見た目だけは踏み台だけど、普通に生きさせていただきます! 作:蒼天 極
念話は()を使っていましたが、デバイスや通信での意思疎通で使っていた『』に統一させていただきます。
面と向かって話す以外の意思疎通は全て『』と考えてください。
ひなちゃんやヤマト、なのはちゃんと友人になった事で、四人で遊んだり翠屋でケーキを食べたり、ヤマトやひなちゃんと魔法の練習をしたりと最初の一年よりも充実した一年を過ごすことが出来た。
そしてそんな俺も早い事でもう六歳……小学校に入学する年齢となった。
「よっす。来たよ〜」
「あ、れお君おはよ〜」
「やっと来たか。遅いぞ」
「すまん、金髪に絡まれてて始末してたら遅くなった」
「それは……大変だったね…………」
当たり前というべきか俺たち四人は聖祥大附属小学校に入学する事が決まっていた為、なのはちゃんの家に一旦集合してみんなで向かう事になったのだが、どうやら俺が最後だったようだ。
まぁ時間ギリギリで遅れたわけではないしいいよな。
そんな事を考えていると、オリ主がなのはちゃんとひなちゃんの制服をジッと見つめる。
「それにしても……なのはもひなも制服にあってるな」
「ふぇ!? そ……そうかな……////」
「ありがと〜、ひなもこの制服気に入ってるんだ〜」
流石はオリ主、好感度上昇に余念がないな。でもひなちゃんを口説こうとしないでもらえます?
どうしても口説きたいなら俺を倒してからにしろや。この一年で更に修行に励んだからあのときの俺とは大違いだぞ。
「オリ主覚悟……!」
「え、なんで戦闘体勢に入ってるんだ?」
「これはヤマト君が悪いの……」
だがヤマトに襲い掛かろうとした瞬間、ひなちゃんが俺の肩をクイクイと引っ張る。
俺の中ではヤマト<<ひなちゃんと言う構図のため、オリ主の事は放っておいてひなちゃんの方を向くと、彼女はクルクルと回って俺に制服を見せてくる。
「ねぇねぇ、ひなの制服はどう?」
「うん、すっごく似合ってる。これなら学校でアイドルになれるんじゃないかな?」
「えへへ、そうかな?」
「……でも胸のリボンがズレてるね。ほら、直すから動かないで」
「はーい」
セクハラにならないように細心の注意を払いながらリボンを直してやっていると、なのはちゃんとヤマトが生暖かい目で見ていることに気がつく。
「前から思ってけどレオとひなって友達っていうより仲のいい姉妹だよな」
「うん。なのはもお姉ちゃんいたらこんな感じなのかな?」
おいコラ、俺は男だ。後なのはちゃん、あなたには歳の離れたお姉ちゃんがいるでしょうが。
でも確かにひなちゃんの事はどうも妹……いや、娘としてしか見れないのは事実。だからどうしてもそう言う対応になっちゃうんだよなぁ……。
それにしても……
「ひなちゃん達は似合ってるけど、ぶっちゃけこの制服はなぁ……正直言ってなんだか嫌だわ」
聖祥大附属小の制服はとにかく真っ白。全身真っ白! 正直言って落ち着かない……。
せめてズボンくらいは黒くして欲しかった俺であります。
「えー、そうかな? れお君可愛いよ?」
「ぶ、ふふふ……確かに可愛いよな」
「もう、ヤマト君笑いすぎなの」
笑いすぎだろヤマト! つかテメェ鏡で自分の姿見てみろよ、俺の顔は可愛い系だからまだこの制服も似合ってはいるけど、お前とその制服の組み合わせは俺以上に違和感あるからな!?
まぁそれを言ったら喧嘩になるだろうから言わないけど!!
◇
「ふぅ……なんで校長と言うものはこんなに話が長いんだろうね……」
『喋りたいお年頃なんですよ』
あまりにも話が長すぎて途中からヤマトと念話でしりとりしてたぞ。あ、ひなちゃんは顔に出るから申し訳ないけど仲間外れにしてしまいました。この埋め合わせはいつかしないとな……。
まぁ、そんなこんなで入学式も問題なく終わり、校舎前に張り出されたクラスを確認したのだが……
「あ、みんな同じクラスなの!」
「やったねなのちゃん!」
俺、なのはちゃん、ひなちゃん、ヤマト、そしてあの金髪が同じクラスになっていた。
…………この結果、絶対あの邪神が運命的な何かを弄っただろ。
「三人と一緒なのは嬉しいけど、金髪はいらねぇよな。……ま、最悪闇討ちするか…………」
「流石にそれはどうなんだ?」
真面目なヤマトはジト目で俺を睨んでくるけど、あの金髪があちこちで好き放題大暴れしたせいで同じオッドアイの俺が謂れなき誹謗中傷を受けているのだ。
それに元を正せばあの金髪があの邪神をムカつかせたから、俺はストレス発散でこの姿と踏み台の特典を持って転生させられた。
「こう見えて金髪の事はメチャクチャ恨んでるんだよなぁ……」
「お、おい。そんなドス黒いオーラを発してたらひなが泣くぞ? …………お、よく見たらアリサとすずかもいるな」
コイツ露骨に話題晒しやがったな? でもまぁひなちゃんを泣かせたり心配させるわけにも行かないからこの殺気は抑えておこう。
それにしても……
「なのはちゃんや車椅子レーサーだけじゃ飽き足らず、他にも二人に手ぇ出してんのか。ホントお前は俺の知らないところで色々やってんなぁ……」
「色々ってなんだ?」
「そりゃお前アレだよ。ピンチな所を救ったり、口説いたり、
「……コイツ何言ってんだ?」
『小学生が言ってはいけないセリフを吐かないでください。イヤらしいのはマスターですよ、このエロオヤジ』
その後ひなちゃんとなのはちゃんが合流したため、この話は強制打ち切りとなり教室へ移動する。
やがてチャイムと共にオリエンテーションが始まり、先生の話が終わった後に自己紹介が始まった。
俺の頭文字”み”だし後のほうだし、何を言うかはゆっくり決めるか。
「あ、普通はあから始まるけどそれじゃつまらないし後ろからやりましょうか」
「……」
頭文字が“み”だし、この学校は出席番号が男女で一緒……つまり俺最初の方じゃねえか……。
こりゃあとっとと何言うか考えなければと必死に頭を回転させていると、「最初は俺様からか……」と金髪が荒々しく立ち上がる。
「俺様は
「「「「ヒッ!?」」」」
「……は?」
こいつ俺に戦争吹っ掛けてきやがった。
ひなちゃんがお前の嫁だと……ひなちゃんはお前のもんじゃねえ! 俺の娘だ!!
『貴様のような人間性がゴミな奴にウチの娘はやらんからな!!』
『なーにが娘ですか。ひなちゃんにはちゃーんと実のお父さんいますよね? とっても仲良しですよね?』
『……サーセン』
念話でアスカに詰め寄られ、思わず謝罪してしまう。でも言い訳させてくれ、ひなちゃんがあんまりにも色んなところについて来るし、懐いてるものだからついつい父親と錯覚してしまったんよ。
『でも精神的には親子くらい差が離れてるし、ひなちゃんパパには悪いけど娘と言ってもいいと思う!!』
『……はぁ』
ため息つくほどかよ。
だがよくよく思い返してみると、今の自分の発言が中々に気持ち悪いものだったと内心反省していると、後ろの席の子が立ったことに気がつく。どうやら次は俺の番みたいだ。
後ろの席の子が座ったのを確認してから俺は静かに席を立つ。
「どうも、宮坂麗央です。後ろの金髪と同じオッドアイですが、アイツほどは野蛮ではありません。オッドアイだからと怖がらず是非とも仲良くしていただければ助かります」
「おい、お前それどう言う事だよ!!」
後ろの金髪は完全に無視して席に座ると、その直後拍手大喝采を受けた。先生も「こんな見た目で苦労したのね」と涙を流して……どうやら金髪のせいで俺が友達出来ないと誤解されてしまったらしい。
でもあの三人以外からは基本怖がられてたし、あながち間違いでも無いのかもな……。
◇
放課後、先ほどの発言について呼び出してきた金髪の元へ向かうと有無を言わさずに剣を飛ばしてきた為、二年間で散々鍛えたまくった身体を駆使して剣を回避していつも通り股間を蹴り抜いて学校のゴミ箱にイン。
「はぁ、結構時間かかっちゃったな……。ひなちゃんは待ってるって言ってくれてたけどもう帰っちゃったかな……」
『どうでしょうね? もし、帰るなら念話の一つでもするでしょうが……』
「うぁあああああん!!」
「っ!! ひなちゃんの泣き声……行くぞアスカ!!」
『はいはいっと……』
ひなちゃんの泣き声が聞こえたため、大急ぎで泣き声のする校舎の外の花壇の前へと移動する。
中ではなのはちゃんと金髪の少女……確か自己紹介でアリサと名乗っていた子が頰を引っ張り合っていた。
そして喧嘩している二人の近くでひなちゃんは大泣き、そんな彼女をすずかちゃんっと名乗った紫髪の女の子がどうしたらいいか分からないと言った顔をしながら必死に宥めていた。
「つ、月村さんだったよね。どうしたの!?」
「あ、宮坂君……! アリサちゃんとなのはちゃんが喧嘩始めちゃって……それを見たひなちゃんも泣いちゃって……!!」
「分かった。ならまずは二人を落ち着かせよう! 双方ストーップ!!」
いまだに頬を引っ張り合うなのはちゃんとアリサちゃんの間に入って、二人の頬を引っ張り合う手を掴む。
だが二人は空いた手で俺の手を振り払って更に喧嘩を続けようとする。
「ああもう、二人とも一旦やめよ? 手を出す前にいったん話を……」
「手を出さないでレオ君、これはわたしとアリサちゃんの喧嘩なの!!」
「そうよ、部外者はすっこんでなさい!! アンタの目はリュウヤ思い出してムカつくのよっ!!」
HAHAHAHA、ぷっつんしちまったぜ。
「てめぇ、コラァ、バニングス! 人が気にしてること言いやがって……それを言うならてめぇのその髪の色も金髪思い出すんだよ。染めろやコラ!!」
「なんですって〜! アタシが地味に気にしてる事を言って……!! 上等よ、なのは共々ぶっ飛ばしてやるわ!!」
「やって見ろぉ。なのはちゃん、二対一でぶっ飛ばすぞ!!」
「あぁ、宮坂君まで……ど、どうしよ〜!!」
「びぇえええええん!!」
「…………え、これどう言う状況?」
聞き捨てならない事を言いやがったバニングスが空いた手で俺の髪を掴んできた為、こっちも彼女の髪を掴んで応戦。それを見たすずかちゃんは余計オロオロし出して、ひなちゃんは更に大泣きし始めてしまった。
そして遅れてやって来た我らがオリ主、ヤマトはそんなカオスな空間についていけず呆然とするのだった。
その後埒が明かないからとヤマトにぶっ飛ばされて気絶した俺氏。そして俺がピヨっている間に彼が上手いことなのはちゃんとアリサちゃんを仲裁して仲直りさせてしまった。
「いやぁ、まさか俺でも止められなかった喧嘩を止めるとは流石はオリ主「止めるどころか一緒になって喧嘩してたじゃん」……でもさ、俺は殴り倒して二人は説得っていくらなんでも不平等すぎね? 男女差別はんたーい」
「だってお前仮にも前世では大人だったんだろ? なのにアリサと喧嘩するからだよ。これに懲りたら少しは大人の対応というものをしろ」
だって社会人になったらあらゆる抑圧で自分を押し殺さなきゃならないんで〜、今のうちに喧嘩できるならしておいたほうがいいじゃんか〜。
あとだからって強く殴り過ぎだろ。今の一撃で奥歯が取れたんだけど? 乳歯だから永久歯が生えてくるとは言えせめて一発殴らせろや。
どう復讐してやろうかと考えているとアリサちゃんが俺の方へ来る。
そしてなんだか気まずそうな目で俺をしばらく見つめていたかと思うと、思い切り頭を下げて来た。
「えっと……その……アンタの目がリュウヤを思い出すって言ってごめんなさい…………」
「いや、それ言ったら俺もバニングスさんの金髪を引き合いに出したし……こっちの方こそごめんなさい」
「うぅん、先に行ったのはアタシだからやっぱりアタシが悪いわ。いくら同じオッドアイだからってリュウヤと一緒にしたのはダメよね…………」
「うん金髪と同類扱いするのは流石にダメだった……。お互いに反省しよう……」
二人で握手して完全に仲直り。うん、俺も熱くなり過ぎた。反省反省。
その後改めてアリサちゃんとすずかちゃんと話してみると、どうやら先ほどヤマトの言ったアリサ、すずかとはこの二人の事だったようで、共通の友人を持つと言う事で改めて仲良くなったのだった。
〜おまけ〜
「そういえばヤマト君」
「どうしたんだすずか?」
「ひなちゃんはともかくだけど、なのはちゃんとは随分と距離が近いよね? ……どう言う関係なの?」
「どう言う関係と言われても友達だけど……」
「え、私なのはちゃんとお友達だったって知らないよ」
「わたしも知らなかったの」
「アタシもね」
(わお、お三方からなんだか黒いオーラが……さては修羅場ですな?)ワクワク
「ごめん。紹介しようと思ってたんどけど、予定が合わなくって今日までダラダラとな……」
「でも紹介するって言って予定を立ててくれれば会える日はあったはずだよね? つまり私達が合わないように日程を立ててたんじゃないの?」
「え?」
「もしかしてやましい事とかしてたんじゃないの?」
「は?」
「ヤマト君、ちょっと向こうでO☆HA☆NA☆SHIするの」
「どうしたんだ三人とも。そんな怖い空気を纏って「「「いいから」」」……はい」
「ひなちゃん。将来はこんな浮気癖のある男性とはお付き合いしちゃダメだよ?」
「? はーい」