
「パーマもネコ耳やっっ!似合ってる〜!犬ネコ(体質)なだけに…ぷっ…」
「ぶっとばすわよ。あんたこそ何よ、そのヘソだしっ」
怒ってるパーマは気にせず、翼先輩に抱っこされながら手を広げて衣装を見せる。
「じゃーん!ウチは’’ランプの精’’でーーす♡」
「魔神だろ?」
あれ、そやったっけ。
「どう?ルカぴょん」
「え。ど、どうって…」
流架が顔を真っ赤にしている。
「蜜柑…そのへんにしといてやれ…」
へ?何が?
何かを察した人達が温かい目で流架を見ていた。
「簡単に言うと、挑戦者が迷路に入り迷路に散らばる俺ら特力メンバー演じる魔人を倒しゴールに行くってだけなんだけどルールがあるんだ。1つ目暴力や相手を傷つける行為は即失格。2つ目は武器について。挑戦者がアリスの場合は武器は1つ。あとは自分のアリスの使用のみ。3つ目、魔人を倒すためにはその武器と知恵を使って魔人の出す難問をクリアする事が条件だ。制限時間内に難問を解かなければ失格&即退場!魔人に『まいった』を言わせれば次へ進める。そしてゴールすると、選んだランプの持ち主の魔人を3つ願い事を叶えさせるまで拘束できる権利がもらえるってわけ」
そして早速鳴海達が挑戦してみることに。流架は美咲のドッペルゲンガーのアリスに惑わされあっという間に失格。鳴海はフェロモンのアリスを使い順調に進んでいった、が…。
「言っちゃなんだけど僕みたいなフェロモンで相手を意のままにしちゃう人間ならすぐゴールしちゃうんじゃあ…」
フッフッフ…。
「じゃーん!ウチに
ウチにはフェロモンのアリスは効かへんもんねっ
「あちゃ〜、ナルホド…」
蜜柑はゴール前にほぼ常駐なためアリスだけでは最後突破できない仕組みになっていたことで、鳴海も失格に…。
3人が体験してくれたことがきっかけなのかわからないが、特力RPGはいつからか行列ができるほどの賑わいに。何回挑戦してもゴールできない難しさと、ゴールすれば誰かを従えさせられることができるという特典が効いたらしい。
「あ、ルカ君この特力エリアにいるみたいだよー。何か特力の出し物面白そうだよ!棗君」
「あー、いたいたルカ君」
整理券を配っていた流架に声をかける。
「棗っ…達。どうしてここに…」
「……」
棗がじっと流架の頭を見ている。
「ウサ耳だー」
「あ…えっ…」
棗と心読みにウサ耳を引っ張られ流架が恥ずかしがりながら困惑していると…
「キャーーッ♡棗君♡♡なぜここへ!?特力のバカ共に捕らわれて身動きのできない私を探してここまで来てくれたのね〜〜〜〜…♡♡」
さっさと帰ればいいのに勝手にヒマだからって会場整備買ってでただけだし、しかもシキリたおして流架を巻き込んだ張本人であるスミレが棗に抱きつこうとしていた。…のを、スッと避ける棗。
「アハハハハ、バカじゃんこいつ。おかしー、アハハアハハ」
B組メンバーがそう騒いでいると、当然周りの視線が集まってきて、棗がいるとザワザワし出した。
「えっ棗!?あっほんまやー!棗がきとるーっっ!!何々ー!?みんなでウチんとこ遊びに来てくれたん!?」
蜜柑がセットを乗り越え棗の方へ駆け寄っていく。
「……何だそのかっこ」
フフン、似合うやろ!
「胸どこだよ、真っ平じゃん」
棗が蜜柑の胸を覗いてきた。
「な、なぁぁぁあああ————————————っっ!!???」
「こーら、チビ何サボってんだー」
蜜柑が怒りに震えているところに翼がきた。
「翼先輩っっ!!!!!」
言葉にならない言葉を発しながら翼に泣きつく。
「あーー…、何かあったわけね…」
蜜柑を抱き上げながら、棗達に話しかける。
「何?ウチのRPGためしに来てくれたのか?」
蜜柑を抱っこしている翼と、されてる蜜柑をじっと棗と流架が見る。すると、喧嘩を売るように翼を睨めつけ流架と一緒に帰ろうとする棗。その姿に違和感を覚えた翼が蜜柑をギューっと抱きしめてみたら、勢いよく棗と流架が振り返ってきた。
「(おおっ、そういうことね。おもしれーーー)」
そんなことをしている間にいつの間にか心読みが整理券を取っていたので、特力RPGに挑戦することになった。
セットの中に入る前まで蜜柑とぴったりとくっついていたら、棗に『ベタベタしてんじゃねえ。速攻奴隷にしてやる…』と言わんばかりにものすごい睨まれてしまい、挑発しすぎたと焦る翼であった…。
その後棗は武器としてひいたメカゴキと、自分のアリスで順調に進んでいき、あっという間に翼のところに行き着いた。
「よお、もうここまで来たのか」
すると、棗の後ろから照明が当たる。
「さてと、では出題。30秒以内に俺に触れることができればここを通してあげましょう」
照明のせいで棗の
「よっ」
自分と同じ動きをさせる影あやつりで棗に変な格好をさせると、さらに不機嫌な顔になり睨んでくる。
「あっごめんごめん、怒った!?冗談じゃん!」
その瞬間、翼の周りに火の玉が出る。
「おいっ、危害与えるのは反則…え…あり??火で影が消えちゃった…」
影が踏まれなくなったことで動けるようになった棗は、翼の顎を軽くこつく。
「てめーの負けだな」
「げーー!!棗っっ!あんたもうこんなところにっっ」
「てめえかよ…」
なんでそない脱力するん!
「ウチに一切触れずに30秒以内にウチをこのじゅうたんから下ろすこと、それがここを通るための条件!言っとくけどウチを前にアリスでどうこうしようとかムリやからなっ!」
棗が試しにロボゴキを投げてみるが、野性児の蜜柑には効かない。
「はっ、ウチはゴキブリなんか怖くありませーん」
少しの間棗が固まっていると思っていたら、壁に寄りかかりながらしゃがみこみ始めた。
「…棗?ちょ、何のマネ!?仮病なんやったらそんな手には…」
仮病だと思いそう話しかけていると、棗の荒い呼吸が聞こえてきた。
「ちょっと……棗…?」
前の’’過労による体調不良’’、この前聞いた’’命を縮めるアリス’’の話が脳内をよぎる。
うそ…まさか…っ!
「棗っ!」
心配になり駆け寄ると…
「バ————————————カ」
………………は???
うわあああああん翼先輩〜〜!!!!
クリア1人目になった棗を睨みながら翼先輩に抱きつく。
「本当にゴールするとはね…。ゴール商品の授与なワケですが…ランプを選んで貰って、そのランプの持ち主の魔人が…」
「さっさとよこせよ」
説明を無視される翼。ゴールはされたが、自分のランプが選ばれるかはわからないと思っていたら…
「…おい、読め」
心読みに翼の心を読んでランプがどれか当てさせた。
「げっ、汚い手使いやがってーっ!」
「……これか」
心読みが手渡してきたランプを開けてみると、まさかの『佐倉蜜柑のランプです』と書かれた紙が出てきた。
「あれ?佐倉さんのランプを選ぶんじゃなかったの?さっき棗君の心に佐倉さんの顔がみえたもんだからつい…。ごめんねーー」
な、なんてこった……。