西暦二◯五◯年。
関西某所にあるタマモ市にある小ぢんまりとした教会。割れたステンドグラスから差し込む月光を浴びながら、その朽ちた石像の前で一人の女は古びた長椅子に座って居た。
水色のジャージに水色の帽子を被った女。
女はひび割れた石像を眺めて自身に説明するように呟く。
「
そう吐き捨てた女は石像から隣に置いてある自身の青いスマホにへと目を移す。
その画面には非通知のだけ文字が浮かび、その向こう側の人物は女の吐き捨てた言葉に反応する事はない。
そんなことを気にする素振りは見せずに、女は続ける。
「オレが自宅第一主義なのを分かっていて今回の監督役に選んだアンタの思惑も、
女はスマホの向こうの人物に呼ばれて日本へと訪れた。それは聖杯戦争の監督役をするためであり、ひいてはスマホの向こうの人物を聖杯戦争の間にサポートするためだ。
投げかけた質問にも、スマホの向こうの人物はやはり何も答えない。
その様子に女は話しかける事を諦めていつもの定時連絡に話を戻す。
「………とにかく、アーチャー、キャスター、バーサーカーは既に召喚された。ランサーとアサシンも適当なマスターを見繕い召喚させた。後は───」
『………セイバーと、ライダー』
ようやく聞こえた声に女は言葉を止める。
おそらく変声機でも使っているのだろう何とも機械質な声だ。
「その二騎に関しては問題ない。こちらで検討は付けてある」
ハッとした女はようやく声を上げる。
「お、おう。そうかい。なら、オレはしばらくこの教会に引きこもらせて貰うぜ。仮とは言え今はここがマイホームだからな。ボロボロままじゃあ住めやしない」
今は冬。世間では仕事納めもようやく終わり忘年会を行う時期だ。そんな時期の夜の風が教会の崩れた壁から吹き抜ける。
女は身震いを起こしながら通話が切れたスマホをポケットに仕舞う。
「さてと、始めるか」
ぼそりと呟いた女は長椅子から立ち上がるとゆっくりと踵を返して、教会の外へと出る。
教会から少しだけ距離を取ると、女は足で地面を擦る。左右を確認すれば、何かが引きずられたような痕が教会を囲むように続いており、先程擦った痕がそれを繋ぐ。
それを確認できた女は自身の指を噛みちぎり、血をその跡へと垂らす。
すると、跡は垂れた血のように赤々と光を放ち光が廃墟とも言える教会を包んでいく。
「───ハハ、ハハハ、ハハハハハハハハハハ!いい!良いぞ!想像力が掻き立てられる!教会をベースにしたマイホームは初めてだったが、中々どうにでもなるものだな!ハハハハハ!」
見る見るうちに姿を変える廃墟を眺めながら女は高笑いを上げるのだった。
拙い文章です。真名の考察などはどんどんやってほしいですね。