英雄《ヒーロー 》が如く  龍を継ぐもの   作:0101シュート

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第四章 事件勃発 パート3

先程轟たちと約束した集合場所である一年A組の教室。その方角から校舎全体を揺らすような爆発音が鳴り響いた。切島はそこで自分を待っているであろう轟の安否を確認するためにひたすらに走った。教室のある廊下に辿り着いた彼の目前に信じ難い光景が広がる。なんといたる所の壁や床が燃えていたのだ。煙と熱気があたりに漂い簡単には近づけそうにない。

 

(クソ!一体何が起こったんだ!?いや……そんなことより轟が中にいるかもしれない!)

 

切島は急いで近くにあった男子トイレに入り手洗い用の水道の蛇口を力いっぱいひねり

水を出し脱いだ制服のブレザーを濡らしていく。そしてびしょびしょに濡れた上着を再び

着て濡れた袖を口に当てながら炎の中へと入っていった。

 

「おい!誰かいるか!?おい!!」

 

切島は炎の中をかいくぐりながらA組の教室に向かう。そして炎の熱で熱くなってしまった

ドアノブを強引に開け彼は教室へと入っていった。

 

「轟!!あ!!」

 

教室の中にも炎が回っていた。そして黒板に大きなヒビ。その黒板に下には

力なく倒れている轟がいた。

 

「轟!!」

 

切島は周りの熱い空気に耐えながら倒れている彼の元へと向かう。急いで

彼の上半身を優しく起き上がらせる。

 

「轟!!大丈夫か!?」

 

「き、切島……?」

 

轟の瞼が力なく開かれる。彼の口には血も流れている。

 

「き、切島……彼女と……雑談して……適当に話してたら……突然……何か大きな音が……」

 

(大きな音?そういえば机や設備が燃えながら辺りに散らばっている……爆弾か何かか?

それに彼女?いや今はそんなことより!!)

 

「轟!今はあまりしゃべるな!安心しろ俺が今ここから連れ出してやる!!」

 

「俺のことより……か、彼女を助けてくれ」

 

「何!?」

 

切島は轟のことに夢中になっており彼の近くで倒れている女子生徒の存在に気が付いてなかった。彼女は意識もなくその場に倒れている。頭からは血が流れていた。切島は彼女の手首にふれて脈を確認。なんとか生きているらしい。壁にひびと血が。彼女もおそらく爆風により壁に頭を強打したのかもれない。

 

(彼女も危ない状態だ!はやく二人を外に運ばないと!)

 

「おーい!!」

 

「な、なんだ!?」

 

その時、この燃え盛る教室に入ってくる二人組が現れた。

 

「お前らは?」

 

「大した者じゃねぇよ。お前さんと同学年の普通科の生徒だ。

あんたが炎の中に飛び込んで行くのを見てさ。居ても立っても居られなったんだ。

俺たち二人も入っていったんだ。2人を一人で炎の中担いでいくのは厳しいだろ?

手を貸すぜ。あとこいつの個性は放水だ」

 

「ああ。俺が水をまきながら先頭に立つ。俺の後ろをついてきてくれ!」

 

「わかった。恩に着る」

 

切島が彼女を抱え普通科生徒は轟を抱えて立ち上がる。そして放水の個性を持つ

男子生徒を先頭に彼らは教室から出ていこうとした。

 

「轟!もう少し頑張ってくれよ!!」

 

意識が朦朧としている轟に必死に声をかける。その時教室を出ようとした彼らの前に

突然謎の3人組が現れた。三人とも制服を着ている

 

「お!?」

 

扉を遮るように立つ三人組のせいで彼らの足は止まってしまう。三人はただ無表情で

彼らの行く先を阻んだ。

 

「な、なんだよお前ら!?そこ退いてくれよ!てかお前らも逃げないと!!」

 

(ん?なんだこいつらの目は……なんか嫌な予感が)

 

切島の第六感が警鐘を鳴らしてくる。しかしどうすることもできない。

その時三人組が突然懐に手を入れる。

 

「まったく。そいつ死なないのは仕方ないにしても火事場に普通誰か飛び込んで行くかね?」

 

「仕方ない。直接やっちまおう」

 

(ん?こいつらまさか!?)

 

切島の疑念が確信に変わる。彼はすぐさま硬化を発動し叫ぶ。

 

「気を付けろ!!」

 

「「え?」」

 

その時三人組が懐から出したのはなんと拳銃。三人はなんの躊躇もなく引き金を引き

弾丸を放つ。切島はすぐさま奴らに背中をみせながら屈み抱えていた女子生徒を守る。

 

「ガ!?」

 

「ぎゃ!?」

 

普通科二人組は足を撃たれてしまいその場に倒れる。轟の体も地面に転がってしまった。

 

「轟!!」

 

切島がそれを見て彼の名を叫ぶ。

 

「チ、やっぱりテメーに弾丸は通用しないか。でももういい。轟を運ぶ時間を

伸ばすことが出来た。これでもうそいつは助からない」

 

「なに?テメーらは一体?」

 

彼女を一旦地面に優しくおいて切島は立ち上がり奴らの方を見る。

 

「俺たちの目的は轟の始末だ。悪いがそいつはここで死んでもらう。できれば

弾丸叩き込んで確実に殺したいが……まあどちらにせよそいつは死ぬ。さっきの爆発

を至近距離から受け壁にも叩きつけられた。そいつの内臓は今ぐちゃぐちゃだ」

 

「何を言っている……!?一体……お前らはなんなんだ……!?」

 

切島の体が怒りで震える。今大切な仲間の命が危ないというのに目の前にいる奴らは

それを邪魔しようとしている。彼の怒りをもう限界に達していた。

 

「そこをどけ……!!じゃなきゃ……ぶっ殺してやる!!」

 

切島は怒りで震えた拳をゆっくりと構える。しかし奴らは一切動揺することなく

拳銃を切島に向ける。この燃え盛る教室内で今命を賭けた戦いが始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

謎の襲撃者

 

 

 

 

 

三人組が一斉に弾丸を放つ。しかし切島は体を硬化させ奴らに向かって突っ込む。

弾丸を受けながら走り、更に彼はアルティメットヒートモードを発動させる。

 

「うおーーー!!!」

 

「な!?こいつ……ぐあ!!!???」

 

切島の大振りのパンチが奴らの一人の頬に激しく突き刺さる。あまりの衝撃と重さを

放つ拳は奴を容赦なく殴り飛ばした。その流れのまま切島はアッパーカットを横にいた

敵に放つ。それも圧倒的威力を誇り奴の顎に突き刺さる。

 

「う!?うわーーー!!!??」

 

奴は宙を舞いながら地面に落ちる。そして最後に切島が放ったのは鋭く重い

ものすごい勢いのハイキック。それが最後の襲撃者の顔面に突き刺さる。

 

「が!?うわーーーー!!!???」

 

奴は鼻血をまき散らしながら吹き飛んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァハァ……クソ俺も意識が……」

 

切島は先ほどから煙を吸い過ぎたことにより意識がもうろうとしていた。

体がふらつきその場に倒れそうになる。そんな彼の腕を掴み支えた者がいた。

 

「え……?」

 

「おう切島!しっかりせぇや!!」

 

「て、鉄哲?」

 

そう一年B組の副学級委員長 鉄哲徹鐵である。彼だけではない緑谷、上鳴。

そして鉄哲徹鐵の取り巻き三人組もそこにいた。彼らは急いで動けなくなった

者たちを抱え脱出の準備をしている。

 

「お、お前……何でここに?」

 

「話は後や!お前らさっさとここから脱出するで!!ここはもう限界や!!」

 

鉄哲は切島に肩を貸しながら燃え盛る教室の外へと出ていく。他の者たちも彼らの後に

続いていき脱出していくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数時間後、切島は上鳴と緑谷と共に仮眠室のソファーに座っていた。

誰も言葉を発しない。ただただ黙り込んでとある知らせをひたすらに待っていた。

そう轟の安否である。この事件は何故起こったのか。奴らは一体何者か。気になることはたくさんあったが

それよりも彼らは轟のことを一番に気にしていた。そんな中仮眠室のドアが開いた。中に鉄哲が入って来たのだ。

 

「鉄哲......」

 

「おう。悪いが俺もう帰らせてもらうで?お前らはまだ帰らへんのか?」

 

「……俺はあいつの手術結果の知らせが来るまでここから離れるつもりはない」

 

「僕も......」

 

「俺ももう少しここにいる」

 

「そうか……じゃあ俺はこれで失礼するで。お前らしっかり気をもてや?」

 

「ああ……すまないな鉄哲」

 

鉄哲はそのまま部屋を出て帰宅する。するとそれと入れ替わるように中に相澤先生が入って来た。

それを見た三人は一斉に立ち上がり先生の方向を見る。

 

「先生!轟は!?」

 

「……一命は取り留めた。だが意識が戻らないらしい。このまま目覚めない可能性も......」

 

「そ、そんな!?」

 

「嘘だろ!?」

 

「クソ!!」

 

切島は悔しさのあまり壁を殴りつける。もし自分がもっと早くに行ってやれば

と後悔の念が彼の頭を支配するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、校長室からの呼び出し。切島たちはそこでこの事件の闇深さを知る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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