「しゃ、社長になんて言われるか…!!この通り!僕を助けると思ってお願いします!!」
そ、そう言われてもなぁ…。
その後断り、お願いされ、断り…というのを繰り返すがなかなか諦めてくれない。
「はぁ…わかりました。とりあえずお話聞かせてもらってもええですか?」
うちが諦めて受け入れると、マネージャーをしているという目の前の人は飛び上がって喜び始めた。
「ありがとうございます!!本当にありがとう…!!!こっちです」
数分歩くと、株式会社SeaStarsと書かれているビルに到着した。
コンコン
マネージャーさんがある部屋の扉をノックする。
「どうぞ」
開かれたドアの向こうには30代くらいの女性がいた。
「あぁ!その子を連れてきてくれたのね!占いの時に見た子だわ!」
どうやら先ほど言っていた占いのアリスを持っている社長さんらしい。ここは社長室か…。
ソファに座るように促されたのでそれに従う。すると目の前に座った社長さんが挨拶する。
「急にお呼びしてしまってごめんなさいね。株式会社SeaStarsの社長 相田真里子よ」
「佐倉蜜柑いいます。よろしゅうお願いします」
すると、お茶を持ってきたさっきの男性からも自己紹介を受ける。
「改めて林颯太です。話を受けてくれて本当にありがとう…うっ…本当に…」
なんか泣き始めた…。頼りない感じの人なんかな…。社長さんも結構怖い人なんかも…。
「えっと…社長さんがうちをアイドルにしたいとかなんとか…」
泣いている林さんを横目に社長さんに要件を聞く。
「えぇ、さっき林からも説明を受けただろうけど…うちはアリスを持った子だけの芸能事務所なの。今あなたと同じ小学生でデビューさせたい子がいて、そのグループに入ってくれる子がいないか占いのアリスを使ったらあなたが見えたの。それで林に行ってもらったというわけ」
なるほど…。でも…
「アリスの子供って…普通アリス学園に行くんと違うんですか?」
「本当はそうね。でも、ここは私もマネージャーも含めアリスであり、子供達を守ることが可能であると判断されたために特別に許可されているのよ。まぁ、それでも許可が必要なのはあなたに入ってもらいたいグループの子達だけだけどね。他はもう卒業している人ばかりよ」
そんな特例があるんや…。
「それで…グループには入ってもらえるのかしら」
うーん…。東京に来たんは蛍に会うため。それなのにここで時間食ってる余裕はあるんやろか。夏休みだとはいえ…。
どうしようか悩んでいると、社長室のドアが開いた。
「おはようございまーす」
入ってきたのは、同い年くらいの男の子3人。
「みんなおはよう」
社長と林さんが挨拶すると、その二人と向かい合って座っているうちに気づいた。
もしかして、この子らがさっき言ってた…?
「紹介するわね。さっき話したあなたに入ってもらってデビューさせたい子達よ」
社長さんが3人に名前を言うように目で指示すると、困惑しながら自己紹介をし始めた。
「えっと…初めまして、佐野悠真です」
「俺は黒川大輝」
「…白石、碧です」
自己紹介してくれたんに無言で返すわけにはいかへんから、うちも自己紹介をする。
「うちは佐倉蜜柑いいます、こんにちは」
それから、3人に社長さんから事情を説明される。
「私がいうのも何だけど…この子達は大人顔負けのダンス力、歌唱力、可能性を持ってると思ってる。でも、この3人だけではまだ一歩足りない、それを埋めてくれる誰かをずっとずーっと探していたの。あなた顔綺麗だし声も綺麗だし占いで出たということはアリス持ち!これ以上の子はいないわ」
う、うーん…でもうちアイドルしに東京きたわけちゃうしなぁ…。
「まぁ、でもあなたが嫌というならもちろん受け入れるわ。強制してやって欲しいわけじゃないの」
社長が眉を下げ微笑みながら伝えてくる。
「社長、そろそろ…」
林さんが社長さんに声をかける。
「あぁ、こちらから話かけたのにごめんなさいね。打ち合わせがあって…。良かったら、3人のレッスンの様子でも見ていって」
「あ、はい」
それくらいならせっかくだし、と受け入れた。