「あの男結界能力・爆破・幻覚・
「女に
遠くからそんな声が聞こえてくる。
やっぱり…この侵入者は……。
そんなことを考えているとすぐ後ろに
!?
「こんな所に子供…?学園の生徒か…」
幸い2人以外にZの人もいない。学園の職員もまだ少し遠い所で消えた2人を探しているようだ。
ここは…賭けるしかない。
「………おかあさん」
そう言って女性の方を見ると目はサングラスであまり見えないが、動きが一瞬強張り動揺しているのがわかる。
信用してもらえるように、男性に手を伸ばし一つのアリスを
「な…!?」
「話がしたいです。5日後に外で会いませんか」
2人は混乱しながらも少し小声で話した後蜜柑の言葉に頷く。
「おい、こっちじゃないか!?」
学園の職員の声が近くなってくる。
2人は場所を蜜柑に伝えてからアリスを使い逃げていった。
誰もいない使われていない教室に移動し、教室に急いで戻る。
「蜜柑ちゃん!」
「蜜柑!!あなたどこいってたの!?」
蛍や委員長達が駆け寄ってくる。
「え、あーごめんごめん!トイレ行きたくなってもうて」
「………本当に?」
蛍が疑わしそうな顔をして見てくる。
さすが、蛍は勘が鋭い…。
「ホンマやわ!そんな、他にどこに行くっていうんよ〜」
誤魔化せるか不安やったけど、とりあえずウチが特に何もなく帰ってきたからか、そう…とだけ言ってもう気にしていない様子やった。
次の日、なぜか委員長のアリスが戻っていた。
一時的に何かしらの理由で消えてしまっていたのだろう、って言うだけで生徒達には原因不明やと伝えられとったけど実はお母さん達が逃げた先で鳴海先生と会い、そこでこっそり盗んだアリスを返していたことをうちは知っている。
5日後。林さんにお願いして仕事を入れてもらい、朝から学園を出る。
そういえばクラスメイトにはなんて誤魔化しとるんやろか…。
もちろん嘘なくちゃんと仕事はやるけど、予定より早く終わらせて林さんの迎えが来るまで控室には一応分身を置いて、外にいる監視係にバレないよう待っとるフリをする。そして自分は
「こんにちは」
3人で集合した瞬間、志貴さんが認識を阻害させるという機械と結界のアリスも使って話しやすいようにしてくれた。
「来てくれてありがとうございます。佐倉蜜柑いいます。まずは、委員長のアリス返してくれてありがとうございました」
「委員長……あぁ、ナルが言っていた初等部の男の子…。Zで上から指示されたからと言ってあの子には悪いことをしてしまったわ。あの子に直接謝ることができなくて申し訳ないけど、あなたを通じて謝らせてもらいたい…。本当にごめんなさい」
「良いんです、もう…委員長が気にしとらんから。あなたがそうしなくてはいけない環境にいるのも知っとるから—————」
なぜ知っているのか、本当に娘なのか、どうして声をかけたのか…疑問は多くあると思ったので蜜柑が自分から答えるようにした。自分のアリスのこと、タイムトリップのアリスで昔の学園や柚香達を知っていること———初校長を亡失させたいと思っていること……。
「本当に、蜜柑なのね…。アリスを使ったところを見てから疑ってはいなかったけど…アリスとは関係なくあのおじいさんの家で暮らしていると思っていたから…」
きっかけは蛍やったけど…もしかしたら蛍がいなくても学園に行ってたりしてたんかな…。
「でも、こうして蜜柑に会えて嬉しいわ…もう二度と会えないと思っていたのに…」
目に涙を浮かばせているのを見て、気まずいのを堪えて抱きつく。
驚き涙をこぼす柚香を見て、蜜柑も過去の旅で見たことを思い出して涙を流した。
「ウチも…ウチも、お母さんに会えて嬉しい……。お母さん、大好き。お父さんも大好き…っ」
「蜜柑…っ。あなたをもう一度この腕に抱けるなんて…。先生と私の大切な大切な、蜜柑…」
もう、1人にはさせたくないと、お父さんの代わりに自分が支えると意志を強くした。
その後、3人で計画を立てた。秘密裏に伯父さんとは連絡取っとったらしく、伯父さんにもお母さんと志貴さんから連絡を入れてくれることになった。
「あ、ウチそろそろ行かな」
「柚香、僕達も行こう」
「そうね、続きは今度ね。…またね、蜜柑」
「うん!じゃあね、お母さん。志貴さんもまた」
「ああ」
お母さんと目を合わせて微笑み合いながら
初めて…言葉を交わせた。初めて、お母さんに大好きだと伝えられた。初めてお母さんに抱きつくことができた。
聞き慣れていないはずなのにどこか懐かしい声と温もりが心地よかった————。