英雄《ヒーロー 》が如く 龍を継ぐもの 作:0101シュート
夜の雷門町の雰囲気は、昼とはまるっきり変わってしまう。この時間帯に
町を歩いている者たちは健全な若者たちから荒れた若者たちへと変わる。
力を持て余して暴力行為を行おうとするチンピラ。街に騒音被害をもたらす
暴走族。そして怪しいカルト集団が町を歩き回っていた。そんな危険な夜の町に
上鳴と耳郎は足を踏み入れていた。
「おお。雰囲気出てるな夜の町って。なんか事件が起きるかもって感じだ」
「なんか昼の時と違って雰囲気悪くない?」
「そうだな……なんか……夢も希望もないっていうか……まあいいや!
とりあえず正しいヒーローの会のことを知るために町を探索するぞ!!」
「探索って……具体的にどうすればいいの?」
「まあ町歩いてればなんかあるだろ!」
「は?……帰ってもいい?」
上鳴の無計画さに呆れてしまう耳郎。自身のイヤホンジャックを体に叩き込んでやろうか
一瞬悩むがなんとか持ちこたえた。
町を探索しろ
二人は探索はもちろんのことだが町のパトロールの意味も込めて注意深く
町を見回っていく。するとその道中、二人今日最初のトラブルに巻き込まれる。
「おい!お二人さん何偉そうに道の真ん中歩いてやがるんだよ!!」
「ん?」
「なに?」
町を歩く二人が気に食わないのか柄の悪いチンピラたちが突然声をかけてきた。
チンピラたちは二人にガンを飛ばしながら歩いて来た。
「お二人さん俺たち不快になっちゃったよ。とりあえず財布おいて行けや」
「なにこいつら!なんであんたらに財布渡さないといけないの!!」
チンピラたちの態度に憤りを感じ耳郎は怒鳴りながら抗議しようと詰め寄ろうとした。
しかし上鳴がそれを腕を伸ばして静止する。
「まあまあ落ち着け耳郎。お兄さん方!不快にさせたなら謝るよ。とりあえず
見逃してもらえない?俺実は仮免だけどヒーローなんだよね。あまり大事には……」
「何言ってるんだテメー!?あはははははは!!」
「え?」
チンピラたちが突然声を大きく上げながら笑い始めた。奴らの反応に二人は
首をかしげた。
「テメーらみたいなダサいかっこのヒーローがいるかよ!嘘ついてんじゃねえ!」
チンピラの一人が嘲笑いながら上鳴の頬を殴りつける。上鳴は無表情で
その拳を受けた。その目に光が失われている。
「まあいい!財布渡さないならこっちに来いや!って痛て!?」
チンピラの一人が耳郎の肩を掴む。しかし耳郎はその腕を片手で掴み力いっぱい握り締めた。
「馴れ馴れしく触るな!あと誰がダサいって?」
「テメー……ク!!」
チンピラは一旦耳郎から離れる。するとチンピラたちは拳や首を鳴らしながら戦闘態勢に入った。
それを見た耳郎も拳を鳴らしながら上鳴に話しかける。
「上鳴……こいつらぶちのめしていいよね?」
耳郎は無表情だが静かな怒りのオーラに包まれている。先ほど言われた言葉に
とてつもない怒りを覚えたのだ。そしてそれは上鳴も同じである。
「今のはさすがにムカついたぜ。痛い目見てもらおうか」
「舐めやがって!!お前らぶち殺せ!!」
町のチンピラ
いつもなら相手の動きを最初に見てから勝負を仕掛ける上鳴だが今回はかなりムカついている故に
素早く奴らの方へと突っ込んで行く。そして足に電気を纏った足を振るう。
「覚悟するんだな!」
「ちょ、はや!?」
上鳴は飛び膝蹴りからの回転回し蹴りを放つ!それはチンピラたちを三人まとめて
吹き飛ばした。
「てりゃー!おら!!」
「ギャー!?」
悲鳴を上げながら後ろに吹き飛ばされるチンピラたち。地面に倒れた奴らの
顔面に耳郎が蹴りを入れていく。
「ハ!!」
「うわー!?」
「ギャー!?」
「い!?」
顔面を蹴られた激痛でその場に倒れながらジタバタとのたうち回るチンピラたち。
「ひ、ひー!?な、なんだよこいつら!?」
二人の容赦のなさに怯える最後の一人。そんな奴に上鳴がゆっくりと
近づく。
△極
「おら!」
「う!?あばばばば!!」
上鳴が電気を纏った拳を奴の頬に叩きつける。するとチンピラは感電しながら
後ろへと下がる。その後ろには耳郎が。
「行くよ!!」
「「ハッ!!」」
「ギャ!?」
感電した男の顔面を耳郎が。そして後頭部を上鳴がハイキックで蹴り付ける。
その結果男は両方向から蹴りを挟み込む形で頭に受けたのだった。
特殊連携・耳郎 パート1
「クソ……テメーら覚えておけよ!次は……」
「次なんてねえよ。テメーら全員連行させてもらう」
「は?」
上鳴がそう発言した瞬間どこからかパトカーのサイレンの音が鳴り響いた。
「普通に公務執行妨害な?殴られた時にはもう緊急コールを警察に
送ったんだよ。俺のこの耳についてる連絡用の無線で。てなわけで逮捕だ」
「ウチらのことダサいっていたこと後悔しな!!」
「く、くそーーー!!!!!」
その後チンピラたちは警察たちによって連行された。
「まさか雄英で培われた対応力発揮されるとはね」
「それな。頭おかしいルールだと思っていたけどよく考えられてるんだな。
まあとにかく今後も町でこんな風に喧嘩売られることが多いかもな。気合いれろよ耳郎!」
「あんたこそね!」
二人は気を取り直して夜の町を歩き続けた。その道中チンピラたちに絡まれている
中学生ダンスチームを助けたり牛丼屋で食い逃げしようと奴を捕まえたりした。
しかし二人の本当の目的はヒーロー活動ではない。ステインとそれを崇める正しいヒーローの会の
捜査である。2人はなんと聞き込みを行おうと町の住民たちに聞き込みを行う。
そんな中二人の目に見慣れたコスチュームを纏う者が入って来た。
「ねえ。あれ飯田じゃない?」
そうクラスメイトの飯田である。彼はプロヒーローのマニュアルと共に町をパトロールしていた。
「ん?あ!本当だ!おーい!飯田!」
上鳴は声を上げながら耳郎と共に飯田の元へと歩いていく。すると飯田もこちらに気が付く。
「む?ああ......上鳴君に耳郎君か……」
少し驚き気味に反応しながらヘルメットを脱ぎ二人の方を向く飯田。
「天哉君のお友達かい?ちょっと俺そこの店の主人とお話があるから少し
話でもして待っててくれ」
そう言って一旦その場を離れるマニュアル。
「ん?あれ飯田の職業体験先の人?」
「ああ。ノーマルヒーロー、マニュアルさんだ」
「ん?そんな有名な人なの?耳郎知ってる?」
「いや......ウチ知らないかも」
マニュアルというヒーローの名にあまりピンとこない二人。
「ああ......そうだな。確かにあまり有名なヒーローではないが素晴らしい
ヒーローだぞ。兄と同じようにルールや規律を重んじるヒーローだ」
「そ、そっか……」
(なんか腑に落ちないな……飯田みたいな実力者なら他にも実力あるヒーローから
指名があったと思うけど......マニュアルってそんなお兄さんみたいにすごいヒーローなのか?ん?)
上鳴はいつか見たとあるニュースを思い出す。それはヒーロー殺しのステインによって
ターボヒーロー、インゲ二ウムが再起不能にされたという事件。
(飯田の兄貴ってたしかこの前ステインに……多分そのマニュアルさんのヒーロー活動エリアって)
上鳴の頭の疑問は一つの仮説を生み出した。そして上鳴は自然に感じたことを飯田に聞く。
「もしかしてステイン探しにきたの?かたき討ちのために」
「ッ!」
飯田の顔が曇り下向いてしまう。どうやら図星のようだ。
「ちょっと上鳴アンタ!!」
「あ……わ、悪い飯田ごめ……」
「すまない!マニュアルさん話が終わったようだ。そろそろ僕は行かせてもらうよ!!」
「あ、おい……」
飯田はまるで逃げるかのようにその場から走り去っていった。上鳴は謝罪しようとしたが
間に合わずそのまま取り残されてしまう。すぐに走り去っていった飯田を見て上鳴は唖然とし
その場に固まってしまう。そんな彼の頭を耳郎が軽く叩く。
「全く何やってんの!?あんなストレートに言われたら飯田も嫌な気持ちになるに
決まってんじゃん!!」
さっきの発言を窘める耳郎。そう先ほどの発言はデリカシーなさ過ぎた。それは無論
上鳴自身が今一番わかっていること。
「ああ......そうだな……俺の本当に駄目な所だよ……思ったことなんでも口に出しちゃって......
なんも考えずに口走って......いつも誰かを不快にさせて......。本当駄目だな俺は......フッ......」
自傷気味に鼻で笑いながら耳郎に背を向けて小さな声で話す上鳴。予想以上に落ち込んでしまった
彼に少し驚く耳郎。しかし彼女はそんな重い空気を払うかのように彼の肩を軽く叩く。
「そのことはまた今度飯田に謝るとして!ウチたちに今やるべきことがあるでしょ?
ほら行くよ聞き込み!ウチさっさと解決させたいからさ!」
そう言って上鳴の前を歩く耳郎。突然の大きな声に上鳴は少し驚くも彼女の気づかいに思わず笑みをこぼし
自分の頬を軽く叩きながら彼女の後を付いていった。
「へへ……おう!」
二人は街の住民たちの聞き込みを再開した。ステインの目撃情報やそれを崇拝する
正しいヒーローの会の話。そして怪しい集団などのことを聞いて回った。そんな中
二人はとある噂をストリートダンサーたち聞く。
「そういえば亀山公園の隣にある雑居ビル群の路地裏に刃物を持った人影を見たっていう
噂を聞いたな。まああそこらへん路地裏にはよく柄の悪い奴らが溜まるからおかしな
話じゃないんでけどね。でも最近あの辺で人見なくなっただよな。その頃にその噂を
きいたんだよ」
「よしものは試しだな。そのビル群に行ってみよう」
「でも、それがステインの可能性は低くない?」
「いいんだよ。違うなら違うでこの目で確かめに行くのも立派な捜査さ」
「た、確かに......上鳴のくせに頭良さそうなこと言ってる……」
「どういう意味!?」
その後二人は街をひた走り例のビル群のエリアへと到着する。ここは街灯も少なく
町の光があまり届いていない。その暗さはここの一帯に不気味な雰囲気を纏わせていた。
そして何よりゴミなどが散乱していてきなたい。ここ一帯の治安の悪さがそれだけで
理解できる。2人は固唾を飲みながら暗い路地裏の方へと歩いていった。
「......今の所人の気配はないね」
「ああ。まあこんなとこ誰もこないか……お!ひらけた場所があるぞ!」
「ちょ、ちょっと待ってよ......!ああ最悪!変なゴミ踏んだ!!」
足に着いた汚れを必死に拭こうとする耳郎を置いて上鳴は走る。するとビルたちに囲まれた
少し広い空き地についた。周りの建物がその空間の暗闇を一掃強めている。
「何もない……か?」
何もない所を意味もなく見渡す上鳴。そうしていると出遅れた耳郎が走って来た。
「ちょっと置いてかないで……ってキャ!?」
その時ビルの間にかけられていた鉄骨や工事の部品が彼女の前に轟音を立てながら落下する。
それを見た上鳴は目を見開きながら彼女の元へと走る。しかし落ちた鉄骨が二人の間に
壁を作る。上鳴は壁越しに叫び彼女の安否を確認した。
「耳郎!!耳郎大丈夫か!?」
壁の隙間を必死に覗き彼女の姿を確認しよとする上鳴。すると返答が。
「大丈夫だけど……ッ!!上鳴後ろ!!」
「え?」
彼女の叫びに彼は反射的に後ろを振り向くと上鳴の頬を何かが高速でかすめて行った。
そして次の瞬間鉄骨から金属音同士がぶつかる音が鳴り響くと同時に彼の頬から生暖かい
鮮血が垂れ始めた。そして鉄骨とぶつかった謎の物体が跳ね返りながら地面に落ちる。それは
血を被ったサバイバルナイフ。
「クソ!一体誰が……」
「へへへ......やっと誰か来てくれた……私好みの男子かもしれないです!」
「誰だ!?」
その時夜の闇からゆっくりと不気味な笑顔を張り付けた学生服を着た少女が現れた。
そしてその少女の片手には鋭く光る刃物が。
「えへへ……あなたび血を見せてください!」
「おいおいマジかよ……!?」
「行きます!!アハハ!」
彼女は半狂乱で笑いながら上鳴に向かって足音も立てない不気味な
踏み込みで間合いを潰しその刃を振るう。上鳴は必死に体を動かし
ステップを踏みながらその刃を避けて行った。そしてその瞬間彼女が振るったナイフの
軌道がいきなり変わり上鳴の眼球へと剣先を向けて突いていく。上鳴ぎりぎりの
タイミングで彼女の腕を両手で掴みそれを防いだ。
「やりますね!」
「く!?危ねぇ!!」
お互い後ろへと飛び距離を取る二人。そしてすぐさま独自の戦闘態勢へと入った。
「行きますよ!はい!はい!!」
彼女が素早いステップを踏みながらその刃を暴風の如く振るう。上鳴はすぐさま
防御の姿勢を取るが刃物による攻撃に防御は基本通じない。彼の体は容赦なく
斬り裂かれていく。
「う!?あ!?うわ!?こ、この!!」
上鳴攻撃の合間を狙い強引に蹴りを放つが彼女はそれを素早いスウェイ移動で軽々と避けていき
そのまま上鳴の背後をとりヒートアクションを発動させる。
「ヒヒヒヒ!!」
「う!?」
上鳴の背後を取った彼女は後ろから彼の口を手で強引に塞ぐ。そしてなんの躊躇もなく
背中に刃を突き刺した。
「ん”~~~!!!??」
「アハハハハ!!はい!!」
痛みに震える上鳴の体を彼女は容赦なく横になぎ倒す。
暗殺刺しの極み
「あ……」
それは彼の体力を全て削りきってしまったのだった。
「ヒヒヒヒ!思ったよりも弱かったです」
「く、クソ……」
彼女は笑いながら体を抑えながら悔しそうに睨みつける上鳴を余裕そうに見る。
「さてあなたの血をもらっちゃいま......あれ?
その特徴的な髪と服......あなたもしかして上鳴君ですか?この町で最近ステインを探しているっていう」
「え……そ、そうだけど……」
「へ~。あなたがあの……」
彼女の顔からヘラヘラとした笑い顔が消え真剣に上鳴をじっくりと観察し始める。
「あなた……その程度の実力でステインを探して捕まえる気だったんですか?
もしそうならあまり笑えないんですけど?」
「ッ!?」
その時彼女が見せたのはとんでもない殺気。空間がひりつくような彼女の
圧に上鳴の体から緊張の汗が噴き出る。心臓が爆発するかのような鼓動が彼の
体を駆け巡った。しかし上鳴は強引に恐怖を抑えこみ口を開く。
「ああ本気だよ......あいつのせいで泣いたり困ったりしている人見ちまったからな。
だから……こんなとこで死ぬわけにはいかないんだよ!!」
上鳴はそう叫びながら再び戦闘態勢に入る。ここで殺されるわけにはいかないと
戦う覚悟を彼女に見せつけた。それを見た彼女は少し黙り込んだあと突然口角を
上げて笑い出す。
「アハハハ!!良いですね!!ここで血を全部吸ったら少々もったいないかもしれないです!!
いいでしょう!今回は見逃してあげます!!私好みの傷だらけの男の子に化けるまでね!!」
「な、なに?」
「更に更に!!あなたが強くなるためのお手伝いもしちゃいますよ!!あなたが
この町にいるかぎり私は気まぐれであなたを襲います。場所時間も問わずです。一応
容赦なく殺しにかかるので覚悟していおいてください!!」
「お、おい……何勝手に決めて……」
「では最後に私の名前は渡我被身子。気軽にドガちゃんと呼んでね上鳴君。では
また今度!」
「は!?お、おい!!」
上鳴の呼び止めようとするが彼女はどこかに飛び去ってしまった。
「な、なんだったんだ……?」
【町でトガちゃん出現するようになった】
「どこでもトガちゃん」について
[上鳴電気の強さは修羅場をくぐっていくことで更に上げていくことが出来ます。
町のいたる所で襲い掛かってくる渡我被身子との戦いに勝利することでステータスのの限界値を
上げることが出来ます。限界を超えた先に上鳴は究極のヒートアクションを......。
いつでもトガちゃんに対応できるように普段から回復アイテムや武具を用意しましょう]
次回、サブクエスト編
ダンスチームを救え
恐怖のトガちゃん
カラオケに行こう の三本です
上鳴の今後を考えてゲーム的にもストーリー的にも成長して欲しいためトガちゃんに
一肌脱いでもらいました。最近投稿頻度が落ちてしまい申し訳ありません。
4月はもう少し頻度上げていきたいと思います。では次回をお楽しみに。