蜜柑がアイドルに!?   作:haina07

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第31話 後夜祭

ついにアリス祭四日目。

「後夜祭のダンスパーティーでラストダンスを踊った者同士が結ばれるって伝説知ってる!?」

……伝説?

後夜祭のダンスパーティーはどうやらアリス学園における恋の3大イベント(?)の1つらしく、朝から女の子達が何やら色めきだっております。

そんな様子を蜜柑と蛍が遠目から見ていると…棗と流架の周りに初等部や中等部の女の子達が集まっているのが目に入る。

「なあなあ、あれ何?」

野乃子ちゃんに聞いてみる。

「ああ、棗君と流架君のとこに女の子達がダンスの相手の誘いに来てるみたい」

ええ!?あの棗に!?

「ったく!なんなのよあの女達、ずーずーしいわねっ」

パーマ!

「あの子達ちょっと前までは棗君の事怖がって2人を影から見てた奴らばっかだったのに、ここ最近の棗君の空気がやわらかくなったって評判でいきなりずーずーしい奴急増よ!それに加えて体質系の劇!中等部にまでヌケガケして『彼女になりたーい』な奴らがでてきてとりしまるの大変なんだから」

え゛〜〜〜…女の子のパンツ脱がすようなセクハラ男がモテるって…。

今イチ乗り切れないウチと蛍はなんだかおいてけぼり感満載です。

「ねーねー、蜜柑ちゃんはラストダンス誰と踊るの?もしかして流架君!?」

クラスメイトの女子が話しかけてくる。

へ?ルカぴょん?

「だってだってー、2人って劇の白雪姫と王子様コンビだしー!キスまでしちゃった仲だしー♡」

な、ち…ちが、あれは…!

少し離れたところにいるルカぴょんの頬が少し赤くなっている気がして余計に恥ずかしくなる。

「あの子が劇の王子様役の…?」

「もしかして棗君か流架君とつきあってる?」

「まさかあの子と踊る約束してるとか??全員断られちゃったし」

棗と流架の周りに集まっていた他のクラス・学年の女子達がコソコソ話し始めた。

「てかいうほど可愛くないよね。誰よ、美人って言ってたの」

は??

「なんでウチがあんなこと言われなあかんねーん!!お前らのファンちゃんと教育しろー!ウチが棗と(ルカぴょんはともかく)ラストダンスなんて、まして付き合うなんてずえ————ったいありえへんわ!」

苦情を叫んでいると、「それはこっちのセリフだ」とイライラしている棗に返された。

 

それからそれぞれ更衣室で男子は礼装、女子は中等部は’’妖精’’を、初等部は’’天使’’をモチーフにしたドレスに着替える。

後夜祭は屋外立食パーティーになっていて、真ん中のキャンプファイヤーを囲んで後でダンスが始まるらしい。

野乃子ちゃんとアンナちゃんは岬先生を見つけたら一目散にそっちの方へ行ってしまったので、黙々とご飯を食べている蛍にくっつく。すると、女の子達を無視しながら歩いている棗とルカぴょんに会う。

なんかいろんな意味で今なんとなく会いたくなかった人らばっか…。

『では只今よりフォークダンスを開始しまーす』

そのアナウンスが聞こえてきて、2人から離れようとするといきなり棗に突き飛ばされたルカぴょんがぶつかってくる。

え、な…棗!?

棗は気にせずスタスタとどこかへ歩いて行ってしまった。

気まずかったはずの流架と近くで目が合ってしまったらどうでも良くなってきてダンスを踊る。劇以降少し気まずかったのがなくなるように、自然と話して、笑うことができていた。

そのあと色々な人とダンスを踊って楽しんだ。

「あれ、蜜柑ちゃんどこいくの?」

委員長からの質問に、トイレと答えてその場を離れる。

トイレを済ませたが少し気分転換をしようと思って人がいない方へ向かう。草が生い茂っているところへ行くと棗が隠れて休んでいた。

な、棗!

「……フン。つまんねえ」

不機嫌そうな顔は相変わらず。

「何で?文化祭、楽しくなかったん?」

「所詮こんなの俺には関係ない」

どう返したらいいか思いつかなくて、そう言う棗の横顔をぼうっと見つめる。

「お前、あんまり()()()()に足踏み入れようとするな。考えてねえその頭で見なくてもいい闇にこれ以上入ってくるな」

いきなりだったが、棗が言いたいことはすぐにわかった。

そうは言われてもな…。

「……もういい、さっさとどっか行け。はやくきえろ、ブス」

は!?何それ、またいきなり!!

「あんたなあ、いーかげんブスとかバカとか水玉とかいちご柄とか言って人の名前…」

「…’’みかん’’」

へ……。

「’’みかん’’」

な…。

初めて名前をちゃんと呼ばれ思考が停止する。

「…もういけ、反論却下。 ’’俺の呼び方にこれ以上文句言うな’’、3つ目の命令だ」

 

『————それではラストダンスのナンバーです。お目当てのお相手をお探しの方は——』

「あー!いたいた、蜜柑ちゃーん!」

委員長と野乃子ちゃん、アンナちゃんが少し遠くから声をかけてくる。

「ねえすごいんだよ、蛍ちゃん!」

「最優秀個人賞を貰った人はラストダンスの相手を優先的に選ぶ権利があるとかでさっき舞台に連れてかれちゃった!!」

「あれ?蜜柑ちゃん…」

「顔赤いよ、どうしたの?」

……。だってあいつ、いきなり真面目に人の名前呼ぶんやもん…。

『では新人賞、初等部B組今井蛍さんの希望されたラストダンスのお相手は、佐倉蜜柑さんです!』

そのアナウンスに驚きながら、さっきのことを忘れるためにも蛍とのラストダンスをしに駆け寄る。

 

いろんな事があったけど、とにもかくにも本日をもって文化祭全日程無事終了です!

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