あさぎりヒューマン   作:アーっr

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二月初投稿です。


道を振り返る

 

 

 「なあ、何か、僕に隠していないか?」

 

 突然どうしたのだろう。暦は貴方に聞いてきた。

 隠していること·········ある。

 

 「あるのか!?」

 

 ある。おそらくあの“ヤンガンイタン”なる悪魔に関することであり、貴方がこんな姿になった事にも深く関係している隠し事が。

 

 「·········話して、くれないか?」

 

 ·········しかし、恥ずかしい。それに、怖い。

 

 「怖い?何がだ?」

 

 暦と友達で無くなってしまうかもしれないことが、何よりも怖い。

 

 「·········頼む。言ってくれ」

 

 ·········しょうがない。暦を、信じる。

 

 

 

 

 

 

 「俺は、嫉妬していた」

 

 「灰色の毎日。退屈で、変化が無く、何も進まないような毎日だった」

 

 「しかし、楽しんでいる者がいる。否、俺以外の殆どが、楽しんでいた」

 

 「お前達人間は、絶えず変化し、成長し続ける」

 

 「どうしてもお前達のようになりたかった。何を犠牲にしても、お前達のように楽しみたかった」

 

 「だが、俺は悪魔だった」

 

 「悪魔、すなわち怪異。俺は人になる事は出来ない·········はずだった」

 

 「道を、踏み外した」

 

 「悪魔としての道を、踏み外したんだ」

 

 「俺は、人になっていた」

 

 「楽しもうとした。かつて見たように」

 

 「だが·········うまくいかない」

 

 「俺に家族がいないのが原因だったのか?いや、違う。親がいない子でも楽しむ事は出来る」

 

 「俺に、問題があった」

 

 「正直に言おう。絶望した」

 

 「やっと、やっと人になれたのに」

 

 「俺は、楽しめない·········」

 

 「だが、お前が現れた」

 

 「なあ暦。お前が友達になってくれたんだ」

 

 「お前のおかげで、楽しむことができた」

 

 「だが·········ああ」

 

 「あの悪魔のせいで、踏み外した悪魔の道が元に戻ってしまった」

 

 「俺はまた、楽しめなくなる」

 

 

 

 

 

 

 

 「··················」

 

 暦は何も言わない。まあ、そうだろう。

 

 「俺は、お前がいてくれたから楽しかった」

 

 「なあ暦。俺と一緒に悪魔にならないか?」

 

 「え·········?」

 

 「悪魔になれば人の生活は出来なくなる」

 

 「でも、お前がいれば、きっと楽しい」

 

 「お前も、悪魔にならないか?」

 

 

 

 

 

 

 

 「·········僕にとっても、お前はいい友達だった」

 

 「でも·········悪い。僕は人として生きるよ」

 

 ·········そう、か。そうだろうな。

 

 「でもさ、朝霧。人として生きていく努力を、してみないか?」

 

 ·········?どういうことだ?

 

 「道、踏み外したんだろ?じゃあ、また出来るんじゃ無いか?」

 

 ·········!

 

 「それに·········」

 

 「僕は、お前とラーメン食いに行きたい」

 

 俺も行きたい。

 

 「ゲームもしたい」

 

 マリオカート8DXやりたい。

 

 「ははっ。今度は負けないぞ?」

 

 何を。俺にボコボコにされたくせに。

 

 「言ったなー!·········」

 

 「·········なあ、一緒に生きようぜ」

 

 ··················。

 

 「絶対、楽しいぜ?」

 

 「·········言ったな」

 

 

 

 

 

 

 




後一話
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