英雄《ヒーロー 》が如く  龍を継ぐもの   作:0101シュート

25 / 37
前回までのあらすじ


雄英高校で発生した爆破事件。その惨劇は、轟焦凍を巻き込み、彼を意識不明の重体へと追い込んだ。事件の背後に、雄英内部の裏切り者の存在を感じ取った根津校長は、
真相を突き止めるべく、上鳴電気、緑谷出久、鉄哲徹鐵、切島鋭児郎の4名に極秘任務を与える。任務の鍵は、事件直後に保護された記憶喪失の女子生徒の断片的な記憶から得られた手がかりを元に、4人はそれぞれの役割を担い、真実を追い始める。
そして緑谷出久は、少女がかつて滞在していたと思われる街。八島街へと向かうことになるのだった。



第六章 緑谷編 受け継がれる意志 パート1

時は早朝。ここは緑谷の住んでいるアパート。彼は居間にある仏壇に向かって

手を合わせていた。そして幼き頃の記憶を呼び起こす。

 

 

 

 

『お父さんって何のお仕事をしてるの?今日幼稚園でみんなと

お父さんのお仕事についてのお話したの!」

 

『ん?ああ......俺はな出久。海外で橋を架ける仕事をしてるんだ!

ほらよく俺。家に帰って来ないだろ?実はそれは海外にいるからだ』

 

 

 

(父さんは海外向けの建築業を営んでいた。けど父さんは僕が小学生4年生の時に

海外での現場で事故に巻き込まれて死んでしまった。遺体も粉々になって

葬式には出せないほどだったらしい。僕はその日のことをあまり覚えていない。

ただ......会場で泣き崩れる母の姿だけは鮮明に覚えている)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

緑谷は数少ない父親との思いで葬式の時の記憶を思い出しながら父の遺影を

見つめた。そして少し微笑みながら立ち上がる。

 

「父さん。じゃあ行ってくるね」

 

そして緑谷は荷物をまとめたリュックを背負い玄関へと向かう。そして靴を履き

靴ひもを結んでいると彼の母親が彼に話しかける。

 

「出久。もういくの?」

 

「うんそろそろ行ってくるよ。一週間頑張ってくる!」

 

「そう。くれぐれも怪我とかしないように気を付けてね」

 

「わかってるよ!じゃあ行ってきます!」

 

緑谷は元気よく挨拶しながら家から出て行った。母は彼が家から出て行ったのを確認すると

短いため息をつきながら居間の仏壇へと向かう。そして飾っている遺影をその手に取り愛おしそうに

それを見つめた。

 

「あなた......出久が凄いあなたに似てきたの。この前新しいヒーロースーツを身に着けた

姿を見せてもらったんだけどスーツとサングラスを身に着けた姿はあなたに本当にそっくり。

我が子ながらすごい頼もしく感じちゃった。けど......やっぱり怖くもあるの。あなたみたいに

また死んじゃうんじゃないかって......。あの子八島街に行くみたい。あなたが死んだあの土地に。

お願いあの子を守ってあげて」

 

母は遺影を抱きしめながら涙をこぼす。我が子の無事を願ってあの世にいる夫に祈りを

届けるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは八島街の外れにある死穢八斎會の本部。広い敷地に内にある大きな建物。その中

会議室でとある会合が行われていた。それは東城会直系組織、桐生竜仁会の若頭補佐の一人との

会合である。

 

「おい!なんだ!?このふざけた計画書は!?」

 

 

 

死穢八斎會 若頭

治崎 廻

 

「あ?文字読めねぇのか?アンタらの新しいシノギノの計画書だよ」

 

 

東城会直系桐生竜仁会 若頭補佐

赤羽 魁人

 

赤羽魁人。赤髪と金の鎖ネックレスが特徴の桐生竜仁会に3人いる若頭補佐の一人。

彼は連れてきたボディガード二人を両端に置きながら大きなテーブルをはさんで治崎と話している。

 

「あんたらのやってるような個性薬物ビジネスは年々の法規制により大して利益を

上げることが出来てない。それに六代目東城会会長、堂島大吾会長のご意向もあり

こういったビジネスから手を引くようになってきてる。あんたらもその例外じゃない」

 

「ふざけるな!死穢八斎會の主なシノギを潰すというのか!うちの主な収入源である

このシノギを辞めさせる意味があんたわかってんのか!?」

 

淡々と冷静に理由を話す赤羽と対照的に治崎はドスの聞いた怒鳴り声で

反論する。そんな彼の反応に赤羽は流石に苛立ち始める。

 

「だから代わりのシノギを持ってきたやったんだろうが!?話聞いてたかテメー!?

そもそも!ここの組長が倒れた時からまともなシノギ全部駄目にしてテメーに

助け舟を出してやってるんだろうが!?」

 

「ク......!黙れ!!そもそも何故桐生会長は今日来ないんだ!!なんで貴様らのような

下っ端にこんな重大な命令をされないといけない!?」

 

「親父と若頭は今忙しくてあんたみたいな小物に割く時間はねぇだよ。それに俺も

そんなに暇じゃねぇんだわ。要件は全部伝えた。その資料通りに色々進めとけよ。1か月時間をやる」

 

「何!?貴様まだ話は終わって……」

 

「黙ってやれや!!今すぐ東城会の代紋剥奪してやろうか!?」

 

「な!?」

 

「あと最後に...........お前地下でなんかやってるだろ?武器か薬物か......とにかく

やばいものを作ろとしている。何か知らんが馬鹿な真似はやめておけ。お前じゃ役不足だ」

 

そう吐き捨てて赤羽は会議室を後にしていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「クソ!!」

 

治崎は会合が終わった会議室で机を怒りのままにバンと叩いた。そんな彼を

なだめようとする何人かの古参メンバー。

 

「落ち着いてください若!桐生竜仁会の提案は決して悪い話ではありません!

 

「そうです。素直に従うのが最善......う!?」

 

その時怒りで目が血走った治崎が古参メンバーの一人の首を掴む。

 

「ふざけるな......!俺の切り開いてきた販売ルートやその顧客が……

俺の努力が無駄になってもいいというのか!?この組の看板に泥を塗る気か!!」

 

「ぐは!?」

 

「くそ!!」

 

治崎は乱暴に彼を投げ飛ばしながら部屋から出ていく。彼が力強く閉めた扉を

古参メンバーは冷めた目で見つめるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後治崎は自身が保有している巨大な地下施設へと入る。そして

自身がよく密会などに使っている対面室へと入る。

 

「クソ!!まさかこんなにもはやく桐生竜仁会が介入してくるとは。

もうあまり時間がない。予定より早いが例の計画を始動しなければ……」

 

『そうか。まあ好きにしたらいい』

 

部屋に不気味に低く加工された声が響き渡る。部屋の隅っこに置かれた椅子に

座っている者がいた。奴は黒いレインコートにガスマスクを身に纏っており

どんな人間か、どんな人種か、性別すらわからない。

 

「例のブツと設計図はもう用意してあるな?」

 

『ああ。ただ私は次の仕事準備が終わり次第私はすぐにここを出ていく。

それまでに仕事を終えられるかはアンタ次第だな』

 

奴らの邪悪な計画が今始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神奈川県 八島街。ここは夜の店や外国人の飲食店などが多くある街。

そして死穢八斎會の支配する裏社会の街でもある。そんな場所に緑谷は

一人で足を踏み入れた。

 

(ここが八島街......なというか色んな人たちがいるな)

 

緑谷の目に入ってくる多種多様な人間。普通の一般人、ヤクザ、暴走族、チンピラ。

そして外国人たち。

 

(とりあえず僕の捜査に協力してくる事務所。サーナイトアイ事務所に向かわないと。

場所は確かここから西のエリアだ)

 

 

 

 

 

サーナイトアイ事務所へと向かえ

 

 

 

 

緑谷はコスチュームの入っているケースを片手に事務所へと向かう。

その道中に彼はとあるトラブルに巻き込まれる。

 

「おらババア!!チンタラ道を歩いてんじゃねぇよ!!」

 

「俺たちの通行の邪魔なんだよ!!」

 

「ひ、ひい……」

 

道端で老人がチンピラたちに絡まれている。これを見た緑谷出久が真っ先に取る行動は

もう言うまでもないだろう。

 

「あなたたち!今すぐそのおばあさんから離れてください!!」

 

緑谷は彼らの間に入りながらチンピラたちに注意する。しかしチンピラたちは

彼の行動に苛立ちを見せ始める。

 

 

「あん!?なんだクソガキ!正義のヒーロー気取りか?調子に乗りやがって!

お前らコイツ泣かすぞ!!」

 

チンピラたちが緑谷に暴力を振るおうと拳を鳴らし始める。そんな状況に

老人はアワワと困り果てる事しかできなかった。そんな老人に緑谷は優しく微笑みかける。

 

「おばあさん。ここは僕に任せて逃げてください」

 

「で、でも......」

 

「大丈夫です。僕こう見えてとても強いんですよ」

 

緑谷はそう言いながら制服のジャケットの袖を上までめくり自身の腕の力こぶを

老人に見せる。それを見た老人は納得したのかその場から逃げていった。

 

「調子に乗りやがって!後悔させてやる!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

チンピラ

 

 

「行くぞクソガキ!」

 

チンピラの一人が緑谷に殴りかかるが緑谷は冷静に裁きを発動させ

相手を後ろに受け流す。そしてその流れのまま奴の腕を掴かみ極めていく。

 

「ギャ!?痛ええ!?」

 

腕の関節を後ろから極められたチンピラは痛みでうめき始める。

その時後ろから別のチンピラが緑谷を後ろから殴りつけようと走って来た。

しかし緑谷はそんなことは想定済みである。

 

「えい!!」

 

緑谷は腕を極めていたチンピラを後ろに投げ飛ばす。すると後ろから

来たチンピラに投げられたチンピラの体が当たり巻き込まれて倒れてしまう。

 

「うわ!?」

 

「グ!!」

 

投げ飛ばされたチンピラは極められた腕の痛みでのたうち回る。そんな

奴の体を緑谷は蹴り付け戦闘不能にさせる。そして巻き込まれた倒れたチンピラの

方に目を向ける。

 

 

△極

 

「エイ!!」

 

「ぐわ!?」

 

仰向けに倒れたチンピラの顔面を緑谷は容赦なく足の裏で叩きつけた。

 

追い打ちの極み・表

 

 

「グァ……」

 

「うう......」

 

圧倒間に二人を戦闘不能にした緑谷。そして彼は最後に残っているチンピラに目線を

向け問いかけた。

 

「まだやりますか?」

 

「う!?クソ!テメーみたいなガキにコケにされてたまるか!!」

 

「!?」

 

その時チンピラが出したのはナイフ。それを構えながら緑谷に向かって突っ込んで行った。

このまま刃物を振り回されたら周りに被害が出来るかもしれないと緑谷はとある決断をした。

 

「来い!」

 

緑谷も奴に向かって突っ込んで行く。そして奴がナイフを振るおうとした瞬間

緑谷は奴の体を掴む!しかしこれは捌きではない。

 

「!?」

 

「せや!!」

 

緑谷が奴が突っ込んできた一瞬のタイミングで腕を掴み後ろへと半回転する。

そしてその勢いのまま力強く地面に奴の体を叩きつけたのであった。そう!一本背負い投げを

決めたのである。

 

「グハ!?」

 

あまりの背中に走る衝撃に奴は意識を失うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふう終わった。まあいい準備運動だったかな?」

 

緑谷はそう呟きながら体を伸ばす。

 

「アハハ!見事な動きだったよね!!」

 

「ん?」

 

チンピラたちを制圧した緑谷に誰かの拍手が送られる。その音の方向を

見てみるとそこには自分と同じ雄英高校の制服を着た金髪の男性がいた。

 

「あなたは?」

 

「うん!俺は雄英高校3年!通形ミリオなんだよね!!」

 

 

 

雄英高校3年A組

通形 ミリオ

 

 

「あ!サーナイトアイ事務所でインターン生として活動している3年生がいると

オールマイトから聞いていましたが……もしかしてあなたが?」

 

「その通り!君の与えられた任務はオールマイトと根津校長から聞いている。

君のサポートを俺がすることになったんだよね!だからよろしくなんだよね!」

 

「そ、それは心強い!お願いします通形先輩!」

 

二人は力強く握手を交わした。

 

「それで君が事務所になかなか来ないから探しにきたんだけど、まさかトラブルに

巻き込まれていたとはね!」

 

「す、すいません……」

 

「別にいいよ!じゃあ一緒に事務所へ行こうか!」

 

 

 

 

 

 

 

 

その後二人は一緒にサーナイトアイ事務所へと向かった。その道中に二人は

色んな話をする。

 

「緑谷君。今回の事件はサーもその詳細を知っている。僕と君、そしてサーの3人で

死穢八斎會を捜査して雄英爆破事件の手がかりを見つけるんだ」

 

「サーってサーナイトアイのことですね。元もオールマイトのサイドキックをやっていた。しかし喧嘩別れしてお互いもう会っていないとオールマイトから聞いたんですけど......ミリオ先輩詳しいこと知りませんか?」

 

「いや知らない。仲違いしたことは知っているけどその詳細まではサーは教えてくれなかった。

まあ大人の事情があったんじゃないかな……ってあ。緑谷君着いたよ」

 

「ここがサーナイトアイ事務所!」

 

「中でサーが待っている。行こうか」

 

二人は事務所の中へと入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ!ミリオ君帰って来たんだ。」

 

「お疲れ様です!バブルガール」

 

 

サーナイトアイ事務所所属ヒーロー

バブルガール

 

 

 

「君が緑谷出久だね。私はバブルガール。今日から一週間よろしく。

じゃあ二人とも先にヒーローコスチュームに着替えちゃってね。

そしたらサーが待っている所長室に行って」

 

「わかりました!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後二人は更衣室でヒーローコスチュームに着替えた。通形のコスチューム。

それは胸には1000000がデザインされ、ヒーローマントを羽織っている。そして

緑谷のコスチュームは白シャツ、黒ズボン、そして緑のネクタイと黒いウィンドブレーカージャケットである。

そして犯人追跡サングラスかけていた。

 

「そう言えば先輩のヒーロー名は?」

 

「ルミリオンだよ!緑谷君は?」

 

「僕はデクです!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後二人はサー・ナイトアイの待つ部屋へと向かった・

 

 

「サー!例の1年生達を連れてきました!」

 

そこはオールマイトのグッズが多く飾れているオフィス。そしてそのデスクには

眼鏡をかけた白いスーツのサラリーマンの様な男。そう。この堅物そうなサラリーマン

風の男こそサー・ナイトアイである。ナイトアイは作成している資料の手を一回止めて

二人の方を向いた。

 

 

「うむ。きたか」

 

 

プロヒーロー

サー・ナイトアイ

 

 

 

「初めまして!雄英高校から来ました!緑谷出久です!よろしくお願いします!」

 

「……」

 

緑谷は元気よく挨拶するがナイトアイから一切返事がない。ただ無感情そうに

緑谷の顔をまじまじと見つめていた。

 

「あ、あの……」

 

「緑谷。屋内ではサングラスは外せ。犯人追跡系のサポートアイテムなのは

察するが今は目上の人との挨拶だろ?」

 

「す、すいません…」

 

緑谷は少し慌てながらサングラスを取り外して胸ポケットにしまう。すると

ナイトアイは椅子から立ち上がり緑谷の方へと歩いていく。そして近づくなり緑谷の

ネクタイをガシっと掴んだ。

 

「え!?サー!?」

 

「な、何か気に障るようなことを……」

 

いきなりの行動に緑谷は少し身震いし、ルミリオンも彼の通常ならやらないであろう

行動に困惑する。その時ネクタイを触ったナイトアイが口を開いた。

 

「なっちゃいない。ネクタイを身に着けるならもっと綺麗に美しく形作るべきだ」

 

ナイトアイはそう言いながら緑谷のネクタイを外し、再び付け直した。

 

「いいか?まずこうやって形を作りここから穴に通す。そして…」

 

ナイトアイはゆっくり手を動かし一つ一つの手順を説明しながら緑谷のネクタイを

形作った。

 

「そしてこうすれば完成だ。ほら、次は自分でやってみろ」

 

「は、はい!」

 

緑谷は一回ネクタイを外しもう一度首にかけて形を作る。先ほど教えられた

手順を思い出しながらぎこちない動きでネクタイを結ぶ。

 

「えっと......ここが......こうで......」

 

「そうだ。最後にここを通して……そう………」

 

「おお!できた!できました!!」

 

いつもより綺麗な形でネクタイを結ぶことが出来た緑谷は目を輝かせながら

自身の結んだネクタイを見つめる。

 

「これが正しいやり方だ。次からはそうやりなさい」

 

「えっと......えへへ、ありがとうございます」

 

緑谷が笑いながらお礼を言うとナイトアイは彼の反応を見てフッと少しだけ口角を

上げた。しかしそれに気が付いたのはルミリオンだけである。

 

(サー、なんか一瞬優しい顔つきになったな。懐かしそうに何かを見るような

目に見えたけど......気のせいかな?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ゴホン。では我々3人の任務を確認しよう。まずこの任務は極秘で行うこと。

ここの3人以外には一切共有しないのが絶対だ」

 

「「はい!!」」

 

「我々の任務は雄英高校爆破事件に関わった女子生徒。

記憶喪失になった彼女の発言にあった死穢八斎會との関係の捜査だ。

彼女の証言をまとめた資料を一通り読ませてもらったがペストマスクの男たちの

場所にいたという証言。これは死穢八斎會の若頭である治崎とその幹部たちの特徴に

当てはまる。もし治崎たちの場所にいたとした死穢八斎會の施設に彼女は一定期間いた

可能性があるというわけだ。だからオールマイトと根津校長は私に白羽の矢を飛ばしたんだろう。

最近我が事務所は死穢八斎會を監視しているからな」

 

(理由はそれだけじゃない気がするけどな……オールマイト)

 

「とりあえずミリオ。今日は緑谷を連れて街をパトロールしてこい。

今日からこの街にいる死穢八斎會の者たちを捜査するんだ。街の地理を理解させるためにも

色々教えてやれ。私は今後の計画を立てておく」

 

「わかりましたサー!じゃあデク!パトロールに行くよ!」

 

「はい!ルミリオン!!」

 

 

 

 

【"相棒"に通形ミリオが設定されました】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、通形は緑谷を連れてパトロールを行った。色んなところを歩きながら

街の詳細を話していく。その後二人は子の街で一番治安の悪いエリアへと足を踏み入れようとした。

 

「デク。ここからは中国マフィアの本拠地があり危険な人間たちが多く闊歩する危険なエリアだ。

だから気を引き締めてほしんだよね」

 

先程まで陽気な雰囲気で話していた通形の表情が真剣な顔となる。その変わり具合から

本当にここからは危険なエリアなのだと緑谷は感じ取った。自然と緑谷の緊張が高まっていく。

 

「はい......行きましょう」

 

二人は静かにそのエリアに足を踏み入れるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは八島街の一角にある、祭王会の残党が根城とする雑居ビル。

中国マフィアの末端たちが潜むこの建物には、違法薬物や密輸武器が詰め込まれた段ボールが山のように積まれている。そして今日もまた、新たな荷がビル内に運び込まれていた。

 

 

「おい。その荷物はどこからだ?」

 

「ああ。死穢八斎會から送られてきた荷物だよ。何やらこの前の薬に不備があったかも

知れいないとかで新しいの送ってきてくれたんだ」

 

「何?そんな報告何も聞いてないぞ......?っていうかそれ本当に薬か?」

 

「え!?」

 

段ボールを持ってきた男が今の一言に怖気づいて段ボールを落としてしまう。

すると明らかに重く、異質な金属音が鳴った。2人は恐る恐るにその段ボールを

開封しようとした。蓋のテープを強引に破り素早く開封する。すると中にあったのは

黒い謎の機械。そして中央には、赤く点滅するカウントダウンタイマーが付いていた。5、4、3と数字がどんどんと減っていく。それを見た二人は自分たちが置かれている状況にすぐ気が付いた。

 

「ヤバ!逃げ………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時八島街に大きな爆発音が鳴り響いた。通形と緑谷の耳にもかつてない程の

爆音と振動が入ってくる。

 

「な、なんだ!?」

 

「先輩これは!?」

 

あまりの出来事に言葉も出ず、二人はただ辺りを見渡すしかなかった

すると二人の目に激しく燃え上がる雑居ビル。

 

「先輩!あそこです!!」

 

「ああ。今すぐに向かうよ!!」

 

二人は現場へと走っていった。そして間もなく二人は爆発したビルの近くへと

辿り着く。五階か六階にかけて激しく火が燃え上がっている。

 

「熱気がここまで迫ってくる......なんて炎だ!?」

 

「先輩!中にまだ人がいるかも!僕一回中に入ってみます!」

 

「え!?駄目だデク!!」

 

真っ先にビルの中へと入ろうとする緑谷を通形は肩を掴んで止める。

そう。今このビルに入っていくのは自殺行為である。

 

「炎の流れが明らかに早いし今の俺たちには火災現場へ入っていくための装備が

何一つない!そんな状態で行くのは自殺行為だ!!」

 

「で、でも中に人がいるかも......ってう!?なんだ......」

 

「どうした?ん?なんだこの匂い!?」

 

二人はビルの周りに不快な匂いが漂っていることに気が付く。それも体調に影響を及ぼす

と本能で感じ取るレベルの異臭。2人は口と鼻をおさえながらビルから一旦距離を置いた。

 

「なんですかこの匂い?排気ガス?いやなんかの薬の様な感じがしますけど……」

 

「わからないけどあそこには近づかない方がいい。さっき緊急シグナルを

サーや近くの消防署に送ったからそれまで俺たちは離れて......ん?」

 

その時ビルの一階にある入口から3人の男たちが頭をおさえてフラフラとしながら

出てきた。

 

「先輩!人が出てきましたよ!」

 

「ああ!そこの人達大丈夫ですか!?」

 

二人はその三人の元へと駆け寄る。その時男の一人が突然頭をおさえながら発狂し始めた。

 

「うおーーーーーーーーーー!!!!!!!!」

 

「「!?」」

 

一人が発狂しだすとそれに連鎖するように二人の男も苦しそうにに叫び始める。

すると3人の体に異変が起き始めた。一人は腕が膨れ、骨が砕けるような音を立てて外へ突き出た。

皮膚が裂け、筋肉が変色していく。あっという間にカマキリを思わせる鋭い刃を持つ怪物へと変貌した。

他の二人も呻きながら、皮膚が岩のように硬質化し、もう一人は全身から粘液のようなものを滴らせ、無数の触手を生やしはじめた。そして化け物と化した者たちは周りの建物を攻撃し始める。

 

 

「な、なんなんだ一体!?」

 

「デク!こいつらを止めるぞ!!」

 

「了解!!」

 

 

緑谷は懐からリボルバー式の拳銃を取り出し奴らに銃口を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

謎の怪物たち

 

【人間の規模を超えた敵が現れた!!武器を使え!!】

 

「デク!俺がこいつらを引き付ける!その隙を狙って狙撃するんだ!!」

 

通形が個性を発動させ地面へと潜る。そして一瞬の内に奴の目の前の地面から飛び出していった。

通形ミリオことルミリオンの個性は透過。発動中はあらゆる物をすり抜ける個性である!

 

「おーい!!こっちだ!!」

 

通形はわざと奴らの前に出て注意を引き付ける。奴らは彼に襲い掛かろうと動き出すが

その隙を緑谷は狙っていた。頭などに狙いを定め引き金を引く!そして数発の弾丸は

奴らの頭に何発か命中していった。すると岩の化け物がこちらに気が付いて緑谷へと

近づいてきごつごつとした巨大な腕を振るう。

 

 

△  ⇐押せ

 

「甘い!!」

 

緑谷は左手で銃を持ちながら奴の振るった腕に自身の右手を絡ませる。そして関節を

取った緑谷は個性を発動させ身体強化し奴の関節を思いっきり捻り上げ破壊した。

 

「うお~~~!!??」

 

痛みのあまり雄たけびを上げる岩の化け物。そんな奴の体に緑谷は至近距離から

体に容赦なく何発も弾丸を叩き込むのだった。すると奴は動かなくなる。

 

「一体撃破か......先輩は大丈夫か!?」

 

緑谷はすぐさま通形の方を見る。彼は2体の化け物を引きつけながら個性を上手く使い

移動を繰り返していた。すると彼と化け物2体は誰かが乗り捨てた車の前を通ろうとしていた。

それを見た緑谷の口角を上げながら銃口をその車に向けた。

 

「先輩!!なんとか個性使って逃げてください!!」

 

「え!?一体何を!?」

 

 

 

 

 

△極

 

「ここだ!!」

 

放たれた弾丸が空気を斬り裂きながら真っ直ぐと飛んでいく。そしてその弾丸は

乗り捨てられた車の給油口に命中。車は大きな炎あげながら大爆発を起こし化け物たち

を吹き飛ばすのだった。

 

ヒートスナイプ・穿孔火炎車

 

 

 

 

 

爆発に巻き込まれて吹き飛ばされるカマキリの化け物と触手の化け物。

触手の化け物は体に火が付きそのまま燃えてしまった。しかしカマキリの化け物は

フラフラと立ち上がろうとした。しかしその前に通形がとどめを刺しに行く。

 

「POWER!!」

 

地面から飛び出した彼はその勢いのまま奴の顎にパンチを食らわし意識を

失わせるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふう…」

 

「先輩!大丈夫ですか!?」

 

「ああ問題ないよ。それよりこれは一体……」

 

倒れた化け物たちを二人は見つめる。果たしてこの化け物たちはなんのか?

先程起こった爆発は?そして先ほど感じた異臭は?二人の頭に様々な疑問がよぎるが

その答えを教えてくる者はこの場にはいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数十分後。サーナイトアイ事務所のヒーローたち消防隊。そして

警察官たちが現場へと沢山集まっていた。消防員たちが消化活動を行い、警察は

動かなくなった化け物たちを拘束し大きな車で運んでいく。サー・ナイトアイは

警察に捜査の進捗を聞いていた。

 

「警部。爆破の原因はやはり爆弾なのど爆発物ですか?」

 

「ああ。さっき消防隊が爆弾の残骸らしきものを発見してな。まだ解析してないから

爆弾の詳細はわからないが......確かなのはこれは爆破テロということだ。後気になるのは

オタクのインターン生たちが嗅いだっていう謎の異臭だ。今現場の空気を採取して科捜研に

調べさせている。まあ......あの暴れだした奴らの姿から察するに......個性をブーストさせる類のものだな」

 

「そうですか..........」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サー・ナイトアイは、事務所の一室でパソコンの画面を凝視していた。

表示されているのは、かつて闇に葬られたある爆弾の設計図。

それに重ねるように、先ほど警察から送られた事件の解析資料が並べられていた。

 

「間違いない………これは6年前と同じ個性薬物搭載爆弾..........ということはアイツの仕業なのか?いや..........あいつは..........死んだはず………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、サー・ナイトアイ。オールマイトを呼び出し、緑谷たちに衝撃の告白。

今回の事件に繋がる6年前に起きた悲劇とは!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




緑谷の戦闘描写切島や上鳴と違って地味すぎる。もっと盛り上がるように工夫していかないとと思いました。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。