見た目だけは踏み台だけど、普通に生きさせていただきます! 作:蒼天 極
セットアップの掛け声とともに、それぞれ赤色と紫色の光に包まれたアリサちゃんとすずかちゃん。せっかくの二人の変身バンクであるが、光で見えなくしてるため見る事は出来ない。
やっぱりコンプライアンスは大切にしないといけないからね。万が一にも公衆の面前で一瞬全裸になったって知られたら殴り倒されるだろうし。
もし、二人が原作キャラだった場合、記憶を覚えてたら変身シーンを見れない事に血の涙を流していたに……いや、そこまでロリコン拗らせてないか。
そんな事を考えていると、変身が完了したようで光が止んで変身完了した二人の姿が現れる。
「わ、わぁ……アリサちゃん! 私達変身したよ、それにこの服すっごい可愛い!!」
「え、えぇ! アタシたちの魔法少女としての姿なのね!! なかなかカッコいいじゃない!!」
赤色の動きやすそうなバリアジャケットの剣を装備したアリサちゃんと、紫色の若干重厚感のあるバリアジャケットの爪付きグローブを両手に装備した青色の服を着たすずかちゃん。
バリアジャケットの展開は完璧、それに身体に魔力も循環されてるっぽいからデバイスも使用可能。
…………。
「……しゃああああっ!! 成功だぁあああああっ!!!!」
「うわっと!? ちょっと、急に叫ばないでよ!!」
「ビ、ビックリした〜……」
仕方ないじゃん、本来の使用者である二人とも拒絶反応が起こる事なく変身できたんだから。
研究が成功してたんだから興奮して叫びたくもなりますわ。
「これでアタシ達もなのはみたいに戦えるのね!」
「ありがとうレオ君!」
「どういたしまして」
俺の研究の為でもあったけど、こんなに喜んでくれるなら数年単位で努力した甲斐があったってもんだ。
…………おっと。
「やべ、シールドにヒビ入ってる。もうすぐ突破されそうだ」
「それは大変! あの木を抑えればいいんだね!?」
「まっかせなさい! チュートリアルがてらぶっ壊して来るわ!!」
「おっけ! なら俺はなのはちゃんらの救援に向かわせてもらう!!」
どうやら二人がこの場は引き受けてくれると言う事で、俺は速やかになのはちゃん達の救援へ向かう。
本当はアリサちゃんとすずかちゃんがキチンと魔法を使えるかを確かめてから向かう所だけど、いくらなんでも時間がない。二人と俺と作ったデバイスを信じよう。
真っ直ぐなのはちゃん達もいる大樹本体へ向かっていると、ひなちゃんから念話がかかって来た。
『大変だよれお君!!』
『どうしたひなちゃん!?』
『ヤマト君がなのはちゃんを庇って木に捕まっちゃった!!』
『マジか!? 助けられそう?』
『じ、実はひな達も捕まってたりしちゃってたり……てへ』
『マジか……すぐ助けるから待ってて!』
なのはちゃんはともかくとして、まさかヤマトとひなちゃんまで捕まるなんて…………これはNワンドだけでは勝てない相手っだろうなぁ。
「……上等! なら、属性デバイスを解禁しようじゃねえか! デバイスチェンジ、Wファンメラン!!」
懐から取り出した緑色のカードを起動させると、それは巨大な二つの緑色のブーメランへと姿を変えた。風属性専用デバイス、Wファンメランだ。
……さーて、実戦で属性デバイスを使うのは初めてだし、模擬戦の通りに油断せずやらせてもらおうか! 踏み台の恐ろしさ……存分に思い知らせてやるよ!!
(アリサ視点)
「ついたわ。ここね……」
アタシたちが木の根っこの猛攻を防ぐバリアに到達したその直後バリアは砕け散る。
あれだけの猛攻を凌いでくれてたものね……むしろよくこれだけ耐えてくれたものだわ。
「……さて、アタシの無茶振りを聞いてデバイス作ってくれたから出来るって言っちゃったけど、これアタシ達でどうにか出来るものなのかしら…………」
……ダメダメ、弱気になっちゃダメよアリサ・バニングス! あそこでフレイムアイズを託してくれたって事はアタシらを信用してくれたって事。ならアタシは友人としてそれに答えるだけよ!!
「……力を貸して頂戴、フレイムアイズ!」
『おう! 了解だ、アリサ!!』
「行くわ……って、えぇ!? フレイムアイズ、アンタ喋れたの!?」
アタシの手に収まった剣から機械的な……でもどこか暑苦しい声が聞こえ、フレイムアイズを見ると、剣に埋め込まれた青い宝石が点滅しながら機械音声を発する。
『おぅ! オレはアンタの為に作られたサポートAIだ。アリサは実戦は初めてだよな! なら戦いながら魔法のいろはを教えてやるよ!!』
「随分と暑苦しいわね……でも助かるわ。お願い!!」
シールドが消えて商店街を侵食しようと迫って来る根っこ対して剣を構えると、アタシを敵と判断したのか根っこはアタシに襲いかかって来た。
フレイムアイズは剣型だし、コイツらを斬り落とせばいいのよね……?
『アリサ、剣の持ち手にトリガーがあるだろう! それを引いて剣を振るんだ!!』
「わ、分かったわ! トリガーを引いて……せぇい!!」
『フレイムウィップ!!』
直後フレイムアイズから炎の斬撃が飛び、アタシを襲い掛からんとしていた根っこは全て焼き切れて灰になってしまった。
これが魔法……凄い威力ね…………。
『ナイスだ! アリサは炎を纏った斬撃での近接攻撃特化型の魔法少女だから、今みたいに真っ向からぶった斬っていけ! だが気をつけろ。俺はバッテリーに貯蓄されたマイスターの魔力で動いてる。だから闇雲に魔法を使ったらすぐガス欠だから、確実に当てていけ!!』
「分かったわ!」
火属性の近接攻撃特化……まさしくアタシにピッタリね!
そんな事を考えていると、別の根っこがアタシに襲い掛かろうとこちらに向かって来ているのに気がつく。
……上等よ。アタシだってヤマト達がいないときにリュウヤに絡まれたときに自分の身を守れるように、ヤマトと一緒になのはの家の道場に通ってて剣には自信があるのよ。
恭也さんに扱かれた剣さばき、見せてやるわ!!
(すずか視点)
私はアリサちゃんよりも後ろで、スノーホワイトから魔法の使い方を学んでいた。
この子はAIのはずなのに、まるで人間とお話ししてるようで不思議な感じがする。ここまでのAIは今の技術では作れないから、どうなっているのかを聞きたいところではあるんだけど……それよりも今は目の前のことに集中しなきゃだよね!!
『スズカは後方からの味方の支援や氷による妨害に特化した魔法少女ですの。レーダーで木の根を索敵して確実に固めて動きを停止させましょう』
「うん、分かったよ!」
直後目の前にモニターが展開される。
……この赤い点が木の根っこで青いのがアリサちゃんだね。ん、アリサちゃんに木の根っこが向かって来てるみたいだね。よ〜し。
「お願いね、スノーホワイト!!」
『かしこまりました。フリジットフォトン!』
直後、私の手のひらに冷気を帯びた球体が出現する。これをアリサちゃんに……えい!
家庭の事情で身体能力には自信があるので、球体をボールを投げるかのようにアリサちゃんを襲おうとする根っこへ投げつけると、根っこは凍りついて動きを完全に停止させる。
氷属性……いいかも。
「っと、私の所にも来ちゃってるね。安全な所まで逃げた方がいいよね?」
『……いえ、このまま迎え撃ちましょう。モード・スノートライデント』
爪の形をしていたスノーホワイトは槍の姿に姿を変える。凄い、爪から槍に変形しちゃうなんて……。
感心するのもそこそこに私の元に辿り着いた木の根にやらを構える。えっと、こんな感じでいいよね……?
『木の根にわたくしを突き立てて下さいまし!』
「うん、えぇい!」
『フリジットフィールド!!』
私に攻撃しようとする木の根に合わせてスノーホワイトを突き立てた瞬間、スノーホワイトが刺さった箇所から見る見るうちに凍りついて、やがて襲いかかる根っこが全て凍ってしまった。
「スノートライデントでの近接とレーダーを用いての全体の援護……それが私の戦い方なんだね?」
『そうですわ! 適切に使い分けて下さいまし!!』
「すずか〜! ここからは一緒に戦いましょう!!」
再びレーダーを使って根っこの索敵をしようとすると、アリサちゃんがやって来る。
そうだね。近接のアリサちゃんと援護の私……一人よりも二人の方が強いもん。
「うん、分かったよ!!」
「それじゃあ残りの根も一気に片付けましょう!!」
次々と襲いかかる木の根に対して、アリサちゃんと一緒にデバイスを構える。
商店街には傷一つつけさせないよ!!
〜おまけ〜
「うぅ〜、は〜な〜し〜て〜!!」
「チッ、オレとした事が捕まるなんて……」
「ど、どうしよう。このままじゃ街が……!!」
「おぉ〜い! 助けに来たよ〜!!」
「あ、レオ君! ……で、でもヤマト君やひなちゃんも捕まっちゃったのにレオ君一人でどうにかなるの?」
「……そう言えばなのははレオの二つ名知らなかったな」
「ふぇ、二つ名? ……ひなちゃんの大空の魔法少女みたいな?」
「うん! レオ君はねぇ、魔力もひな達より多いけど、それよりも強い所があるんだよ」
「強い所?」
「アイツは様々な可能性を想定して、それに対して的確に対処する能力を持ち合わせてる。しかもマルチタスクを重点的に鍛えてるから機械顔負けの処理能力を持った努力の天才なんだ」
「えっと、つまり頭がいいってこと? 確かにでばいすまいすたー? ……って頭がいいとならないだろうし、テストでは明らかに手を抜いてるっぽいし」
「あぁ、下手な天才なんかよりも遥かに知力が高い。だからアイツは……叡智の魔導師って呼ばれてるんだ。……まぁ名づけたのはオレなんだけど」
「叡智の魔導師……」
「まぁ見てろ。どうしてオレがレオを最強って呼ぶのか……その理由が分かるからさ」
と言うわけで次回、叡智の魔導師レオ君、大暴れします。