英雄《ヒーロー 》が如く 龍を継ぐもの 作:0101シュート
控室での騒動からしばらくして切島と爆豪共に廊下を歩いていた。
「たくよ。何が俺の方がムカついてるだ。あそこでアイツ殴るべきだったのは
どう考えても俺だったろクソが」
「.......確かにな。少し勝手が過ぎたか。悪いな爆豪」
「チ。あんなことしといて今更謝んなや。気持ち悪い」
「ハハ.......そういうなって。それにしてもお前俺のことちゃんと切島って呼んだよな。
どういう心変わりだよ?」
「う、うるせぇ!!いいだろうがそんなこと!!そんなことより!
俺はもう完璧な一位は取れない!だが俺はお前には絶対に勝つぞ!!
首洗って待ってやがれ!!切島!!」
いつもの調子で怒鳴り散らかしながら切島のもとから去っていく。そんな彼を見て
切島はフッと笑ってしまった。しかし彼の顔はすぐに轟を心配す憂いの表情へと変わる。
(轟。お前がここで腐っていくなんて絶対にあっちゃいけない。だからどうか立ち上がってくれ)
バトルトーナメント二回戦第三試合。宍田獣郎太VS八百万百の試合。この戦いは
とても白熱した試合となった。個性ビーストによって人を超えた化け物の姿となり
襲い掛かる宍田に八百万は文明の利器である銃。ハンドガン、サブマシンガン、手榴弾で迎え撃つ。宍田の猛攻を大量の弾丸で迎え撃つ八百万。その姿はまるで巨大な怪物に
銃で立ち向かうテレビゲームの主人公。最終的には八百万が宍田の上に大量の手榴弾を投げる。そしてそれらをハンドガンで射撃。ヒートスナイプ・連爆の極みでトドメを刺して彼女の勝利となった。
プレイアブルキャラ変更しますか?
鉄哲徹鐵 ⇐
変更しない
バトルトーナメント二回戦第四試合。鉄哲徹鐵VS常闇踏影の試合が始まろうとしていた。
『試合開始!!』
「行くぞ!ダークシャドウ!!」
「あいよ!!」
常闇から彼の個性の象徴であるダークシャドウが出現した。
「B組の鉄哲徹鐵よ!我がダークシャドウの餌食になるがいい!!」
ダークシャドウがものすごい気迫と迫力で鉄哲に向かって突っ込んで行く。
しかしなんと鉄哲はダークシャドウの突進を両手で受け止めた!地面を削りながらも
彼はなんとダークシャドウの前進を食い止める。
「なんや.......なんやこれ!?ごっつ面白そうやないかワレ!!そうや!こんな
化け物と戦いたかったんや!!行くで!!」
そしてなんと鉄哲はダークシャドウに渾身の頭突きを食らわせる。鋼鉄と化した
頭を笑いながら何回も叩き込んだ。
「ギャ!?い、痛い!!」
ダークシャドウがたまらず距離を取ってしまった。しかしダークシャドウの闘志は衰えてない。
今の攻撃にとてつもない怒りを燃やしながら鉄哲を見つめる。だが鉄哲の口角は上がったままだった。
[鉄哲徹鐵はパワーと防御に全振りしたステータスを持っています。他のキャラと違って
テクニカルな技は少ないですがその圧倒的なパワーで敵を打ちのめしましょう]
ダークシャドウが鉄哲徹鐵に向かって再び突っ込んで行く。そして自身の強靭な爪を
鉄哲に振り下ろした。鉄哲は冷静に鋼鉄化させた腕でそれを防御。そして振り終わりを狙って
鉄哲が猛攻を仕掛けようとしていた。
「行くで!!おら!!おりゃあ!!」
その鉄哲が放ったのは大振りの拳。その攻撃はあまりにも強く、そしておおざっぱだった。
しかしその攻撃は彼にとっての最適解。ダークシャドウはなんとそれを受けて怯んでいたのだ。
「ギャ!?ゴベ!?」
ダークシャドウが押し返される。そしてその瞬間鉄哲は拳を振り上げ力を込め始めた。
「おらーー!!!!!」
「ぎゃ!?」
そして高く飛びあがり青いオーラの纏った拳をダークシャドウの頭上に振り下ろした。
あまりにも強力なインパクトを放つ拳を食らったダークシャドウはなんと地面に
ひれ伏したのだ。
「ダークシャドウ!!大丈夫か!?」
その光景に目を疑う常闇。それは観客席の者たちも同じである。まさかあのダークシャドウが
パワーで押し切られたなんて信じられなかった。そして鉄哲の体には青いオーラ。
ヒートが纏われていた。
△極
「まだや!!」
鉄哲がダークシャドウのくちばしを掴み上げなんと宙に向かって投げる。
一瞬ふわりと宙を舞うダークシャドウの背中に鉄哲はなんと渾身ラリアットを放った。
「うげ!?」
目玉が飛び出るかのような衝撃を受けたダークシャドウはその衝撃をうけ
吹き飛ばされる。
「うわー!?」
パワーラリアットの極み
「ダークシャドウ!?うわ!?」
吹き飛ばされたダークシャドウが常闇の体に落っこちる。彼はその巨体の
下敷きになってしまう。
「くそ.......無念!」
『鉄哲徹鐵!!その鍛え抜かれた怪力で常闇のダークシャドウを真正面から撃退した!!
なんて奴だ!?というかなんてパワーだ!?鉄哲徹鐵準決勝進出!!』
観客たちが歓声を彼に送る。
「フ、当たり前や。俺はあの.......桐生一馬を超えるためにここにいるんやからの.......!!」
そういって自身の手を見つめながら拳を握り締める鉄哲。そして彼は突然A組の観客席にいる
切島に向かって叫んだ。
「切島鋭児郎!!!絶対決勝に勝ちすすめや!!!先に駒すすめとけ!!!
俺も絶対に勝ち進む!!!そこで俺と真剣勝負や!!!!!!」
鉄哲はそう言うと満足そうに舞台を後にした。
プレイアブルキャラを切島鋭児郎に変更します
『よしついに始まるぞ!!決勝に進む二人を決める準決勝が!!
まずは準決勝第一試合!!切島鋭児郎VS爆豪勝己の試合だーーー!!!!」
準決勝第一試合。切島鋭児郎と爆豪勝己の試合が今始まろうとしていた。
二人は静かな闘志を目に宿しながら舞台へと上がる。そしてもう定位置に
着いた瞬間にお互い戦闘の構えを取り始めた。そう。この二人に交わすべき言葉はない。
いや必要がないのだ。交わすなら今から始まる激戦で語ればいい。
『試合開始!!!!」
「行くぞ!!切島ーーー!!!!!!」
「来い!!」
「うおーー!!!!」
その時爆豪が見せたのは高速爆速ターボ!爆破によって得たスピードで切島に向かって突っ込んで行く。そして爆破を彼に放つが切島に向かって放って行くが切島は硬化させた腕を振り爆破をいなしていく。その瞬間
爆豪が見せたのは爆破の勢いを利用した回転裏拳うち切島は虚を突かれ硬化させた顔面に命中。切島は少し怯みながら後ろに下がるがすぐに冷静を取り戻し拳を構えながら爆豪を睨みつける。爆豪もその視線に睨み返した。
「まだまだ!!」
爆豪が爆破を利用しながら宙を舞い爆豪に向かって飛んでいく。そして彼が見せたのは
小細工なしの連続爆破。雄たけびを上げながら何回も爆破を切島に叩き込んで行く。
切島は両手をクロスさせてそれを防いだ。しかし彼の手は全く止まらない。
「オラオラ!!」
「く!?グァーー!!??」
切島のガードが破壊される。そして切島はもろに爆破を受けて後ろに吹き飛んでしまう。
しかし吹き飛ばされた彼が見せたのは古牧流・猫返り。空中でくるりと一回転し地面に
着地する。そしてその刹那彼が見せたのは低く静かで素早い踏み込み。足音のない素早い
動きで爆豪の懐を侵略する。
「!?」
「おら!!」
「が!?」
切島の低姿勢からの右ストレートが一閃!爆豪の腹に突き刺される。その一瞬の衝撃は
爆豪の意識を一瞬飛ばしてしまった。そんな爆豪に切島は容赦なく拳を叩き込んだ。
「おら!おら!おらりゃ!!」
「ぐわ!?」
スピーディーなラッシュの最後に渾身のアッパーを爆豪にお見舞いした。
アッパーにより爆豪の体が宙を舞う。しかし爆豪はカッと血走った目を見開きながら
爆破を起こしその勢いを利用して体を前に縦回転。その勢いのまま強烈なかかと落としを
彼の頭に命中させた。
「う!?」
「死ねー!!!!」
「うわー!!??」
ひるんだ隙を見て爆破を切島の体に叩き込む!しかし切島は気合でそれを耐えその場に
踏ん張る。そして爆豪の頭に頭突きを食らわした。
「が!?」
硬化した彼の頭突きはとてつもない衝撃を爆豪に与える。彼の脳が頭の中で激しく揺れた。
「あ.......」
△極
切島がフェイントしながら爆豪の頬を殴る。次にボディブロー、そしてアッパーを
素早く叩きむ。そして再び頬を殴りローキックの体勢に入る。爆豪はそれを見切りジャンプしたがそれはフェイント。一旦止まった足はピンと真っ直ぐに伸びハイキックの形を取る。そして切島は容赦なく爆豪の頭を蹴りぬいた。
「ぐあー!?」
旋回砲火の極み
その攻撃に耐えられず爆豪はその場に倒れた。
『凄まじい激戦の末!!この戦いを勝ち抜いたのは切島鋭児郎だーー!!!」
切島鋭児郎!!決勝戦進出ーーーー!!!!」
プレゼントマイクの言葉に観客は大歓声を上げ切島の勝利を称える。;
「ハア……ハア……」
切島は息を切らせながらその場に大の字で倒れる爆豪を見下ろす。
切島の体には無数の火傷が刻まれていた。決して楽な戦いではなかった。
全力を尽くさなければ爆豪には勝てなかったのだ。
「…………また俺の負けか……これで三回目だ……」
大の字で倒れながら青空を見て力なく呟く爆豪。彼の目にはもう闘志など
消え去っていた。
「爆豪。お前は強かったぞ。この前した喧嘩の時よりもな」
「フン、よせや。慰めなんかいらねぇ…….......。ハア………完璧な一位って
こんなにも遠いんだな。俺なんか大したことなかったんだ」
「爆豪……」
「でもなんか清々しい気分だよクソが。勝負に負けたってのな」
爆豪がふらつきながらも自分の足で立ち上がる。そしてビッシっと
腕を張りながら切島を指さした。
「切島鋭児郎!俺は絶対にこのままでは終わらない。いつか鍛えに鍛えまくって
次こそはお前に勝つ!そしてお前だけじゃねぇ。デクやA組の奴らも超えて俺は
次こそ完璧な一位を取ってやる!!首洗ってまっとけや……!」
「………お前が俺を超えるべき壁とみてくれるなら俺はいつでも相手になるぜ爆豪。
まあその時も俺が勝つがな」
「…………ケッ!」
二人の会話に熱いものを感じ更に盛り上がる観客席。2人が共に舞台から降りようとした瞬間
選手入場ゲートから声が響いた。
「切島!!爆豪!!」
「あん?」
「轟?なんだここに?それに上鳴と緑谷まで」
選手入場ゲートから息を切らしながら轟が走って現れたのだ。その両隣には
緑谷と上鳴がいる。轟は乱れた呼吸をなんとか整えながら爆豪と切島の方へと
ゆっくり歩く。そして一旦止まり二人と見合った。
「ふ、二人とも……うう……」
今にも泣きそうな表情で俯いてしまう轟。彼は不安そうに後ろを向き上鳴と緑谷を
見た。そんな轟に二人は笑顔で「うん」と首を縦に振る。それを見た轟は覚悟を決め
胸に秘めた気持ちを解き放つ。
「二人とも………本当にごめん!!」
そう言って轟は深く頭を下げ始めた。その行動に観客席の者たちもざわざわと
戸惑いの反応を見せ始める。しかし二人は真剣にじっと轟を見つめていた。
「みんな……真剣にこの大会に挑んでたのに俺は余計なことばっかり考えてた……!!
爆豪の気持ちも考えずに………身勝手なことばっかり言ってた…!」
熱い涙をこぼし声を震わせながら轟は二人に向かって叫ぶ。そんな彼の真剣な
叫びに観客の者たちはざわつくのをやめ彼の言葉に耳を傾け始める。
「確かに俺……。父親が憎くて仕方がないけど……
俺だって!俺だってヒーローになりたいんだ………!!
オールマイトみたいに……カッコイイヒーローになりたいんだ!!」
轟の胸の奥に隠れていた本当の気持ち。かつて母親と共にテレビで見たオールマイトの姿。
そして母に言われた「なりたい自分になっていいだよ」と言う言葉。
それを轟は切島の言葉と先程緑谷に優しく言われた「君の力じゃないか」という言葉で思い出したのだ。
「もう右だけに戦うなんて言わない……。だからお願いします!俺を……
みんなのヒーローを志す仲間として認めてください!!お願いします……!!」
声をかすれさせながら轟は再び深く頭を下げた。そんな彼の瞳から熱い涙がポトポトと
落ちる。そんな彼に緑谷と上鳴は優しく寄り添う。そしてへっ笑いながら上鳴は轟の頭を
ワシャワシャと撫で始めた。
「バカやろう、いいに決まってるぜ!もちろん二人もいいよな!?」
「フン……馬鹿野郎。野暮なことを聞くんじゃねぇ」
切島は思わず照れくさくなり後ろを向く。そして爆豪は無表情のままゆっくりと
轟に近づく。
「爆豪.......」
「半分野郎。もし本当に悪いと思ってんなら次は全力で戦え。今度手を抜いたら
本当にぶっ殺す」
「……うん。わかった」
「後、勘違いするなよ……俺は今回のことは絶対に許さないぞ。永遠にな」
そう言って爆豪は軽く轟の肩をポンと叩いてその場を去っていった。
そんな彼の背中に轟は静かに頭を下げるのだった。
「轟」
「切島……」
「さっきは殴って悪かったな……まだ痛むか?」
「大丈夫だ……気にしないでくれ」
こうして轟は自身の呪いを打ち払うことが出来たのだ。新たに友情を結んだであろう
者たちの姿に観客席の者たちは惜しみない拍手を送っていた。
「ハハ……全く……若いってのは羨ましいもんだぜ……」
伊達は今の出来事に深く感動していた。それは黒いスーツの男も同じである。
「立派になったな……鋭児郎.......」
サングラスの下に隠された瞳には微かな涙が流れていた。男の心は温かい
感情で満たされていた。
「何故だ………焦凍。俺にあんなに言われても左を扱わなかったお前が何故
あんな奴らの言葉で.......」
エンデヴァーの心をよぎったのは嫉妬の感情。我が子の知らない
熱い想いを引きだした彼らに嫉妬していたのだ。本来なら左を使うという
事実に喜んでいただろう。しかし……今はそれ以上に彼の熱い想いと本音に
驚いていたのだ。
「一体何故だ……」
「.............簡単な話だよ轟さん。あんたはあの子と親子として関わって来た時間が足りなかったんだ」
「なに?貴様!何を言うんだ!?」
「あんたはあの子を自分の遺伝子を受けついだ存在としてしか見ていない。
けど鋭児郎は......あの子たちは違う。あの子たちはあの子を轟焦凍、ただ一人の
人間として接してきたんだろう。そうやって真剣に向き合ったからこそあの子は
みんなに心を開いたんだ」
「ッ!だ、だが俺はあいつに今まで多くの鍛錬を付けて…………」
「轟さん。親子として向き合うってことはそう言うことじゃないと俺は思う。
様々な立場を超えて子供の心と向き合う。それが大事なんだよ。その時間が
少ないと親と子はすれ違い起こし続ける。それが悲劇を巻き起こしてしまう
ことだってあるんだ。俺はそれをこの目で見てきた」
「なに?」
「桐生……」
「轟さん今からだって遅くはないと思うぜ。あの子と真剣に向き合ってみたらどうだ?」
「ち!余計なお世話だ!」
「おいおい......お前ら仲良くしろよな」
次回、頂上決戦!!切島VS鉄哲