見た目だけは踏み台だけど、普通に生きさせていただきます!   作:蒼天 極

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ジュエルシード事件
え、将来の夢? ニートですがなにか


 金髪によるひなちゃん達へのちょっかいはあれどそれ以外は何もなく、平和に楽しく第二の人生をエンジョイし、気がつけば月日は過ぎて俺は小学三年生へと進級した。

 

「いや〜、月日が経つのは早いね。ひなちゃんと知り合ったのが……と言うか転生したのがつい昨日の事に感じる」

 

「いや、そんなおっさんみたいな……ってそう言えばお前前世ではおっさんだったな」

 

「そうそう、おっさんでござんす。……そう言えばこの世界がアニメの世界ってお前知ってるよな?」

 

「……あぁ。なのは達を見てると物語の世界であれどみんな生きてるって実感が湧くよ。……その話をするって事はその物語が動き出すって認識でいいのか?」

 

「うん。邪神のせいで内容はド忘れしてるけど今年の春から原作が始まる」

 

 つまり近いうちに必ずなのはちゃんは魔法少女として覚醒すると言う事。リリカルなのはの世界だからなのはちゃんは間違いないはずだけど、他に誰か魔法少女がいたような気がするんだよね〜。アリサちゃんとすずかちゃんじゃないような気がするけど……うぅ〜ん…………。

 

「ならオレは物語に入って事件の解決に尽力するけど……レオ、お前はどう言うスタンスで動くつもりだ?」

 

「ん? 俺は第三勢力としてお前らの前に立ち塞がって最終的に世界滅ぼす予定」

 

「おい!」

 

 嘘だよ。この街にもかなり愛着が湧いて来てるって言うのになんでそれをぶっ壊さないと行けないんだ。確かに街を壊すなんてヤマトのシムシティのデータをメチャクチャにする時くらいだ。因みに半殺しにされた。そりゃそうだ。

 まぁ何はともあれ、ヤマトは自分でも言うように確実になのはちゃんサイド、そしてひなちゃんもなのはちゃんに協力するだろう。

 

「わざわざお前らと敵対する理由なんてないし、敵対したらひなちゃんに嫌われそうだからな。一緒に戦う」

 

「お前ホントひな第一主義だよな。……でもお前強いし、お前が一緒なら百人力だな」

 

「俺より強いのに何言ってんだこのオリ主は……? でも、悪いけど原作の方とは違う事情で最近忙しくてな。合流するのはその用事が片づいてからだから最初はお前らだけでガンバ」

 

「え、それって「お〜い、ヤマト君おはよ〜、あとレオ君も」あ、なのはおはよう」

 

「二人ともおはよ〜!」

 

 俺の用事に着いて気になっていたようなヤマトであったが、なのはちゃんとひなちゃんが来たならばこの話は一旦ここまでだ。

 あとなのはちゃん、あとったらなんだあとって? 俺はそこのオリ主のついでなんか。スーパーでお刺身買ったときに一緒についてくるつまと似たような扱いなんか?

 

「どっちにも平等なひなちゃんを見習えェ! 差別をするなぁァ!!」(迫真)

 

「え、えっと……ご、ごめんなさいなの…………」

 

「朝早くからうるせぇよ。近所迷惑だろ? …………お、バス来たな」

 

 お、もうそんな時間か。と言うかなのはちゃんもひなちゃんもギリギリじゃねえか。もっと早く来ないと……まぁ多分ひなちゃんが寝坊しかけたのがオチだろうけど。

 

「それじゃとっととバスに乗ってなのはちゃんは俺とO☆HA☆NA☆SHIをしよ「よぉ、なのは! ひな!」……うわぁ…………」

 

「「ヒィ、りゅ、リュウヤくん!?」」

 

 ついで扱いしたなのはちゃんをバスの中でお説教してやろうと考えていると、入学して僅か一ヶ月で退学になり、現在は公立の海鳴小学校に通ってるはずの金髪が姿を現した。

 クソッ、ここはまだ学校外だからな。最悪のタイミングで見つかっちまったか……!!

 

「この間一緒に登校しようって約束してたのに、約束をすっぽかすなんて照れてんのか? あ、それとも忘れてたか? うっかりさんだなぁ二人とも」ニコッ

 

「にゃ……一緒に行く約束はヤマト君とひなちゃんとしかしてないの! というか学校違うのに一緒に登校なんて出来ないの!!」

 

「何言ってんだ。なのは達も俺の為に公立に転校してくれるんだろ?」

 

「なんでそんな事しないと行けないの? ひなもうリュウヤ君と一緒の学校いや!!」

 

「またなのはちゃんに俺の存在ハブられた件について」

 

「ハハッ、ドンマイ」

 

 実は俺、虐められてたりするのかな……? これはちょっと隠れてなのはちゃんをストーキングして証拠の裏どりとかをした方がいい奴なのではないか……?

 それに仮に虐められてるとして、なのはちゃんが嫌うような事俺した覚えないぞ。見た目で不快な思いをさせる以外で。

 

『……なんでだと思うアスカ?』

 

『マスターは自意識過剰すぎますって。それに仮に本当に虐められてるなら日頃の行いのせいではありませんか?』

 

『いや、踏み台らしい事してないからな?』

 

『確かに踏み台らしいことはしてませんけど、充分問題児と言うことを自覚しましょうね』

 

 納得いかねぇ、売られたケンカは必ず買うようにしてるだけなのに……! 特に見た目についてちょっかい出してくる奴は徹底的に泣かせてイジメに発展しないようにしてるだけなのに……!!

 いや、逆に考えろ……。売られたケンカを買うってことは、ちょっかいをかけたら必ず反応をするということ。だとすると弄る側からしたら弄りがいがあるわけで……

 

「なるほどなるほど、しょうがないなぁなのはちゃんは……。でも小悪魔属性はヤマトにやった方がいいと思うよ?」

 

「ふぇ? ど、どうしたのいきなり?」

 

「と言うかれお君、リュウヤ君みたいな顔してるよ?」

 

「え、マジで? うわぁ金髪みたいな顔ってそれは本気であかんやろ。放課後にでも聖王教会行って聖王様に懺悔しないと……」

 

「どう言う意味だ踏み台ィ! というか、なのはもひなも俺には靡かねえ癖になんでお前とは一緒にいんだ!?」

 

「何言ってんだ龍帝院のやつ? 普通に人望の差ってだけだろうに……」

 

「ウルセェ! どうせなのはとひな……いや、アリサとすずかにはやても全員洗脳してんだろ!? この俺様に勝てないからって卑怯な手段使いやがって……お前を殺してなのは達を解放してやる!!」

 

 その理屈はおかしい!

 仮に俺が洗脳できてるとしたら、なのはちゃん達はヤマトではなく俺にメロメロになってるはずだ。だからもし仮に使ってるやつがいるとするならば、それ即ち犯人=ヤマトと言う事なのだ!!

 

「お前今失礼なこと考えただろ?」

 

「まっさかー。なのはちゃん達の洗脳疑惑に関する真の犯人が、お前だろとしか考えてねえよ」

 

「後で覚悟しとけよ?」

 

「よそ見してんじゃねえ! アンリミテッドブレードワーk「黒縄地獄!!」おごぉおおおおおぉおお!!?!!!?!」

 

 毎度の如く金髪の股間に爪先をめり込ませると、奴は脂汗をダラダラと流しながら子鹿のように震えやがてゆっくりと崩れ落ちた。

 よし、邪魔者もいなくなったな。バスも俺らの争いを見て待っててくれてたし早いところ乗り込まなけれ「この踏み台ィイイイイイッ!!」およ?

 

「いつもいつも、邪魔ばかりしやがってぇ! もう手段は選ばねぇ、お前の存在はこれから始まる原作には邪魔な存在ィ……ここで消してやルゥウウウウゥッ!!」

 

 どうやらいつもいつも同じ場所を攻撃をし続けたせいで耐性が出来てしまったらしく、血走った目で立ち上がった金髪はあろう事か金色のエンブレムを取り出して空に掲げる。

 

「いくぜゴッドセイバー! セットアップッ!!」

 

『あ、あの……マスター? さ、流石にそれは……バスの皆様も見ていらっしゃるんですし……』

 

「うるせぇ! テメェは俺の持ち物だろうが! 持ち物風情が主人に意見すんじゃねぇ!!」

 

『……はい』

 

 直後金色の鎧を着込んだ姿に変身した金髪は同じく金色の剣を俺らに突きつける。

 ……今のは良くないなぁ。デバイス虐待はデバイスマイスターとして許せるものじゃないぞ? ……え、アスカを五日放置したお前が言うな? それはそう。

 

「あわわ、リュウヤくんが怒り狂ってるの……」

 

「て言うか変身しちゃったよ!? 魔法の事はみんなには内緒なのに〜!!」

 

「なのはちゃん達には普通にバレてるけどね」

 

「言ってる場合か!? あいつ……怒りで完全に我を失ってやがる…………」

 

 ……はぁ、しょうがないなー。

 バスに乗ろうとしていた俺はため息を一つ吐くとバスから降りてまだ乗っていなかったヤマト達をバスへ押し込む。そして運転手の方を向くと大声で叫ぶ。

 

「ここは俺に任せて先に行けぇええええ!!」

 

「バカな、遅刻してしまうぞ!?」

 

「そうだよ! リュウヤ君のためなんかに遅刻しなくていいの!」

 

「そうだこっち来い! あのバカは俺がバインドで抑えておいてやるから!!」

 

「馬鹿野郎! 頭に血の上ったこいつは何をしでかすか分からねえ! それにデバイスマイスターとしてコイツのデバイスに対する仕打ちはとてもじゃないが許せるものじゃねぇ……!! さぁ、早く行けぇえええ!!」

 

「……力無い大人ですまないっ!!」

 

 バスのおじさんはそう謝罪をするとバスを閉め、バスは学校へと向かい始める。

 さて、これでこの場に残ったのは俺と金髪だけ。

 

「「「レオ(くーん)〜!!」」」

 

 俺を置いて学校に向かうバスの中から聞こえる悲痛な声。

 大丈夫、せっかく無限の剣製だったり一丁前に立派な金色の剣のデバイスを持ってる金髪だけど、努力してないせいで今の俺にとっては魔法を使うまでもない雑魚だ。万が一にも負ける可能性はない。

 

「ぶっ殺してやるよ! 死ねぇ、踏み台ィいいいいっ!!」

 

「それはこっちのセリフだ、ぶち転がしてゴミ箱捨ててやるよ! 行くぜオラァアアアアア!!」

 

 アイツらと学校で再会する為にも俺は絶対に負けねぇ!!

 

 

 結局遅刻しました。

 

 

 ◇

 

 

 その後一分で金髪を殴り倒した俺は歩いて学校に行ったがバスに乗れなかった時点で遅刻は確定。結局朝礼に間に合うことは出来なかった。

 先生に怒られる事は覚悟していたのだが、バスのおじさんが俺の事を学校に報告してくれたらしく一時間目にはギリギリ間に合ったという事で今回は遅刻にならなかったのは不幸中の幸いだろう。

 

「アンタも大変だったわね〜」

 

「ホントだよ。ったく、あの金髪踏み台の中でもかなり悪質な方だから笑えねぇ……」

 

「踏み台が何かは分からないけど、確かにリュウヤ君は酷すぎるよね……」

 

「もうリュウヤ君の話題はいいよぉ。もっと面白いお話しようよ!」

 

「そうだね。……なら将来について聞きたいことがあるんだけどいいかな?」

 

 さっきの授業で将来について取り扱ってたけど、どうやらそれについて何か悩んでる事でもあるっぽいなのはちゃん。

 いやいや、あなたは親の後を継いで翠屋の二代目店主とかそんな所じゃないの? お菓子作り得意だし。

 

「アリサちゃんとすずかちゃんはもう結構決まってるんだよね?」

 

「うちはお父さんもお母さんも会社経営だし、一杯勉強してちゃんと跡を継ごうって考えてるわね。……まぁアタシなんかが後を継げるかどうかは不安ではあるけど」

 

 そりゃあアリサちゃんの両親が経営してるバニングスグループって世界的有数の……なんなら財閥って言っていいレベルの大企業だからね。

 あれだけの規模の会社を継ぐとなると相当勉強しないと難しいだろう。……でもアリサちゃんもなんだかんだで天才児だからいけると思うけどなぁ……。

 

「へぇ……アリサちゃんらしいや。すずかちゃんはどうなの?」

 

「私は機械系が好きだから工学系で専門職が良いな~って思ってたりするね。……そう言えば最近ヤマト君達のデバイスにも興味があるんだよね」

 

 なんでもこの間ヤマトのデバイスを見せて貰ったらしいのだが、それがこの世界の常識を超えたハイレベルな精密機器と気づいたすずかちゃんは、機械弄り好きとして関心を持ったのだとか。

 

「ならレオに聞くのが一番だと思うぞ。こいつはデバイスマイスターって言うそう言う機器を取り扱う専門家だから」

 

「えぇ、そうだったの!?」

 

「いや、間違ってはないけどさ……なんで言うかなこのオリ主は……!!」

 

「じゃあレオ君は将来は魔法の世界へ行ってデバイスマイスターをやるの?」

 

「いや、デバイスマイスターとしてのノウハウがあるなら、私と同じで機械系だったり情報系のお仕事もできるんじゃないかな?」

 

「うぅん、俺の将来はニート」

 

「「……え?」」

 

 俺の発言に呆然とした顔でこちらを見るなのはちゃんとすずかちゃん。

 転生直後はデバイスマイスターになろうって思ってはいたんだけど、前世でブラック企業に10年以上勤め続けてたからか、平和な日常でボケたからか段々働く意欲が落ちてきてしまったんだよね。

 

「ぶっちゃけ定年まであくせく働くのも馬鹿らしいし、デバイスマイスターも実力次第ではかなり儲けられるからね。30歳までは頑張って働くけど一生生活できるお金を稼いだら、残りの人生はのんびり慎ましく気が向いたときだけ仕事をする生活をしたいんだよ」

 

「コイツ将来ニートする為に今いろいろと勉強してるからなぁ」

 

「そ、そうなんだ……。ひなちゃんも決まってたりするの?」

 

「ひなはママやパパみたいに美味しいパンをいっぱい焼きたいからパン屋さんだよ!」

 

「にゃはは、そっか。そう言えば最近はパン作りの練習をしてるんだっけ?」

 

「うん!」

 

 そう。最近ひなちゃんは両親からパン作りの練習をしており、最近では簡単なパンやサンドイッチなら作れるようになったのだ。

 それにしても俺に食べさせたいからって初めての作ったパンを持って来てくれたときは感動したなぁ……炭の味しかしなかったけど。

 

「それじゃあヤマト君はどうなのかな?」

 

「俺はまだ特に決まってないな。まぁ大人になって行くにつれて、自然に見えてくるだろ」

 

「そっか〜。確かにそう言う考え方もアリだよねぇ……」

 

「そう言うなのはは?」

 

「このままいけば翠屋二代目だよね?」

 

「なのちゃんお菓子作り頑張ってるもんね」

 

「それに最近じゃコーヒーの淹れ方なんかも学んでるんでしょ? そこのオリ主、なのはちゃんの淹れたコーヒーはどうだった? どうせ飲んだことあるんだろ?」

 

「士郎さんにはまだまだ劣るとはいえかなり美味しかった。今の時点であれなら大人になったら桃子さんと士郎さんを超えられると思うぞ」

 

「にゃはは、みんなありがと。……でもそれも将来のビジョンの一つではあるんだけど。やりたいことが翠屋以外で何かあるような気がするんだよね。でもまだそれがなんなのかハッキリしないんだ。わたし特技も取柄も特にな「バカちん!」にゃ!!」

 

 ベチッ

 

「…………おい?」

 

 ……アリサちゃんがお弁当のみかんをなのはちゃんの頰に投げつけたが、なのはちゃんはそれを咄嗟に回避!! そしてそれはなのはちゃんのちょうど隣にいた俺の顔面に張り付いたのだった。

 

「自分からそう言うこと言うんじゃないの!」

 

「そうだよ、なのはちゃんにしか出来ないこと。きっとあるよ」

 

「そうだよなのちゃん! それに特技はお菓子作りがあるでしょ!?」

 

「そうよそうよ! 大体あんた、理数の成績はこのアタシよりも良いじゃないのよ。それで取り柄がないってアタシへの宣戦布告のつもり!?」

 

「ほ、ほんなこといふぁれてもぉ(そんなこと言われてもぉ)……!」

 

 なのはちゃんの失言をアリサちゃんは許せなかったらしく、なのはちゃんの頬を思い切り引っ張り始める。

 おぉ、すごい伸びるなぁ……なのはちゃんのよく伸びるほっぺは取り柄の一つとして登録してもいいんじゃないか?

 

 …………それにしても。

 

「二人ともダメだよ。ねぇ、ねぇってば~」

 

「俺については完全に無視かよ、謝れよコラ? あとひなちゃん。勿体無いからって俺の顔に張り付いたみかんを食べようとしてるんじゃありま「あむ。ん〜♡ ……ふぇ、なんはって(なんだって)?」……ひなちゃん。アリサちゃんともども正座しなさい」

 

 その後食べ物を投げつけたアリサちゃんとお行儀の悪いひなちゃんを二人まとめて説教した俺であったとさ。

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