朝起きると、足が動かない。何かと思って見てみると、碧が蜜柑の足に乗っかって寝ていた。
あ〜…あのままリビングで寝てしもうてたんや…。
碧を起こさないように気をつけながら立ち上がる。
「んーっ!!」
背伸びをしながら周りを見ると、大輝と悠真もまだ寝ているのが目に入る。
今日も事務所に行く予定やけど、まだ早いし起こさんでええか。
朝ごはんでも作ろうと思い、身支度を整えてからキッチンに向かい料理を始める。
少しすると、匂いでなのかお腹を鳴らしながら大輝が起きてきた。
「蜜柑、はよ〜…。いい匂いする…」
「おはようさん。もうすぐできるから顔洗ったりしとって〜」
蜜柑にお礼を言いながら洗面台の方へ消えていった。
そろそろ碧と悠真起こすか…。
「碧〜」
「ん〜…」
目を擦りながらぽやぽやした感じで起き上がってくる。
「おはよ。朝ごはん食べよ」
「おはよ〜…ごはん作ってくれたの?ありがとぉ」
そう言ってにへっと笑う。碧は朝からかわええなぁ…。次は、悠真か。
「悠真〜起きて〜!」
そう言って肩を揺らした瞬間、ハッと碧が蜜柑の名前を叫ぶ。
え?なに?
と思った瞬間、肩を揺らした手を悠真に掴まれる。
「んだよ、うるさ…」
低めの声が耳に入ってくる。
え???
「悠真…朝はすっごい低血圧で起こすと機嫌悪いんだ…」
何が起きたのか分からず、混乱しているとこちらを向き睨みかけてくる。
ずっと優しかった悠真にそんな一面があったなんて…と驚いていると、意識がはっきりしてきたのか急に起き上がる。
「あ、あ〜蜜柑ちゃんか!ごめんね、ちょっと寝ぼけてた!」
「え、あ…うん。…ごはん…できるで…」
混乱しながらもとりあえずそう伝えると、お礼を言いながら悠真も洗面台の方へ向かっていった。
び、びっくりした〜…。
「…悠真がこんなに早く起きるなんて…。いつもは睨んでまた寝始めちゃうのに…。
これからは蜜柑に起こしてもらおう!」
と今まで苦労していたのか、解決策が見つかったと放心状態の蜜柑の隣で碧が喜んでいた。
朝食を食べて準備を整えると、林さんが迎えにきてくれて事務所にみんなで向かう。
「今日は、Stella Curareの今後について色々考えていくわよ」
社長と林さんとレッスンルームで話し合いをする。
「うちの事務所はアリスを持っていることを売りにしてみんな活動しているのだけど…そういえば蜜柑ちゃんってなんのアリスなの?」
昨日の自己紹介の時はまだアイドルになるつもりはなかったし、言っとらんかったけどもう別にええか。
「他の人に言わへんと約束してくれますか」
ただならぬ雰囲気を感じたのか、全員が真剣な顔をして頷く。
「うちは、無効化のアリス、盗む・入れるアリス、創造のアリスです」
社長さんと林さんはその量と希少性から特に驚いていた。
「そんなに…!?しかも、どれも初めて聞くアリスだわ…」
「あの、うち実は昨日考えたことがあって」
なんとなくパッと思いついたアイデアを実行するために、大人用の服を用意してもらい、大輝達3人にその服を渡し、着替えて!とレッスンルームの隣にある更衣室に入ってもらう。
「どういうこと?蜜柑ちゃん、何をするつもり…?」
「まぁまぁ、見とってください。3人とも着替えたー?」
うん、と返事が返ってきたのと同時に創造のアリスを発動させ想像している
「うわぁあ!!!」
更衣室の中から3人の叫び声が聞こえる。
ドアが開いて出てきたのは高校生くらいの3人の男。
「み、蜜柑ちゃん何したの…?僕たちなんか成長してる?声も低くなってるし…」
「うぉおお!目線が高いぜ!!なんだこれーー!!」
おお〜…!上手くいったみたいやな。
「な、何事!?蜜柑ちゃんどういうことなの!?」
混乱しているみんなに事情説明をする。
「創造のアリスで年齢操作のアリスを作ったんです。うちが考えたのは、年齢不詳のアイドル!小学生のままじゃやっぱりダンスも小さくなるし、損な部分ができると思ったんです。年齢不詳で場面によって姿を変えられるなら欠点をなくしながら色々なことができると思ったんです。年齢が自由に変えられるって設定にしたら更に他のアイドルでは考えられないグループになるかと…。子役も老人役もできる俳優みたいな!」
「何よそれ…なんなのそのアリス…さいっっこうじゃない!!面白すぎるわ!」
社長はこれは売れるわ…!!と呟きながら嬉しそうに高笑いしている。
「ねぇねぇ、蜜柑も大きくなってよ!僕見たーい!」
「あ…っ、はい、蜜柑ちゃんの分の服…!メンズものしかなくて…ごめんね…!」
林さんにお礼を言い受け取る。
そういえば、元々はメンズグループの予定やって言っとったな。バランス的にも…。
そう思って入れ替わりで更衣室に入りながらまた創造のアリスで
そして先ほど作った年齢操作のアリスも発動させる。
うん、上手くいったっぽい。
ドアを開けると、みんなが度肝を抜かれたような状態になる。
「だ、誰!?」
「性別変換のアリスも作ってみたんや。どう?」
自分が話しているはずなのに全く聞き慣れない低音が喉から出るため違和感がすごい。
「メンズアイドルの予定やったやろ?せやから性別変えてみてん」
「蜜柑イケメンだな〜!!」
「蜜柑ちゃんは女の子のときすごい可愛かったし性別変わったらそりゃイケメンになるよ」
すごい褒めてくれて、少し恥ずかしくなる。
「じゃあじゃあ、蜜柑はアイドルの時名前変えるの?」
あ〜考えてなかった…。別になんでもええな〜…。
「うーん、朝倉凪とかでええか」
なんとなく思いついたことを並べて声に出す。
「えー!!適当すぎ!せっかくだからもっとしっかり考えようよ〜」
えぇ、なんもこだわりないしな〜…。
結局、1からしっかりキャラクターとして設定を構築した方がいいのではという話になり、名前は朝倉凪、アリスは使えそう〜と思って適当に作った音のアリス、グループのバランス的にクール担当になることにした。
アリスの説明
年齢操作のアリス
→創造のアリスで作られた紛い物のようなものなので、