「そういえば今日だよね、委員長が帰ってくるの」
そう、優等生賞を受賞した委員長。その特典として今1週間里帰りをしているのだ。
みんなはお土産が楽しみで仕方ないようだ。
でも、気になっていることはそれだけではなくて…
「この前またアリス失くした人でたんだってー」
「なんかこえー」
’’
各クラスで先生からの事件はされている。アリスの形が原因のものではなく、とにかく突如としてアリスが消えてしまうというもの。被害者はまだ6人しかいなく、みんな外で過ごしている大人のアリスの人らしい。…でも、それが本当なのかはわからない。
だって、この事件についてウイルスかもしれない、まだわからない、なんて言っているがきっと大人達はわかっているのに言わないのだ。 ’’盗みのアリス’’だ、と。
そりゃ確証できた情報ちゃうし言えないだけかもしれんけど……。この学園に裏があるのは今に始まったことやない。もっと、昔から…。
今日は能力別授業の日。クラスに1番に到着したのですることもなくボーッと事件について考え事をしていると、ドアが勢いよく開く音がした。
「お久ーっ!————って、お前…だれ?」
高等部の制服に身を包んだ男子生徒と目が合った。
「ちわーす…ってあれ?」
「おー翼〜」
蜜柑と先ほどの男子生徒がキャッキャと遊んでいると翼と美咲が教室に入ってきた。
「あー殿きてる〜めずらし」
「今すぐそいつから離れろ蜜柑。妊娠するぞ」
へ?
「そういやお前には何も言ってなかったっけ。こいつは殿内明良、高3。特力の代表だよ。そんで女好き」
「よろしくなーチビちゃん」
特力代表やったんか!
「殿内君は増幅のアリスの持ち主でね。簡単に言うと他人と共鳴する事によってその人のアリスを一時的により大きく強く引き出すアリスです」
あ、のだっちいつの間に…。
「彼の力を’’パートナー’’として必要とされる事がとても多くそれにこれも君と同じくめずらしいアリスなので、よく’’外’’の仕事に同行させられることが多くて
’’外’’…。もしかして盗みのアリスの関係で戻ってきたんやろか…。外より学園の方がそりゃ安全やし。
「いいんちょー帰ってきたよー!」
クラスメイトの1人が教室のドアを開けてそう叫ぶ。
「おみやげらーーっ!!」
みんながお土産に大騒ぎしてると委員長は哀しみ始めてしまった。
冗談じゃーん、とみんなで慰めながらお土産を受け取っていく。
「やだーーーっ!!ちょっと誰の仕業よこれ!!」
お土産に盛り上がっているとパーマの声が耳に届く。買ってきてもらったレア人形のケースに髭を生やし’’パーマ風’’とラクガキがされていた。
「許せなーーい!!!」
「誰の仕業だろうねー」
「ねー」
「ほー、お前らか……」
ペンを隠しもちながら知らんぷりをする心読み君とキツネ目君に気付きパーマが鬼の形相になる。
「ちょっと委員長!こいつら幻覚で懲らしめてやってよ!文化祭の時みたいにエッグいので!」
「え、なんで僕!?」
「’’委員長’’でしょ!?」
パーマからの圧で委員長が仕方なくアリスを使おうとすると————
「あ…れ…
え…
「飛田くんについて本部の研究所に隔離・検査中です。どういう理由であれ誰とも面会は許可できません」
その後鳴海先生からの注意が続くがみんなは困惑したまま受け止めきれていない。
委員長……。
「先生っ」
廊下に出ていったのを蛍と追いかける。
「お願い、委員長に会わせて!」
ダメもとでお願いするが、やはり許可は降りなかった。でも諦められず交渉し続ける。
「お願いお願い、委員長どうしてるのかだけでもおしえて!」
「心配なのはよくわかったから…伝言とかあればそれなら伝えても…」
そこまで鳴海が言うと、
「信じられるか、ウソツキ」
と蛍が鳴海の後頭部に、開発した威力が強い空気砲・バカン砲を当てる。
ほ…蛍!?
「何してんの、行くわよ蜜柑」
鳴海の近くで何かカチャカチャ、ウィーンという音をさせていると思ったら鳴海の頭頂部に何か機械を取り付けて鳴海をリモコンで操作し始めた。
へ!?どーなったら人を動かせるん…!?
「い…いいの〜蛍、こんな事して〜…」
そのまま操作しながら本部にまで行き、委員長がいる部屋までたどり着く。
「……こんな所に2日も1人で、不安で仕方なくて…きっと寂しがってるわ」
蛍…。
部屋を開けるとガラスの向こうに委員長がいた。
「蜜柑ちゃん、蛍ちゃん!」
委員長!!
近寄ってガラス越しではあるが手を重ねると…どんどん委員長の目からは涙が溢れてきた。
「……来てくれて、ありがとう…。僕、どうなっちゃうんだろう。みんなとこのまま…会えなくなっちゃうのかなぁ…?こんな形で帰る家は…………やだな…」
次の日、みんなで千羽鶴でも折ろうかと話していると教室のドアが開き委員長が入ってきた。
「いいんちょーっ!!!」
「どーしたの!?戻って来れたの!?」
「大丈夫!?」
「アリス元に戻ったの!?」
一目散に駆け寄りそれぞれに質問を投げかける。
「ううん、残念ながらアリスはまだ…。心配かけてごめんね。一応調査や検査は一通り終わって、その結果ウイルスの可能性はまずないってことで一旦戻る事を許してもらったんだ。アリスがなくなった原因はまだわからないみたいなんだけど…心当たりは…あるみたい」
「え、本当!?」
みんな委員長を囲いながら話を聞く。
「僕…アリスを失う前後の行動を事細かに聞かれたり、記憶を見るアリスの人にいろいろ覗かれたりしたんだけど…学園の人達、学園に帰って来る直前に会った女の人に何だか、目星を付けてる様なカンジだった。多分その女の人は’’他人のアリスを盗む
盗みの、アリス……。
「その女の人は、’’Z’’っていうアリス学園の反体制組織の人だって話してたような…」
Z…やっぱりお母さんはそこに…。
その時、ウ————と警報が響く。
緊急サイレン…?
「皆さん!学園内に侵入者が入りました!教室の外には出ないでください!」
副担先生がいきなりきたと思ったらそんなことを言っていなくなってしまったので、みんなが急に騒ぎ始める。
侵入者…!?警備がしっかりしているこの学園に…?どうして…。
「その侵入者…’’Z’’みたいよ」
蛍の言葉に驚く。
「今
まさか……。
ちょうど委員長と話していたのもありみんながザワザワしているのを良いことに、蜜柑は誰も気付かれないように