癒し手の殴り拳   作:熾天使チュリン

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黒幕③

 

 

 

 紅く染まる道なりを歩く。僕たちは住宅地を抜け、都市の縁側に少しずつ近づいていた。

 

 ゼブルディア帝国において、お墓というものはとても大切なものである。人の思いとかそういう話ではなく、時折洒落にならない被害をもたらすという意味でだ。

 

 かつてとある国が大魔術師の墓を暴いて国民の半数が死滅した事件があるほどである。墓には常人ならざる"意思"が宿るのだ。それはマナ・マテリアルの本流が国土に流れるこの国においては大きな意味を持つ。

 

 それだけではない。これは全世界共通だと思うが、墓は魔物を呼び寄せる。だからお墓というものは都市の外ではなく、縁側に建てるのが一般的だ。

 

 

 前を歩くアリエス嬢は何も言わない。こういう時は何か言ってあげた方が良いのかな。でも話題も無いしなぁ…。

 

 黙々とただ歩く。いつの間にか外を出歩く人は僕たちだけになっていた。どうやら墓場というのは帝都でいうところの退廃地区に近い感じらしい。住宅地から離れているというところもあるが、本当に人がいない。

 

 そうこうしている間にアリエス嬢が歩みを止める。どうやら墓場に着いたらしい。

 

 けど……見た感じお墓なんてどこにも見当たらない。あるのはもうボロボロな家屋だけだ。まあ、帝都にもあるのだからここに退廃地区があってもおかしくはないか。

 

 そう思いながら突っ立っていると、向こうのほうから一人の男がやってきた。その男は見たところハンター…いや、というよりは傭兵といった感じだった。

 

 僕は若干警戒レベルを上げる。男はだんだんとこちらに近づいてきて、そしてアリエス嬢の手前で止まる。

 

 男が口を開く。

 

「我ら、堅実であれ。我ら、(よう)を嫌い、影に潜む」

 

 突然おかしなことを言い始めた男。そんな彼に向かってアリエス嬢は言った。

 

「我は指針を(たも)つ者」

「アマンダさん…?」

 

 アリエス嬢は笑う。それは今までの気品のある声では無い。心から人を嘲笑うような、腹の底から響くような声だ。

 

 アリエス嬢は『転換する人面(リバース・フェイス)』をもぎ取った。変えられた顔が元通りになっていく。いや、僕から見たらそれは元の顔のようには到底見えなかった。

 

 それだけ恐ろしい目をしていた。

 

「首尾は?」

「完遂しました」

「よろしい」

 

 アリエス嬢はそう男とやり取りをした後、くるっと僕の方に振り返る。彼女はこちらを心底馬鹿にしたように見ていた。

 

「理解が追いついたか? 《千変万化》」

「え…っとぉ…。事態がよく飲み込めていないんだけど…?」

「ふん、まあ凡愚には期待していない。戦うしか能のないハンターなぞにはな」

 

 何が起きているのかさっぱり分からない。今回に関しては本当に、さっぱり、全く分からない。なんでアリエス嬢はこっちを睨んでるの?まずいな…また何かやらかしたか…?

 

 あの男はそもそもどういう立ち位置にいるんだろう。部下的な雰囲気だったけど、明らかに商会の部下という感じがしない。どちらかと言えば荒事に関わる組織に所属してそうな感じだ。

 

 豹変したアリエス嬢は依然としてこちらを睨むし、疲れたしで今日はもうお開きにしない?嫌な予感しかしないんだよね…。

 

「この作戦は本当に心配しましたよ、ボス。いつもの冷静なボスらしくない」

「あぁ、この作戦は粗い。粗すぎる。私も反省しなくてはならないでしょうね。今回は運が良かったと見るべきか、この男が馬鹿だとするべきか…」

 

 何もしていないのにすごく馬鹿にされた気がする。もしかして君たち……賢いな?僕を正当に評価する人間なんて僕の周りにはいなかったのに……是非ともその言葉を探索者協会に言ってきてください。

 

 僕が訳もわからずぼんやりとしていると、アリエス嬢はさらに鋭くこちらを見据えて言った。

 

「これだけ言われて『逃走者の冠(ネック・エスケープ)』が全く反応しないのは驚愕に値する。だが屈辱的ね。私たちは敵とすら認識されていないと?」

「君たちは……一体なんなの?」

 

 考え抜いた結果、絞り出すようにそう口にする。するとアリエス嬢は侮蔑の目をこちらに向ける。

 

「かなり過小な評価をしていたつもりだったけど…そのさらに下だったとわね。はぁ…私たちのことすら分かっていないようだから特別に名乗ってあげましょう」

 

 そう言ってアリエス嬢は長いスカートを持ち上げ、こちらを覗き込むように見据える。そして言った。

 

「私はこの都市を裏から統べる秘密組織『ヒノアラス』が頭目、《死の商人(デッド)》。デッド・アリエス・シェーン。短い間だけど、よろしくね」

「!?……………………ヒノアラスって何?」

「!?」

 

 

 

-----

 

 

 

 陽が傾き始める頃、キャストル・シェーンが経営するスイーツ店は閉店した。キャストルは従業員に挨拶をしながら店舗のチェックをする。

 

「それでは、お疲れ様でした!」

「お疲れ」

 

 そんな掛け声とともに最後の従業員が店を出る。それが今の、いつもの光景だった。店はそこそこの繁盛店になり、経営は軌道に乗ってきた。今思えば忙しい時ほど楽しかったと彼は思う。

 

 彼は振り返る。そこには雇われ傭兵バザルがいた。

 

「これで完全に店仕舞いでさぁ、キャストル・シェーン」

「……」

「なぁ…なあッ! 覚悟はできてるんだろうなッ!」

 

 キャストルは死を覚悟していた。アリエスがキャストルを監視するために送り込んだバザルの言いつけを破り、《千変万化》にロケットを託したからだ。

 

 不穏な分子は排除するのがバザルの役目である。だからこそ怒り狂っていた。

 

「てめぇの妻子がどうなっても良いってのかァ!?」

「……」

「この都市にレベル8ハンターがやって来て希望でも見えたってか? あぁ…愚か愚か愚かッ!! ボスと同じ血を引いてんなら分かるだろォが!! お前は俺らに巻かれてりゃ良かったんだよッ!」

 

 ことの始まりは《千変万化》がこの店を訪ねた時からだ。奴がこの都市に来たということは分かっていた。だがこの店を訪ねるとはボスでさえ予見することはできなかったのだ。

 

 キャストルと《千変万化》が接触するのは考えられる限りの最悪。この都市の現状を把握できているのは『ヒノアラス』とキャストルだけなのだ。《千変万化》はまるで導かれるかのようにピンポイントでここに辿り着いた。

 

 案の定、キャストルが動いた。『ヒノアラス』は彼の妻子を人質にしているというのに、それでもなお彼は《千変万化》と接触した。

 

 こうなればバザルでは止められない。レベル8ハンターには気取られてはいけないからだ。仮に戦闘になったとしても勝てるとは思えないから下手な行動はできなかった。

 

 監視されている分際で、好き勝手されたというのはバザルの怒りに火を付けた。

 

「言え…言えッ! あのロケットに何を仕込んだッ!」

「ふ…ふはは。焦ってるな。バザル」

「てめぇ…!」

 

 キャストルの嘲笑がバザルの神経を逆撫でする。実際、バザルは焦っていた。ボスに与えられた役割を果たせず、挽回もできていない。中途半端に役割をこなしてがんじがらめになっているのである。

 

 彼は《千変万化》を過剰に恐れていた。彼と対面する時は内心悲鳴を上げたほどだ。それをめざとく悟ったキャストルに一矢報いられたのだ。

 

「私はあのロケットに一枚の紙を入れた。アリエスが全ての黒幕だという内容を走り書きした紙だ。終わりなんだよ、お前たちは…!」

「お前…お前ぇ……ッ!」

「うぐッ!」

 

 キャストルの首を掴んで持ち上げる。バザルは正常ではなかった。ロケットなんて人なら誰でも開けてしまうものだ。それが《千変万化》ともなれば尚更。

 

 今頃はボスのことを探索者協会に知られてボスは苦境に立たされているだろう。爆弾を都市中に設置する作戦がうまくいけば善戦するかもしれないが、ボスは捕まるに違いない。

 

 そもそも、ボスの正体が知られてしまった以上、シェーン商会には近づけないのだ。ならばもうこの都市に拘る理由もない。

 

「お前はもう、用済みだ…ッ! 妻子共々殺してやるッ!」

「やれるものなら…ッ……やってみると良い。まともに監視もできない…お前にできるとは思えんがなッ!」

 

 殺そう。目の前のコイツを殺し、この男の妻と子をなぶり殺すのだ。それでこの鬱憤は晴れやかになるだろう。あとはボスと合流し、この都市から出ていくのだ。

 

 爆弾を起爆させれば守るものが多い騎士団や探索者どもも追ってこれないだろう。

 

 そうして右手で拳を握り、頭を破裂させるためにその拳を振りかぶろうとしてーー

 

「ますたぁは…神!!」

「ぐおぉ!?」

 

 何者かに蹴り飛ばされた。カウンターを易々と破壊して店の奥に吹き飛んでいくバザル。その衝撃で床に落ちたキャストルは突然現れた救世主を見上げる。

 

 その姿には見覚えがあった。

 

「君は…なぜ…」

「キャストルさん。これ、ますたぁがもう必要ないって」

 

 バザルを蹴り飛ばしたティノはそう言ってロケットを取り出す。キャストルは呆然としながら受け取った。

 

 吹き飛んでいったバザルは無傷で店の奥から歩いて来た。

 

「あなたは…《千変万化》の連れのティノさんじゃねぇっすか! こんな遅くにどうしたんですかい? 何か誤解があるようだが…」

「黙れ。私は一部始終を聞いていた」

「……そうか、死ね」

 

 問答は一瞬で終わりを告げた。バザルとティノは構えて、戦闘体勢へと入る。チリチリとした殺気が迸り、戦闘は開幕した。

 

 

 

-----

 

 

 

「!?……………………ヒノアラスって何?」

「!?」

 

 その言葉にアリエスは心底驚いたような顔をする。

 

 影に潜む組織に知名度があると思うなよ。僕は凡愚だぞ! 誇らしく名乗られても返す言葉がない。いや、だが相手は犯罪組織だ。こういう時は、相手の顰蹙を買わないようにしなければ…。

 

「あ、今の無し! 僕は…ええと、この帝国で活動するクラン『始まりの足跡(ファースト・ステップ)』のクランリーダーで……レベル8ハンターの二つ名は《千変万化》なクライ・アンドリヒです。よろしく?」

「……なるほどッ! ふざけた輩だということは分かった」

 

 やはり名乗られたら名乗り返すのが礼儀だろう。珍しくまともな行動をした。事前に礼儀を教えてくれたヴェルヌさんには感謝しないと…。

 

 というか、アリエス嬢は犯罪組織の関係者なのか。じゃあなんで追われてたんだろうか。演技だったのかな。あれ?じゃあなんで今正体をバラしたんだろう。

 

 あ、もしかしてこの人たち。この都市でロキスのターゲットになった組織なんじゃないか。おいおいロキス!撃ち漏らしだぞ!

 

 というか、どちらにしてもまずい事態だ。今襲われたら僕は余裕で死ねる。ああ、ティノを遠ざけなければ良かった。どうしよう。土下座したら許してくれないかな。

 

「ま、まあ待ちなよ。例え君たちが犯罪組織の人たちであったとしても、たった二人でこのレベル8ハンターを倒そうだなんて、本気でできると思ってる?」

「ふふ、そのための下準備だ。さあ、全員出てきなさい」

 

 僕のなけなしの牽制はアリエスに笑って流された。彼女の号令で建物の至る所からゴロツキたちが出てくる。見たところ数は10人以上いる。

 

「彼らは『ヒノアラス』の中でも精鋭部隊でね。お前たちハンターの物差しで測ればレベル4といったところでしょう」

「へ、へぇ…それは、すごいね。でもーー」

「あぁ、もちろんこれだけではないわ。この都市の至る所に爆弾を設置した。あなたが抵抗する度に爆破していくことにしよう。怪しい行動も慎みなさい。当然、あなたのところのエヴァ・レンフィードにも当たるようにしてある。お優しいあなたは抵抗はしないでしょう?」

「…」

 

 あ、詰みかな。そもそもレベル4が十何人いるだけで余裕に死ねるのに、そこに爆弾なんて出されたら僕には手の打ちようがない。

 

 もちろん他人の命と自分の命であれば後者の方が大事だが、それでも僕の一挙手一投足で彼らの命が無駄にすり減るのなら、あまり動きたいとは思わない。

 

「勝負は始まる前に終わっているのよ」

 

 どうするべきだ。ティノがここに来るのを待つか?だがティノもレベル4ハンター。この物量を押し切れるとは思わない。ガークさんが来ることを祈る?いや、分が悪すぎる。

 

 最悪の場合、『異郷への憧憬(リアライズ・アウター)』を使えば切り抜けられるだろうが、その場合何回か爆破されるだろう。僕の行動に対して重すぎる責任である。背負いたくない。

 

 とりあえず時間を稼がないと…!

 

「まあまあまあ、一旦落ち着こう? ほら、僕たちって争う理由が無いだろ? 無駄な争いは嫌いなんだよね。僕は別に君たちに危害を加えた訳じゃないしさ、なんなら、何か気に入らないことがあったなら謝罪もするよ」

「は、はぁ!? ここまでやっておいて、『危害を加えていない』だと!? あの悍ましい竜人を送ってきたのはお前だろう!?」

「なんのことかさっぱり分からないよ!!」

 

 君たちのこと知らないのに誰かを派遣なんかするわけないだろ! そもそもロキスは性格が自立型犯罪者掃除機なんだ。僕に制御できるわけないだろ!

 

 僕の魂のこもった熱弁を聞いたアリエスはわなわなと震え出す。そして顔を赤くしながら言った。

 

「言うことにかいてそれかッ! つくならもっとマシな嘘をつけッ! あの竜人が言ったんだ! クライから潰して欲しい犯罪組織を教えてもらったとッ! 馬鹿にしてるのかッ!」

「僕ってロキスにそんなこと言ったっけなぁ…」

「!? …貴様もパーティリーダーならもっとちゃんと抑えておきなさいッ!」

 

 ごもっともである。だがしかし、犯罪者狩りは善の行動なのであまり注意しづらいのだ。今回の件が終わったらロキスを見つけ出してシトリーにお世話をお願いしよう。なんだかんだあそこは仲良いからな。

 

 勢いを削がれた僕は黙るしか無かった。目の前の怒りに燃えるアリエスは少し息を切らしていたが、途端に笑い出す。

 

 アリエスってやばい人だったんだ……犯罪者だし元々か。

 

「ギール! アレを持ってきなさいッ!」

「はい、少々お待ちを」

 

 アリエスが初めにいた男にそう言う。すると男は後ろに下がって何かを取りに行ってきた。レベル8ハンターを前にしてこの余裕………これがもし燃やす婆さんだったら君たち死んでるよ?

 

 そうして彼が持ってきたのは細長い小包だった。アリエスはそれを受け取ると小包を解いていく。

 

 果たして小包から出てきたのは腕だった。肘から上しか無い、所々焼けた腕。アリエスはそれを撫でるように持ち上げる。そして僕の前に掲げて勝ち誇るような笑みを浮かべた。

 

 彼女は言う。

 

「この腕は、一体誰のものだと思う?」

「さ、さあ…?」

「ふ、ふふふ! そんなこと言わずに触りなさい」

 

 アリエスはその腕を僕の方へと放り投げる。正直、腕だけなんて猟奇的すぎるから触りたくなかったが、これも時間稼ぎのためである。僕はその腕を受け取った。

 

 見たところ、ただの人間のもののようだ。これでこの腕の正体がキャストルさんやヴェルヌさんのだったなんてオチなら、僕に分かるはずがない。一体なぜ、彼女はこんなものを見せてるんだろう…。

 

 そう思っていると、加虐的な笑みを浮かべたアリエスは口を開く。

 

「おや、分からないの?」

「いや、全然分からないよ。残念ながら僕は君と違って腕マイスターじゃないんだ。ちょっと付き合いきれないよ…」

「可哀想に。その腕はあなたの仲間だったモノなのに…ね?」

「え」

 

 その言葉を聞いた瞬間、僕の思考が停止した。仲間…仲間とは誰だ?ティノ?エヴァ?クランメンバーの誰か…?

 

 もしかして…ロキス…?

 

「ふふ、その驚いた顔が見たかった。呆然とする姿を求めていた。取っておいて良かったッ! ははは! ざまあっみろ《千変万化》!」

「だが、腕だけだ。君が見たのは腕だけなんだろ? 死んだとは限らないよ…ね?」

「いいえ? あの日…襲撃された日、なりふり構わず使った爆弾の爆風から私を守って……最後はその身体が灰になって崩れていくのをこの目で確かに見たわ! 馬鹿な奴! 私には結界指があるのに…私がお前の憎む組織のボスだったのに! 愚かで間抜けで頭が足りない! その癖私が築いてきた市場を荒らしやがって!」

 

 もう何も聞こえなかった。今の僕には言い表せない感情があった。不安やら悲しみやらがごちゃごちゃとして、僕は呆然とするしかなかった。

 

 今一度、腕を見る。その腕は確かに成人男性にしては小さいような気がした。ロキスは18歳にしては小柄な体格をしていたから余計に信憑性が上がる。

 

 まずいな……これはちょっと立ち直れないかもしれない。そうだ。お墓を…お墓を建てないと(現実逃避)。…ほんとに僕はダメダメだな。幼馴染がいれば覆せる局面も、僕では覆すことができない。

 

 メンバーがいれば大体なんとかなっただろう。リィズがいれば全員倒してくれるだろうし、シトリーは頭が良いからなんとかしてくれそう。アンセムなんかいれば安心感が違うし、ルシアは魔法でなんとかしてくれる。ルークは全部斬る。

 

 あれ、なんで僕まだハンターやってるんだっけ。なんか辞めたいと言ってから4.5年経ってる気がする。今までなんとかなってきたからダラダラと続けてきたけど、本当にもう潮時なのかもしれないな。

 

 僕がそう呆然と思いながら腕を見ていると、しかし突然予想外のことが起こった。

 

「(くいっくいっ)」

「!?!?!?!?!?」

 

 腕が動いた!?

 

 慌てて僕は目の前のアリエスの方を振り向く。

 

「考えれば考えるほどに腹が立つ。《死屍累々》が愚かであれば、そのリーダーが愚かで良いと思っているのか? その体たらくで一体どうやって私たちを知り得たのだ。裏切り者がーーー」

 

 アリエスは未だに癇癪を起こしたように話していた。とりあえず目線を腕に戻す。どうやら腕は何かを探しているらしい。手を開いて閉じてを繰り返している。

 

 極限状態の僕には、ロキスの腕が何を求めているのかがすぐに分かった。すぐにポーチを漁り出す。

 

「!? ボス、コイツが怪しい動きをーー」

 

 そんな言葉は極限状態の僕には届かない。すぐにポーチから『賢なる王装(インペリアル・ネイク)』を取り出す。

 

 そして僕は、目の前の誰もが反応する前にその腕輪をロキスの腕に差し込んだ。

 

 

 





次回、『《死屍累々》②』
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