「蜜柑ちゃん、そろそろ部屋に戻ろうか」
柚香の隣で泣きじゃくっていた蜜柑が落ち着き始めた様子を見てそう鳴海が声をかけた。
「柚香も蜜柑ももう休んだほうがいい。まだ完全に回復したわけではないんだから」
志貴の言葉に素直にうなづく。
「おかあ、さん…また、くる…ね」
「ええ。ゆっくり休むのよ、蜜柑」
また車椅子を押してもらい柚香の病室を後にする。
体は重くて普段通りに動くことも話すこともままならないが、また母の温もりを感じられた喜びで心は今までの中で一番軽かった。
病室に戻り、蛍と2人でのんびりしていると病室にノック音が響く。
「あ、来たわね」
誰やろ…?
「佐倉!」
「蜜柑ちゃん大丈夫!?」
え、ルカぴょん、委員長…みんな!来てくれたん!?
「もう、佐倉さんったらまた問題に首突っ込んで…!心配したのよ…っ」
スミレが目に涙を浮かべながら蜜柑に文句をこぼす。
「ごめん、な…。お見、舞い…ありが、とう…っ」
パーマのせいでもらい泣きしてまいそうやわ…。
「少し良くなったけど…それでもまだ起きたてで声が出にくいのよ、あまり喋らせないでちょうだい」
蛍が気遣い、それぞれ一言ずつ交わして病室を出ることになった。
「蜜柑!無事でよかった…。ずっと心配してたんだぜ?ま、今はゆっくり休めよ」
「つばさ先輩…。ありが…と、うな…!」
翼の後ろには殿内もお見舞いに来ていた。
「よお、蜜柑。とりあえず元気そうでよかった。他の特力のメンバーも来たがってたが、みんなも来たら迷惑だからってやめたんだ。だから早く元気になって特力のみんなでまた遊ぼうな!」
「うん、また…みんな…と、あそびたい…っ!」
教室から蛍と流架と3人で抜けた後帰って来ず、蜜柑達の逃走のせいで学園中が混乱していたらしく心配していたとみんなから聞いた。蜜柑は、たくさん心配をかけてしまったという申し訳なさとこうして心配してお見舞いに来てくれたみんなの気持ちが嬉しかった。また、小泉月に関しても蜜柑が眠っている間に説明があったらしく、操られていたり疑っていたりした生徒から謝罪もされたが蜜柑はお互い気にしないという話にした。
みんなと話し終わったあと、話しすぎたせいで咳が出てきた。
「佐倉!大丈夫?」
「ごめ……けほっ」
蛍が水を手渡してくれたおかげでなんとか咳がおさまる。
「一気にたくさん人が来て疲れたのね。ルカ君、私達も行きましょ。もう今日はゆっくり休んで。また明日も来るから」
「またね、佐倉」
最後までいてくれた2人にお礼を言って見送ってから、ベットに横になり目を閉じた。
あれ…そういえば……棗、は……。
そう思いながらも眠気には勝てず意識を手放した。