英雄《ヒーロー 》が如く  龍を継ぐもの   作:0101シュート

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第六章 緑谷編 受け継がれる意志 パート4

「死亡したのはオセオンから来たヒーロー。クレア・ボヤンス氏。

死因は顔面を水に突っ込み続けた故の溺死。死亡推定時刻は昨晩辺りからか?」

 

捜査本部に参加していた警視庁捜査一課の刑事。新原 健司は緊急で現場の保持と捜査を

行っていた。それ以外にも新原直属の部下たちも来ており現場の扉付近に立ち入り禁止テープを

貼ったり現場の写真を撮っている。

 

「これは自殺は考えにくいから……やはり他殺?」

 

「この部屋で死亡したクレアさん以外の指紋などの他の人間の痕跡は見つからなかったんですか?」

 

「そうだな。彼女以外の指紋などは発見されなかった。だが....…ん?」

 

部下や知り合いの刑事でもない聞き慣れない声が新原の耳に入ってくる。後ろを向くと

そこには小さなメモ帳を片手にペンを持った緑谷出久がいた。

 

「緑谷君!ここは警察以外は立ち入り禁止だぞ!立ち入り禁止のテープが見えなかったのか?」

 

「じ、実は……なんかこの姿のせいで刑事とかと勘違いされて……通してもらっちゃいました」

 

「え!?あいつら何やってんだ………」

 

予想外な返答に新原は頭を抱えてあきれ果てる。何故警察手帳の確認などを行わなかったのかと

頭を抱えた。

 

「それでちょっと捜査のお手伝い出来たらなって思ったんですけど.……駄目ですかね?」

 

「えー……。ん~まあいいや。現場捜査に協力してくれるヒーローも少なくないし、

インターン生の職場体験ってことで大目に見てあげよう。ただし!現場の

ものに触れるときはこの手袋をつけて俺に一声かけてくれ。」

 

「ありがとうございます!」

 

【”警察の手袋”を手に入れた】

 

 

 

 

(さて。現場を調べて何か手がかりがないか見てみよう)

 

 

 

事件現場を調査しろ

 

 

 

緑谷が最初に目を付けたのは死体があった洗面台。もう死体はないが、その死体の状態を再現された

テープがそこに貼られていた。

 

「なんでこんな死に方を……?誰かに頭を無理矢理押さえつけられたんでしょうか?」

 

「その可能性はあるが少し不可解なことがある。それは彼女が抵抗した

痕跡がまったくなかったことだ。もし無理矢理顔に水を付けられたら全力で抵抗するだろ?

そうなれば暴れて腕や足をどこかにぶつけたりして痣をなどを作ったはずだ」

 

(なるほど……じゃあ彼女には抵抗が出来ない理由があったということか?

どんな理由がある?薬物?あるいは個性の影響?……駄目だ。全くわからない。とりあえず別の場所を調べよう)

 

 

 

 

 

 

緑谷が次に目を付けたのは洗面台の周りに置かれていた沢山の美容品。ハンドクリームや

化粧水などのスキンケアのための道具が並んでいた。

 

「これホテル備品じゃないですよね?彼女が持参したものですか?」

 

「ああ。全部クレアさんの持ち物だよ。綺麗な人だったからスキンケアとかに

とても気を使ってたんじゃないか?最近じゃあ若い男もスキンケアとかするらしいけど」

 

「ふ~ん。あれ?」

 

「どうした?」

 

緑谷はとあることに気が付く。それはポンプ形式のプラスチックの容器の化粧水。そのラベルが

少し剝がれかかっている。

 

「これ一回剥がした形跡がありますね………なんでわざわざもう一回付けたんでしょうか?」

 

「それは……そうだな。けど、これは間違えて一回剥がした後に、もう一回付け直しただけじゃないか?

だってほら、この人、他にもスキンケア用品を色々持ってるし。ラベルがないと、どれがどれか分からなくなるだろうしな」

 

新原はそう言いながら、いくつかの瓶を指差す。確かに、どれも似たような容器で色合いも統一されており、パッと見では区別がつきにくい。

 

「まぁ、たしかに……」

 

緑谷はそう返しながらも、どこか納得しきれない表情で剥がれかけたラベルを見つめていた。

 

(わざわざ剥がした形跡……そしてまた貼り直した? それにしてはラベルの端が妙にきれいだ。まるで“誰かが意図的に剥がして中身を確認して、また元通りに戻した”みたいな……)

 

彼の中で何かが引っかかっていた。しかしそれはまだ、確証のない違和感。

 

 

 

 

次に緑谷が目を付けたのは部屋のベランダ。彼は外の風を浴びながら周りを見渡す。

この部屋は3階で下の地面には少し距離がある。

 

「新原さん!そういえばこのホテルに怪しい人物の出入りはなかったんですか?」

 

「ホテル入口や裏口の監視カメラに怪しい者の出入りは映ってなかった。だから

外部から侵入者による殺人っていうのは現状は少し考えにくい。まあ個性によっては

その限りではないけどな。まあとりあえずこの後ここのホテルに泊っている。ールド親子や

ヒーローたちにも事情を聴くつもりだ」

 

(確かに個性によっては難の痕跡もなく侵入することは全然可能か……。

でもそうなると誰が犯人かなんてわかんないぞ?もっと手がかりはないかな?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後緑谷は続けて捜査を行ったが特に目ぼしい手がかりは見つからなかった。

事情聴取にも参加させてもらおうかと申し出たがそれは流石に迷惑だと断られてしまった。

緑谷は仕方なく街のパトロールを行っていた通形と合流することにした。

 

 

「ハアー。犯人は一体誰なんだ?そして一体どうやって……」

 

緑谷は街を一人歩きながら先ほどの現場のことを思い出していた。しかし彼の

頭に浮かんでくるのは無数の根拠のない仮説。犯人がどんな個性かで殺害方法は

変わってきてしまうため全く犯人に目星がつかない。

 

「緑谷出久……」

 

「!?」

 

気配を全く感じないはずの後ろから静かな低い声が聞こえる。緑谷は

冷や汗をかきながら突然高鳴る鼓動とともにすぐさま後ろを振り向いて拳を

構える。しかしそれは杞憂に終わる。そこにいたのは自分の知っている人物だったからだ。

 

「あ、あなたは…………シャドウスラッシュ」

 

「む、すまない驚かせてしまったか」

 

声をかけたのは公安所属ヒーロー シャドウスラッシュ。緑谷と同じく

爆破事件の捜査本部に参加しているヒーローだ。

 

(そう言えば……公安所属ヒーローってことは父さんと同じ……この人も

もしかしたら父さんのことを知っているのかな?)

 

「あ、あの……」

 

「緑谷出久。先ほどのクレア・ボヤンス氏の殺害現場を見ていたらしいが

何か手がかりは見つかったのか?」

 

「え?い、いや、それがまったく。手がかりがなくて皆目見当もつきません」

 

緑谷は困ったように首を振る。

 

「そうか………ならば緑谷出久。事件を解決したいなら視点を変えてみるんだ」

 

「視点を変える?」

 

「ああ……犯人がどうやって殺害したではなく。どうして犯人はどうして

被害者を殺害しなければいいけなかったのか。その理由を考えるんだ。

視点を変えることで見えるもがあるかもしれないぞ?」

 

「ハ、ハア……ってえ?」

 

緑谷が瞬きをした次の瞬間シャドウスラッシュは彼の目の前から消え去っていた。

緑谷はその現実に脳の理解が追いつかずその場で立ち尽くしてしまう。しばらくして

緑谷は先ほどの言葉を思い出す。

 

「犯人がクレアさんを殺害した理由か………」

 

(私怨とかはちょっと可能性が低いと思う。もっと別の可能性は?

クレアさんの個性は透視。様々な物体をその瞳で見透かすことができる個性。

もしかして犯人は彼女の個性に何かしらの脅威を感じていたのか?透視....爆弾....構造....あ!

もしかして犯人は……爆弾を透視されて構造を知られることを恐れた!?ってことは……犯人は今回の爆弾事件の

犯人と同じ人物!?)

 

 

まだ仮説に過ぎない。しかし緑谷は一歩だけ真実に近づいた気がしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ってことがあったんですよ」

 

「へー。現場をこの目で見てきたんだ」

 

緑谷はその後、通型と合流しパトロールをしながら先ほどあったとことを彼に

話していた。

 

「まさか殺人事件が身近でおこるなんてね……」

 

「そうですね。後、標的は彼女だけとは限らないんで先輩も十分注意してください」

 

「わ、わかった……」

 

(サラっと怖いこというな…)

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてしばらくして二人はとある路地裏の入口の前を通る。

 

「きゃ!?」

 

「ん?」

 

その時緑谷の足に軽い衝撃が走るとともに幼い少女の悲鳴が聞こえた。すぐさま下を向き確認するとそこには尻もちをついてその場に白髪で角らしきものを一本生やした小さな少女がいた。緑谷はすぐさま彼女の体を両手で

掴み立ち上がらせる。

 

「大丈夫?ぶつかっちゃってごめんね。ん?君何で靴履いてないの?それになんでこんな場所から……」

 

「ヒーローに迷惑をかけちゃダメだろ、エリ」

 

「「!?」」

 

 

その時路地裏から一人の男が現れた。2人はその姿を見て目を見開いて驚愕する。

ペストマスクを付け、白い手袋を付けている。その男はなんと今サーナイトアイの事務所が監視し爆弾事件の

容疑が掛かっている指定ヴィラン組織、死穢八斎會の若頭。治崎だったのだ。

 

(こいつが死穢八斎會の……!まさかこんな所で会うなんて……!)

 

まさかの出会いに緑谷は緊張の汗を少し顔ににじませながら奴を見つめる。通型は

まずいと動揺しながらも冷静を装い奴に話しかけた。

 

「こっちこそすみません、ぶつかっちゃって。その素敵なマスクは八斎會の方ですよね?ここらじゃ有名です。」

 

「ええ、マスクは気になさらず。汚れに敏感でして…2人とも初めて見るヒーローだ。」

 

「そうです!新人なんでまだ緊張しちゃって!さ!立てよ相棒!まだ見ぬ未来に向かおうぜ!」

 

「どこの事務所所属なんです?」

 

「学生ですよ!所属だなんておこがましいほどのひよっこでして。職場体験で色々回らせてもらってるんです」

 

通型が奴と話している間、緑谷は冷静にその幼子のことを観察していた。腕に巻かれた無数の包帯。

履かれていない靴。そして明らかに怯えている表情。一体なぜこうなっているのだろうか?

 

(虐待?にしては腕以外には傷が全くない………。でも治崎に対してすごい怯えている。

とにかくひどいことをされたのは間違いないかも)

 

「では我々、昼間までにこの区画を回らないといけないので!」

 

「そうですか。じゃあエリ。こっちに」

 

その時彼女は震える手で緑谷の服の袖を掴んだ。

 

「い、行かないで………」

 

「あ……」

 

これは彼女の精一杯のSOS。力を持たない幼い子供の苦しみが直に緑谷の

心へと響き渡る。その時にはもう緑谷自身の答えを決まったのだ。

彼はフッと静かに笑いながら彼女に優しく語り掛ける。

 

「わかった。任せて」

 

「さあエリ。はやくこっちに来い」

 

「あのこの子どういうわけか靴を履いてないんですけど....…まあいいや。

抱っこしてそっちに渡しますね」

 

「お気遣いありがとうごさいます」

 

緑谷は彼女を抱きかかえてゆっくりと治崎の方へと近づく。そして奴は彼女を受け取ろうと

両手を伸ばす。

 

「ではこちらを……ほい」

 

「え?」

 

緑谷は素早く彼女を地面に下ろし奴の手首を掴む。そして一秒にも満たないスピードで

奴の手を後ろに回す。そして近くにあった交通標識の棒に奴の背中を軽く押し当て後ろから手錠をかけ完全に動きなくした。

 

「な!?」

 

「鍵ここら辺に置いておくんで誰かに解除してもらってください。この子はしばらく

預かります。行きましょう先輩!!」

 

「ちょ、ちょっとデク!?」

 

「貴様!!何を!?」

 

身動きを取れなくなった治崎を無視して緑谷は彼女を抱きかかえてその場から

スタコラサッサと走り去っていく。通形は慌てた様子でその後を追って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よーし!うまく行ったぞ!!アハハ!!」

 

「いやダメでしょこれ!?」

 

彼女を抱きかかえながら満足げに笑う緑谷。それに対して頭を抱える通形。

まさかこの少女のためとはいえこんな大胆な行動を取るとは通形も予想外だった。

しかし全力で逃げる二人の前に数人のヤクザが現れた。2人は行く手を阻まれてしまい

その場に急いで立ち止まる。

 

「テメーらヒーローとはいえ舐めた真似しやがって」

 

「ぶっ殺してやる」

 

ヤクザたちは日本刀やナイフ、バット取り出し構えた。どうやら公務執行妨害など

お構いないらしい。

 

「フ、やっぱりそう簡単にはいかないか」

 

「デク。はやくここから逃げよう。ここで時間を食ったら治崎がここに……」

 

「来ませんよ」

 

「え?」

 

「犯罪組織のトップが自らの手でこの場で暴れるのはリスクが高すぎます。

だから下っ端をここに寄こしたんでしょう。要するにです」

 

「え!?ちょっと!?」

 

緑谷は少女を通形に手渡し、奴らに向かってその拳を構えた。

 

「こいつら倒せばいいってだけの話」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死穢八斎會 組員

 

「死ね!!」

 

一人の組員が日本刀を大きく振りかぶり緑谷に襲い掛かるが緑谷は冷静に「捌き」を

発動させ後ろに受け流す。そして次の瞬間別の組員がバットで彼に殴りにかかった。

 

「調子になるな!!」

 

 

 

△極

 

「スマッシュ!!」

 

「グァ!?」

 

緑谷がカウンターの右ストレートを奴の顔面に突き刺す。奴が吹っ飛ぶと同時に

バットがふわりと宙を舞う。緑谷は落ちてきたそれをキャッチするのだった。

 

強奪の極み

 

 

「隙ありだ!!」

 

「フン!!」

 

後ろに受け流した組員が日本刀を振るうが緑谷はそれを強奪したバットで

受け止める。そして緑谷はバットを振るい奴を殴りつけた。

 

「えい!!」

 

「ギャ!?」

 

 

 

 

△極

 

「おりゃ!!」

 

「ガ!?」

 

緑谷が容赦なくバットで奴の脳天を叩きつける。奴は体中に走る衝撃に耐えきれずに

その場に両膝をつく。そして彼はバットを短く持ち直しバッティングの構えを始めた。

 

「ちょ、ちょっとおま……!?」

 

「おりゃー!!」

 

「ギャーーーー!!!???」

 

緑谷は容赦なく奴の顔面にフルスイングを食らわせるのだった。あまりの威力に

バットが粉々に粉砕されてしまう。

 

 

フルスイングの極み

 

 

 

 

 

「な、なんだこのガキ!?」

 

「ふ、ふざけやがって!!おりゃー!!」

 

組員の一人がナイフを片手に緑谷に襲い掛かる。デタラメにその

ナイフを力任せに振り回すが、緑谷は冷静にそれをスウェイ移動で

避けていく。そして一瞬の隙をつき奴の胸ぐらを掴みその流れで関節を

極めに行く。そしてそのまま奴を地面に叩きつけた。そして残りの奴らの

下へとダッシュで向かって行く。そして素早く奴らを殴り飛ばすのだった。

 

「えい!てや!!スマッシュ!!!!」

 

「ぐお!?」

 

「う!?

 

「ぎゃー!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふう。終わった」

 

「デク大丈夫か!?早くこの子を事務所に連れて行こう」

 

「はい!」

 

組員たちを倒した緑谷たちはすぐさま事務所へ向かおうとする。しかし

その瞬間彼らの地面に大きな影が映った。

 

「ッ!?デク今すぐ避けろ!!」

 

通形は少女を抱えながら後ろへ、緑谷も素早く後ろへと飛んだその瞬間

彼らのいた地面にものすごい音を立てながら何者かが着地してきたのだ。

その者は小型のマスクを口につけた、彫りの深い顔にスキンヘッドの男。

 

 

「若に言われて来てみれば………まさか全滅しているとは」

 

 

 

 

死穢八斎會 鉄砲玉『八斎衆』

宝生結

 

 

 

 

 

「さあ。その娘を返してもらうぞ」

 

 

奴がそう言った瞬間、奴の体が謎の結晶で覆われた。

 

「まだ終わらないか……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行くぞ!!」

 

宝生が豪快に地面を蹴りぬきながら結晶により肥大化した腕を緑谷に振るって行く。

緑谷はそれを避けながら奴の後ろに回り背中に向かって拳を振るう。

 

「痛った!?」

 

しかしあまりの硬さに逆に緑谷の拳に強烈な痛みが走り怯んでしまう。そんな

彼に奴の巨大な裏拳が飛んだ。緑谷は何とか腕をクロスさせて防御するが殴り飛ばされ

周辺にあった電柱に背中を激突させる。

 

「う!?強いな.……」

 

緑谷は体に走る痛みに耐えながら体勢を整え拳を構えるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

死穢八斎會 鉄砲玉『八斎衆』

宝生結

 

 

「死ね!!」

 

宝生が結晶で覆われた巨大な腕を振り回す。その攻撃はあまりにも大雑把で広いものだった。

緑谷は冷静にスウェイ移動でその攻撃を避けていく。そして絶好のタイミングを見計らい

「捌き」で奴を後ろへと受け流す。そして後ろから腕を掴み極めようとした。しかし

その時奴の腕の結晶が鋭く変化する。

 

「う!?痛った!!」

 

「こざかしい!!」

 

突然鋭くなった奴の腕に緑谷の手が軽く切り裂かれてしまう。このまま掴みつづければ

緑谷の手がボロボロになってしまう。緑谷はや無負えず掴むのを辞めようとするが

その動きは読まれてしまっていた。

 

「おら!!」

 

「グァ!?」

 

結晶を纏った体による強烈な体当たりを緑谷はまともに食らってしまい前へと

吹き飛ばされてしまう。

 

「クソー……」

 

緑谷は素早くたちがる。それに対して奴はとどめを刺そうと再び彼に肩を向けながら

思いっきり突っ込んで行った。緑谷はそれに焦ることなくゆっくりと深呼吸する。

そして再び「捌き」を発動させ奴を後ろに受け流す。

 

 

△極

 

後ろに受け流された次の瞬間!緑谷は奴の後ろの首の裾を掴み足の関節を蹴って

体勢を崩させる。そして後ろから奴の顔面をひっぱたいた。

 

「う!?」

 

体勢を崩して怯んだ奴の体をグルグルと回転させる。目が回り体の体が鈍っていく

その時緑谷は回転の勢いを利用し奴の腕を掴み捻り上げることで極めていく。

 

「グァ!?」

 

「大人しくしろ!!」

 

捌き腕取りの極み

 

 

 

 

 

 

 

 

その流れで緑谷は奴を投げ飛ばす。奴の片腕は完全に破壊された。しかし

奴の戦意は衰えていない。片腕を抑えながらも立ち上がり緑谷を睨みつける。

 

「俺は負けん!若のために!!うおーーー!!!」

 

まだ動くもう片方の腕の結晶が更に肥大化する。巨大な塊とのなった腕を

奴はガムシャラに振り回した。緑谷はそれをスウェイ移動やジャンプで避けていくが

その攻撃は周りの建物に影響を与え始める。

 

「く!?あいつ周りのことはお構いなしか!?」

 

(これはまずい!決着を付けないと!)

 

緑谷はすぐさまタウリナー++を取り出し一気に飲み干す。すると緑谷の

体を青いオーラ。ヒートが包み込む。そして奴の攻撃の終わりのタイミングを

見計らいワンフォーオールで身体能力を一時的に強化する。そして奴の

所へと勢いよく走りジャンプした。そして奴の顔面にドロップキックを放つ。

 

「おりゃ!!」

 

「グハ!?」

 

顔面を両足で思いっきり叩きつけれたことにより奴は鼻を中心に広がっていく

痛みと共に地面に倒れた。緑谷はドロップキックの反動でクルリと空中で回転し

地面へと着地する。

 

 

△極

 

「それ!!」

 

緑谷は彼の両足を掴み交差させると、片足を脇に挟みつつがっちりとホールドをかけた。

そして足を持ったまま、そのまま自身の体を反転させると彼の体もうつ伏せに倒れる。

すると緑谷はその体勢になるとホールドした両足をおもいっきり締め上げた!!

 

「食らえ!!」

 

「ギャーーーー!!!!???」

 

そして彼の足と背骨が砕ける音が鳴り響くのだった。

 

 

追撃コンボ・テキサスクローバーホールド

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う……クソ……すいません若」

 

宝生はついに力尽きその場に倒れる。そんな奴を緑谷は静かに見下ろしていた。

 

(あの子を取り返すためにこんな危険な奴まで送り込んでくるなんて……

この子は一体何者なんだ?)

 

緑谷はそう言った疑問を抱えながらじっと通形に抱えられている少女を見つめるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後二人は警察に連絡し襲い掛かって来た組員たちを連行させる。そして

現場を警察に任せた後彼女をナイトアイ事務所に連れ帰るのだった、

そしてナイトアイに一連の出来事を説明する。

 

「……とういうことがありましてあの子を連れて帰って来たというわけです」

 

「そうか……それにしてもよく保護に踏み切ったな」

 

「いや~本当にびっくりしましたよ。緑谷君突然アイツに手錠をかけて……」

 

「な、なに!?」

 

通形の言葉にナイトアイは目を見開いて驚く。

 

「緑谷!治崎の個性の情報は共有したはずだろ!?なんでそんな危険なことを……」

 

「え、えっと……まああの子を助けたかったので……それにまあ結果オーライに

なったしいいじゃないですか。アハハ……」

 

「……ハア。まったく……そんなとこまでアイツに似なくていいんだ…」

 

困ったように笑う緑谷だったが彼の頭には彼女への心配があった。

 

 

(あの子を取り戻すために奴らはきっとまた誰かを送り込んでくる。

ロベリアのことと同じように警戒しておかないと)

 

 

 

 

 

 

その後少女の名前は壊理ということが発覚。彼女はしばらく事務所で過ごすこととなるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次回、サブストーリ編

 

ジムに行ったら何やら揉め事が?

願いをかなえる不思議な神社

壊理ちゃんのおねだり

 

の3本です

 

 

 

 

 




暴力……やはりは暴力は全てを解決する……。切島の影響もあり徐々に戦い方が
ヴァイオレンスになる緑谷。



では次回もお楽しみに
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