超昂大戦SS フェイクルビー参戦! 聖夜に降り立つ淫夢の戦士   作:環 藍河

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第4話 君の心が私のエナジー! その想いをルビーは護る

「あの、長官…

 3人をそのままダイビートに迎えることは、できますか?」

「なっ…!?」

 

立て続けに街に現れ、痴態を晒し奇行を繰り広げる偽ルビーたち。

だが、今3人をかばうのは、彼女たちの風評被害を一身に受ける、当の園崎アカリだった。

 

「アカリ…君は、それでいいのか? なぜ…」

「今回の3人…」

「?」

「自習でチャージするソーサラーも、負けた悔しさでチャージするブラッドも、応援してくれる男の子たちをはべらせるチェリーも…

 みんな、私を…エスカ・ルビーを見た市民の誰かが思い描く、私の姿なんですよね。

 だったら…ただ倒して無かったことにするのって、本当の解決じゃないのかもって…」

「アカリ…」

 

「私は、みんなを護りたいと思ってダイビートに来ました。でも今は逆です。

 街のみんなから『ダイビートがんばれ、エスカルビーがんばれ』って、毎日応援をもらって。

 幻魔王さんとの戦いでは、みんなが送ってくれた『がんばれ』の声で勝てました。

 フェリニちゃんが集めてくれた、街のみんなの応援の声も…とても嬉しくて。

 こんなにみんなから励まされる超昂戦士になれるなんて、夢にも思わなかったなあ…。」

 くすっ。

 

「今の私は…エスカ・ルビーは、長官がくれるエナジーと、みんなの心で戦う超昂戦士です。

 だから、私を褒める声だけ聞くんじゃ、ズルいと思うんです。私のまだまだな所を責める声も、私でえっちなことを考える人の声も、反論したりやめさせたりしないで、できるだけ聞きたいな…そう思うんです。」

 

(ああ…)

トキサダは思い出す。

アルダークが流したデマに市民が踊らされたときも、ルビーは変わらなかった。

市民に石つぶてを投げられても、ありのままの自分を貫き、市民を護り続けた。

そして、ダイビートはルビーの誠実さに救われた。得体の知れない未来人が、市民に愛される存在になれた。

 

 はあ…

「アカリちゃん…あなた凄いわ…。」

「さやかさん…」

「でもね…ゴメン、それは難しいなあ…」

「えっ?」

「その場合…ソーサラーたちを泳がせた場合、別の問題が深刻になるの。」

 

 ぴっ。

「接現力は共鳴するの。欲望がいちど具現化すると、『ルビーは本当にえっちなんだ』と信じてしまう人が増えて、接現力が何倍にも増えていく。

それがソーサラーやブラッド、チェリーに接現力を補強しちゃうと、さらに大衆が誤解する…このループで何乗にも接現力が増幅されたら、ダイビートでも鎮圧は困難よ…!」

 

さやかのプレゼン画面には、大衆と偽ルビーの間でのエナジー循環図が映される。

 

「さらに、3人の性癖がエスカレートすれば、シナジー効果を生みかねない。

 もっと激しい自家発電、もっと惨めな完全敗北、もっと爛れた偏愛…!

 はたまた2つの、下手をすれば3つともの相乗効果…」

「ああ、幻魔が複数合体して始末に負えなくなった事例は、枚挙に暇がないねえ。」

「ルカさん…それって、つまり…?」

 

「劣情マシマシ全部入りの特級呪物、ド変態ルビーに合体進化しかねない、ということさ。」

「ど…変態…!?」

 

 くいっくいっ。

(ライカライカー、偽ルビーが合体すると、どうなる?)

アカリの名誉のため少数精鋭に絞った偽ルビー対策会議にオブザーバーとして参加(結論次第では偽ルビー討伐要員に加えるためでもあり…)していた帰還中のイノリが、悪知恵担当の相棒に問う。

 

(…例えば。)

 …

 ……

 

  きゅううっ…つうっ…さわさわっ…

  くちゅっ…ぐちゅっ…!

 

 合体したソーサラーとブラッドは、一つの身体を2つの心で慰め合う。

 胸に輝く、賢者の涅槃と勇者の血反吐を吸い上げた深紅の輝石。

 それ以外は顔も声も、戦闘スーツもそのままのエスカ・ルビーが…

 自らの奥の奥を剥き出しにして、滾る先端を指で潰し、擦り上げては嬌声を上げ、官能に耽る。

 

 〘あっ…ああっ、ああ~っ…

  …みんな…ゴメンなさい…ゴメンなさい…

  期待してくれるのに…護りたいのに…

  私は…ホントのエスカ・ルビーは…弱くて、惨めで…〙

 《怖さを振り切るために、いつも戦う前に、自分を慰めてるのお…》

 

  …くちゅっ。じゅるっ…じわっ。

 

 〘そして…感じてるの…! フラストだけじゃなくて…

  フーマン、滅忍、ザイン、クレイド…

  いちばん弱い敵にもかなわなくて、ぐちゃぐちゃに叩き潰されるエスカ・ルビーは…〙

  ずちゅっ。きゅうう…っ!

 《超昂戦士の最底辺で…エスカレイヤーさんの名前をおとしめて…

  無様に地べたに横たわる間も、自分の情けなさで泣きじゃくって…

  そして感じて…いつもイッちゃう…!

 〘エスカ・ルビーは…みんなの憧れの超昂戦士は…

  ホントは…こんなに惨めで、こんなにえっちで…

  戦士失格の、雑魚ルビーなの…!〙

 

  人類の希望を背負う超昂戦士の、誰にも言えない秘密。

 

  どくんっ! びくんっびくんっ! がくがくっ!

 〘《んっ…んんん~~っ!

  あっあっああ〜っ!

  イクうっ…イッちゃううう〜〜っ!!》〙

  勇気と努力で侵略者に打ち勝つエナジーを勝ち取り、人類を救った超昂戦士。

  その誇りのスーツを、涙と汗と自己愛でぐしょぐしょに濡らし…

  エスカ・ルビーはエクスタシーに身を預け、落雷に撃たれた魚のように、腰を激しく震わせる。

 

  …どさっ。

  ぴくん…ぴくっ! どくっ!

 〘《あっ…あふっ、くうううっ…》〙

  そのまま重力に全身を委ね、四肢を伸ばしてなお、グローブの指先からブーツの爪先までほとばしる痙攣を、残らず貪る。

 

  かっ……!

 〘《あああっ…! 来るっ、来ちゃうーーーっ!!

   あ…溢れるよおおーーーっ!!》〙

  しゅうううう……っ…

 〘あっ…いいっ、いいよおっ…!〙

 《ああっ、あっあっ、熱いいっ…》

  自己嫌悪と恍惚の混じった背徳が、歪んだダイナモにガソリンを注ぐ。

  紅蓮のカチューシャは打ち震え、パールホワイトの双丘が再びピンと尖る。

  赤いプリーツスカートは、下の形をくっきりなぞって濡れるショーツを、差し色のホワイトのひだで隠す。

 

 オルガズムに包まれたボディの全てで、恐るべき偽者は大衆のエナジーを吸い尽くし…

 オーラをまとい、ゆらりと立ち上がる。

 

 〘《…超昂戦士、ブラッディルビー・ソーサラー…

   みんな、もっと…もっと望んで…本当の私を…!!》〙

  究極のエクスタシーで勇者の苦悩を振り払った賢者は、悟りの境地で咲き誇る。

 

……

(おお…不適切妄想にもほどがある。)

(あたしの妄想みたいに言うなっ!!)

 

「ライカちゃん?」

「はひいっ!?」

「真剣な会議中よ? イノリちゃんとであっても、雑談はダメよ。」

「す、すびばせんっ!!」

「悪いと思ったら、偽ルビーを抑えるための画期的な作戦、何か一つ出してくれる?」

「え…えひいいいいっっ!?」

 

 …ごくっ。

「…え~…。」

 ダイビートのトリックスター・ライカ。

 その悪魔的作戦立案能力を信じ、この場の誰もが息を呑んで次の言葉を待つ。

 

「…結局、おおもとの原因はエスカ・ルビーがヒーローとして眩しすぎること。

 だからこそ、バカ市民がルビーさんをオカズにしてあれこれ妄想した結果、あいつらが爆誕した。

 ということは、その原因を削って一般市民の接現力を弱めれば…」

「つまり?」

 

(ほとぼりが冷めるまでルビーさんを休まs

 「しょーげき! ルビー寿退職! 相手はきみえだ!」

 

 ……?

 

「…あの…イノリさん?」

「ライカはやっぱり凄いなー!」

「わ…わたし、まだ何も…」

「皆まで言うな! この超昂閃忍イノリちゃんにかかれば、ライカの考えはまるっとお見通し!

 おお…完璧。これでアカリは平凡な少女に戻り、ニセへんたいルビーは未然に消えるのでしたー!」

 

 ………………

 ………

 

「あはは…あの、君枝さんがどうとかじゃないけど…

 ライカちゃん、ゴメンね…?」

 

 ごほん。

「ライカ、終わったら俺の部屋な。」

「も…もらい事故おおおおっっ!!」

 ライカの(?)立案、却下。

……

 

「みんな聞いてくれ。当面の対処方針を説明する。」

「長官…」

「3人の偽ルビーの接現力暴走を阻止することが最優先だ。

 探索し、説得が可能ならば基地へ誘導し、基地で保護観察する。

 だが、拒絶されたら捕縛、抵抗されたら制圧することも認める。」

 

 ぴっ。

「全スタッフに通達。まずは通常のパトロール体勢で目標を…偽エスカ・ルビーを探索。

 それ以外のスタッフは出現情報があるまで、各自待機だ。」

 トキサダの指令が通信で共有される。

 

「質問が無ければ、これで解散よ。

 …アカリちゃん、今は我慢よ。必ずみんなで見つけて、対処するから。」

「ユーノさん…。」

 

……

 

 ぴんぽーん。

 

「はい…あっ、沙由香さん?」

「アカリちゃん…あの…今、いい?」

「あ…はい。どうぞ、入ってください。」

「ゴメンね、夜遅いのに。」

「大丈夫です。あ、お茶入れますね。」

 

偽ルビー索敵シフトを張ってから、既に数時間。

夜も更け、待機スタッフも寝静まる頃、思わぬ訪問者をアカリは受け入れる。

 

「…少し、落ち着いた?」

「はい…まだちょっと、ふわふわしてます。

 ああは言いましたけど、自分のイメージが一人歩きするのって、やっぱり慣れないですね…」

 

(はあ…。)

「それでも凄いよ、そんな3人とわかり合えないか、なんて言えちゃうアカリちゃんは…!」

後輩ながら、つくづくアカリは大物だ…。

沙由香は心から感嘆する。

 

「ひどいな、とは思いますよ。私、こんなえっちな超昂戦士じゃないのに、って。

 でも、そういう人たちを嫌ったり、突き放したりはできません。

 困っている人たちを分け隔て無く助けるダイビートが、私は好きなんです。」

「うん…。

 お節介かもしれないけどね。ほら、こないだ私、接現力で戦うレジェンド・エスカレイヤーになったじゃない。

 あの時、私も思ったんだ。市民のみなさんの心が自分のエナジーになるって…嬉しいけれど、少し怖いなって。

 今は応援してもらえるけど、エスカレイヤーに悪意や失望、それこそえっちな欲望を持つ人の接現力が流れ込んだら、私は今のままでいられるのかな、って…。」

「あっ…!」

 

市民の希望が接現力となり、魔女戦士のエナジーになる。

それは裏返せば、絶望や失望、獣の欲望はたちまち諸刃の剣となる、ということ。

そして偽ルビーも、移ろいやすい民意の動き次第で、本物のルビーを苦しめる脅威になりかねない存在。

 

「だからね。アカリちゃんは3人を受け入れたいって言ったけど、本当に大丈夫なのかなって…」

 

 かちゃっ。

「…沙由香さんの、おかげですよ。」

「えっ?」

マグカップをソーサーに戻し、アカリは優しく強い眼差しで答える。

 

「エスカレイヤーさんの同人誌をいつも作ってくれる人、いますよね。」

ファンの一人が、ダイビートの旗揚げ直後から定期的に、新刊同人誌と売上の一部をカンパとして送って来る件。

「やめさせることもできるのに、沙由香さんはファンとして大切にしてきたから…

 だから、私にもできるかも、って。」

「そ…そうだったんだ…」

 

まさか、あの件がアカリの背中を押していたとは。

 

「今も続いているんですよね。」

「うん…内容は…ど、どんどん凄くなってるけど…ね。

 最初は私が…エスカレイヤーがディストバーンに負けて、DDDの実験台としてフーナイトに弄ばれたり…そのくらいだったけど…」

(そ…そんなひどいのが「そのくらい」…?)

 ごくり。

 

「そのうち、えっちなことや変態プレイを強要されて、何百人の市民の目の前で晒し者にされたり…

 最近は、長官さんも漫画に出てきて…鬼畜になったり魔王になったり…

 エスカレイヤーを慰み者にして、ひどい命令したり…虐められたり虐めたり…!」

「そ…それを、ずっと…?」

「うん、私のダイビート参戦から、もう4年になるよ。」

 

(…ホントはハルカさんやエリスさん、エスカチームのみんなにも、なんだけど…)

 

 ずずっ…ふう。

「…そうだね。描かれた本人にしてみれば、厳しいなあって思うところもある。

 でもね。絵やセリフの間から…私を熱く見てくれて、エスカレイヤーに期待や夢…いろんな思いを込めて、この漫画を作ってくれている…それは感じるんだ。」

「あ…!」

「すごく手間暇かけて描かれてて、方向はちょっとアレだけど、私を見て心に湧き起こる大きな感情があるんだ、っていうのが強く伝わるの。

 理解までは行かないけど、私の戦いが誰かの心を動かしていると思うと、アカリちゃんの言う『ふわふわ』な気持ちと…ちょっと誇らしさも感じられる…かも?」

「そうですね…」

 

ふう…

「エスカルビー・ソーサラー…ブラッド、チェリー…。

 彼女たちの中にも、誰かのそんな思い…あるのかなあ…?」

 

……

…………

 

…どろっ。

くちゅっ…ずるずるっ…どろりっ…

 

『んふっ…☆ 感じる…感じるよお…』

《力が…みなぎるうっ…!》

〘すごいよおっ…みんなの想い…こんなにいっ…!〙

 

街の片隅、誰も踏み入ることなど考えない、廃墟の奥底。

 

『私たち…すごい人気なんだね…

 あ…あんっ!』

《本物が…んっ…えっちなんだよ…絶対に…

 んくうっ…うんっ、…くふっ、……ぐうう~~っっ!》

〘んんん~っ…!

 ま…負けないっ…絶対にいっ…!〙

 

不特定多数の放つ接現力を吸い上げ、欲望の権化たちが実体を作っていく。

その黒光りした粘体は、やがて3つの人型を成し…

 

『《〘フラックスプロージョン・ビートチェンジっ!!〙》』

 

 かっ……!!

 

正義の心と不屈のガッツで、人類の希望を繋いだ奇跡の少女。

紅蓮のスーツに身を包むその戦士こそは、今や市民の希望のシンボル。

 

だが、いま意志と実体を得たのは、その勇姿を模した…3つの劣情。

彼女たちは今ふたたび…市民たちに欲情を、そしてダイビートに波乱を運ぼうと、命を得た。




筆者です。遅筆ですみません。
その分、思いをたっぷり込めて(プラトニックな方もパトスな方も)文章を練ってるつもりです。
ただただ乱れまくる特殊性癖のエロルビーを3方面描く、それだけのSSで終わってもおかしくないここまでの展開でしたが、今回は少しシリアスに軌道が逸れました。
次回、トリプルアタックにダイビートはどう立ち向かうのか?
やっぱり偽ルビーの生き恥ドスケベムーブで終わるのか、それとも…?
次話投稿まで少々お待ち下さいませ。
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