見た目だけは踏み台だけど、普通に生きさせていただきます! 作:蒼天 極
なんとか投稿頻度を元に戻したいぜ……。
(??? 視点)
「レオく〜ん、ヤマトく〜ん! 頑張れ〜!!」
「ハハッ、随分やるようになったじゃないか!」
「努力をするタイプの踏み台だから当たり前よぉ! このまま追い抜いてやんよ。オリ主の称号を手放す覚悟は出来たかオリ主ィ!!」
「オリ主が何かは本当によく分からんが、まだまだ形を譲るつもりはない! ……一つ奥の手を見せてやるよ」
「ほぉ? 遂にお披露目か、オリ主のチートをよぉ! いいぜ、受け止めてやる。パーフェクトプロテクションッ!!」
『アルティメットプロテクションを超える私とマスターの最強の防御魔法……核爆発だろうが耐えるこのシールドを果たしてヤマト君に突破できますかねぇ?』
「上等! 格の違いってもんを見せてやる!
バスッ‼︎
「…………は?」ゴフッ
「…………え?」
「…………ハハ、マジ……かよ。……ぅあ……」
ドシャァッ
「い、いやぁあああああああ!! れお君! れお君!!」
「お、おい嘘だろ……非殺傷設定にしてたのに……おいレオ、しっかりしろよ! レオ!!」
「………………」
「嘘だろ。う……うぁ──
うわぁあああああ!! ……あれ?」
ピリリリリリ ピリリリリ
「…………またこの夢か……」
◇
(レオ視点)
早いことで一泊二日の温泉旅行から早い事で一週間が経過。本日は土曜ということで、念話で連絡を取り合い全員でジュエルシードの捜索をしている。
全員が集まって捜索をするなんて滅多にない機会という事で、いつもよりも気合を入れて海鳴市全域を探し回っているのだがなかなか見つからず公園で一休み中だ。
「おーい、今日暑いしスポドリ買ってきたよ〜」
「あ、ありがとうなの。わたしもう喉カラカラで……」
「なんだかんだ休みなしで探し回ってたものね。ナイスタイミングよ!」
いくらまだ春でそこまで暑くないと言っても長時間町中を探し回ってたら汗もかくからね。誰かが脱水症状でダウンしてぶっ倒れてもそこそこ笑えないし水分補給は重要だろう。
「みんな汗かいてるししっかり水分補給を……いや、その前においオリ主。このスポーツドリンクに美味しくな〜れ萌え萌えきゅん♡ ってやれよ」
「…………」
「……? おーいヤマト〜?」
「……あ、悪い。ぼーっとしてた。なんだって?」
どういうわけか、上の空だったヤマトはやはり聞いてなかったようだ。
もしかして脱水症状で頭が回らないのかと一瞬不安になったものの、見た感じ元気そうだしそもそもオリ主が脱水症状如きで倒れるとも思えないし気のせいだろう。
「このスポドリに美味しくな〜れ、萌え萌えきゅん♡ ってやれよ」
「いやなんでそんな恥ずかしいことを……」
「そりゃ、その方がみんな元気が出るからに決まってんだろ?」
朝から探しっぱなしでもとより体力のないなのはちゃんは勿論のこと、そこそこ動けるアリサちゃんやフェイトちゃん、挙げ句の果てにはヤマトと同じレベルの体力お化けのすずかちゃんすらも疲労が見え隠れしている。
ヤマトに気がないひなちゃんは除外するとしても、そんなヒロイン達を回復させてやる為にはオリ主の力が必要なのだ。
分かったら早くやれい! とっととやれい!!
「だから恥ずかしいから嫌だって。それに俺がそんな事してもなのは達は嬉しいはずが……」
「みんなもヤマトに美味しくなーれってしてもらった方が嬉しいよな?」
「「「「「うん」」」」」
「バカな……満場一致……だと?」
ほーら見ろ。
……まぁひなちゃんには『何も考えずにうんって言って』って念話で頼んでたからだけど……そんなインチキを使わずともそもそも過半数は超えてたし、結局やる運命には変わりないのだよ。さっさとやれい!!
結局、全員が望んでいると知り引くに引けなくなったヤマトは、渋々スポーツドリンクの目の前に立つと……
「お、おいしくなーれ……萌え萌えきゅん……」
おい、棒読みじゃねえかやり直せぇ!! ……って言いたいところだが、素直に実行したし今回は良しとしておいてやろう。
ヤマトの愛が注がれたスポドリを飲みながら談笑をするなのはちゃん達を見ながら、ベンチに身体を預けて休憩をしていると、「そういえば……」とひなちゃんが切り出す。
「すずちゃん達は変身した後の名乗りって考えて来た?」
「うん。ちょっと悩んじゃったけどバッチリだよ」
「わたしもアルフと相談して決めてきた」
「ほんと? それじゃあ後はアリサちゃんだけだね!」
「くっ……覚えてたのね。そのまま忘れてくれていれば良かったのに……」
諦めろアリサちゃん。
ひなちゃんは一度思いついた事はやり切るまでは満足しない子なんだ。だから潔く自分も名乗りを考えるがいいさ。
「一人だけ逃げさせないぞ。諦めて小学生時代の黒歴史として記憶の奥底に刻むのだ」
「…………黒歴史って言ったら、アンタの姿こそ黒歴史になると思うわよ? ひなの真似してフリフリのドレス着てるし」
「テメェ、それは禁句だろうが!? 今までなのはちゃんやすずかちゃんだって微妙な表情はすれど、敢えて触れないでくれてたものを貴様ァ!!」
「知らないわよ! ならなんであの姿にした!?」
しゃーないやろ! ひなちゃんがお揃いが良いって言ったんだから!!
それにイミテーションフォームはあくまでNワンドで変身する仮の姿。アスカロンを使った本当の変身はちゃんとあるんだからな!!
「ま、まぁまぁ、レオ君のあの姿は女の子って間違えちゃうくらい可愛いから黒歴史にはならないと思うの。……それにしてもジュエルシード見つからないね」
「そ、そうだね。……あ、そういえばスノーホワイトのレーダー機能ってジュエルシードに使えないのかな?」
「確かに、それがあると便利かも」
俺とアリサちゃんが喧嘩することを危惧したのか、露骨に話題を変えるなのはちゃんとすずかちゃん。
でも確かにすずかちゃんの考えも分かる。俺も出来ることならジュエルシードの魔力とかその他諸々を計測して、レーダーで探索できるようにしたいところではあるのだ。
「レーダー機能で楽をしたいのは山々だけど出来ない理由があるんだよね」
「そうなの?」
「ジュエルシードの……ロストロギアの解析は管理局法に違反してるからね。そんな事をしたらレオは違法研究者として捕まっちゃうんだよ」
「そそ。それに他のみんなはともかく、俺はよく
「そんな……。で、でもでも、非常事態だからって言えば……」
フェイトちゃん、君もしかして俺に次元犯罪者になれって言ってるのかな?
いや、まぁフェイトちゃんからしたらジュエルシードの確保が最優先事項だし、少しでも潤滑に集める方法があるならそれに頼りたいと言う気持ちも分からんでもないんだけどね。
「……まぁ、正規の手続きをしたらジュエルシードの取り扱いについて特例が出るかもだけど、管理局も所詮はお役所だから手続きに時間かかるだろうしそれに……」
そう言ってチラリとフェイトちゃんを見ると、すずかちゃんは納得したような表情を浮かべる。
ジュエルシードの解析許可の手続きを取ると言うことは、それ即ちジュエルシード集めが難航していると教えるのと同義だ。
そうなると最悪、現在手続きが難航している管理局が出張ってきて、フェイトちゃんの活動を妨害する可能性が高いのだ。
「だから地道に集めるしかないって事だね」
「そっか、上手くはいかないね。……あ、そう言えばなのは達はなんかジュエルシードを集めたの? わたしはまだなのは達と一緒に集めた分を含めて4個しか集まってないんだけど……」
「わたし達は10個なの」
「10個……!?」
予想以上に激しくフェイトちゃんが食いついたかと思うと、何故か葛藤する表情をしてバルディッシュを強く握り始めた。
……はは〜ん。
「フェイトちゃん……もしかしてお母さんか誰かに急かされてる?」
「っ!」
「確かに俺らを倒したら10個総取り出来るかもだけど……流石にリスクとリターンが釣り合ってないよ?」
何せこの状況で裏切っても6対1な上に、転生者組はフェイトちゃんより格上。確実に勝ち目はない。
「それは……ごめん、急かされて焦っちゃってたかも。いくら急いでても、みんなを裏切るのはダメだよね……」
「フェイトちゃんは悪くないの。急いじゃう気持ち分かるもん」
「そーだよ。いそがばまわれ、ゆっくり探していこ?」
「ありがとね。なのは、ひな」
やろうと思えば誤魔化せただろうに素直に謝るいい子なフェイトちゃん。
……でも、そんなフェイトちゃんも管理局の法でいえば違法渡航者、ロストロギア不法所持者だ。もし管理局に捕まったなら、まだ子供だしある程度の減刑はつくだろうけど凶悪犯罪者の仲間入り……。
……こんないい子を利用するなんて、絶対に許すまじフェイトのお母さん!!
「ん〜、でもフェイちゃんママに急かされてるなら、何個かジュエルシードをフェイちゃんにあげた方がいいんじゃないかなぁ?」
「流石にそれはユーノに悪いわよ」
「僕の事は気にしなくていいよ。あくまで僕の見つけたジュエルシードが迷惑をかけなければ良いわけだし、フェイトなら絶対に悪用しないって信用できるから」
「ユーノ……」
いやいや、フェイトちゃんはいい子だから預けても信用できると思うけど、フェイトちゃんのお母さんが悪用しないとも限らないでしょうが。
ユーノ君に考え直すように言おうかと考えていると、「う〜ん……」と悩んでいたなのはちゃんが思いついたような表情を浮かべる。
「それなら魔法の練習も兼ねて、みんなで模擬戦をするって言うのはどう? それでフェイトちゃんが勝ったらジュエルシードをあげれば……」
「やる」
「おいコラ、勝手にジュエルシードを賭けに出すんじゃないよ。もし負けても最終決戦のときに勝てばいいって訳じゃないんだよ?」
「いいじゃないの。それにこう言う機会でもないと、アタシたちも魔法の練習出来ないし」
「私達はヤマト君かひなちゃんかレオ君のいるところでしか魔法の練習できないからね」
しゃーないやろ。俺のいないところでバッテリーデバイスに不具合が起きたら本気で困るんだし。
それに身体への悪影響があっても、製作者の俺や、特殊なレアスキルを持ってるヤマト、ひなちゃんがいないと本当に危ない。
……でも確かに最近はジュエルシードも見つからなくてフェイトちゃんも焦ってるみたいだし、フェイトちゃんママが悪用するかは置いといて、負けたところで仲間内でのジュエルシードのやり取りのようなものだから、ここらでフェイトちゃんのガス抜きをしてあげてもいいかもしれない。
「ヤマトはどう思うよ?」
「…………」
「……おい?」
「……ん? あ、あぁ。なんだって?」
…………。
「……ヤマト、今から模擬戦するんだって。山行くぞ」
「? おう」
◇
その後、結局模擬戦を行う事になった俺達は、普段転生者組が訓練に使っている山へ移動して、模擬戦ならぬ天下一魔導会の開会式を行っていた。
「それでは第一回、天下一魔導会の開催を宣言しますっ!」
「せんしゅせんせーい! ひな達、魔法使い一同は、今までの練習で培って来た技術と精神力を存分に発揮して、どんな場面でも諦めることなく戦い抜くことを誓います! また、対戦相手を……対戦相手を……えっと……「尊重」あ、尊重し、審判の判定に従い、正々堂々と楽しく戦う事をここに宣言しまーす!」
「……ねぇなのは?」
「なぁに、フェイトちゃん?」
「これっているのかな?」
「多分いらないと思うの」
今回はくじ引きで作ったトーナメント表を元にトーナメント方式で戦い、負けたら勝った人の言う事を一つ聞くと言うルールで戦う事になった。
つまりフェイトちゃんが全勝したら、その言う事を聞かせられる権利を用いて、予選、準決勝、決勝で合計ジュエルシードを三つ手に入れることができると言うことである。
まぁ、俺やヤマトがいる中で勝てるとは思わないけど。
「えっと、一回戦はどの組み合わせだっけ?」
「えっと……一回戦はなのはVSフェイト、すずかVSひな、アタシVSヤマトね」
「あ、それなんだけど、アリサちゃん。悪いけど予選を俺と変わってくれない?」
「なんでよ。せっかくくじ引きでヤマトと戦える事になったのに!」
「俺がヤマトに勝ったら、アリサちゃんに言うこと聞く権利を譲るから……マジでお願い!」
「あのねぇ、それじゃあ意味がないのよ。欲しいものがあるなら正々堂々アタシ自身の手で勝ち取りた「頼む」……レオ?」
そう言ってアリサちゃんに頼み込むと、アリサちゃんは一瞬不満そうな表情を浮かべるも、俺の様子を見ると大きくため息を吐いて「分かったわよ」と呟く。
「フレイムアイズをくれた貸しもあるし、今回だけだからね!」
「マジ助かります! ……さて」
なんとかアリサちゃんに予選カードを譲ってもらった俺は、明後日の方向を向いてぼーっとしているヤマトの元へ移動する。
「ヤマト、バトルの時間だぜ〜?」
「…………」
「おいコラ! いつまでぼーっとしてんねん。反応しろや!!」
「あ、すまん。それでなんだっけ?」
「俺と一戦……やろっか?」
「え?」
次回、ヤマトVSレオ。