偽トリアがゆく雁夜おじさん救出劇? 作:破戒すべき全ての鬱(うつブレイカー)
龍之介サイド
予想外のことに色々巻き込まれて早めに住処へ帰った光景…俺達の住処そこは夢の空間、俺達が作り上げた作品を大胆かつ計算して配置した緻密なフォルムによる躍動感をもたせて展示している俺達だけの展覧会。
「…俺達の
俺達の住処、旦那と俺だけの秘密のアトリエ…そこに戻ればいつもの作品達が出迎えてくれる――はずだったのに
「あ、あぁぁ!ひでえ……あんまりだぁ…あまりにも酷すぎる!」
丹精込めて作り上げた旦那と俺との共同作品達は無惨に破壊されている。
「クソッ…チクショウ!」
丹精込め、作品と向き合い制作してきたからこそ断言できる…修復は不可能、修復すら出来ないように一つ一つ徹底的に壊されてる。
「これが……これが………これが人間のやることかよぉォォ?!ウワァァァ!」
「………リュウノスケ、本当の美と調和というモノを理解できるのは…ごく一握りだけなのです。」
…俺達のセンスがイマイチ合わなかった奴が居たとしても…こんな仕打ちはあまりにも酷すぎる……
作品の見どころを強調する為の姿勢、形、場所……考えられる俺の全てを注ぎ込んできたのに!
「その他多くの俗物にとっては美というものは破壊の対象にしかなり得ないものなのです。」
「……旦那ぁ」
「嘆くことはありません。周囲から理解されず、排斥される。悔しいですがそれは真に芸術であるモノの証明なのです……私達はただ進むのみですよ」
旦那の言う通りだ……こんな所で嘆いてても、俺達の作品達が戻ってくるわけでもねえ。
ココで折れたらダメだ!俺達が出来るのは後悔することじゃない、この経験を次に生かすことが大切なんだ
「……そうだよな、旦那」
そうだ、この悲壮感…こんな気持ちは作品を壊されたからこそ感じれたんだ。
もし仮に破壊される一瞬、そこに俺が立ち会っていたらどう思う?破壊されて悔しいか?破壊されて悲しいか?
……俺は今まで作品が止まることを悲しいと…虚しいと。
動き、新たな反応を示す作品が美しい……きっとそう思っていたんだ。
「そうさ!オレは1人じゃない!オレには旦那がいる!」
旦那は言っていた。恐怖には鮮度があると!なんで俺は旦那から最初に教えてもらった事を忘れてたんだ?!
新しい作品のヒントはすぐそばにあったのに
絵画や像のような恒久的な作品じゃない!花火のように一瞬の美と誰もに理解されない努力をつぎ込んだ虚しさを秘めた作品!
そうだ……俺達は先に進むんだ!
「旦那!オレは折れないよ、だから見ててくれ」
「素晴らしいですリュウノスケ!今の貴方は輝かしい……いえ最ッ高にCOOOOLで御座います!」
…俺には旦那が居てくれた!でも旦那は俺の手伝いをしてくれてた、だけど俺はなんにも旦那にしてやれてなかった。
力もない今の俺に出来ることは旦那に俺の成長を見せることだけだ!
「…ありがとう旦那!旦那のおかげで少しだけ美の真髄ってやつに近付けた気がするよ!一度、俺だけで作ってみるよ。
旦那も旦那でしたい事があるんだろ?ならそっちに集中してくれ、俺だけで手掛ける…今俺が到達できる最高のCOOLってやつを旦那に見せたいんだ!」
「ッ!……おぉリュウノスケ…貴方のその心意気……素晴らしい!貴方のような方に出会えた事に感謝を!そしてリュウノスケの新たな門出に祝福を!
新たな一歩を踏み出したのならば!私も新たな一歩を踏み出す時!私のCOOOOLというモノをご覧にいれましょう!」
久方ぶりの俺1人での作業……不安もあるけど、それ以上に今の俺がどこまで行けるかが楽しみで仕方ない。
「必ず旦那が驚くような最高傑作を作ってみせるぜ!」
作品の良し悪しは一作品で決めれるようなものじゃない、だけど旦那よりもインパクトのある作品を制作してみせる。
旦那はそうやすやす並べるような存在じゃないけど、俺は一つの作品に俺の全てを込めて人生で一番のモノを生み出してやる!
■
「ハァ、ハァ、ハァ!」
今全速力でアインツベルンの館にダッシュで向かってるアルトリア(転職先ランナー希望)です。
いやー、家に帰って反省会するかと思った矢先ですよ!頭に『アニメZeroって凛ちゃんが活躍した次の回が聖杯問答じゃなかったけ?』というひらめきに近い疑問がよぎったのです!
ヤバい!今メチャ焦ってますよ!何故かって?そりゃライダーと同盟を結んだからですよ!
そんな中
「ハァッ…ハアッ」
龍之介探索の時に遠坂邸とかも探してたのが良かった…地図にマークしてるから覚えてはなかったし家まで取りに帰ったけど場所自体は分かってるからまだ間に合う……筈だ!
「フゥーハァ……よし!」
アインツベルン城が見える距離まで来た!後はこのまま山を全力ダッシュするだけ!
今だけ俊敏A++くらいになって走れ私ぃ!山を駆け上がれぇ!必ずや征服王が着くよりも先にアインツベルン城へ到着するのだ!
「ああもう!なんで山の上に建ってるんですか?!もっと行きやすいところに建ててくださいよ!」
ほんっとになんで上に建ってんのさ!通行不便だろ?! いや何も考えるな……速く!疾く!走れぇぇぇ!!
「ハァッハァハァ……着いた」
とりあえず捜索だ!ワンチャンまだついてないかもしれないけど着いて聖杯問答始まってたら険悪ムードまっしぐらな可能性があるし!
頼むからまだ着いてないでくれよぅ……アーチャーまでいたらもうどうしようも出来ないからな、マジで。
いやとりあえずこの家の中にいるのは目立つし内庭でも探して隠れよう、多分こんなにデカいんだしすぐに見つからないと思うし!
「……」
にしてもホントに大きいなぁ…マジで子供の頃夢見た城そのまんまだよ。あー私もこんな所に住みたいなぁー
…いや流石に不便だからもう少し小さくてもいいな、でもやっぱり庭が広いのは羨ましいなぁ……
「なっ?!」
庭見に外出たらもう聖杯問答はじまってて草ぁ、普通にギル様もいるし笑うしかない……笑えない、詰んだ、何もかも終わった……
……いやまだ分からない!会話に耳を傾けろ!
「――妄言を吐くのもいいかげんにしていただきたい。キャスターといいライダーといい……」
あぁ終わった…もうダメだ、同盟破綻だ……というか セイバーさん?煽りが汚いですわよ?王としてその煽りは頂けないんではないでしょうか?
あーどうしよぉ!もういっそのこと素知らぬ顔で参加しにいくか?
今私が出れば混乱するかもしれないけどライダーとの友好関係を築けれるかもしれないし……
直感「いけ」
…いやそうですね!行きましょう!ここで出なきゃ王としての格が示せない!
思いついたら行動するのが吉ですよ!
「トゥ!……王としての格の語り合い。聖杯問答に私も参加します! 」
「なっ?!」「……セイバーが……二人?!」
「…………」
……なんだこの空気は?これはどう収拾つければいいんですか?なんか
「フッ、少々肴にでもなりそうなのが現れたか」
ギル様?絶対にこの絶妙な空気も合わせて評価してますよね?あーもう!ココからどう収拾つければいいのよ?!
なんて言えばいいんだ?!自己紹介から?いやなんか更に混乱しそうだな………ならなんだ?!
まずは何も言わず酒の席に座ったらいいかな?!
「……何を固まっている雑種、王と名乗りをあげたならそれ相応のふるまいを見せてみろ。」
あ、ギル様からお許し出たよ!よーしこのまま会話に参加するぞ!
いやー王としての振舞いなんて知らんけど、とりあえず座って落ち着こう
「……これは驚いたな、まさかセイバーが二人いたとはな……同盟の申し出をしてきたのは?」
お!さすが征服王!察しが良くて助かるね〜
「はい、私の方です。」
「そうか!なら話が噛み合わんのも頷けるな!それにこの場が何たるかも理解していると来た!
ではさっそく盟友たる王に聞こうではないか。願いが何かを!そして王の在り方が何たるか!」
王としての在り方?私の王としての在り方ね!
「私の王の在り方というものは……」……王の在り方というのはー?…ダメだ、分からん
いやー仕方ないよね〜?別に統治とかしたことないし?うんうん仕方ない仕方ない!でも答えられなかったら同盟破棄されるよな?!
……ちゃんと考えよう、理想像…理想像ねぇ?
……私の理想の王様か。
…周りを思いやれて、周りに信頼されて助けたり助けられたりできて?あとは……笑えることだな!
どんな地獄でも楽しかったら幸せだよね?
「王というのは………民を救い、民を導き……そして民と共に笑い合えるような。
……地獄へ導こうと皆が笑って付いてくる存在……と言えば良いのでしょうか?それが王というモノの在り方なのだと考えます。
願いは……今を生きる家臣を探す事でしょうか」
…どうすかね?私の王の理想像はこんなんだけど。
「………フッ……フハハハハ!そうかそうか!なんというか……いかにも雑種が考えそうな陳腐で凡庸な答えよな!フハハハハ!」
ギル様ひどい!そんなに酷評する事ないじゃない!人が頑張って考えたのに!
「ククッ…だがなその王像……嫌いではない。」
え?!ギル様がなんか褒めてるよ?!どういう風の吹き回しだ?ま、まさか偽物か?!相手を直接褒めるなんてエア抜いたときくらいしかなかったのに?!急にどした?!体調悪いのギル様!
「ウム、一つの覇道と名乗るのに相応しい答えよな……」
イスカンダルさんからそう言ってもらえるなんて光栄ですー……でも覇道とか大袈裟な。
「……聞いてみれば……そんなものは王の在り方ではない。ただの暴君と変わらない」
うぇっ?セイバー?!酷くないか?!結構傷ついたよ?アレだよ?人が傷つく言葉使っちゃダメだよ?!
「ほう?ならば聞かせてもらおうじゃないか、その懐に秘めた覇道というモノをな」
「王は民の事を思い行動しなければなりません。
うん、知ってた。聖杯汚染されてるからその願いは叶えられないけどね…
変なところで終わってすまぬ、これ以上書くとアホが会話についていけずに空気になってしまうのです…どうかお赦しを!