英雄《ヒーロー 》が如く  龍を継ぐもの   作:0101シュート

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第五章 上鳴編 血に魅入られた者たち パート1

夜の闇を照らす街の光。その光は様々な欲望を持つ者たちを集める眠らない街を作るのだ。今の日本にはそう言った歓楽街と呼ばれる街が複数存在する。

この街は東京 保須市に存在する歓楽街、雷門町(らいもんちょう)。この街に歪んだ欲望と傲慢さを兼ね備えた殺人鬼がいた。

 

 

 

 

 

 

「ハァハァ……!!」

 

大雨の夜。雷門町の町の灯りが届かない暗い路地裏に手負いのヒーローが一人出血した足を

おさえながら必死に走っていた。そんな彼の後から空を切るようにナイフが飛んでいく。

それは容赦なくヒーローの肩へと突き刺さった。

 

「グァ!?」

 

あまりの痛みに平衡感覚はヒーローはその場に転んで倒れてしまう。そんな彼の元に

ゆっくりと奴が近づいていった。そうあの狂気的な殺人鬼であるヒーロー殺しのステインが。

 

「く、クソ!!」

 

「貴様はニセモノだ。俺が粛清してやる」

 

「ま、待て!!うわーーーーーーー!!!!!!!!」

 

ステインが何の躊躇もなくヒーローの体に素早くナイフを突き刺さした。するとその場に

大量の血が飛び散り現場をみるも無残な物へと変えていった。息の根を止めたのを確認したステインは素早く夜の闇の中へと消えていく。血染められた無残な死体を残して。

そして夜が明け朝になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

保須市 雷門町の朝は夜と比べると静かだ。しかし今日の朝は警察のサイレンの音で

何やら騒がしくただ事ではない雰囲気が街の中の空気を支配していた

そんな町にとある新生代のヒーローたちが足を踏み入れようとしていた。

 

 

 

 

 

 

雷門町の入口である町の門。その前に一台のタクシーが止まる。そして

そのタクシーの後部座席から一人の男が出てくる。そうこの街に訪れた男こそこの章の主人公である上鳴である。

 

「よし来たぜ雷門町!ここが俺たちの任務地だ!心してかかろうぜ!!耳郎!!」

 

「まったく。もうちょっと静かにしてよ。ウチちょっと今プレッシャーで気分悪いんだからさ」

 

上鳴に続いてタクシーから降りる少女が一人。そう上鳴のクラスメイトにして部活の仲間である

耳郎響香だ。彼女は少し不満気味で町を眺める。

 

「ハア……なんでウチをこんな責任重大な任務に引き入れたの?ウチ以外にももっと優秀な

奴絶対いたでしょ……」

 

「だって根津校長にサポート役を指名してもいいって言われた時真っ先に思いついたのは耳郎だったんだよ

切島や緑谷以外で一番信頼してるのは耳郎だ!だからどうしても俺のサポーターとして協力して欲しかったんだよ」

 

「何それ......全く.....///あんまり期待はしないでよね」

 

「おう期待してるぜ相棒!!」

 

 

 

【"相棒"に耳郎響香が設定されました】

 

 

["相棒"とはバトルの時はもちろん、イベントで使われるチーム編成の際、主人公の手助けをするサポートキャラです。相棒は4人の主人公にそれぞれのキャラが設定されます]

 

 

 

 

「ウチはあんたと違って仮免を取ってないからお世話になる事務所に一旦行かないといけない。

だから一旦行かせてもらうよ」

 

「そうだな。じゃあここで一回解散するか。俺も後で行くからまた後で」

 

二人は一回解散して別行動をとることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(さて、まずはこの町を探索するか)

 

 

町を探索しろ

 

 

 

上鳴はあてもなくこの街を歩き回った。

雷門町。ここは情熱的な夢をもった若者たちが多く集まる。ガラス張りのビルの前で

ダンスの練習をしている中高生たちや噴水広場でアコースティックギターを弾く大学生。

そして街のいたる所でライブやイベントのチラシを配る者たちが多くいた。まさに多くの

青春を刻む町である。

 

(いやー。なんかいいね。俺ももっと青春を楽しんで行きたいって思っちゃうよ)

 

上鳴はその光景を楽しみながら町を歩いていた。しかしそんな楽しい感情はすぐに

消え去ることになる。

 

「ん?あれは?」

 

上鳴は道中で大量のパトカーとそれに群がっている野次馬たちを発見した。

なにやら野次馬たちの様子がおかしい。

 

「おいここだぞ!ステイン様ここで裁きを下されたようだ」

 

「おお!まさに正義が執行された場所というわけか!まさに新たな聖地だな!!」

 

「ちょっとあんたら!現場に入らないでくれ!!」

 

「ここからは立ち入り禁止です」

 

警官たちが押し入ろうとする野次馬たちを必死に止めようと奮闘している。一体

何事かと気になった上鳴は遠目にその光景を眺めているおじさんに話しかけた。

 

「ちょっといいすか?あれ一体何事なんすかね?」

 

「ん?なんだい兄ちゃん知らんのか?あいつらは最近この町に現れるようになった

正しいヒーローの会とかいうやばい奴らの集まりだ」

 

「正しいヒーローの会?ああ、資料に乗ってたなそんな組織」

 

「あいつらはステインとかいうヴィランが大好きな連中でな。奴が起こした

事件の現場にいつもあいつらは訪れる。聖地巡礼とかほざいてな。本当に

迷惑な奴らだよ。この町からさっさと出て行って欲しいぜ」

 

「そうなんすね」

 

(資料である程度存在は確認していたけど本当にやばそうな奴らだな)

 

上鳴は冷めた目で正しいヒーローの会を名乗るものたちをじっと見つめる。

すると集団の誰かがなにやら叫び始めた。

 

「おい粛清されたヒーローの家族がなにやら我々の同胞に暴力を振るったらしいぞ!!」

 

「何?一体どこでだ?」

 

「斎藤ビル前の所だ。いますぐに向かうぞ」

 

すると奴らはその現場から離れていきどこかへと消えていった。

 

(あいつら......一体何をする気だ?)

 

上鳴は奴らの言葉に何か嫌な予感を感じ、奴らが向かうと言っていた斎藤ビル

に向かうことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

斎藤ビル。それは雑居ビル群のあるエリアにあるビルの一つ。上鳴はその近くに足を運ぶ。

 

「ん?あいつら何してるんだ?」

 

ビル前に数人の男たちが群がっている。その真ん中には喪服を着た女性が敵意むき出しの

目で男たちを睨みつけている。

 

「おい。あんた何俺たちの仲間に手出してんの?いきなりビンタするなんていい度胸じゃん?」

 

「ッ!!あなた達があの人を悪く言うからでしょ!!」

 

「はいはい、お前もあのクズと一緒の様だな。来い!!俺たちが修正してやるよ!!」

 

「ちょっと!?やめて!!放して!!」

 

男たちが女性の腕を無理矢理引っ張りその場から連れ出そうと動き出す。それを見た上鳴は

すぐさま動き出す。

 

「ちょっといいかなお兄さん?」

 

「あん!?なんだガキ!!」

 

「その女性に乱暴しようとしてるらしいけど何してるの?」

 

「ああ。こいつは突然俺たちの仲間にビンタかましてきたからさ。ちょっと

向こうでお話ようと思ってるんだ。わかったら失せろ!!」

 

「……だからって無理矢理連れてこうとするのは駄目でしょ」

 

「アン!?なんだガキ!?ヒーローぶってやがるのか!?じゃあ

わかりやすく言ってやるよ!怪我したくなかったらさっさと失せろ!!」

 

「ハア......じゃあ俺もわかりやすく言うよ。その人を放せ」

 

そういって上鳴は軽くステップをしながら戦闘態勢へと入る。それを

みた男たちも拳を構え始めた。

 

 

 

 

 

 

正しいヒーローの会の会員

 

 

 

先手を取ったのは奴らの一人だった。男は上鳴に向かって殴りかかる。しかし

上鳴は高速連続スウェイで避けつつ奴の背後を取る。そして素早い連続蹴りを

を放ち奴をビルの壁際まで追いつめた。

 

 

△極

 

「おら!!」

 

「ぐあ!?」

 

ハイキックを食らい吹っ飛んだ男はビルの壁に叩きつけれる。そして

膝をくずしてしまった奴の顔面に上鳴は容赦なく蹴りを叩き込む。そしてリズミカルに

足の裏を何度も叩きつけると最後に渾身のかかと落としを奴に食らわせた!

 

「とりゃー!!」

 

「ぎゃーー!!??」

 

 

ウォールクラッシュ

 

 

 

「て、テメー!!」

 

それを見た仲間の一人が逆上しながらナイフを取り出し上鳴に向かって突っ込もうとした。

しかし上鳴は冷静にその辺に置かれていたどこかの居酒屋の空のビール箱に目を付ける。

そしてそれを素早く奴に向かって蹴り飛ばした。

 

「シュート!!」

 

「な!?ぐ!?」

 

それは見事奴の顔面に命中し一瞬の隙を作り出す。その刹那上鳴はダッシュし

その勢いのまま右足左足の順番で相手を蹴り上げかかと落とし食らわせた。

 

「う!?」

 

男はそれを食らいたまらず倒れてしまうが上鳴は容赦なく倒れた奴の後頭部を

踏みつけた。

 

「調子に乗るな!」

 

残った二人が上鳴に向かって突っ込んで行く。しかし上鳴は避けもせずに

奴らに向かって突っ込んで行った。その時彼が見せたのは空を切るがごとく鋭い回し蹴り

それは一気に二人に体を吹き飛ばす。そして倒れた一人の方に上鳴は近づいた。

 

△極

 

上鳴は倒れた奴の体を思いっきり蹴り上げた。

 

「おら!!」

 

「グァーー!!??」

 

 

蹴り上げ追い打ちの極み

 

 

これで3人の撃退に成功した。さて残る敵は1人。上鳴は最後の一人の方を向く。すると

奴は怖気づいてしまう。

 

「な、なんだこいつ?ま、待て......」

 

「フン!!」

 

「ギャー!!」

 

しかし上鳴は容赦なくハイキックキックアッパーを奴の顎へと叩き込み後ろへと吹き飛ばした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うう......なんだよお前!?」

 

「少しは落ち着いた?それともまだこの人に手を出す気?ならまだ相手になるけど?」

 

「ひ、ひいい!?クソ!覚えてろ!!」

 

男たちは情けない悲鳴を上げながらその場から走り去っていった。それを確認した

上鳴は女性の方へと近づく。

 

「えっと、大丈夫ですか?」

 

「あ......あなた何もの?」

 

「ああ。警戒しないでください。俺は仮免ですけど一応ヒーローなんで」

 

「え!?ああ、そうだったんですね!助けてくれてありがとうございます」

 

「......少し聞いてもいいすか?なんであいつらに連れて行かれそうになったんすか?

なんか遠くからビンタしたとか聞こえてきましたけど……」

 

「……」

 

上鳴の質問を聞いた女性は暗い表情になりながら俯いてしまう。今の質問は

あまりしゃべりたくないことなのかと上鳴は少し慌ててしまう。どうしたもかと

うろたえていると女性は静かに語り始めた。

 

「あいつら......私の亡くなった夫のことを馬鹿にしたんです......。私の夫は

ヒーローだったんですけど......昨晩ヒーロー殺しに殺されました」

 

「......そうだったんですか」

 

「あいつらが言うには夫はヒーローにふさわしくないクズ男みたいです。

確かに夫は一回問題を起こしました。帰宅中にヴィランの現場に出くわしたのに

そのまま無視して帰ったのが問題になってんです。一時期メディアに追い込まれたことがあります。

確かにそれはよくないことですよ?けど......それは高熱を出した息子と私のためにはやく帰宅して

くれようとしただけなんです!!なんでそれだけで殺されないといけないんですか!?」

 

「……」

 

過呼吸になりながら泣き叫ぶ女性に上鳴は言葉を返すことが出来ない。ただひたすらに

泣き叫ぶ彼女の言葉に耳を傾け続けた。

 

「......さっきの奴らは......私の夫に死んで当然とか……ヒーローにふさわしくないクズだとか

言っていました。それで私我慢ができずにビンタしてしまったです。あいつらステインに

殺されたヒーローたちを沢山誹謗中傷したりしているんですよ?本当にクズたちです」

 

「大変だったんすね」

 

「……ごめんなさい。こんなこと話されも困りますよね……私はそろそろ行かないと。

じゃあ、ありがとうごさいます」

 

女性は頭を下げな上鳴の元から去っていった。寂しそうに去っていく彼女の背中を

上鳴はじっと見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『上鳴君!君にはヒーロー殺しステインとどうにか接触して欲しい。そして

記憶喪失の生徒を知っているか聞いてほしいのさ』

 

『わかりました校長!!ですが……』

 

『ん?』

 

『えっと……その……無理だったらすいません』

 

『……そこは必ずやってみせるとか決めて欲しかったのさ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これは……聞き出すだけじゃ終われないな」

 

(まずはあの頭のおかしい集団を調べてみよう。そこからステイン情報もなにかわかるかもしれない。なにより……あんな迷惑な奴ら放っておくわけにいかないからな)

 

上鳴は静かに決意を固めてたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、耳郎と共に夜の町を散策。夜の町はトラブルがたくさん!そして飯田と偶然出会う

 

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