見た目だけは踏み台だけど、普通に生きさせていただきます!   作:蒼天 極

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フェイトちゃんもヒロインレースに出場か〜!!

「リサちゃん達も名乗りを決めた方がいいと思う!」

 

 本日は全員予定が空いていると言うことでみんなでジュエルシードの捜索をしていたのだが、ひなちゃんが突如お嬢様コンビとフェイトちゃんにそんな事を言い出した。

 

「名乗りってたまにひながやってるあれ?」

 

「うん! 大空の魔法少女、ひな!! ……カッコいいでしょ!!」

 

「わぁ、ビシッと決まってて可愛いね」

 

「凄くかっこいい……わたしもこんなポーズとってみたいな。アリサもそう思うよね?」

 

「アー、ウン。ソウネ」

 

 ビシッとポーズをとってドヤ顔をキメるひなちゃんの姿に、すずかちゃんとフェイトちゃんは大絶賛。特にフェイトちゃんに関してはいつものような無茶してるような顔ではなく、年相応な表情で目をキラキラと輝かせている。

 

 だがそんな中でひなちゃんの勇姿を冷めた目で見つめ、興奮気味なフェイトちゃんにも適当な返事をしたアリサちゃん。

 

 ………………。

 

「おいなんだその反応はァ!? このポーズ俺も協力して、プリキュアとかのDVDをゲオで借りてきて一生懸命研究して作ったんだぞ!! いくらなんでも失礼なんじゃないですかアリサちゃんよぉ!!」

 

「なんでアンタがキレんのよ!? だって仕方ないじゃない。アタシらもうプリキュア見るような歳でもないのに、そんな子供っぽい事をしようだなんて……」

 

「アリサ、流石に聞き逃せないな」

 

「え、な、なによヤマト?」

 

 アリサちゃんの失言を聞いたヤマトは、青筋を浮かべて彼女に詰め寄る。

 それはそうだろう。なにせ決めポーズを取るのに一番ノリノリなのはひなちゃんでは無く実はヤマトなのだ。

 それに今のアリサちゃんの発言はニチアサ視聴勢に対しても喧嘩を売ってしまっている。ニチアサは大人でも楽しめる作品なのに子供っぽいとは戦争案件なのだ。

 

 それ以前に……

 

「そもそもウチらまだ9歳ぞ? 生まれてから10年も経ってないのに大人ぶってもしょうがないでしょ。諦めろアリサちゃん。俺達は子供だっ!!」

 

「くっ!? で、でもあのポーズは恥ずかしいわよ! なのはもそう思うわよね!!」

 

「見ててねフェイトちゃん。……不屈の魔法少女、なのは!! 「わぁ……なのはのもカッコいい…………!」あ、ごめんアリサちゃんなんだって?」

 

「アタシが……アタシがおかしいの……!?」

 

 この中で唯一まだ反応を示してなかったなのはちゃんに同意を求めるが、なのはちゃんも俺たち側の人間であった事を知りガクリと侮れてしまったアリサちゃんなのであった。

 

「そう言えばレオ君も名乗りってあるの?」

 

「うん。俺はポーズの安売りはしないって決めてるからここぞと言うときにしかやらないけど、一応叡智の魔導師って名乗らせて貰ってるよ。因みにヤマトは──」

 

「オレは今名乗りを封印中だな。今のオレにあの名を名乗る資格はないからな」

 

「な、なにがあったのヤマト君……?」

 

 人に歴史あり……過去にコイツも色々あったんだよ。

 因みにヤマトが名乗りを封印した理由を突き止めてトラウマを払拭してやれば、ヤマトの好感度が一気に上がってヒロインレースで一気に優位になるだろうな。

 

「だから頑張ってヤマトを攻略するんだよ?」

 

「「「分かった!」」」

 

「……ねぇ、ひな。この三人ってヤマトの事が好きなの?」

 

「うん。あとね、ひなはレオ君が好きー!」

 

 そう言って俺の腕に抱きついてくるひなちゃん。

 君の好きはライクであってラブではないでしょ? なのはちゃん達のそれとは好きの意味合いが違うと思うよ? ……おい、なぜ生暖かい目で俺を見てくるフェイトちゃん以外の三人娘。

 

「? なんの話をしてるかはよく分からないけど、取り敢えずこれからすずか達の名乗りを決めるってことでいいよな?」

 

「うん、なのはちゃんも決まってるなら私達も決めないとね」

 

「どんなのがいいかなぁ……。なのは、どんな名前がいいか良く分からないから一緒に考えてくれる?」

 

「にゃはは、わたしの意見が参考になるかは分かんないけど……うん、分かったの!」

 

「え……ちょ、ちょっと待ってよそれってアタシもやるって事じゃ──っ!?」

 

 この期に及んで嫌がっていたアリサちゃんだが、その直後彼女が強張る。

 それもそのはず。なにせ近くにある公立海鳴小学校の近くから、魔力が放出されたのだから。

 

「ユーノ君、これって……!」

 

「うん。ジュエルシードが起動したんだ!」

 

「ちょっと休憩しすぎたかな……わたし、先に行くね!!」

 

「あ、待ってよフェイトちゃん!」

 

 ジュエルシードの確保を第一優先事項にしているフェイトちゃんがさっさとジュエルシードの元へ向かい、それをなのはちゃんが追いかけていく。

 ……海鳴小って退学になった金髪が通ってる学校だし、もしかしたら絡まれるかも知れないからな……。

 名乗り云々は一旦後にして俺たちも急いで行くか。

 

 

 ◇

 

 

 さて、金髪の通う小学校が近いと言うこともあり、急いで先行してしまったなのはちゃん達の元へ向かった俺達。

 すると……

 

『ピュィイイイイイイイイッ!!』

 

「大丈夫だ嫁達! この俺様が守ってやるからな!!」

 

「もぉ! 邪魔しないでよリュウヤ君!!」

 

 ……はい、予想通り金髪がおりました。

 それにしてもあいつヤマトに半殺しにされて動けないはずなのにもう怪我治ったのかよ。本当踏み台ってのは耐久力だけは一丁前にあるよな……。

 

『マスターは耐久力ありませんけどね』

 

「……ハッ、という事は俺は踏み台ではない……? ぃよっしゃぁああああああっ!!」

 

「なんでいきなり喜び出したかは分かないけど、今はそれどころじゃないだろ! 龍帝院が被害を拡大させる前に……!!」

 

 そう言ってヤマトが金髪を止めようと距離を詰めるが、それより先に金髪が鳥に取り憑いたジュエルシードに剣を射出。

 だが鳥の怪物が翼を羽ばたかせて風を起こしたことで剣は風に煽られて勢いを失い、それどころか風に飛ばされて金髪……いや、なのはちゃんやヤマトの所にまで剣が返ってくる。

 

「はぁ!? ちょ、それアリかよ!!」

 

「きゃああ!」

 

「な、なのは!!」

 

「クソッ! せめてなのは達だけでも……!」

 

「大丈夫、フローズンシールドッ!」「はいはい、アルティメットプロテクションっと!」

 

 なのはちゃんをフェイトちゃんが庇いそれを更にヤマトが庇おうとする中、俺とすずかちゃんは同時にシールドを展開、跳ね返って来た剣からヤマト達を守る。

 ……それにしても俺とほぼ同時に援護を行うとは……やるではないかすずかちゃん。

 

 まぁ、そんな事より…………

 

「リュウヤ君危ないの! 剣を発射するにしてもちゃんと考えてよ!」

 

「そうよ! 一歩間違えてたらなのは達死んでたわよ!!」

 

「なに言ってんだよ、今のは手加減したからであって本気を出したらこれよりも──」

 

「ふ、ふざけないで! なら最初っから本気を出してよ!! ジュエルシード集めは遊びじゃないんだよ!!」

 

 言い訳をする金髪に対してそう怒鳴るフェイトちゃん。

 フェイトちゃんは親に頼まれたと言うこともありジュエルシード集めには誰よりも真剣。だからこそ金髪の態度は許せるものでは無かったのだろう。

 それに今まで邪魔されてたって言ってたし、溜まった鬱憤が爆発したのかも知れないなぁ……。

 

 それよりも……

 

「「……すみませんでした」」

 

「って、なんでヤマトとレオが謝ってんのよ」

 

「二人とも本気を出してないからだよ」

 

「二人ともあれで本気出してないの……?」

 

 ちゃうねん。確かにアスカロン使えばヌルゲーになるけどあれは力が強すぎるし、今回は属性デバイスとかNワンドの練習を兼ねてるだけやねん……。

 それにヤマトはトラウマのせいで本来の力を発揮できないだけやねん……。

 

 この際アスカロンを使って真面目にやろうかと考えていると、「……は?」という冷たい声を金髪が発する。

 

「なにそれフェイト? 俺様にそんな態度取っていいと思っちゃってんの?」

 

「っ!? ……で、でも真面目にやってくれないなら……」

 

「ほんとツンが強いなフェイトは……俺ツンが強すぎるのは嫌いって言わなかったっけ?」

 

「あ──」

 

「フェイトちゃん、危ない!」

 

 そう言って金髪はあろう事が青い顔をしながらも気丈に振る舞っていたフェイトちゃんに向けて剣を射出。

 それを見たなのはちゃんが咄嗟にフェイトちゃんを庇うが、それより先にヤマトが金髪を剣を弾いた。

 

「邪魔すんなモブゥ! 今からフェイトは躾をしないといけないんだからよ!!」

 

「躾だと……ふざけんな! フェイトはお前のものじゃねぇだろうが!! それにフェイトの使い魔……アルフから聞いたぞ! お前は前もそうやってフェイトに攻撃したらしいな!!」

 

「ヤ、ヤマト……」

 

『ピュィイイイイイ──ピュイ!?』

 

「あ、ごめんね鳥君。ちょーっといい所だから邪魔しちゃダメよ?」

 

 空気も読まずに……と言うかこんな場所で茶番をしてる方が悪いんだけど、ヤマトに攻撃をしようとする鳥の怪物をWファンメランで吹き飛ばして翼をバインドでガッチリ固定しておく。

 主人公に見せ場を作るのが踏み台の役割……ならば見せ場を守るのも踏み台の仕事だ。

 

「なんだよ、正義の王子様気取りってか? ならフェイトの躾のウォーミングアップ前にお前から叩き潰してやるぜモブゥ!!」

 

「上等だ! お前なんかに、フェイトは指一本触れさせない!!」

 

 そう言ってヤマトは金髪と戦い始める。

 ただがむしゃらに適当に剣を飛ばす金髪とは違い、ヤマトは恭也さんから鍛えられた剣術で一本一本弾き金髪の懐に潜り込むと、奴の鳩尾に拳をめり込ませる。

 

「おぶぅ……っ!?」

 

「安心しろ、非殺傷設定だ。ルインズバスター!!」

 

「ぎゃぁああああああっ!!」

 

 そしてゼロ距離で砲撃を放ち、白目を剥いて力無く地面に落下する金髪に向かってヤマトは決めゼリフのようにハッキリ告げる。

 

「フェイトはオレが守ってる! もうお前に彼女を虐めさせない!!」

 

「……////」トゥンク

 

「あ、フェイトちゃんが恋する乙女の顔になっちゃったの!!」

 

「お、フェイトちゃんもヒロインレースに出場か……!? いいねぇ! 面白くなって来たぞ〜!!」

 

「全然面白くないからね!?」

 

「てか、アンタ部外者だからって楽しんでんじゃないわよ!!」

 

「お腹すいちゃったな〜……鳥さん早く封印しておやつ食べに行こうよ〜!」

 

 新たなヒロイン登場と言う面白展開に興奮していたが、マイペースなひなちゃんの言葉で正気に戻る。

 そうだね。どうせ後は封印するだけだしとっとと終わらせてしま「このモブゥゥウウウウッ!!」おっと。

 

「この俺様に刃向かうとは万死に値する……もうぜってぇ、許さねぇ……殺してやる。殺してやるぞモ「お前の出番はもう終わってんだよ馬鹿野郎」ガッ──!?」

 

 血走った目で手に持った金色のデバイスでヤマトに斬りかかろうとする金髪。だがいい加減ウザかったのでバインドで動けなくしていた鳥の怪物を金髪に投げつけると、そのまま流れる様に黒色のカードを取り出す。

 

「デバイスチェンジ、Mブラスター」

 

 Mブラスター、それは俺の身長程ある巨大な粒子砲型のデバイスだ。

 俺の魔力SSSの利点を無駄なく攻撃に転用する為のデバイスであり、一言で言うとゴリ押し用である。

 また、丈夫さに追求しすぎてこいつの重さは100kgであるが、それを振り回してハンマーの用に扱ったりもできる。

 

「仲良く消し飛べ! マキシマムブラストォオオオッ!!」

 

『ピュィイイイイイ──』

 

「ぎょぇえええええええ!?」

 

 おや? Mブラスターによる必殺の砲撃を喰らわせてやったわけだけど、なんだかギャグっぽい断末魔だなぁ……もう一発痛い目に合わせるか。

 

「マキシマムブラストォオオオッ!!」

 

「あ"ぁあああああああああ!!」

 

 一発目の砲撃でジュエルシードの機能は停止したため、ジュエルシードに砲撃を当てないように気をつけながらもう一発必殺砲撃を発射!!

 計二発の必殺砲撃を受けた金髪は黒焦げになって動かなったのだった。

 

「フェイトちゃん、回収していいよ」

 

「え……あ、うん。ジュエルシードシリアルナンバー1、封印!」

 

 俺がトドメを刺すと思っていなかったのか呆然としていたフェイトちゃんを促して、そんな彼の近くには砲撃を食らって機能が停止していたジュエルシードをフェイトちゃんのバルディッシュに封印させる。

 

「よし、オヤツ食べに行こっか?」

 

「うん!」

 

「……この中じゃ一番レオが危険かも知れない。やっぱりオッドアイは苦手だ……」

 

 おい、フェイトちゃんそれはどう言う意味だ?




フェイトちゃんがヤマトに惚れた。
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