偽トリアがゆく雁夜おじさん救出劇?   作:破戒すべき全ての鬱(うつブレイカー)

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ネタ回です


学校の給食ってめちゃくちゃ美味しかった記憶ありますよね?

 

 

「……朝から酒とは随分とご機嫌だなギルガメッシュ」

朝起き、物音がすると部屋に来てみれば師である時臣のサーヴァント、英雄王ギルガメッシュがグラス片手にソファへと座る。

 

 

「別に?特別機嫌が良いというわけではない。どんな物であっても時と使い方を見誤らなければ輝くものもある…ただそれだけの事よ。」

 

「…それでその酒は何処から持ってきたんだ?」

「なに、あの時臣のやつの蔵に入っていた物だ。奴は酒の使い道というものを理解していないらしいのでな」

 

ギルガメッシュはそう言うとグラスへと入った酒を飲み干し、更にグラスへと酒を注ぎ、コチラを見据える。

 

「……ギルガメッシュ、ココに来た理由が酒を飲みに来ただけであるまい。昨夜の事なら忘れるがいい…聖職者である私が【愉悦】などという悪しきモノに手を出すことはない」

 

 

「勘違いするなよ綺礼、愉悦とはただ楽しむことだ。我は貴様に楽しみを覚えろと言っているだけの事よ。」

 

 

…ギルガメッシュの言葉は正しい…愉悦という言葉には一切の罪はない、だがその笑みからはもっと他の下卑た意味合いを感じる……おそらく聖職者としての私がそれへと踏み入ってはいけないと警告を鳴らしているからだろう。

 

 

「愉悦が悪しきモノではない事は理解している。だが私は聖職者である身、嗜むことはあっても溺れるなどあり得ぬことだ。」

 

「………フンッ、貴様はココまで来て未だ踏み出せずにいるということか……まったく、呆れた男よな」

獲物を追い詰めるような蛇の目にも見えるギルガメッシュの真紅の瞳…コチラを嘲笑うような…憐れみをかけるような目でコチラを見据える

 

 

「何が言いたい?」

 

「……良いか綺礼?宝物(ほうもつ)というものはな…削られ、磨かれ、あるべきところへたどり着く。これを行うことで初めて宝へと昇華されるのだ。

――それは人でも同じ事…時を過ごし削られ、時を重ね磨かれる……これを続けることで輝く宝となる。だがそれはあるべき所でなければ価値が表れることはない。」

 

私が輝ける場所がその『愉悦』だと?…あり得ない、私の父である言峰璃正は誰よりも潔白な聖職者。

ではその息子でたる私がそのような物などに染まるはずがない、そのような事はあってはならない。

 

「――まぁ、原石だからこそ輝く物もないわけではないがな」

 

 

「…貴様が居るべきところは別にある。(オレ)の言いたいことはそれだけだ

貴様も愉悦の真髄がなんたるかを理解できれば、酒の味を楽しむことができるだろうよ」

 

「………ソレをして飲む酒がどれほど美味であろうと私は結構だ。もとより酒は嗜むほども飲んでいないのでね…」

……何者にもなれず何も持ち得ない空虚の自分。

 

そんな自身のあり方…私が存在すべき場所……何もないはずの自分が追い求める男、あの衛宮切嗣を知れればこの思いの終着点へと辿り着けるかもしれない。

 

「…フンッ、つくづく面白い男よな。」

黄金のサーヴァントはそう呟き、また酒を煽る。

――英雄王が何を言っているのか理解できないわけではない…だが私は聖職者だ、その私が『愉悦』などと言う悪しきモノに染まっていいはずがない。

 

 

 

 

「――ちゃん…桜ちゃん…起きてくれ、桜ちゃん」

 

目を開ければ小声でなんとか桜ちゃんを起こそうとする雁夜おじさんの姿が…

そしてアワアワとしている顔を見れば全く虫の影響を受けてないであろう固まってない左顔。

 

 

……夢だな。間違いない、雁夜おじさんは昨日見た限りでは良くはなってたけど左の顔の質感はあんまり変わってなかったし…

「……おやすみなさい」

 

「………桜ちゃーん。朝だから起きてー」

そう言って布団の奥側にいる桜ちゃんを揺する雁夜おじさん……ん?コレ夢じゃないな?早く起きなきゃ!

 

 

「おはようございますカリヤ。すいません寝ぼけていたようです…サクラ、もう朝ですよ」

夢じゃなら桜ちゃんと起きないと!起きて桜ちゃん!多分今日学校あるよ!

 

「ぅ……ぅん……」

なんだこの可愛い生き物は……声も可愛いし姿も可愛いし動作も可愛い!何だこれ?!可愛いが具現化した生き物なのか?

 

 

「おじさん…バーサーカーさん……おはよう」

「おはよう桜ちゃん、実はおじさん寝坊しちゃって起こすの遅れちゃったんだ。だから朝ご飯作ってるから先に着替えを済ましててね。」

「うん……分かった、おじさん」

 

そう言ってトコトコと歩いて部屋を出ていく桜ちゃん。なんで部屋を出ていく?

 

 

部屋を見渡せば大した家具すらない布団だけのさっぱりとした部屋…来客用ともいえないような基本使ってなさそうなこじんまりとした部屋…クローゼットもないさっぱりした部屋、クローゼットがなくとも日常生活に支障をきたさないような人がいそうな部屋……

 

……ココ私の部屋だ?!えっ?もしかして桜ちゃんを自分の部屋に呼んじゃった?!もしかして児童案件?!私警察にお縄になっちゃう?!

 

「バーサーカー」

……なんですかその目は…その何かやらかして誰かに助けを求める時みたいな目は?

 

…やらかしたのか?やばいどうしよう。これは説明をした方がいいですよね?!いやでも私はただ桜ちゃんが可愛すぎて一緒に寝たかっただけなのであってやましい気持ちなんて一切ないんですよ?!

 

「ごm「ごめんなさい!反省してます!ほんっとに申し訳ないと思っています!でも桜ちゃんを部屋に呼んだのはやましい気持ちとか一切なくただ純粋に桜ちゃんと一緒に寝たかっただけなんです!」

「……」

 

……あれ?雁夜おじさんがなんか変なものを見るような目で私を見てくる。なんでだ?!

「バーサーカー、その……なんだ……俺は別にお前が何かしたとは思ってない」

いや、絶対思ってるでしょ?!だって今『えっ?こいつ何言ってんだ?』みたいな顔しましたよね?!

 

「あの、悪いけど……ちょっと桜ちゃんを学校に連れて行ってほしいんだ。本当に朝起きるの遅れてさ…」

 

時計を見れば7時50分を過ぎたところ…5時くらいから寝だしたから大体3時間も寝てしまったのか。

 

「私がサクラを学校へ?相当急いでいるみたいですけど何時に学校始まるんですか?」

 

「……8時20分」

――なんて?

「もう一度、えっ?聞き間違いですか?」

「本当にごめん、8時20分だ」

……なん…だと?

 

めっちゃ急がないとやばくないですか?!えっ?あと30分もないですよ?!コレは俊敏A+くらいありそうなランサー適正がある私が行くしかない!

 

「分かりました!この格好だとすこし目立つのでカリヤ、貴方の私服を借りますね!では!」

「頼んだバーサーカー!」

 

任せてください!この騎士王、必ずや学校までサクラを送り届けてみせます!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在8時ちょっと前……桜ちゃんを時間内に学校に送り届ける…絶対に失敗できない重要な仕事。

「サクラ、準備万端ですね?」

 

「う…うん」

自分で言うのもアレですがサーヴァントの速度はかなりのもの。

万が一何かの拍子に物が飛んできて桜ちゃんに当たろうものなら怪我では済まない……

 

なので!桜ちゃんをお姫様抱っこ方式で抱え込んで絶対に離さない!コレで気付く事故が起これば私が体を張って止めれる!

 

 

「その……」

体制が悪いと、もしもの事がありますからランドセルは私が背負って桜ちゃんの体勢を安定させることで更に安全性を確保!

 

黄色の帽子も私が被って何かあっても大丈夫!

 

「あの、バーサーカーさん……えっと…」

ん?なんか桜ちゃん様子が変?!顔が赤いですし熱ですか?!

「どうしましたか?」

「あの……その…恥ずかしいから……」

 

?!!!?!え?お姫様抱っこ恥ずかしがってくれるんすか?

 

いやー可愛いなー桜ちゃん!可愛すぎてこっちも照れちゃいます……いやー、雁夜おじさんには悪いですけど世界で1番キュートな桜ちゃんの赤面顔を独り占めさせてもらいますよ!

 

「サクラ…何も照れることはありませんよ。」

 

「その……帽子とか……被らなくていいよ……凄く……恥ずかしいし」

 

…アッ帽子、そうですよね、はい分かってましたよ。確かにいい歳した大人が小学生の帽子被ってるのはおかしいですよね。

 

「……すいません」

帽子を桜ちゃんに被せます。はい、完璧です桜ちゃん可愛い……

「サクラ……ちょっと速いかもしれないですけど大丈夫ですか?」

「……うん」

 

あっ、大丈夫そう…いや、まさか私の行動に呆れて何も言えないって事じゃないですよね?!

 

「…サクラ、しっかりと掴まっていてくださいね!あと場所わからないので曲がって欲しいときとかに言ってください!」

 

 

「……バーサーカーさん……その……やっぱり恥ずかしいよ……」

大丈夫。この私に任せてください!車もビックリな速度で…そして絶対安全に学校まで送り届けますよ!

 

 

 

 

 

 

 

「バーサーカーさん…ココを左」

「はい!」

 

 

 

「次は……そこの信号渡って……」

「分かりました!」

 

 

「もう一つ先で右……あとは真っすぐ行ったら学校につくよ…間に合うから降ろしても良いよ…」

 

 

いやー桜ちゃんの分かりやすい道案内のおかげで余裕で間に合いそうです!

いやー多分コレじゃあ8時10分くらいに家出ても間に合いましたねー。

 

『そこの黒いフード付きパーカーを着ている人、止まりなさーい』

 

パトカーがこっちに来ますよ?! なんで?!どうして?!私はただ桜ちゃんを学校に送り届けようとしているだけなんですよ!なんでパトカーが来るんですか!

 

「…サクラ、一人でいけますか?」

「うん……大丈夫……ありがとう、バーサーカーさん……」

 

可愛い…桜ちゃん可愛いよ……間に合わなかったら私を殴打してください。

 

お巡りさんには勝てないのです…ごめんなさい、私に力があれば!

 

 

「……すいません」

「いやー止めちゃってごめんね。最近ここらの治安が良くないから見回りしてるんだよね。」

 

や、優しい!このお巡りさん、今の私の状況を理解してくれたのか優しく話しかけてくれましたよ?!私チョロいのでこんな優しくされたらイチコロです。

 

「あ、外人の方?日本語わかりますかね?」

「はい、大丈夫です」

 

一目見ただけで日本語喋れるか心配してくれるその姿!いやーやっぱり国家公務員は違いますね!

「日本語上手ですねー!じゃあ簡単に質問するから答えてくださいね。お名前は?」

 

「アルトリアです。」

「えっとアルトリアさんね……下の…いや、苗字も教えてもらってもいいかな?」

「アルトリア・ペンドラゴンです」

 

「……はい、はい…ペンドラゴンさんねー。ご出身は?」

 

えー、もしかして私なんか疑われてますかねこれ。

…別に不審者要素なんて……全身黒一色で子供を抱えて走ってたくらいで……まぁ…ちょっとだけ不審者っぽいですけど

 

「ブ……イギリスですね」

「イギリスねー……なんで日本に来られたの?」

「…親戚の集まりですかね」

 

「へー…じゃあさっきの子とは従姉妹みたいな?良いですねー…あの子の名前を聞いても?」

……なんで桜ちゃんのことを聞こうとしてるんですか?あの可愛さに一目惚れでもしたんですか?もし危害を加えようものなら殺しに行きますよ?!

「……サクラといいます」

「桜ちゃん!良い名前だねー」

 

「……イギリスと言えばビックベンとか有名ですよねー。実は私、今度旅行にでも行こうかなって考えてたんですけど良いところとかあったら教えてもらってもいいですか?」

 

「え?」

………良いところ?!良いところ……イギリスってどんな観光地ありましったっけ?

んー……前世で観光に言った時はロンドン歩いたくらいで他あんまし覚えてないんですよね…

 

「えーっと…では王道にロンドンとかはどうですか?映画の舞台になる事も多いですし」

「あー…ロンドンも良いですよねー。いやー、こう話してるだけでも旅行に行きたくなりますよー」

よしっ!怪しまれることなく許された!

 

「…最後に持ち物検査だけしても良いですかね?」

「あ、はい」

 

……持ち物検査、バッグとかは持ってないし雁夜おじさんが上着にヤバいもの入れてなければ大丈夫なはず。

「じゃあポケットに閉まってる物だけ脱いでもらっても良いですか?」

 

すまない雁夜おじ…勝手にポッケ漁るけど許してくれ!

 

……ハンカチ、なんか高そうなペンと手帳にあと財布…うん!変なもの無し!

 

…てか雁夜おじさん財布ポケットに直イン派閥なのか……葵さんと会ってた回想の時もカバンとか持ってなかった気がするし雁夜おじさんは手荷物嫌いタイプなのかな?

 

「じゃあ財布の方の中身失礼しますねー」

「はーい」

雁夜おじさんが財布に薬物とかいれるわけないですしもう安心!あとは家に帰って、無事桜ちゃんを送り届けた事を伝えてミッション達成ですよ!

 

 

 

 

 

 

財布…それは金を持ち入れて運ぶ物。

その中で最も財布に入れておくものと言えば何が思い当たる……小銭、千円札、万札のどれかだろうか?

未来ではキャッシュレス化が進み、そもそも現金を持って歩かないという人も多い。

 

では未来でも今でも一番いれる物はなんだろうか…そう、それは有事の際に必要になるものである。

 

つまり保険証、免許証……その他身分を証明する物を持つ人が大多数だろう。

 

 

 

「ペンドラゴンさん。コレ何かな?」

「免許証…ですね」

 

「なんて書いてあるか分かるよね?」

「マトウ カリヤと…書いてありますね」

 

「ちょっと署まで来てもらおうか」

「はい…」

 





綺礼「…例のサーヴァントが警察に捕まったらしい」

AUO「?!」(酒を吹き出す)
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