前回投稿から1ヶ月弱…長くお待たせさせてしまい申し訳ありません…
遅くなりましたが、皆様明けましておめでとうございます!筆者的には2025年もまた厄年だったなぁ…という思いですが、2026年こそは吉年になるよう願っていきたい所存です。
…………あと、マルチプレイ常時実装と兄弟子実装も…そして雅の私服衣装実装も…(ボソッ)
ごほんっ…それではどうぞ
『旧都地下鉄の爆破計画に関する最新情報が入ってきました。ヴィジョンコーポレーションによりますと、本日未明に爆破エリアへ向かっていた列車に技術的トラブルが発生し、その解決のため爆破解体を4時間ほど遅らせる模様です。なお、CEOのパールマン氏によると『爆破自体は予定通り実施する予定で、決して中止されることはない』とのことです』
六分街 ビデオ屋〈Random Play〉
リン「4時間も延期…藤木さん、だいぶ派手に暴れたね…」
アキラ「あぁ。でも彼のおかげで、ニコ達を救出する時間を稼ぐことができた」
先にホロウを離脱したリンは、テレビから流れてくるヴィジョンの爆破計画一時中断のニュースを耳にしながら、アキラと共に今後の動きについて話し合っている。
リン「それもそうだね。あと気になるのは…」
そして、自然と視線が休憩スペースとなっているソファーへと向く。そこには猫又の姿があったが、戻ってきてからは口数が減り、俯いた状態が続いている。
リン「ニュースだと列車は無人だと言っていたのに、現実は武装した治安官が大勢乗っていた。けど『任務とはいえこんな格好』とか『靴が合わない』だったり、治安官局の人達じゃないことは明らかだね」
アキラ「今回の件は僕たちが考えている以上に、厄介な出来事に発展するだろう。だけど、まずは藤木さんの帰りを待とう」
リン「そうだね」
話し合いが終わると同時、仕事部屋のドア番ボンプであるレムが二人に駆け寄ってくる。
レム『ンナ!ンナンナ!(アキラ、リン!調査員のお友達が帰ってきたよ!)』
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
鄙「すまない、今戻った。爆破計画はどうなっている?」
扉を開け、何気に初めて足を踏み入れるアキラとリンが裏稼業で使う部屋の様子を眺めながら、事の現況を二人に尋ねる。
リン「おかえり藤木さん。結論から言うと、作戦は大成功だよ。計画自体を止めることはできなかったけど、しばらく爆破を延期するって」
アキラ「まぁ技術的トラブルという理由で報道陣に虚偽の説明をしているのだけど。それよりも問題は―」
鄙「…あぁ、分かっている」
身体の向きを変えると、ソファーに座り込む猫又に近づき寄る。
鄙「猫又。今回の件について隠していることがあるなら教えてくれ。ホロウに入った時から怪しいと思っていたが、なぜ無人列車に治安官を装っていた集団が乗っていた?ニコ達の救出は建前で、別の目的があるのか?」
猫又「………」
リン「猫又。無理にとは言わない。けど私達は同じホロウで命と体を張った仲間だから、理由だけでも教えてくれない?」
優しく語りかけるリンの問い掛けでも猫又の反応は芳しくなく、しばらくの沈黙が続く。
鄙「…もし、自分達を貶めようとしているのなら、すまないがこの刀を抜かざるを得ない」
鞘を握っていた手で鍔を押し出し、僅かに刀身を露わにする。
隠し事をしている者に対し、警戒するのは当然のことながら、デッドエンドホロウでの戦闘で背中を預け合った戦友に刃先を向けたくはない。
猫又「そ…その…」
やがて、鄙とリンの意を汲んだ彼女はゆっくりと話し始める。
猫又「今まで黙っていてゴメン…でも本当に、藤木達を騙そうとしていたわけじゃないんだ。ニコ達を助けたいのは本当のことなんだげど…」
三人の誤解を解き信用を得るため、猫又は事の顛末を話し始める。
猫又「実は…爆破エリアにはニコ達だけじゃなく、大勢の住民が取り残されているんだ」
鄙「…なんだと?」
ちょっと待て…ヴィジョンの発表では住民避難は完了して爆破エリアは無人のはずだ。他のホロウから裂け目を通じて迷い込んだのか?
猫又「内容は手短に話すけど、赤牙組のアジトを探している途中に私達は女の子を見つけたんだ。その子を保護するために追い掛けていたら、デッドエンドブッチャーに襲われかけて…その時は突然発生した裂け目に巻き込まれて運よく助かったんだけど、通り抜けた先には住民達が取り残されていたんだ」
アキラ「変だな…爆破エリアやその周辺には少なくない住民が暮らしていることは知っていたけど、テレビでは全員避難させたと言っていたはずだ」
ヴィジョンが公表している情報と、ニコ達と行動を共にした猫又の情報が合っていないことに疑問を抱き、アキラは首を傾げる。
猫又「住民達の話だと、ヴィジョンが列車で迎えに来る手筈だったらしいけど―」
鄙「なら今頃、この問題は起こっていないはずだ。あくまでも自身の想像だが…今回の工事計画のコストは莫大だ。住民に気をかけて余計な出費を出したくないがために、爆破エリアごと木っ端微塵にするのがヴィジョンの思惑かもしれない」
結論から言うと、その推測は当たっていた。
誰よりも企業を嫌悪する鄙だからこそ、彼らの考える事が手に取るように分かるのである。
猫又「とにかく、今すぐ爆破エリアに向かってニコと住民達を助けてほしいんだ!隠し事をしていた私を信用できないのは承知の上だけど…信じてほしい」
淀みのない真っ直ぐな瞳…嘘を付いている訳ではなさそうだ。
鄙「分かった。その言葉を信じよう」
猫又「…!本当か?」
鄙「あぁ」
話を信じてくれることに猫又はホッと安堵し、猫耳がピクリと動く。
アキラ「正直に話してくれてありがとう猫又。これで僕たちも、心置きなく動くことができる。さっそく救出計画を考えよう」
猫又「藤木…パエトーン…」
双方のわだかまりは無事解消された。
しかし同時に、新たに明かされた住民の存在は作戦をより困難なものへとさせてしまい、鄙の表情は険しくなる。
鄙「(それにしても、爆破エリアから逃げられないよう、ヴィジョンが意図的に脱出を妨害している―か…虫唾が走る)」
やはり企業は信用ならない。
自らの利益と幸福のため、罪なき人々の命を糧にするなど言語道断であり以っての他。
奴らのことを考えれば考えるほど、市民を護る立場の人間としての怒りが沸々と沸いてくる…!
アキラ『幸い、こっちには調査協会きっての救出作戦のプロフェッショナルがついているから、万が一の事態になっても彼が居れば安心だ』
鄙「あまり期待されても困るんだが……コホンッ、まず情報を整理する。現場付近の簡単な地図を出してくれるか?」
リン「おっけー分かったよ」
机に向き直したリンがPCを短時間操作すると、画面に簡略化された爆破エリア近辺の地図が映し出される。
鄙「ヴィジョンが旧都地下鉄の工事計画で爆破予定のエリアにはニコ達邪兎屋と大勢の住民が取り残されいる。そして誰一人も欠けることなく、爆破時間までに全員を安全な場所へ避難させること―これが今回の目的だ」
自身の言葉に合わせて、画面上にマーカーがポンッと打たれる。
鄙「作戦行動中、エーテリアスは勿論のこと、ヴィジョンが雇っている偽治安官との交戦は恐らく避けられない。最短距離かつ時間を掛けないのであれば、正面突破が個人的に一番の良案だが…当然ながら、住民達を無事に脱出させる確証がない」
猫又「(正面突破って…もしかして藤木は意外と脳筋思考なのか?)」
鄙「それに、相手はただの素人ではない。所々の動きは良く訓練され、銃の腕前も中々のものだった。ベテランのホロウレイダーか、もしくは反乱軍を雇っているだろうが、後者の可能性が高い」
アキラ「そうなると、住民達を引き連れた状態で接敵するのは何としても避けたいですね」
鄙「あぁ。リスクが大きすぎる」
トントンと指先で机を軽く叩きながら、最適な脱出手段を模索するものの…悔しいことに一向に思い付かず、狐耳を左右へ寝かせる。
鄙「どこかに抜け道があれば良いんだが……」
『提案、マスターの右腕こと筆頭助手である、このFairyが最適解な作戦計画を立案しましょう』
猫又「んにゃあ!?が、画面がひとりでに話し始めたぞ!?」
鄙「…アキラにリン、これはどういうことだ?」
アキラ「驚かせてしまってすまない。彼女はFairy。僕達の仕事を手伝ってくれる優秀なAIアシスタントだ」
『ご紹介感謝しますマスター。またの名を正式名称_Ⅲ型総順式集成汎用人工知能と言います。
リン「ちょっとFairy〜?しれっと私をディスるのはやめてくれない?」
パエトーンとしてのプライドが許せないリンは不満を訴える。
アキラ「それよりFairy、何か良案でもあるのかい?」
『肯定。ヴィジョンの列車を使用し、デッドエンドホロウを経由して脱出する案を推奨します。爆破エリア周囲に展開する敵対勢力は正面に集中しており、ホロウ方面への展開は確認されていません。また、計画責任者のパールマン氏が滞在する監視拠点には耐侵蝕仕様の列車が停車しています』
リン「なるほどね。列車なら住民全員を安全に素早く運ぶことができるし、なおかつ耐侵蝕仕様ならエーテル侵蝕も心配いらない」
猫又「でも、ヴィジョンの拠点ってことは…警備もそれなりに厳しいんじゃ?」
『否定。現在の警備配置は“想定外の事態”に対応する余力が不足しており、短時間での制圧は十分に可能です』
なるほど…ホロウ経由であることに少々不安が残るものの、全体的に優良な計画に仕上がっている。アキラの言う通りかなり優秀なAIだ。調査協会にも1台欲しいな。
鄙「よし、彼女の計画案を採用しよう。まずは爆破エリアのニコ達と合流し、こちらの戦力を増強する。その後は列車奪取を行う班、そして住民をあらゆる脅威から護衛する班の2つに分かれる。そして後半の班に関しては、自分が担当しよう」
猫又「ふ、藤木一人でやるのか?それは危なすぎないか?」
リン「うーん…私は問題ないと思うかな。藤木さんだし」
アキラ「僕も同感だ。藤木さんの実力なら、住民達を一人で守るのは容易いだろう」
猫又「そ、そうなのか…?」
心配の"し"の字もなく、当然のように鄙の案を受け入れる二人の反応に少し戸惑う。
百人は優に超える住民達をたった一人で護衛するのは、常人からすれば限りなく無理難題。猫又の反応は当然である。
鄙「まぁそういうことだ。続けて行動順序の詳細だが――」
残された時間は少ない、しかし計画の万全を期すため、作戦会議はまだまだ続く。
一方、対ホロウ6課の執務室では……
柳「課長…この刀の数々は何ですか…?」
雅「む、戻ったか柳」
深夜の外出業務から帰還してきた柳は、共有スペースの机一面に刀が置かれた状況の説明を、それらを丁寧に手入れしている雅に求める。
雅「以前にねっとしょっぷで刀の割引販売がされていてな。その際に注文した品が今しがた届き、それを磨き上げているところだ」
柳「…課長の趣味を否定するつもりはありませんが、課の共有スペースを占拠していい理由になっていませんが?」
雅「問題ない。ここは広い」
柳「そういう問題では―」
言いかける前に言葉を飲み込む。
このようなやり取りを何度交わしたか、10回目以降はもう数えていない。
柳「…この件は一旦置いておきます。来週に控えている零号ホロウでの作戦行動案の進捗はどうなっていますか?」
この後に返ってくる返答が嫌々ながら想像できるものの、一応は仕事として確認を取る彼女だがー
雅「今しがた全ての刀を極限まで磨き上げる修行の最中であるため、その件は後回しだ。"仕事より、自分のやりたいことを好きなようにやる"とな」
柳「…お兄さんの名言は前にも聞きましたよ」
雅「兄上の教えは他にもある。"準備不足で励む物事は必ず失敗する。なら準備が整うまで待つが良し"とも言っていた。いずれ誰かが作戦行動案を纏めてくれるまで、私は待つべきと思っている。兄上もそうするだろう」
柳「………」
この時、柳はふと思った。
常日頃から扱いに手を焼く雅以上の自由奔放な人物が存在するという事実に、言葉にしがたい恐怖を感じ、言葉を失う。
実を言えば、鄙の名言は雅によって拡大解釈されたものであるのだが…それを知らない柳の、"雅の兄"に対する印象が悪い方向へと傾きつつあることを当の本人"星見 鄙"は知る由もなかった。
to be Continued
鄙さんは、かなりの企業アンチ(特にTOPS)です。クマさん主力の建設会社やブラック枝の裁決官との関係性はどうなるのでしょうか。
閑話休題_
ツナツナマヨヨさんから☆10
乾燥した鰤さん、他力宗人任寺派さん、霊魂さんさんから☆9
究極生命体ネズコさん、池ポチャさんから☆8を頂きました!!皆さん高評価ありがとう御座います!!
もし問題なければ、お気に入り登録、感想、そして評価をお待ちしております!誤字や脱字、文書の抜け等がありましたら報告をお願い致します!
また、本作主人公である星見 鄙の剣技の案について募集を行っておりますので、良案があれば活動報告の募集箱に投稿をお願い致します。
それではグッバイ
星見 鄙と他エージェントとの交流話は―
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必要不可欠
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必要なし
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中立地帯