夏─
それは1年の中で特に暑い季節
お昼が長くて夜が短い季節
ある人は外に出て遊んだり
ある人は涼しい部屋でダラダラのんびり過ごしたり
ある人は仕事に出ていたり
ある人は夏祭りを楽しみにしていたり
ある人は宿題をすっぽかしガチになったり(ちゃんとやらないとあとが大変なのでワタシは最初の方で全部終わらせちゃいます)
そんな、そんな誰にとっても変わらない【有り触れた普通の夏】
夏は楽しいことが沢山あるので嫌いな人はそうそういないと思いますが
でも、ワタシにとっては1番嫌いな季節でした。
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「レーイちゃーん!!あっさでっすよー!」シャッ!*1
「ぬおぉぉぉぉぉ!?朝日が!?朝日がぁぁぁ!?」
この人は雨宮霊士、通称レイちゃん
ワタシの1個下でかあいいかあいいワタシのヒーローです!
「まぁた夜更かしして机で寝てましたね!」
「ごめんごめん、つい…ね?」
「もう…これで何回目ですか?」
「確か…3から6回?」
「夏休みに入ってから連日16回デスよ!いくらなんでもやり過ぎデス!」
「うげ…そんなにか、ふあ〜…」
「起きたばかりなのに欠伸が出ちゃってるじゃないですか…それと今何時でしょうか?」
「え?」
時計「午前10時で御座る」
「………」
「………」
カチコチカチコチと時計の針の音だけが部屋に響く、そして
「今日は9時には家に来るって言ってたのに何してたんですかーっ!!」
「すいませぇぇぇぇぇんッ!!!」
雨宮邸に響き渡る怒りと謝罪の叫びに窓辺にいた鳥たちは驚いて飛んでいってしまった。*2
世の学生は夏休みの真っ最中。
8月7日の今日、私達の夏は大体こんな感じデス
午前10時30分─【雨宮邸洗面所】
「約束しておいてすっぽかすのは良くないよ」
「ウグッ」
「寝坊してるのもわかって待っててくれるなんていい子じゃないか一体何やってたんだい?」
「自分の個性を調べていたら気づいたら寝てました」
「またそれかい、いい加減自分でも調べ尽くしたんじゃないのかい?」
「前に腕のガントレットが取れるのを発見したのを思い出してね、なにか改良出来ないか模索してたらいつの間にかって感じでね…」
「なんだいそれ…まぁいいや今日はあの子にとって【大事な日】なんだからね」
「わかってる、母さんからも言われてるからな『あの子が過去を乗り越えるために良い思い出を沢山作ってあげて』ってさ、言われなくてもそうするさ」
「ほう、いっちょまえに言うねぇ」
「せっかく嫌なとこから出る事が出来たんだ、いい思い出くらい作ってあげるのが普通だろ?」
「まぁお前が自分から進んでやるなら何も言わないさ、ほらさっさと行きな」
「そうだな、それとナガン」
「んー?」
「気ぃ使ってくれてありがとな」
「なんて事ないさ、あの子とは待ってる間話もできたからな」
「そっか、じゃっ行ってくる」
「行ってらっしゃい」
【雨宮邸玄関】
「待たせてごめん」
「いいですヨ、さぁ!行きまショウ!」
「うわっととと!引っ張るなって!?」
午前11時【守矢商店街】
「着きました!」
「何故に商店街?」
「前ここの近くを通ったことがあって一度来てみたかったんデス!」
「へー、んじゃ行ってみるか!」
「はい!」
………商店街散策中……
「おお!色んなお店がいっぱいです!」
「ここは近くに建てられたショッピングモールと提携してるから割と生き残ってるからな」
「戦略を感じます!」
更に散策
「楽器屋さんデス!」
「弦楽器が中心なんだな」
「レイちゃんは弾けるんですか?」
レイちゃんは弾けるんでしょうか?、ワタシは全然ですけど…
「いいや全く、楽譜すら読めないよ」
なんと!ワタシと同じです!なんだかビビッと来ました!
「ワタシもです!あっ!でもこのギターかっこいいですよ!」
「THE AL〇EEが使ってそうなギターだな」
THE 〇LFEEって誰でしょうか?、帰ったらお母様(リコ)かオーゼンさんか筒美さんに聞きましょう
「価格は………10万?!」
「おおう…凄いしますネ…」
「商店街で出す値段じゃねぇ…」
更に散策
「帽子屋か…」
「オシャレなお店ですね!気になります!」
「入ってみるか?」
「いいんですか?!」
(驚く事か?)「勿論」
「どんなのがあるんでしょう…!」
見物中…
「色んなのがあるな…おっこの濃い紺色のハンチング帽子とかいいかもな」
「レイちゃんレイちゃん!どうですかこの帽子!」
「ん?、どんなのだ?」
ワタシは今来てる白いワンピースに合うよう麦わら帽子を選んだんですが流石に安牌過ぎましたでしょうか…?
「すみませんアレいくらですか?これも買いますんで」
気に入ったのかワタシを見てしばらくホケーっとして我に返って即決で買ってました、もしかしてストライク判定入ってました?それならナイスですワタシ
正午【守谷商店街イートスペース】
お昼になってお腹がくぅくぅいいそうになりましたがレイちゃんが場所取り&昼食を見繕って来てくれました今日のお昼はハンバーガーです!
「「いただきます」」
ガブリとハンバーガーにかぷりつく、うーんやっぱりマ〇クのチ〇チーは美味しいです!鳥さんの味が直に感じられます!
「んむ、むぐ、やっぱり美味しいな」
「ホグ、モグ、ほうでしゅね」
「ちゃんと飲み込んでから喋りなさい喉つっかえるよほらジュース」
「モグモグ…ジュー…ぷはーっ、ありがとうです!」
「どういたしまして」フフッ
「?、なんで笑ってるんですか?」
「いんや、凄く美味しそうに食べるから、ね」
「はい!レイちゃんと一緒だから尚更デス!」
「そうか」
「はい!」
そしてその後もあちこち行きました、公園にショッピングモールにと色んな所に、本当にとても楽しい一日です。
【守谷神社】
「古い神社ですね」
「なんでも風祝の由来があるとか無いとかで有名らしいよ」
「でも私達しかいませんね」
「何故か誰も寄り付かなくなったらしいしね、原因はわからんけども」
レイちゃんの話を聞いているとふと視界の端っこになにか見えたので見てみるとそこには小さなビー玉サイズのカエルの置物がありました
「あれ?カエルのお守りが置いてあります」
「ほんとだ誰かの忘れ物かな?」
「そうなんでしょうか?」
ワタシは徐にソレを手に取りましたが不思議と他人のものがしませんでした
「んー、どうしましょう?」
「どうしようか…交番に届けるのが基本だろうしここは─」
ビュゥオッ!!
「わっ!」
「キャッ!」
どうするか悩んでいたら急に強い風が神社の裏の森から吹き私たちは驚いた拍子にカエルは私のカバンのポケットに入ってしまいました
「あっ!」
「……どうやら其れは持っておいた方がいいかもね」
「えっ?でも…」
「言ったろ?風祝で有名だって、もしかしたら持たせるためにわざと置いといたかもしれないよ?」
「そうなんでしょうか…なら大事にします!」
そうして私たちは参拝して神社を後にしました
夕方──
「本当に今日は楽しい一日でした!」
「ならよかったよ」
「はい!今日この日が楽しいと思えるなんて本当に初めてです!皆さんには感謝してもしきれません!」
「それはどうも」
並んで家に帰る私達、こうして見ると他から見たら私たちはどう見えているんでしょうか?、歳が近い姉弟でしょうか?それとも…、いやこれ以上はやめておきましょう、なんか考えちゃダメな気がします
Prrrr......prrrr......
「はいモシモシ、あっ…うん、わかった、そっちはいいんだね?おk。」
「どうしたんですか?」
「ん?、んーそうだな…なぁトガちゃん、いや渡我」
レイちゃん…いや雨宮君の目がいつになく真剣になります
「今日はどうだった?」
「とても楽しかったですよ?、こんなの生まれて初めてです」
「そっか、本当によかった…それでなんだけどさ」
雨宮君は少し言い淀む、わかってます私が今日は誕生日で連れ出してくれたのを。
なんで知ってるのかは知りませんが概ねお母様(リコ)から聞いたんでしょう、私の家の事情は他の人とは違う【普通】では無いのです
両親が望む【普通】の為に私は自分を押し殺し続けていました
それがとても辛かった、どうして自分を受け入れてくれないのか、どうして普通になれないのか、どうして普通が分からないのか。
辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて辛くて。
どうにかなりそうな時に助けてくれた。
雨宮君
貴方は私にとって誰よりもヒーローなんです、私をあの暗い場所から引き上げてくれたんです。
だからこそこの恩は返しても返し足りないくらいなんです
だからこそ貴方に頼りきりは良くないと思うんです
でも、もしそれでも許してくれるなら
ワタシは……
「あー、やっぱ家に行った方が早いな」スッ
「ふぇ?」
いきなり手を掴んでどうしたんですか?ちょっと足が早いですよ?
気づくともう玄関をくぐりリビングの扉の前にいました
「あの?これは?」
「扉を開けるのはトガちゃんだ」
この扉を?私が?
そう見つめると黙って頷くレイちゃん
(何があるんだろう?誕生日で外に連れ出してくれたのは分かりますけどこれ以上に何が?)
疑問を持ちながら扉を開けると─
パパン!パン!パン!パァン!!
「うひゃあ?!」
破裂音にこれは紙吹雪?!
『『『『『HappyBirthday!渡我被身子ちゃん!!』』』』』「ハッピーバースデー」
「ふぇ?、え?」
「サプライズ大成功ってな!」
レグさん、お母様(リコ)、筒美さん、オーゼンさん、緑谷くんに……爆豪君?!。
「レイちゃん…これって一体…」
「すまんすまん、実は一ヶ月前から計画してたんだよ」
「そんな前から?!」
大掛かりすぎませんか?!
「そうよせっかくの誕生日なんだもの盛大にしなきゃ」
お母様(リコ)…
「まぁね、この日のためにスケジュールをめっちゃやりくりしたかいがあったよ」
レグさん…
「それをコイツは一から破綻させそうになったからヒヤヒヤしたよ全く」
「ウグッ」
オーゼンさん…
「まぁまぁ、結果上手くいったんだから良しとしようぜ!」
筒美さん…
「トガちゃん!お誕生日おめでとう!これプレゼント!」
「あ、ありがとうございます?」
緑谷くん……多分オールマイト関係なんだろうなぁ…緑谷くんらしいな、センスはアレだけど
「………」
「おや?、君は何も言わないのかい?」
「うっせぇ何もねぇわ」
「ほーん?、飾り付けとかケーキ作りは1番張り切ってたくせに〜?」
BOMB!!!
「その口閉じやがれ吹っ飛ばすぞ」
「はん、やってみな」
「なんだとこの射的女」
「なんだよ、射的のどこが悪いって?」
「いや悪くねぇけどコルク栓眉間にぶつけんぞ」
「はいはい!喧嘩しないの!」
なんだか爆豪君と筒美さんがバチバチになりそうだったけどお母様(リコ)が仲裁に入ったから事なきを得ました
「フフッ…」
「ん?トガちゃん?」
「ふふふっ…あは、あははは…」ポロポロ
『『『『『『『!!!???』』』』』』』
あれ?なんでワタシ泣いているんでしょう?悲しくないのに、むしろ嬉しいのに
「あは、あはは、はははは…」ポロポロポロポロ…
涙が止まりません…どんどん出てきます…
ヤベッナイチマッタ
オイバクゴーオマエノセイダゾ
ナンデオレナンダヨ!
イヤタブンチガウトオモウヨ
トウサンナニカヤッタカナ?!
アナタハトニカクケーキモッテキテ
アッハイ
オヤオヤモシカシテカナ?
なんかみんなしどろもどろになってます…ダメですねみんな祝ってくれてるのに泣いちゃうなんて…やっぱり私には勿体ないです…
「トガちゃん」
「うえ…?」ポロポロポロリ
ぽふっ
頭がなんか暖かいです、撫でられてますね
「今まで良く頑張った、そしてこれからも宜しくな」
「君はもうひとりじゃない」
あぁやっぱり───
そこから先はその日の中で一番でした、みんなでケーキを分け合って食べて、プレゼントも貰って(以外にも爆豪さんは献血に必要なカードをくれました、案外律儀で真面目な人かもしれないです)、思い切り楽しみました。
今まで誕生日は大嫌いな日でしたがこんなにも楽しいと思った誕生日は初めてでした
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あれから夏が来るのが楽しみになりました、普通に遊んで、普通に学んで、普通に過ごすことが出来ます
まだまだ大変な事はありますがワタシはとても充実しています
そういえばあの時からですねレイちゃんを弟呼びするようになったのは、遠慮が要らなくなったと思えたからですから。
今年も夏が来る、楽しみです。
今度はA組のみんなも呼びましょう、そうしましょう。
あぁ、夏が待ち遠しくなるなんて─
なんて幸せなんだろう。
でも
まさかその夏があんなことになるなんて
この時は夢にも思わなかった。
はいあとがき、皆様お久しぶりです
えーなんで続きではなく番外を出したかと言うと実は8月7日は渡我被身子の誕生日というわけで急遽書き上げたものになります、思い出してよかった…執筆時間1時間です、切羽詰まった書き上げなんで内容が内容です、解釈違いがあると思いますがどうかご容赦を…本編も執筆中ですのでもう少々お待ちください。
感想や評価してくれるととても励みになりますのでぜひお願いします
それではまた次回
今後主人公にオリジナル武装は…?
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思い付いたら書け
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別にもういっぱいあるしいらない
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はよヒロインとバディ組めや
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カードリッジまだですか?(人の心)