英雄《ヒーロー 》が如く  龍を継ぐもの   作:0101シュート

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第四章 事件勃発 パート5

根津校長の呼び出しから三日後。切島たちは通常の授業を抜けてとある特別授業を

受けていた。そう根津校長による指令。特別捜査ヒーローとなるために彼らは

早期仮免試験に向けた特別授業を受けていたのだ。その授業を行っている教師は

エクトプラズム先生とセメントス先生。エクトプラズム先生の個性は分身。

切島、上鳴、緑谷、鉄哲の4人は先生の大量の

分身たちとセメントス先生の作ったコンクリのフィールドでひたすらに戦い続けていた。ひたすらに戦い続けて戦闘における長期的な体力を付けようと取り組んでいた。地獄のような連戦の後4人に次の課題が与えられた。

 

「君タチニハ必殺技ヲ編み出シテモライマス」

 

「必殺技?」

 

「そう必殺技ですよ切島君。戦いの場において自身の有利な型を持つことはとても重要なことです。

さあ!さっそく始めましょう!!」

 

「切島クン。私ノ分身二何カノ必殺技ヲカケテミタマエ」

 

エクトプラズム先生が切島の前に分身を生み出す。

 

(必殺技か……困ったな……どうしたものか……)

 

 

 

 

拳を構える

掴みにかかる

とりあえず刃物を出す  ⇐

 

 

「よし」

 

「ハ?」

 

「へ?」

 

まるで当然かのようにどこからかドスを取り出す切島。その行為に先生二人は理解が追いつかず

アホみたいな声を漏らす。

 

「お、おい切島まさか!?」

 

「ちょっと切島君!?」

 

上鳴と緑谷も彼が今からするである行動を予想し慌て始める。しかし切島は

そんな周りの反応を全く気にせずに文字通りの必殺を行う。

 

 

△極

 

「おら!!」

 

「ギャ!?」

 

切島がドスを深く構えて体ごと分身に向かって突っ込む。そしてその勢いのまま

体の全体重をかけるかのようにドスの刀身を分身の腹に思いっきり突き刺した。

そしてグイグイと刃を奥へと刺し込みそれを一気に引き抜いた。

 

ドス刺しの極み

 

 

 

腹をおさえて倒れ込みそのまま消滅した。その光景を見たセメントス先生は顔を真っ赤にしながら

切島に向かって怒鳴りつける。

 

「な!?き、君!!一体何を考えているんだ!?」

 

「ひ、ひ、人殺し……!!」

 

緑谷は恐怖で体を震わしている。

 

「絶対に実践でそんなことをするんじゃありませんよ!!ヒーローがこんな

攻撃をしたら世間から非難されるだけでは済みません!!」

 

「す、すいません……」

 

「まったく!ハァ……では次は鉄哲の……え?」

 

「よし次は俺の番やな!!」

 

鉄哲がどこからか工業用の大きなハンマーを取り出し構え始める。あんなもので

殴られた間違いなく死んでしまうだろう。

 

「鉄哲!!なんですかそれ!?今すぐしまいなさい!!」

 

「なんでや!刃物じゃないからええやろ!」

 

「君たちは一体何なんですか!?なんで危険な行為ばっかりしようとするんですか!?」

 

二人の非常識さに頭を抱えるセメントス先生。なぜこんなにも殺意の高いことばかり

するのか本気で理解が出来なかった。そんなか上鳴も何かを取り出し始める。

 

「先生これならいいでしょ?」

 

「ほう?それはなんですか上鳴君?」

 

「そこら辺に落ちてた角材です。これ二本を両手に持って相手を叩きます」

 

「……」

 

もはや何に突っ込めばいいのかわからなくなってしまうセメントス先生。

ため息をつきながら頭を抱えた。

 

「緑谷お前もなんか武器出せよ。なんかあるだろ?」

 

「ええ?まあいいけど」

 

その時緑谷がどこからとても長い棒を取り出す。その先端には立派なカジキマグロ

取り付つけられていた。それを見た上鳴は手を叩きながら大爆笑する。

 

「アハハ!!フーフー!!棒の先端にカジキが付いてる……!アハハ!!」

 

「ちょっと!そんなに笑わなくてもいいんじゃん!!」

 

「ハハハ!!ごめんって!フー。で?そんなもんどこで手に入れたんだよ?」

 

「ああ。なんか校門前に立っているピエロのおじさんに話しかけたらなんか貰った」

 

「え!?あのいつも校門前に突っ立ているピエロのおっさん?マジかよ

いつも気味悪くて無視してた。俺も話しかけたら何かもらえるかな?」

 

「俺もあのおっさんに話しかけたら色々貰ったぞ。冷凍マグロとか」

 

何もない所から巨大な冷凍マグロを取り出す切島。その光景にセメントス先生たちは

もうツッコむ気力もなくなってしまっていた。

 

(うちの学校は最近どうなっているんだ?ていうかそれ不審者じゃ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こういう感じで4人は仮免を取るための特別授業を日々受けていた。しかし

こういった緊迫した時期でもモチベーション維持のために息抜きは大切である。

4人は息抜きのために軽音学部へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

4人が軽音学部の部室に入るといつものように耳郎が受付をしている。

 

「あ、切島じゃん。今日はいっぱい人連れてきたみたいね」

 

「ああ耳郎。ちょっと息抜きに思いっきり盛り上がりたくてな。何か歌わせてほしい」

 

「いいね!じゃあ好きに選んでね」

 

 

 

 

緑谷出久

耳郎響香

上鳴電気 ⇐

相澤消太

 

 

 

 

「よし!じゃあ歌ってやるぜ!!」

 

 

 

 

 

 

その後、上鳴はライブステージに立ちマイクスタンド前に立ちながらライブ開始の合図を待つ。

 

「さあ楽しもうぜ!!」

 

 

MachineGun Kiss

 

上鳴の掛け声とともに激しいギター音が鳴り響く。

 

「Midnight Shadow!切ーりー裂ーく~!ア・ク・セ・ル~~!!

軋むHighway City!助手席~!俯くお・ま・え・の!ルージュ色のうーれーい!

研いだーナイフの~ようなー俺を!包みこんだ!My Sweet Babe!

反吐が!出るようなP a s tやfuture!俺が塗り替えてやるさ!

行こうぜ~!!二人きりの楽園!!」

 

 

リズミカルに足踏みしながらマイクを片手に指を観客たちに向ける上鳴。

 

「1億、2億、100億の~Kissを浴びせてやる~Baby!!

この腕を抱いて!お前をー二度とー離しはしない~!」

 

マイクスタンドを片手にくるりと回転しながら再び観客たちの方をむく上鳴。

 

「MachineGun Kissで!!Just fall in loveーーーーー!!!

おーーーー!!!オウオウオォーーーーーーーー!!」

 

最後にマイクスタンドを両手で握りながら斜めに押し倒しマイクに向かって叫ぶ上鳴。

そして最後にマイクスタンドの下を軽く蹴り一回転させ見事に決めポーズを決めたのだった。

それを見た観客たちは大きな歓声を上鳴送った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっしゃ決まったぜ!!」

 

「フフフ、上鳴すごい気取っててなんか少し面白かった(笑)

どう?もう一曲やっていく?」

 

もう一曲歌う ⇐

終了する

 

「よし。じゃあ次は緑谷歌ってみろよ」

 

「え!?僕!?」

 

 

 

 

情熱的合いの手バージョン ⇐

通常バージョン

 

 

 

「よ、よし!頑張るぞ!!この曲大好きなんだ。特に昔活動していた

澤村 遥っているアイドルが歌っていたバージョンのやつ。当時すごい元気をもらったし

今でも踊れそうなくらい覚えてるよ!!」

 

「そうだったのか……」

 

(遥姉さん。ここにもあなたに希望を貰ったやつがいるみたいだ)

 

「じゃあウチのマイクヘッド貸してあげるから思いっきり動きなよ」

 

「耳郎さんありがとう!」

 

「よし緑谷!!俺たちも全力で応援してやるぜ!!」

 

「軽音学部に私が来たーー!!!!!」

 

「え!?オールマイト!?」

 

「君の晴れ舞台と聞いてね!!私も全力で応援させてもらうぞ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後緑谷ジャージに着替えた。そして暗いライブステージの上でライブ開始の合図を待つ。

そして観客席の最前列で切島、上鳴、鉄哲、オールマイトがペンライトを構えていた。

 

 

 

KONNANじゃないっ!

 

 

その時!舞台と共に緑谷の姿がライトに照らされる!そしてリズミカルの音楽と共に

彼は澤村 遥の振り付け通りの踊り始めた。

 

全員「「「「フッフーーー!!!」」」」

 

鉄哲「楽しませてもらうわ!!」

 

オールマイト「いよ!待ってました!!」

 

「「「「ハアーーーー!!!」」」」

 

切島「よっしゃ行くぞ!!」

 

全員「「「「タイガー!ファイアー!サイバー!ファイバー!タイバー!バイバー!!

ジャージャー!!」」」」

 

鉄哲「アゲアゲや!!」

 

 

「アノユメも~アコガレも~らくがきのままボヤけてー」

 

全員「「「「はい!はい!はい!はい!」」」」

 

上鳴「緑谷~!」

 

鉄哲「おーるーじょおぶらーぶ!」

 

 

「消える寸前!」

 

全員「「「「ゴシゴシ!!」」」」

 

 

「これがいいの?これでいいの?ふてくされてる鏡に~!」

 

全員「「「「はい!はい!はい!はい!」」」」

 

「何度も~問いかけた~!」

 

全員「「「「GO!GO!GO!GO!」」」」

 

「泣きたい日も~くじけそうな日も~乗り越えようー!」

 

全員「「「「あ~き~ら~め~ず~!!」」」」

 

「希望をーあーびーなきゃ夢というツボミは~ひらーかないからー!!」

 

全員「「「「よっしゃ!!」」」」

 

「Are you ready Go!」

 

全員「「「「ヒュー!!」」」」

 

「走り出そう!!」

 

全員「「「「ヒュー!!」」」」

 

「取り急ぎ さあ!スタート!!」 

全員「「「「す・た・あ・と!!」」」」

 

「俯かない!」

 

全員「「「「ヒュー!!」」」」

 

「振り向かない!」

 

全員「「「「ヒュー!!」」」」

 

「明日絶対もっとShiny!!」

切島「Go Go!Lets Go 緑谷!」

 

「自分次第!」

 

全員「「「「ヒュー!!」」」」

 

「つかめ未来!!」

 

全員「「「「ヒュー!!」」」」

 

「今すぐスタートボタン押してみよう!私はー!」

 

「こんなんじゃないはず!!」

全員「「「「こ・ん・な・ん・じゃ!」」」」

 

全員「「「「ラーラーララララ♪ラーラーララララ♪」」」」

 

間奏に入ってもオタ芸をし続ける4人。そして強烈なギターソロが奏でられる。

 

「「「「3・2・1ゴー!!!」」」」

 

上鳴「天誅かまそう!」

オールマイト「はい!!」

上鳴「燃えたぎるこのソウル!」

オールマイト「はい!!」

上鳴「世界見下そう!」

オールマイト「はい!!」

上鳴「頂へGO!」      

オールマイト「燃えるぞ!!」

 

 

切島「天誅かまそう!」

鉄哲「ソイヤッ!!」

切島「燃えたぎるこのソウル!」 

鉄哲「ソイヤッ!!」

切島「世界見下そう!」 

鉄哲「ソイヤッ!!」

切島「頂へGO!」      

鉄哲「アゲアゲや!!」

 

 

 

 

「泣きたい日ーもー」

 

切島「心からの想ぉい…!」

 

「くじけそうな日も~乗り越えようー」

 

鉄哲「切ない歌やないか……」

 

オールマイト「切ないね……」

 

上鳴「染みる。染みるね……」

 

切島「遥姉さん……」

 

「希望を浴ーびーなきゃ!夢とういうツボミはーひらーかないから!!」

 

オールマイト「待ってました!!」

 

鉄哲「みなぎって来たわ!!」

 

切島・上鳴「「よっしゃ!!」」

 

その瞬間緑谷は上のジャージを脱ぎ捨て疑似的に早着替えをかます。

そうあの時の澤村 遥のように。

 

 

 

「Are you ready Go!」

 

全員「「「「ヒュー!!」」」」

 

「走り出そう!!」

 

全員「「「「ヒュー!!」」」」

 

「取り急ぎ さあ!スタート!!」 

全員「「「「す・た・あ・と!!」」」

 

「俯かない!」

 

全員「「「「ヒュー!!」」」」

 

「振り向かない!」

 

全員「「「「ヒュー!!」」」」

 

「明日絶対もっとShiny!!」切島「Go Go!Lets Go 緑谷!」

 

「自分次第!」

 

全員「「「「ヒュー!!」」」」

 

「つかめ未来!!」

 

全員「「「「ヒュー!!」」」」

 

「今すぐスタートボタン押してみよう!私はー!」

 

「こんなんじゃない!!」

全員「「「「こ・ん・な・ん・じゃ・ない!!」」」」

 

「あきらめも!」

 

全員「「「「ヒュー!!」」」」

 

「いいわけも!!」

 

全員「「「「ヒュー!!」」」」

 

「取りまとめ リ・スタート!!」

全員「「「「り・す・た・あ・と!!」」」」

 

「タラバガニ!」

 

全員「「「「ヒュー!!」」」」

 

「すがるには!」

 

全員「「「「ヒュー!!」」」」

 

「まだまだわかすぎじゃない!!」 切島「緑谷!緑谷!緑谷!緑谷!!」

 

「七転び!」

 

全員「「「「ヒュー!!」」」」

 

「八起きでGO!!」

 

全員「「「「ヒュー!!」」」」

 

「何度もリセットボタン押してみよう!!どんなー夢もーきっとー困難じゃないはず~!」

 

鉄哲「アゲアゲや!!」

 

オールマイト「燃えてきたッ!!」

 

上鳴「上がって来たぜ!!」

 

切島「とことんやってやるぜ!!おっしゃ行くぞ!!」

 

 

「信じてみようー!私は!こんなんじゃないはずー!!」

          全員「「「「こんなんじゃ!!」」」」

 

全員「「「「ラーラーララーラーララララララー オーィ!」」」」

全員「「「「ラーラーララーラーララララララー オーィ!」」」」

 

 

リズムに合わせて緑谷は最後の決めポーズを取る。そして曲は終わりを迎えた。

一瞬の静寂のあと過去最高クラスの歓声と拍手、そして緑谷コールが緑谷たちに向けられたのだった。

耳郎は最後まで涙を流しながら大爆笑していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜。根津校長はオールマイト共に校長室で話し合いを進めていた。

 

「よし。彼らにして欲しいことがまとまったね。彼らには4つの都市の調査に赴いてもらう。

一応資料を今完成させたので目を通しておいて。紛失にはくれぐれも気を付けておいてくれよ」

 

「ありがとうございます。あとは彼らが仮免を取れるかどうかですね。まあある程度

試験官たちにも根回しするつもりらしいですが……実際彼らはそのレベルに達しているのでしょか」

 

「大丈夫だ。彼らはきっと合格する。それくらいのポテンシャルを秘めているんだ」

 

「……そうですね」

 

オールマイトは少し心配の気持ちを持ちながら資料に目を通した。

 

 

 

 

 

捜索する都市

 

 

 

 

雷門町  担当 上鳴電気

 

保須市にある大きな歓楽街。この街では最近ヒーロー殺しステインがヒーローたちを

殺害している。その影響でステインを崇拝している正しいヒーローの会というカルト集団が

街に集まり始めた。

例の記憶喪失の少女の発言にステインのことに関することが多かった。

そのためこの街に何か情報がある可能性がある。

 

 

 

 

八島街  担当 緑谷出久

 

神奈川県にある東城会直系桐生竜仁会の傘下組織である死穢八斎會が

支配する歓楽街。この街には抗争でボロボロとなった中華系組織、祭王会の

残党が多く流れ着き治安を悪化させている。

例の記憶喪失の少女の発言のなかに死穢八斎會の組員たちの特徴を持つ

者たちのことがあった。そのため彼女はここに一定の期間いた可能性がある。

 

 

 

 

泥花街   担当 鉄哲徹鐵

 

愛知県泥花市にある街。この街は山間部の奥にあり謎が多い。

この街は彼女が偽造した戸籍が示す場所である。ここにも何か

隠されている可能性がある。

 

 

 

神室町  担当 切島鋭児郎

 

言わずと知れた日本最大の歓楽街。東城会が支配する代表的な街である。

彼女が発現していたすずらんというのが孤児院である可能性が切島の指摘により

発覚した。それを確認する必要がある。

 

 

 

 

 

「彼女の発言からどこまで真実をこじ開けることができるか……

もしかしたらとんでもない事実がわかるかもしれないのさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから1週間後

 

 

 

 

 

こはとある地下闘技場。違法に集められた格闘家たちが、命を賭けた戦いを繰り広げる場所だ。観客席には大物政治家や裏社会の権力者が並び、試合のたびに巨額の賭け金が飛び交っている。そのため、常に莫大なファイトマネーが動いていた。だが、この日の試合はいつもと様子が違っていた。金を目当てに来た者は少なく、観客のほとんどはある一人の男に注目していた。裏社会で急速に頭角を現した、ある男の姿を見るために。

 

『また1分にも満たないスピードで勝負を決めてしまった!!なんということだ!!これで7連勝!!まだ戦い続ける気か!?8回戦、まもなく開始です!!』

 

金網に囲まれたリングの上には、真っ赤な血痕が点々と残っていた。すべては、挑んできた挑戦者たちのもの。ここまでの戦いは、どれも一方的な蹂躙だった。それでも観客は興奮を抑えきれず、歓声は鳴り止まない。

 

その熱狂の中、VIP席には2人の男が座っていた。若い男と、落ち着いた雰囲気を漂わせる初老の男。どちらも、この試合の主役の関係者だった。

 

「親父、やっと体が温まってきたみたいですね。それにしても、親父もよくこんな場所で戦いを求めますね」

 

 

 

 

東城会直系桐生竜仁会 若頭補佐

千堂 傑

 

 

 

 

 

「ええ。神室町に存在した中国マフィアの殲滅もほぼ完了し、あの人が戦闘の現場に出向くことはなくなりましたからね。体を鈍らせないためにも、こういった場を有効活用するとおっしゃっていました」

 

 

 

 

東城会直系桐生竜仁会 若頭

相馬 一彦

 

 

 

 

 

 

「まあ、時間的にも次の試合で最後ですね。そろそろお迎えの準備をしに行きますか。行きましょう、傑君」

 

「はっ!」

 

2人は背後で待機していたボディガードたちを連れ、その場を後にした。

 

選手退場口を歩く男がいた。彼の体には大量の返り血がべっとりと染みついていた。男が少し歩くと、千堂と相馬がタオルと水の入ったペットボトルを持った状態で待っていた。

 

「お疲れ様です、会長。こちらをどうぞ」

 

男は無言でタオルを受け取り、首にかけると一気に水を飲み干した。

 

「お着替えはシャワールームに置かせていただきました。このあとは本家の会合がございます。しっかり汗と血を流してくださいね」

 

男は無言でうなずき、シャワールームへと向かった。だがその途中、スマホが鳴り響く。男は立ち止まり、無言で電話に出た。

 

「……何?例のガキがこの街に?フ……来やがったか、雄英の龍。俺の所まで来やがれ。この手で叩き潰してやる」

 

男の唇が不敵に歪む。彼の目は、まるで血の匂いを楽しむ獣のように鈍く輝いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、上鳴編  ステインの影を追え

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