英雄《ヒーロー 》が如く 龍を継ぐもの 作:0101シュート
あと若干のキャラ崩壊が予想されますがご了承ください。
ではスタート
日本最南端の位置する辺境の島、沖縄。美しい海に囲まれた自然豊かな土地の
とある墓地。そこにとある一行が一つの墓標に向かって手を合わせて目をつぶっていた。
そして黒髪とギザギザの歯が特徴の少年が目を開け墓に向かった笑顔を向けながら口を開いた。
「おじさん。ごめん俺しばらく墓参りに行けなくなる。俺今日から
本土に行くんだ。俺絶対にヒーローになってここに帰ってくる。だから
天国で見ていてくれよ」
彼の名前は切島鋭児郎。養護施設、アサガオで暮らしている少年である。
今から2年前。
「ハアハア……クソ……クソ……!!」
切島は夜中の砂浜をただ一人走っていた。全力の走りにより彼の
体は苦しさでいっぱいになっていた。しかし彼にその苦しみは全くと言うほど気にはしていない。
それくらい彼の頭の中には
悔しさと悲しみが溢れていた。
(死んだ……おじさんが……桐生のおじさんが死んだ……!!)
「くそ!クソ!!なんでだよおじさん!?う!?」
足がもつれたのか彼は砂に体を思いっきりぶつけるように派手に転ぶ。しかし
その痛みは彼は大して気にならなかった。彼は地面を見つめながら涙を流す。
そして何の返事もしないであろう地面に怒鳴り散らかす。
「なんでだよぉー!?おじさん!?桐生のおじさん!!うわーーーー!!!!」
彼はひたすらに泣き叫んだ。もう自分の元へは絶対に帰ってこないであろう
大事な家族の名前を。自身の人生の目標である恩人の存在を。
桐生一馬
元アサガオの責任者にして堂島の龍の異名を持つ神室町の生きる伝説の元極道。
彼は広島での陽明連合会との戦いの末に愛する者たちを守るもその命を落としてしまう。
切島は沢山の子供たちと共にアサガオで桐生に育てられた。切島は桐生の
背中を見て育ちいつか桐生一馬の様な強くみんなに慕われる男になりたいと
夢を見るようになり彼に一歩でも近づくため多くの人達を助けるヒーローに
なることを目指していた。そして彼は日本随一のヒーロー名門校 雄英高校に
入学を目指す。そして最近入試試験に合格し彼は無事雄英高校に入学することに
なったのだ。
「おい切島。切島!起きろ。そろそろ着くぜ」
「ん?あ….…」
自分を呼ぶ声と車の揺れる感覚に切島の意識は覚醒する。体を少し伸ばしながら
隣の運転席の方に話しかける。
「すいません伊達さん。いつの間にか寝てしまいました」
「気にするな。沖縄からの長旅だったんだ。多分体疲れてたんだろう。
お前もしかして………桐生の夢でも見てたのか?」
「え?なんで……」
「寝言でお前言ってたぜ。おじさんおじさんって」
「………はい。おじさんが死んだ日の夢を見ました」
「………そうか」
車内に哀愁に溢れた沈黙がしばらく続く。2人とも桐生のことを思い出していたのだ。
「それにしても……桐生が育ててた小さな子供だったお前がヒーローの卵になるとはな。
なんか感慨深いも感じるぜ」
「……そ、そうですか」
照れくさそうに頬を少し掻く切島。その光景に伊達は思わずフッと笑みをこぼした。
「アイツもきっと喜んでるぜ。お前がこんな一人前の男になったんだからな」
「………俺はまだまだですよ。おじさんの足元にも及びません」
「フ、そう言うなって。まあでも確かにあいつのような存在を目指すとなると
そう簡単じゃないことは確かだな。お。もう着くぞ降りる準備しろよ」
車がとある道路に一時停車する。切島はその車から降り運転席の開いた窓越しに
伊達と最後のあいさつを交わした。
「伊達さんわざわざ空港からここまで送ってくださってありがとうございます」
「おう。切島、ここからお前にとって困難なことがたくさんあるとは思うが
頑張れよ。俺も微力ながら応援してるぜ。あとこれを受け取れ」
「これは?」
「秋山、古牧、そしてスターダストの面々の手紙だ。みんなお前を
応援してるってよ」
「ありがとうございます!」
(手紙か。時間がある時に読んでみるか)
「おう。名残惜しいが……俺はそろそろ行くぜ」
「はい!伊達さんもお元気で」
その後伊達と別れた切島は真っ直ぐな道を歩いていく。すると
彼の目に巨大な施設が目に入ってくる。そう、ここが雄英高校である。
彼はその巨大な校舎の校門をくぐり入っていった。そしてしばらくして
切島は自身のクラスであるA組の教室を見つける。
(確かここか)
切島は教室の扉を開き中に入る。
「机に足をかけるな!雄英の先輩方や机の製作者に申し訳ないとは思わんのか!」
「思わねえよ!テメーどこ中だよ?端役が!!」
(ん?なんだ?なにやらあそこの二人が喧嘩している)
「ぼ、俺は聡明中出身の飯田天哉だ。」
「聡明だぁ!?超エリートじゃねぇか!ぶっ殺しがいがあるじゃねえかぁ!!」
「ぶっ殺しがい!?君ひどいな!本当にヒーロー志望か?」
(……いきなりここで喧嘩とは……先が思いやられるな)
切島がこの光景に少し呆れながら自身の机に座る。
そしてしばらくして教師らしき男が現れた。
「仲良しごっこやるなら他所に行け、ここはヒーロー科だぞ」
教室に入っていた生徒たちが声のする方へと目を向ける。するとそこにいたのは
少し小汚い寝袋に入ったおっさん。寝袋からでたあとその人は教壇に立つ。
「はい。静かになるまで8秒かかりました。君たちは合理性に欠けるね。
担任の相澤消太だ。よろしくね」
早速だが体操服コレ着てグラウンドに出ろ」
「なに?」
その後生徒たちは指定されたグラウンドに集められた。
「「「「「「「「「「「個性把握テスト!?」」」」」」」」」」
「入学式は?ガイダンスは?」
「ヒーローになるなら、そんな悠長な行事出る時間ないよ。雄英は“自由”な校風が売り文句。
それは“先生側”もまた然り」
(……滅茶苦茶な学校だな)
驚きを通り越して呆れの感情が切島の頭をよぎる。
そして驚いたことに相澤は成績が最下位のものを除籍にすると言い出したのだ。
「自然災害……大事故……身勝手なヴィラン達……いつもどこから来るか分からない厄災。
日本はいつも理不尽にまみれている。そういう理不尽ピンチを覆していくのがヒーロー。
放課後マックで談笑したかったのならお生憎。これから三年間、雄英は君たちに全力で苦難を与え続ける。
“Plus Ultra”『更に向こうへ』さ、全力で乗り越えて来い」
こうして個性把握テストが始まった。
切島は普段から鍛えている身体能力を駆使し個性により好成績を出している
クラスメイト達に必死に食らいついていた。
(クソ。俺の個性じゃあまりぶっ飛んだ成績を出せないな。まあ
最下位になることはもうなさそうだ。それより……)
切島の目はとある一人の男の方に向いていた。
(あいつ個性を使ってない?このままじゃ最下位になっちまうぞ)
しかしその心配はすぐに吹き飛ぶ。ソフトボール投げでなんと彼は指一本を犠牲に
705mという記録をたたきだしたのである。
「先生!まだ、動けます」
「こいつ……!」
酷く腫れあがった右手の指を抑えながらも少し涙を流しながら笑う彼。
それを見た相澤も少しだけ口角を上げていた。そして切島も驚愕しながらも
少し笑う。
(フ、よくわからないがすごいじゃないか、あいつ)
「やっとヒーローらしい記録でたよー」
「指が腫れ上がっているぞ。入試の件と良い、おかしな個性だ」
切島以外にも彼の活躍に様々な反応を見せていた。しかしその時
怒声が響き渡る。
「コラー!!デク!!どういうことだ!?わけを言え!!」
(ん?)
その声の主はクリーム色の髪が特徴の不良風の男。
「か、かっちゃん……」
「なんで無個性の出来損ないのお前があんな力もってんだよ!?」
「そ、それは……」
「ふざけんな!ぶっころ……」
「おい……」
その時切島が爆豪の目の前に立つ。緑谷に背中を見せるように。
「き、君は……」
「アアン!?なんだテメーは!?」
「俺が誰かなんてどうでもいい。それよりお前こいつに何しようとした?」
「うるせぇ!そいつはぶっ殺さないと気が済まねぇ!そいつは
出来損ないの木偶の棒のくせにここにいやがるんだ。ぶっ殺して
ここから追い出してやる!」
「……テメーにそんな権利はねぇよ」
「アアン!?」
「俺の後ろにいるコイツだけじゃない。ここにいる全員が血がにじむ
努力をしてこの場に立てる権利を手に入れたんだ。それを侮辱するお前は
……腐ってるぜ!」
「テメー……ぶっ殺してやるよ!!」
たちの悪い生徒
「死ねぇー!!」
爆豪が両手の平を爆破させながら切島に突っ込み爆破を食らわせる。
切島は両手をクロスしながらその爆破を防ぐ。
「おらどうした!」
「フン!!」
「な!?」
爆豪が更に爆破を叩き込もうとしたその刹那。切島は手を伸ばし
爆豪の胸ぐらを掴んで自身の元に引き寄せる。そして彼の腹に向かって
渾身のキックを放った。
「おら!!」
「グァ!?」
爆豪はそのまま真正面に吹き飛ばされる。そして地面に倒れた爆豪に向かって
切島は走る。そして素早く立ち上がった彼にラッシュコンボを叩き込む。
「ガ!?クソが!調子にのるんじゃねぇ!!」
爆豪は攻撃を受けながらも強引に腕を伸ばし手のひらを向け爆破を叩きこもうとする。
△極
「甘い!」
爆豪の伸ばした手を一瞬で掴み自身の横に引き寄せる。そしてもう片方の腕で
裏拳。更にストレートパンチを彼の顔面に打ち込んだ。
「ぐわー!?」
古牧流火縄封じ
「ぐ!?て、テメー!?」
爆豪はその場に片膝をつきながら切島を睨みつけた。爆豪の目は
死んでいない。また立ち上がって攻撃してくると確信切島は
再び拳を構える。しかし……。
「そこまでにしとけよお前ら」
相澤が間に入り喧嘩を辞めるように言う。
「ハアー全く。今回は喧嘩両成敗ってことだが入学初日だから
処分は無しにしてやる。次はないからな」
「チ、クソが……!!」
「………」
そのまま個性把握テストは続いていく。そしてテストは終わり
結果がモニターに映し出された。彼の目は自然と最下位の項目へと
移る。
(………やはりアイツが最下位か………なんかやるせないな)
「ちなみに除籍は嘘な。君らの個性を最大限引き出す、合理的虚偽」
「「「「「ハア!?」」」」」
(……やっぱり滅茶苦茶な学校らしいな)
切島は呆れて頭を軽く押さえていた。
それからしばらくして初日の学校は終わり切島は帰路に着こうと
校舎から出ていた。
「初日から喧嘩沙汰を起こしてしまうとは……お咎めなしとは言え評価ガタ落ちかな俺」
今日起こった出来事を思い出し深く後悔する切島。もっと穏便に済ませられたんじゃないかと
先程の行為を反省した。
「おーい!」
「ん?」
自分を呼ぶ声に気づき後ろを振り向くとそこには先ほど爆豪に威嚇されていた
緑髪の少年がいた。
「お前確かあの時の………」
「さ、さっきは助けてくれてありがとう!ぼ、僕は緑谷出久!よろしくね」
「おう。切島鋭児郎だ。よろしくな」
「切島君だね!これから3年間よろしく!今度また僕と話してくれたら
うれしいな。じゃあまた明日ね!切島君!」
そう言うと緑谷は一礼して走り去っていく。
(緑谷出久か。覚えておこう)
【緑谷出久が絆語録に追加されました】
[絆語録に追加されたキャラは訓練モードの際使用するチーム編成に加えることが出来ます]
(とりあえず新居のアパートに向おう。色々荷造りしなきゃな)
その後切島は雄英高校の近くに建てられた小さなアパートに用意された自身の
部屋に訪れた。彼は段ボール箱に入っている多くの荷物を荷ほどきし
自身の部屋を完成させる。
【アジトが使用可能になりました】
その頃にはもう外は暗く夜になっていた。
「時間がだいぶかかっちまったな。今日はもう早めに休むか。
その前に手紙を少し読んでみるか」
切島は勉強机の上に置いた三枚の封筒を手に取る。そして少し悩んだ末に
彼が封筒を開いたのは秋山と書かれた封筒。
(秋山駿。金融会社スカイファイナンスの社長。桐生のおじさんと数多くの共闘を経験した戦友とも言える人だ。あの人はおじさんが死んだあとアサガオのこと気にかけて多くの金銭的なサポートをしてくれた。そして俺の学校生活に必要な住居や生活費のサポートまでしてくれた。あの人には本当に頭が上がらない)
切島は封筒を開け中の手紙を目に通す。
鋭児郎君へ
ではまず雄英高校入学おめでとう。ここまで来られたのは君が桐生さんの背中を
追いかけ、アサガオのみんなの期待を背負って頑張って来たからだと思う。
これからも自身の夢を忘れないで日々を過ごしていってほしい。だって
俺はさ、君ならいけると思ってんだよね。堂島の龍って言われたあの人の領域に。
まあヒーローを目指す君にあんまりそういうこと言ったらダメか、ハハハ。
まあとにかく立派な大人になってくれ。俺から言えるのはこれくらいだ。あとくれぐれも金にだらしない人になっちゃ駄目だぞ。
スカイファイナンス社長 秋山駿より
「フッ。よし明日もがんばるか」
次回、切島学校で暴力沙汰を起こす