「まじだ!蜜柑久しぶり!どうだ、びっくりしたか!?」
え…そら、もちろん…。でも周りの目が怖くてそれどころやない……。
「碧、いい加減蜜柑ちゃんから離れな。困ってるでしょ」
「え〜!!だって久しぶりに会えてうれしいんだもん〜」
そんなやりとりをしていると、スミレが話しかけてきた。
「ちょっと佐倉さん…?3人とどういう関係なのかしら…?」
あ、え〜っと…。
「蜜柑が東京に来た時、僕らに偶然会って仲良くなったんだよねーっ!」
碧からの助け舟に感謝しながら、咄嗟に思い切り頷く。
「棗君に、Stella Curareのメンバーまで……もうなんなのよ!ずるいわ!!」
イライラし始めたスミレを見て心読みが爆笑している。
「蜜柑……」
少し離れたところにいた蛍の声が耳に入る。
まずい…また秘密にしてたこと怒っとる…!?
「ひぃ、蛍様〜!お許しを〜!!」
碧の腕から脱出し蛍に謝りに行くと、蜜柑の予想とは裏腹に蛍の目はキラキラしていた。
「どうしようかしら…。あぁ、でも蜜柑があの3人の写真を撮らせてもらったりしたら……ねぇ?」
蛍、すでにお金に目がくらんどる…。って、もうカメラ準備しとるし!撮らせる気満々やん!
「ちょ、それはなぁ、事務所の許可とかあるやろうし…ウチからお願いしても受けてもらえるかどうか…」
「へー…、じゃあ蜜柑は許してもらえなくていいのね?ふーん、そうなの……」
ひ、ひぃ〜!鋭い視線が〜…。
「えー!その写真私も欲しい」
「私も!蜜柑ちゃんお願い!!」
「ずるい、私も〜」
「佐倉、頼んだ!!」
二人の会話を聞いていたクラスメイトが、蜜柑に押し寄せてきた。
ちょ、みんな落ち着いて〜…!
すでに混乱状態だったクラスが大混乱状態になりかけていたため、蜜柑は大輝、悠真、碧の手を引いて教室を飛び出した。
はぁ、はぁ、はぁ…ここまでくれば大丈夫やろ…。
「急にどうしたの、蜜柑」
「どうしたのやあらへんわー!!いきなりのことでウチも何がなんだか……」
「いやー、クラスのみんなすごい勢いだったな!」
「クラスメイトが応援してくれる、なんて初めてだし嬉しいよね」
そ、それはそうやろうけど…。
「その前に確認したいんやけど、なんで3人とも学園に…」
「えっとねぇ、実は…」
悠真からの説明をまとめると、学園の改革の一つとして、条件は厳しいが学外での活動もしながら学園にも通えるような制度が作られたため事務所へ連絡がきた。そして3人は、色々な制度の見直しがされ変化している今の学園になら、と思い蜜柑にも会うために今回編入を決めたそうだ。
ここ数ヶ月で初校長が代わり学園の改革が凄まじい勢いで変化している。その影響で、昔の棗や蛍のように学園から逃れていた人達も、新しいアリス学園には興味を持ち入って来てくれる生徒も増えてるという。
「そういうことやったんか…」
「まぁ、今までより仕事の量も練習時間も減っちゃうけど…それでもこうしてみんなと学校には通ってみたかったし…」
少し照れくさそうに話す碧を見て、こっちまで嬉しなる。
「あ、そういえば…さっきパーマ巻いてる女の子が『棗君にStella Curareのメンバーまで…』って言ってたけど、"棗君”ってだれぇ?どういうこと〜??」
え、あ〜…えっと…
彼氏、と言うのが恥ずかしくて言い淀む。
「もしかして…蜜柑ちゃんの彼氏だったり……」
悠真からの言葉で、蜜柑の顔が真っ赤になる。
「マジかよ!おめでとう!!クラスの奴か!?」
「当たってたんだ!?おめでとう〜、よかったね!」
なにこれ、照れ臭すぎるよ〜…。
三人がそうして盛り上がっている中、碧は一人俯いていた。