見た目だけは踏み台だけど、普通に生きさせていただきます!   作:蒼天 極

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踏み台その2の実力……とくと見なぁ!!

「……流石はアリサちゃんとすずかちゃん。二人とももう使いこなしてやがる」

 

『二人とも身体能力は一般人のそれを遥かに超えていますしね』

 

 なるほど、確かにアリサちゃんはヤマトと一緒に高町道場で鍛えてるし、すずかちゃんに関してはそんな事しなくても純粋にヤマトとタメを張る身体能力を持っている。

 魔法に対する適性が無いだけで戦う才能には満ち溢れてたって事っすか。……天才はいいねぇ、俺なんて一年修行しないとあの段階に行かなかったのに…………。

 

 おっと、天才を妬んでる場合じゃなかったな。

 

「おぉ〜い! 助けに来たよ〜!!」

 

「あ、レオ君!」

 

 ようやくヤマト達の元へ辿り着いた為一応念のために声をかけておくと、木の根に囚われたみんなはこちらを向く。

 よし、どうやらみんな無事みたいだね。木に締め上げられて窒息死してたらどうしようと思ったよ。死者蘇生なんて出来ないし。

 

 みんなの無事に胸を撫で下ろしていると、木の根は今度は俺を標的に定めたようで大量の根が俺に襲いかかって来る。

 それに対して俺が構えたのは属性デバイスであるWファンメラン。

 

「せぇい!」

 

 風の魔力を込めながら木の根に二振りのブーメランを投げつけると、風を受けて勢いの増したブーメランの刃が木の幹を切り刻んでいく。

 そのまま遠隔でブーメランに纏った風を操作する事で、ブーメランは普通投げるだけではまずあり得ない動きを行い、なのはちゃん達に纏わりついた木の根も切り刻みにかかる。

 

 さて、今のうちに…………

 

 みんなを救出する傍ら魔力を探ると、一段と金色に輝く木の枝を発見。

 どうやら金髪はそこに埋められて魔力電池にされているようだ。

 

「デバイスチェンジ、Tチェーンソー!」

 

 懐から黄色いカードを取り出して起動すると、次に現れたのはチェーンソー型……というか剣の刃の部分をチェーンソーに置き換えたデバイス。雷属性専用のデバイスであるTチェーンソーだ。

 それに電気を流してチェーンソーの歯を回転させると木の幹を切断しにかかる。

 

「いくら硬かろうが所詮は木! チェーンソーで切られる運命なのだよ!!」

 

 やはり木はチェーンソーには勝てないようでチェーンソーで、金髪の埋められている幹をくり抜くように切断する。

 いくら金髪がウザくて邪魔とはいえ、コイツのために殺人者にはなりたくないためコイツは斬らないように気をつけなければ……あ、でも手を滑らせて怪我させるくらいは許してな?

 

「環境破壊は気持ちいいZOYっと! ……おっと」

 

『そう素直には金髪電池を手放すつもりはないみたいですねぇ』

 

 そして金髪が埋まってる部分だけを切り出し本体から無理やり外すそうとするが、幹から枝が急成長を遂げたと思うと、切り出した箇所に絡みついて抵抗して来る。

 ふ〜ん、そっちがその気ならこっちにも考えがあるぜ?

 

「デバイスチェンジ、Iロッド」

 

 Tチェーンソーを待機状態に戻して懐にしまうと、そのまま青色のカードを取り出して俺の腕より長めの青い棍棒を展開する。

 氷属性専用のデバイスIロッド。こいつに氷を纏う事で様々な長物の武器に姿を変える事ができ、その上如意棒のように長さを変える事ができると言うと、これ一本で充分チートな性能のデバイスだ。

 

「木を切り倒すならやっぱりこれだよなぁ」

 

 Iロッドを伸ばして先端に巨大な氷の刃を取り付けて斧にすると、それを思い切り金髪の埋められた木の幹に叩きつける。

 くり抜くなんてお上品な事はせずに豪快にぶった斬っちまえ作戦だ。

 

「よし、しっかり伐採できたな。それじゃあそのまま……デバイスチェンジ、Fガントレット!!」

 

 見事に金髪の入った木の幹がぶった斬れた事を確認すると、再び木の枝が幹を接続しようとする前に赤いカードを取り出して俺の腕より二回り以上大きい巨大な籠手を展開する。

 炎属性専用デバイスFガントレット。炎の魔力を燃料としたジェット噴射により速度を補強して速度=破壊力理論でぶん殴ったり、指に魔力刃を纏って爪として攻撃をするゴリッゴリの近接戦闘特化デバイスだ。

 

「おぉらよっと!!」

 

 そいつに炎の魔力を込めてジェット噴射でぶった斬った木の幹へ一瞬で移動すると、そのまま木の幹を思い切り殴りつけて空高くにぶっ飛ばす。

 流石の大樹もここまでされたら金髪を回収することは出来ないようで、魔力の供給が絶たれた大樹は苦しそうに蠢いたかと思うとそのまま動きを完全に停止させた。

 

「お〜い!!」

 

「お」

 

 声のする方を見ると、Wファンメランで拘束を切り裂いたことで自由になったひなちゃん達がこちらへやって来ていた。

 どうやら金髪の尻拭いは完璧にこなせたようだ。

 

「ひなちゃん。無事だったみたいだね」

 

「うん!」

 

「流石は最強。レベルが違うな」

 

「しっかりしろよ。お前オリ主やろがい」

 

「にゃはは、助けてくれてありがとね。……あ、でも商店街は…………」

 

「大丈夫、あの二人が守ってくれたよ」

 

 不安そうな表情のなのはちゃんに対して商店街の方を指差すと、木の根の動きが停止した事で足止めの必要がないと判断したらしいアリサちゃんとすずかちゃんがこちらに飛んできていた。

 さぁ、魔法少女に覚醒した二人と感動の対面だ! 反応はいかに……?

 

「ふ、ふぇえええ!? アリサちゃんとすずかちゃんも魔法少女になっちゃたの!!」

 

「マジか……アリサとすずかは魔法使えないはずじゃ…………」

 

「えへへ、レオ君が戦う力をくれたんだよ」

 

「わぁ、二人も魔導師になったんだね! お洋服かわいい〜!!」

 

「ありがとひな。これでアタシ達もみんなの役に立てるわね!」

 

 魔導師になった事に驚愕するなのはちゃんとヤマト、そして素直に喜ぶひなちゃん。

 いや〜、正にこの反応を期待してましたよ。なにせ二人の魔法少女化は原作ではおそらく……いや絶対イレギュラーな事態だからね。

 …………でも

 

「おいヤマト。お前才能ないから魔法使えないって決め付けてたけど、その常識が覆ったんだぞ。ここはエネル顔で驚くべきだと思わないか? ほら、エネル顔しろよ」

 

「顎外れるわ。……でも、メチャクチャ驚いてる。……お前二人に何をしたんだ…………?」

 

「俺が今まで引きこもって何をしていたか。……あれが答えでございます」

 

「……なるほど。何か開発してるって言ってたけど魔法の使えない二人のデバイスを……そうきたか」

 

『マスター、いつまで遊んでるんですか? 油断は禁物、とっとと片付けてしまいましょう』

 

「っと、そうだな。それじゃもう少しだけ活躍させていただこうかな」

 

 いくら金髪と言う魔力電池を抜いたとはいえ、動きが停止しただけで弱体化はしていない。これでは大樹の中央にあるであろうジュエルシードも木の幹に阻まれて封印できないだろうしそこまではやってやるか。

 

 なのはちゃん達を救出した事で手元に戻ってきていたWファンメランをカードに戻して懐に入れると、Nワンドを取り出してワンドの先端に魔力を集め魔力刃を展開する。

 ワンド型にした事で剣として使えるようになったのだ。

 

「れお君、大丈夫? あの木ヤマト君の刀でも傷がつくだけで斬れなかったんだよ?」

 

「大丈夫、大丈夫。……アルギュロスラッシュッ!!」

 

 ジュエルシードを守る幹に向かってワンドを振るうと、魔力刃は飛ぶ斬撃になって幹に襲いかかると斬ることは出来なかったものの幹にヒビを入れる事に成功。

 なぜオリ主がダメで踏み台が行けるのかと疑問だろうが、こちとら魔力SSSだからその分魔力刃の硬さや鋭さはグラディウスのそれを超えているのだよ!!

 

「もういっちょ! ……アルギュロスラストッ!!」

 

 そしてダメ押しに魔力刃による突きを放つと、今度は飛ぶ刺突として木の幹を砕く。

 ……よし、ここまで砕けば後は砲撃魔法で行けるだろ。

 

「す、凄い……これがこの街最強の魔導師…………」

 

「いや〜、それほどでも。それじゃ、トドメよろしく。なのはちゃん、ヤマト」

 

「分かったの! レイジングハート!!」

 

『シューティングモード、セットアップ』

 

「グラディウス、美味しいところを譲ってもらったんだ。気合い入れろよ!!」

 

『かしこまりました』

 

 なのはちゃんの肩の上にいたユーノ君の褒め言葉に照れながらも二人にトドメを促すと、二人は頷いてそれぞれの獲物を構える。

 レイジングハートの姿が変わり砲撃に適した形に変わり、杖の先端に桜色の魔力が集まる。

 一方ヤマトもデバイスは変形こそしないが銃の先端に黒色の魔力が集まり、二人は互いに頷きあう。

 

「ディバイーン……」

 

「ルインズ……」

 

「「バスターッ!!」」

 

 二人のデバイスから発せられた桜色と黒色の砲撃が絡み合って一つの光線と化しながら、ヒビの入った大樹へと向かっていく。

 俺のお膳立てで防御を完全に破壊された大樹に二人分の砲撃は耐えることが出来なかったようで、大樹は二人の砲撃に貫かれてそのまま内部にあったジュエルシードは封印される。

 

「やった〜! なのちゃんとヤマト君がやっつけたよ!!」

 

「フハハハ! 俺のお膳立てのお陰だな!!」

 

「確かに大活躍だったけど、それ自分で言う? ……あ、見て! あれだけ広がってた木が消えてくわ!!」

 

「私達の勝利だね!! …………でも」

 

 すずかちゃんの言葉に大樹の消えた街を見る俺達。

 かろうじて商店街は守り切れたとはいえ、それ以外の半径数百メートルはまるで災害が起こったかのようにボロボロ。家屋がどこも倒壊していなかったのが唯一の救いだが、住めなくなった家なんかはあるだろうな。

 

「「「「「「………………」」」」」」

 

 ……なんと言うか、勝ったけどこれは後味悪いな…………。

 そんな事を考えながら街を見ていると、街中に五時を知らせるアラームが鳴り響き始める。

 

「え、もう五時!? 早く帰らないとママに怒られちゃう! みんなバイバーイ!!」

 

 重苦しい雰囲気であったが、門限が五時までなひなちゃん達が慌てた様子で飛んで帰って行ってしまった事で、見事に重い雰囲気はぶっ壊れてしまった。なんと言うか……流石はオリヒロイン。

 

「……反省会はまた明日にして、アタシ達も帰りましょうか。すずか、送るわよ」

 

「う、うん。レオ君、デバイス、本当にありがとうね。それじゃあまた明日」

 

「……オレ達も帰ろう。なのは、送るぞ」

 

「……うん、それじゃあね。レオ君」

 

「うん、それじゃあまた」

 

 ひなちゃんのお陰である程度は雰囲気も良くなったとはいえ、やっぱり重いままだなぁ。

 今回は不幸な事故なんだからみんな気負わなくていいと思うんだけど…………。

 

『……そういえばマスター。今日、特売の日じゃないですかね?』

 

「あ"ぁあああああ!! 忘れてたぁあああああ!!!!」

 

 今日の特売はジャガイモ詰め放題だから、大量に買ってポテト祭りしようと思ってたのに……急いで行かなければ!!

 

 

 ◇

 

 

「あれ、レオ君遅かったなぁ。もう売り切れてしもうたで」

 

「……orz」

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