蛍や流架達に支えてもらってなんとか倒れている柚香の方へ近づく。
攻撃してくる初校長を倒してからお母さんを回復しようと思てたのに…こんなに時間も
「おかあさ…、おかあさん…っ」
身体を揺すると、少しだけ目が開いた。
「み、かん…ごめんね……。おかあさん、みかんのこと…だーいすき、よ」
蜜柑の頬に手を伸ばし涙を滲ませながら笑う。
ぼろぼろと涙が止まらない。
「るな…ごめん…ね」
月は初校長から打たれた麻酔はもう弱まったようで、顔をぐしゃぐしゃにしながら隣に座っていた。
「ゆかちゃん…っ。私こそ…ごめん、ごめんね…!!」
柚香の目は徐々に開かなくなっていき、反応もしなくなってしまった。
「まだ病院の先生方や治療系アリスを持つ医療班は到着しないのか!!」
ずっと止血をしているがそれでも流れていく血が多すぎる。
…アリスを使いすぎたからってなんや、お母さんのこと助けられるかもしれへん
創造のアリスで癒しのアリスをつくる。
蛍のお兄さんみたいには到底できへんし、どこまでウチが持つかもわからん。でも、ここでやり切らなあとで後悔する…!!
「う、ぁ…!」
「蜜柑、何を…!?」
蜜柑を支えている蛍の目が開かれる。
「蜜柑ちゃんダメだ!それ以上アリスを使っては…!!」
鳴海が蜜柑にそう注意するがアリスを使うことをやめない。
「はぁ…っ、はぁ、はぁ…」
さっきよりもさらに呼吸は荒く、視界もぼやけてきた。それでも絶えず癒しのアリスを使い続ける。しかし、出血はかなり減ってきても銃創の傷が塞がるまでにはいかない。
「やめてくれ、このままでは君は力を使い果たしてしまう。限界値以上のアリス使用は死んでしまう可能性もあるんだ。それは柚香が望む結果ではない!」
志貴がむりやり蜜柑を柚香から剥がそうとする。
「いや!いやや!!やめて…!!お母さんを治療させて!」
必死に争うが、ただの子供が成人男性の力に勝てるわけがなく簡単に身体を動かされる。
「志貴さんやめて!!ウチはまだ…っ…………ぅ……かは…っ!」
もうアリス使用量が許容値を超えすぎたのか、蜜柑の口から真っ赤な血が吐き出された。
「なっ…!」
それに驚いた志貴が少し蜜柑を掴む力を弱めてしまった隙に蜜柑は再び柚香の元へ戻る。
「は、あぁぁぁあぁぁあああっ!!!」
最後に残っているかもわからない力を振り絞って柚香に癒しのアリスを使う。
ぼやけた視界でも血が止まっているのが見える。しかし、傷はまだ開いたままだった。
「蜜柑!蜜柑!」
「佐倉!」
「蜜柑ちゃん!!」
蛍やみんなの声が聞こえる。
ごめん、ごめんなさい、お母さん…。ウチが…アリスをもっと強くしていたら……。
救いきれなかったと自責の念に駆られながら、蜜柑の意識はそこで途絶えた。