超昂大戦SS フェイクルビー参戦! 聖夜に降り立つ淫夢の戦士 作:環 藍河
「あの、長官…
3人をそのままダイビートに迎えることは、できますか?」
「なっ…!?」
立て続けに街に現れ、痴態を晒し奇行を繰り広げる偽ルビーたち。
だが、今3人をかばうのは、彼女たちの風評被害を一身に受ける、当の園崎アカリだった。
「アカリ…君は、それでいいのか? なぜ…」
「今回の3人…」
「?」
「自習でチャージするソーサラーも、負けた悔しさでチャージするブラッドも、応援してくれる男の子たちをはべらせるチェリーも…
みんな、私を…エスカ・ルビーを見た市民の誰かが思い描く、私の姿なんですよね。
だったら…ただ倒して無かったことにするのって、本当の解決じゃないのかもって…」
「アカリ…」
「私は、みんなを護りたいと思ってダイビートに来ました。でも今は逆です。
街のみんなから『ダイビートがんばれ、エスカルビーがんばれ』って、毎日応援をもらって。
幻魔王さんとの戦いでは、みんなが送ってくれた『がんばれ』の声で勝てました。
フェリニちゃんが集めてくれた、街のみんなの応援の声も…とても嬉しくて。
こんなにみんなから励まされる超昂戦士になれるなんて、夢にも思わなかったなあ…。」
くすっ。
「今の私は…エスカ・ルビーは、長官がくれるエナジーと、みんなの心で戦う超昂戦士です。
だから、私を褒める声だけ聞くんじゃ、ズルいと思うんです。私のまだまだな所を責める声も、私でえっちなことを考える人の声も、反論したりやめさせたりしないで、できるだけ聞きたいな…そう思うんです。」
(ああ…)
トキサダは思い出す。
アルダークが流したデマに市民が踊らされたときも、ルビーは変わらなかった。
市民に石つぶてを投げられても、ありのままの自分を貫き、市民を護り続けた。
そして、ダイビートはルビーの誠実さに救われた。得体の知れない未来人が、市民に愛される存在になれた。
はあ…
「アカリちゃん…あなた凄いわ…。」
「さやかさん…」
「でもね…ゴメン、それは難しいなあ…」
「えっ?」
「その場合…ソーサラーたちを泳がせた場合、別の問題が深刻になるの。」
ぴっ。
「接現力は共鳴するの。欲望がいちど具現化すると、『ルビーは本当にえっちなんだ』と信じてしまう人が増えて、接現力が何倍にも増えていく。
それがソーサラーやブラッド、チェリーに接現力を補強しちゃうと、さらに大衆が誤解する…このループで何乗にも接現力が増幅されたら、ダイビートでも鎮圧は困難よ…!」
さやかのプレゼン画面には、大衆と偽ルビーの間でのエナジー循環図が映される。
「さらに、3人の性癖がエスカレートすれば、シナジー効果を生みかねない。
もっと激しい自家発電、もっと惨めな完全敗北、もっと爛れた偏愛…!
はたまた2つの、下手をすれば3つともの相乗効果…」
「ああ、幻魔が複数合体して始末に負えなくなった事例は、枚挙に暇がないねえ。」
「ルカさん…それって、つまり…?」
「劣情マシマシ全部入りの特級呪物、ド変態ルビーに合体進化しかねない、ということさ。」
「ど…変態…!?」
くいっくいっ。
(ライカライカー、偽ルビーが合体すると、どうなる?)
アカリの名誉のため少数精鋭に絞った偽ルビー対策会議にオブザーバーとして参加(結論次第では偽ルビー討伐要員に加えるためでもあり…)していた帰還中のイノリが、悪知恵担当の相棒に問う。
(…例えば。)
…
……
きゅううっ…つうっ…さわさわっ…
くちゅっ…ぐちゅっ…!
合体したソーサラーとブラッドは、一つの身体を2つの心で慰め合う。
胸に輝く、賢者の涅槃と勇者の血反吐を吸い上げた深紅の輝石。
それ以外は顔も声も、戦闘スーツもそのままのエスカ・ルビーが…
自らの奥の奥を剥き出しにして、滾る先端を指で潰し、擦り上げては嬌声を上げ、官能に耽る。
〘あっ…ああっ、ああ~っ…
…みんな…ゴメンなさい…ゴメンなさい…
期待してくれるのに…護りたいのに…
私は…ホントのエスカ・ルビーは…弱くて、惨めで…〙
《怖さを振り切るために、いつも戦う前に、自分を慰めてるのお…》
…くちゅっ。じゅるっ…じわっ。
〘そして…感じてるの…! フラストだけじゃなくて…
フーマン、滅忍、ザイン、クレイド…
いちばん弱い敵にもかなわなくて、ぐちゃぐちゃに叩き潰されるエスカ・ルビーは…〙
ずちゅっ。きゅうう…っ!
《超昂戦士の最底辺で…エスカレイヤーさんの名前をおとしめて…
無様に地べたに横たわる間も、自分の情けなさで泣きじゃくって…
そして感じて…いつもイッちゃう…!
〘エスカ・ルビーは…みんなの憧れの超昂戦士は…
ホントは…こんなに惨めで、こんなにえっちで…
戦士失格の、雑魚ルビーなの…!〙
人類の希望を背負う超昂戦士の、誰にも言えない秘密。
どくんっ! びくんっびくんっ! がくがくっ!
〘《んっ…んんん~~っ!
あっあっああ〜っ!
イクうっ…イッちゃううう〜〜っ!!》〙
勇気と努力で侵略者に打ち勝つエナジーを勝ち取り、人類を救った超昂戦士。
その誇りのスーツを、涙と汗と自己愛でぐしょぐしょに濡らし…
エスカ・ルビーはエクスタシーに身を預け、落雷に撃たれた魚のように、腰を激しく震わせる。
…どさっ。
ぴくん…ぴくっ! どくっ!
〘《あっ…あふっ、くうううっ…》〙
そのまま重力に全身を委ね、四肢を伸ばしてなお、グローブの指先からブーツの爪先までほとばしる痙攣を、残らず貪る。
かっ……!
〘《あああっ…! 来るっ、来ちゃうーーーっ!!
あ…溢れるよおおーーーっ!!》〙
しゅうううう……っ…
〘あっ…いいっ、いいよおっ…!〙
《ああっ、あっあっ、熱いいっ…》
自己嫌悪と恍惚の混じった背徳が、歪んだダイナモにガソリンを注ぐ。
紅蓮のカチューシャは打ち震え、パールホワイトの双丘が再びピンと尖る。
赤いプリーツスカートは、下の形をくっきりなぞって濡れるショーツを、差し色のホワイトのひだで隠す。
オルガズムに包まれたボディの全てで、恐るべき偽者は大衆のエナジーを吸い尽くし…
オーラをまとい、ゆらりと立ち上がる。
〘《…超昂戦士、ブラッディルビー・ソーサラー…
みんな、もっと…もっと望んで…本当の私を…!!》〙
究極のエクスタシーで勇者の苦悩を振り払った賢者は、悟りの境地で咲き誇る。
……
…
(おお…不適切妄想にもほどがある。)
(あたしの妄想みたいに言うなっ!!)
「ライカちゃん?」
「はひいっ!?」
「真剣な会議中よ? イノリちゃんとであっても、雑談はダメよ。」
「す、すびばせんっ!!」
「悪いと思ったら、偽ルビーを抑えるための画期的な作戦、何か一つ出してくれる?」
「え…えひいいいいっっ!?」
…ごくっ。
「…え~…。」
ダイビートのトリックスター・ライカ。
その悪魔的作戦立案能力を信じ、この場の誰もが息を呑んで次の言葉を待つ。
「…結局、おおもとの原因はエスカ・ルビーがヒーローとして眩しすぎること。
だからこそ、バカ市民がルビーさんをオカズにしてあれこれ妄想した結果、あいつらが爆誕した。
ということは、その原因を削って一般市民の接現力を弱めれば…」
「つまり?」
(ほとぼりが冷めるまでルビーさんを休まs
「しょーげき! ルビー寿退職! 相手はきみえだ!」
……?
「…あの…イノリさん?」
「ライカはやっぱり凄いなー!」
「わ…わたし、まだ何も…」
「皆まで言うな! この超昂閃忍イノリちゃんにかかれば、ライカの考えはまるっとお見通し!
おお…完璧。これでアカリは平凡な少女に戻り、ニセへんたいルビーは未然に消えるのでしたー!」
………………
………
「あはは…あの、君枝さんがどうとかじゃないけど…
ライカちゃん、ゴメンね…?」
ごほん。
「ライカ、終わったら俺の部屋な。」
「も…もらい事故おおおおっっ!!」
ライカの(?)立案、却下。
……
…
「みんな聞いてくれ。当面の対処方針を説明する。」
「長官…」
「3人の偽ルビーの接現力暴走を阻止することが最優先だ。
探索し、説得が可能ならば基地へ誘導し、基地で保護観察する。
だが、拒絶されたら捕縛、抵抗されたら制圧することも認める。」
ぴっ。
「全スタッフに通達。まずは通常のパトロール体勢で目標を…偽エスカ・ルビーを探索。
それ以外のスタッフは出現情報があるまで、各自待機だ。」
トキサダの指令が通信で共有される。
「質問が無ければ、これで解散よ。
…アカリちゃん、今は我慢よ。必ずみんなで見つけて、対処するから。」
「ユーノさん…。」
……
…
ぴんぽーん。
「はい…あっ、沙由香さん?」
「アカリちゃん…あの…今、いい?」
「あ…はい。どうぞ、入ってください。」
「ゴメンね、夜遅いのに。」
「大丈夫です。あ、お茶入れますね。」
偽ルビー索敵シフトを張ってから、既に数時間。
夜も更け、待機スタッフも寝静まる頃、思わぬ訪問者をアカリは受け入れる。
「…少し、落ち着いた?」
「はい…まだちょっと、ふわふわしてます。
ああは言いましたけど、自分のイメージが一人歩きするのって、やっぱり慣れないですね…」
(はあ…。)
「それでも凄いよ、そんな3人とわかり合えないか、なんて言えちゃうアカリちゃんは…!」
後輩ながら、つくづくアカリは大物だ…。
沙由香は心から感嘆する。
「ひどいな、とは思いますよ。私、こんなえっちな超昂戦士じゃないのに、って。
でも、そういう人たちを嫌ったり、突き放したりはできません。
困っている人たちを分け隔て無く助けるダイビートが、私は好きなんです。」
「うん…。
お節介かもしれないけどね。ほら、こないだ私、接現力で戦うレジェンド・エスカレイヤーになったじゃない。
あの時、私も思ったんだ。市民のみなさんの心が自分のエナジーになるって…嬉しいけれど、少し怖いなって。
今は応援してもらえるけど、エスカレイヤーに悪意や失望、それこそえっちな欲望を持つ人の接現力が流れ込んだら、私は今のままでいられるのかな、って…。」
「あっ…!」
市民の希望が接現力となり、魔女戦士のエナジーになる。
それは裏返せば、絶望や失望、獣の欲望はたちまち諸刃の剣となる、ということ。
そして偽ルビーも、移ろいやすい民意の動き次第で、本物のルビーを苦しめる脅威になりかねない存在。
「だからね。アカリちゃんは3人を受け入れたいって言ったけど、本当に大丈夫なのかなって…」
かちゃっ。
「…沙由香さんの、おかげですよ。」
「えっ?」
マグカップをソーサーに戻し、アカリは優しく強い眼差しで答える。
「エスカレイヤーさんの同人誌をいつも作ってくれる人、いますよね。」
ファンの一人が、ダイビートの旗揚げ直後から定期的に、新刊同人誌と売上の一部をカンパとして送って来る件。
「やめさせることもできるのに、沙由香さんはファンとして大切にしてきたから…
だから、私にもできるかも、って。」
「そ…そうだったんだ…」
まさか、あの件がアカリの背中を押していたとは。
「今も続いているんですよね。」
「うん…内容は…ど、どんどん凄くなってるけど…ね。
最初は私が…エスカレイヤーがディストバーンに負けて、DDDの実験台としてフーナイトに弄ばれたり…そのくらいだったけど…」
(そ…そんなひどいのが「そのくらい」…?)
ごくり。
「そのうち、えっちなことや変態プレイを強要されて、何百人の市民の目の前で晒し者にされたり…
最近は、長官さんも漫画に出てきて…鬼畜になったり魔王になったり…
エスカレイヤーを慰み者にして、ひどい命令したり…虐められたり虐めたり…!」
「そ…それを、ずっと…?」
「うん、私のダイビート参戦から、もう4年になるよ。」
(…ホントはハルカさんやエリスさん、エスカチームのみんなにも、なんだけど…)
ずずっ…ふう。
「…そうだね。描かれた本人にしてみれば、厳しいなあって思うところもある。
でもね。絵やセリフの間から…私を熱く見てくれて、エスカレイヤーに期待や夢…いろんな思いを込めて、この漫画を作ってくれている…それは感じるんだ。」
「あ…!」
「すごく手間暇かけて描かれてて、方向はちょっとアレだけど、私を見て心に湧き起こる大きな感情があるんだ、っていうのが強く伝わるの。
理解までは行かないけど、私の戦いが誰かの心を動かしていると思うと、アカリちゃんの言う『ふわふわ』な気持ちと…ちょっと誇らしさも感じられる…かも?」
「そうですね…」
ふう…
「エスカルビー・ソーサラー…ブラッド、チェリー…。
彼女たちの中にも、誰かのそんな思い…あるのかなあ…?」
……
…………
…どろっ。
くちゅっ…ずるずるっ…どろりっ…
『んふっ…☆ 感じる…感じるよお…』
《力が…みなぎるうっ…!》
〘すごいよおっ…みんなの想い…こんなにいっ…!〙
街の片隅、誰も踏み入ることなど考えない、廃墟の奥底。
『私たち…すごい人気なんだね…
あ…あんっ!』
《本物が…んっ…えっちなんだよ…絶対に…
んくうっ…うんっ、…くふっ、……ぐうう~~っっ!》
〘んんん~っ…!
ま…負けないっ…絶対にいっ…!〙
不特定多数の放つ接現力を吸い上げ、欲望の権化たちが実体を作っていく。
その黒光りした粘体は、やがて3つの人型を成し…
『《〘フラックスプロージョン・ビートチェンジっ!!〙》』
かっ……!!
正義の心と不屈のガッツで、人類の希望を繋いだ奇跡の少女。
紅蓮のスーツに身を包むその戦士こそは、今や市民の希望のシンボル。
だが、いま意志と実体を得たのは、その勇姿を模した…3つの劣情。
彼女たちは今ふたたび…市民たちに欲情を、そしてダイビートに波乱を運ぼうと、命を得た。
筆者です。遅筆ですみません。
その分、思いをたっぷり込めて(プラトニックな方もパトスな方も)文章を練ってるつもりです。
ただただ乱れまくる特殊性癖のエロルビーを3方面描く、それだけのSSで終わってもおかしくないここまでの展開でしたが、今回は少しシリアスに軌道が逸れました。
次回、トリプルアタックにダイビートはどう立ち向かうのか?
やっぱり偽ルビーの生き恥ドスケベムーブで終わるのか、それとも…?
次話投稿まで少々お待ち下さいませ。