超昂大戦SS フェイクルビー参戦! 聖夜に降り立つ淫夢の戦士   作:環 藍河

4 / 11
第4話 君の心が私のエナジー! その想いをルビーは護る

「あの、長官…

 3人をそのままダイビートに迎えることは、できますか?」

「なっ…!?」

 

立て続けに街に現れ、痴態を晒し奇行を繰り広げる偽ルビーたち。

だが、今3人をかばうのは、彼女たちの風評被害を一身に受ける、当の園崎アカリだった。

 

「アカリ…君は、それでいいのか? なぜ…」

「今回の3人…」

「?」

「自習でチャージするソーサラーも、負けた悔しさでチャージするブラッドも、応援してくれる男の子たちをはべらせるチェリーも…

 みんな、私を…エスカ・ルビーを見た市民の誰かが思い描く、私の姿なんですよね。

 だったら…ただ倒して無かったことにするのって、本当の解決じゃないのかもって…」

「アカリ…」

 

「私は、みんなを護りたいと思ってダイビートに来ました。でも今は逆です。

 街のみんなから『ダイビートがんばれ、エスカルビーがんばれ』って、毎日応援をもらって。

 幻魔王さんとの戦いでは、みんなが送ってくれた『がんばれ』の声で勝てました。

 フェリニちゃんが集めてくれた、街のみんなの応援の声も…とても嬉しくて。

 こんなにみんなから励まされる超昂戦士になれるなんて、夢にも思わなかったなあ…。」

 くすっ。

 

「今の私は…エスカ・ルビーは、長官がくれるエナジーと、みんなの心で戦う超昂戦士です。

 だから、私を褒める声だけ聞くんじゃ、ズルいと思うんです。私のまだまだな所を責める声も、私でえっちなことを考える人の声も、反論したりやめさせたりしないで、できるだけ聞きたいな…そう思うんです。」

 

(ああ…)

トキサダは思い出す。

アルダークが流したデマに市民が踊らされたときも、ルビーは変わらなかった。

市民に石つぶてを投げられても、ありのままの自分を貫き、市民を護り続けた。

そして、ダイビートはルビーの誠実さに救われた。得体の知れない未来人が、市民に愛される存在になれた。

 

 はあ…

「アカリちゃん…あなた凄いわ…。」

「さやかさん…」

「でもね…ゴメン、それは難しいなあ…」

「えっ?」

「その場合…ソーサラーたちを泳がせた場合、別の問題が深刻になるの。」

 

 ぴっ。

「接現力は共鳴するの。欲望がいちど具現化すると、『ルビーは本当にえっちなんだ』と信じてしまう人が増えて、接現力が何倍にも増えていく。

それがソーサラーやブラッド、チェリーに接現力を補強しちゃうと、さらに大衆が誤解する…このループで何乗にも接現力が増幅されたら、ダイビートでも鎮圧は困難よ…!」

 

さやかのプレゼン画面には、大衆と偽ルビーの間でのエナジー循環図が映される。

 

「さらに、3人の性癖がエスカレートすれば、シナジー効果を生みかねない。

 もっと激しい自家発電、もっと惨めな完全敗北、もっと爛れた偏愛…!

 はたまた2つの、下手をすれば3つともの相乗効果…」

「ああ、幻魔が複数合体して始末に負えなくなった事例は、枚挙に暇がないねえ。」

「ルカさん…それって、つまり…?」

 

「劣情マシマシ全部入りの特級呪物、ド変態ルビーに合体進化しかねない、ということさ。」

「ど…変態…!?」

 

 くいっくいっ。

(ライカライカー、偽ルビーが合体すると、どうなる?)

アカリの名誉のため少数精鋭に絞った偽ルビー対策会議にオブザーバーとして参加(結論次第では偽ルビー討伐要員に加えるためでもあり…)していた帰還中のイノリが、悪知恵担当の相棒に問う。

 

(…例えば。)

 …

 ……

 

  きゅううっ…つうっ…さわさわっ…

  くちゅっ…ぐちゅっ…!

 

 合体したソーサラーとブラッドは、一つの身体を2つの心で慰め合う。

 胸に輝く、賢者の涅槃と勇者の血反吐を吸い上げた深紅の輝石。

 それ以外は顔も声も、戦闘スーツもそのままのエスカ・ルビーが…

 自らの奥の奥を剥き出しにして、滾る先端を指で潰し、擦り上げては嬌声を上げ、官能に耽る。

 

 〘あっ…ああっ、ああ~っ…

  …みんな…ゴメンなさい…ゴメンなさい…

  期待してくれるのに…護りたいのに…

  私は…ホントのエスカ・ルビーは…弱くて、惨めで…〙

 《怖さを振り切るために、いつも戦う前に、自分を慰めてるのお…》

 

  …くちゅっ。じゅるっ…じわっ。

 

 〘そして…感じてるの…! フラストだけじゃなくて…

  フーマン、滅忍、ザイン、クレイド…

  いちばん弱い敵にもかなわなくて、ぐちゃぐちゃに叩き潰されるエスカ・ルビーは…〙

  ずちゅっ。きゅうう…っ!

 《超昂戦士の最底辺で…エスカレイヤーさんの名前をおとしめて…

  無様に地べたに横たわる間も、自分の情けなさで泣きじゃくって…

  そして感じて…いつもイッちゃう…!

 〘エスカ・ルビーは…みんなの憧れの超昂戦士は…

  ホントは…こんなに惨めで、こんなにえっちで…

  戦士失格の、雑魚ルビーなの…!〙

 

  人類の希望を背負う超昂戦士の、誰にも言えない秘密。

 

  どくんっ! びくんっびくんっ! がくがくっ!

 〘《んっ…んんん~~っ!

  あっあっああ〜っ!

  イクうっ…イッちゃううう〜〜っ!!》〙

  勇気と努力で侵略者に打ち勝つエナジーを勝ち取り、人類を救った超昂戦士。

  その誇りのスーツを、涙と汗と自己愛でぐしょぐしょに濡らし…

  エスカ・ルビーはエクスタシーに身を預け、落雷に撃たれた魚のように、腰を激しく震わせる。

 

  …どさっ。

  ぴくん…ぴくっ! どくっ!

 〘《あっ…あふっ、くうううっ…》〙

  そのまま重力に全身を委ね、四肢を伸ばしてなお、グローブの指先からブーツの爪先までほとばしる痙攣を、残らず貪る。

 

  かっ……!

 〘《あああっ…! 来るっ、来ちゃうーーーっ!!

   あ…溢れるよおおーーーっ!!》〙

  しゅうううう……っ…

 〘あっ…いいっ、いいよおっ…!〙

 《ああっ、あっあっ、熱いいっ…》

  自己嫌悪と恍惚の混じった背徳が、歪んだダイナモにガソリンを注ぐ。

  紅蓮のカチューシャは打ち震え、パールホワイトの双丘が再びピンと尖る。

  赤いプリーツスカートは、下の形をくっきりなぞって濡れるショーツを、差し色のホワイトのひだで隠す。

 

 オルガズムに包まれたボディの全てで、恐るべき偽者は大衆のエナジーを吸い尽くし…

 オーラをまとい、ゆらりと立ち上がる。

 

 〘《…超昂戦士、ブラッディルビー・ソーサラー…

   みんな、もっと…もっと望んで…本当の私を…!!》〙

  究極のエクスタシーで勇者の苦悩を振り払った賢者は、悟りの境地で咲き誇る。

 

……

…

(おお…不適切妄想にもほどがある。)

(あたしの妄想みたいに言うなっ!!)

 

「ライカちゃん?」

「はひいっ!?」

「真剣な会議中よ? イノリちゃんとであっても、雑談はダメよ。」

「す、すびばせんっ!!」

「悪いと思ったら、偽ルビーを抑えるための画期的な作戦、何か一つ出してくれる?」

「え…えひいいいいっっ!?」

 

 …ごくっ。

「…え~…。」

 ダイビートのトリックスター・ライカ。

 その悪魔的作戦立案能力を信じ、この場の誰もが息を呑んで次の言葉を待つ。

 

「…結局、おおもとの原因はエスカ・ルビーがヒーローとして眩しすぎること。

 だからこそ、バカ市民がルビーさんをオカズにしてあれこれ妄想した結果、あいつらが爆誕した。

 ということは、その原因を削って一般市民の接現力を弱めれば…」

「つまり?」

 

(ほとぼりが冷めるまでルビーさんを休まs

 「しょーげき! ルビー寿退職! 相手はきみえだ!」

 

 ……?

 

「…あの…イノリさん?」

「ライカはやっぱり凄いなー!」

「わ…わたし、まだ何も…」

「皆まで言うな! この超昂閃忍イノリちゃんにかかれば、ライカの考えはまるっとお見通し!

 おお…完璧。これでアカリは平凡な少女に戻り、ニセへんたいルビーは未然に消えるのでしたー!」

 

 ………………

 ………

 

「あはは…あの、君枝さんがどうとかじゃないけど…

 ライカちゃん、ゴメンね…?」

 

 ごほん。

「ライカ、終わったら俺の部屋な。」

「も…もらい事故おおおおっっ!!」

 ライカの(?)立案、却下。

……

…

 

「みんな聞いてくれ。当面の対処方針を説明する。」

「長官…」

「3人の偽ルビーの接現力暴走を阻止することが最優先だ。

 探索し、説得が可能ならば基地へ誘導し、基地で保護観察する。

 だが、拒絶されたら捕縛、抵抗されたら制圧することも認める。」

 

 ぴっ。

「全スタッフに通達。まずは通常のパトロール体勢で目標を…偽エスカ・ルビーを探索。

 それ以外のスタッフは出現情報があるまで、各自待機だ。」

 トキサダの指令が通信で共有される。

 

「質問が無ければ、これで解散よ。

 …アカリちゃん、今は我慢よ。必ずみんなで見つけて、対処するから。」

「ユーノさん…。」

 

……

…

 

 ぴんぽーん。

 

「はい…あっ、沙由香さん?」

「アカリちゃん…あの…今、いい?」

「あ…はい。どうぞ、入ってください。」

「ゴメンね、夜遅いのに。」

「大丈夫です。あ、お茶入れますね。」

 

偽ルビー索敵シフトを張ってから、既に数時間。

夜も更け、待機スタッフも寝静まる頃、思わぬ訪問者をアカリは受け入れる。

 

「…少し、落ち着いた?」

「はい…まだちょっと、ふわふわしてます。

 ああは言いましたけど、自分のイメージが一人歩きするのって、やっぱり慣れないですね…」

 

(はあ…。)

「それでも凄いよ、そんな3人とわかり合えないか、なんて言えちゃうアカリちゃんは…!」

後輩ながら、つくづくアカリは大物だ…。

沙由香は心から感嘆する。

 

「ひどいな、とは思いますよ。私、こんなえっちな超昂戦士じゃないのに、って。

 でも、そういう人たちを嫌ったり、突き放したりはできません。

 困っている人たちを分け隔て無く助けるダイビートが、私は好きなんです。」

「うん…。

 お節介かもしれないけどね。ほら、こないだ私、接現力で戦うレジェンド・エスカレイヤーになったじゃない。

 あの時、私も思ったんだ。市民のみなさんの心が自分のエナジーになるって…嬉しいけれど、少し怖いなって。

 今は応援してもらえるけど、エスカレイヤーに悪意や失望、それこそえっちな欲望を持つ人の接現力が流れ込んだら、私は今のままでいられるのかな、って…。」

「あっ…!」

 

市民の希望が接現力となり、魔女戦士のエナジーになる。

それは裏返せば、絶望や失望、獣の欲望はたちまち諸刃の剣となる、ということ。

そして偽ルビーも、移ろいやすい民意の動き次第で、本物のルビーを苦しめる脅威になりかねない存在。

 

「だからね。アカリちゃんは3人を受け入れたいって言ったけど、本当に大丈夫なのかなって…」

 

 かちゃっ。

「…沙由香さんの、おかげですよ。」

「えっ?」

マグカップをソーサーに戻し、アカリは優しく強い眼差しで答える。

 

「エスカレイヤーさんの同人誌をいつも作ってくれる人、いますよね。」

ファンの一人が、ダイビートの旗揚げ直後から定期的に、新刊同人誌と売上の一部をカンパとして送って来る件。

「やめさせることもできるのに、沙由香さんはファンとして大切にしてきたから…

 だから、私にもできるかも、って。」

「そ…そうだったんだ…」

 

まさか、あの件がアカリの背中を押していたとは。

 

「今も続いているんですよね。」

「うん…内容は…ど、どんどん凄くなってるけど…ね。

 最初は私が…エスカレイヤーがディストバーンに負けて、DDDの実験台としてフーナイトに弄ばれたり…そのくらいだったけど…」

(そ…そんなひどいのが「そのくらい」…?)

 ごくり。

 

「そのうち、えっちなことや変態プレイを強要されて、何百人の市民の目の前で晒し者にされたり…

 最近は、長官さんも漫画に出てきて…鬼畜になったり魔王になったり…

 エスカレイヤーを慰み者にして、ひどい命令したり…虐められたり虐めたり…!」

「そ…それを、ずっと…?」

「うん、私のダイビート参戦から、もう4年になるよ。」

 

(…ホントはハルカさんやエリスさん、エスカチームのみんなにも、なんだけど…)

 

 ずずっ…ふう。

「…そうだね。描かれた本人にしてみれば、厳しいなあって思うところもある。

 でもね。絵やセリフの間から…私を熱く見てくれて、エスカレイヤーに期待や夢…いろんな思いを込めて、この漫画を作ってくれている…それは感じるんだ。」

「あ…!」

「すごく手間暇かけて描かれてて、方向はちょっとアレだけど、私を見て心に湧き起こる大きな感情があるんだ、っていうのが強く伝わるの。

 理解までは行かないけど、私の戦いが誰かの心を動かしていると思うと、アカリちゃんの言う『ふわふわ』な気持ちと…ちょっと誇らしさも感じられる…かも?」

「そうですね…」

 

ふう…

「エスカルビー・ソーサラー…ブラッド、チェリー…。

 彼女たちの中にも、誰かのそんな思い…あるのかなあ…?」

 

……

…………

 

…どろっ。

くちゅっ…ずるずるっ…どろりっ…

 

『んふっ…☆ 感じる…感じるよお…』

《力が…みなぎるうっ…!》

〘すごいよおっ…みんなの想い…こんなにいっ…!〙

 

街の片隅、誰も踏み入ることなど考えない、廃墟の奥底。

 

『私たち…すごい人気なんだね…

 あ…あんっ!』

《本物が…んっ…えっちなんだよ…絶対に…

 んくうっ…うんっ、…くふっ、……ぐうう~~っっ!》

〘んんん~っ…!

 ま…負けないっ…絶対にいっ…!〙

 

不特定多数の放つ接現力を吸い上げ、欲望の権化たちが実体を作っていく。

その黒光りした粘体は、やがて3つの人型を成し…

 

『《〘フラックスプロージョン・ビートチェンジっ!!〙》』

 

 かっ……!!

 

正義の心と不屈のガッツで、人類の希望を繋いだ奇跡の少女。

紅蓮のスーツに身を包むその戦士こそは、今や市民の希望のシンボル。

 

だが、いま意志と実体を得たのは、その勇姿を模した…3つの劣情。

彼女たちは今ふたたび…市民たちに欲情を、そしてダイビートに波乱を運ぼうと、命を得た。




筆者です。遅筆ですみません。
その分、思いをたっぷり込めて(プラトニックな方もパトスな方も)文章を練ってるつもりです。
ただただ乱れまくる特殊性癖のエロルビーを3方面描く、それだけのSSで終わってもおかしくないここまでの展開でしたが、今回は少しシリアスに軌道が逸れました。
次回、トリプルアタックにダイビートはどう立ち向かうのか?
やっぱり偽ルビーの生き恥ドスケベムーブで終わるのか、それとも…?
次話投稿まで少々お待ち下さいませ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。