クロスオーバー世界 Knockers:Arc-en-ciel   作:おろさん

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『DONBROTHERS The Future -宵闇喰らい、少女ムラサメ-』第1話
(1話で綺麗に書き切ろうとしたから長くなったなぁ、まあ今後もそうなる可能性大きいし別にいいが)


ドン1話:あばれるみあとアバキセイラ

 後日、聖スカーレット女学院にて。

 

 

「フーンフンフフ~ン♪」

 

 女性のような風格を漂わせている、この学院の用務員を勤める男性が1人。名は『石動くろと』と言う。現在、所々に生えた雑草を抜き取っている。

 

 

「石動さん、おはようございます」

 

「おはようございまーす!」

 

 

「うん、みんなおはよー。」

 

 生徒たちに挨拶をされて、彼は軽く挨拶をする。

 

 

「あっ、琴月さん。おはよ。」

 

 

 と、そこで校門をくぐった生徒1人に、此方の方から挨拶をする。

 

 

「石動さん。おはようございます。」

 

 

 その生徒は、丁寧に挨拶をしてくれた。しかし、何だか疲れ気味な雰囲気を漂わせている。

 

 

「あらら、またそんなお疲れな感じ。まあ最近は大変らしいからねぇ。」

 

「ええ、それはもう……あの破天荒な転校生のお陰で色々と……」

 

 

 と、その生徒は言う。すると石動は……

 

 

「で、本日もしてやられてるわけで。」

 

 

「えっ?……あ。」

 

 生徒が横目で左方向を見る。……何だか気ままな雰囲気を漂わせる少女が、彼女の髪を食んでいる。

 

 

「むしゃむしゃ……」

 

「だああああああああっ!!!止めてと言ったら止めなさいよ何回繰り返しているのよぉぉぉっ!!!!」

 

 

 

*****

 

 

 

 何だか不思議な少女『村雨ルミ』が転校してきてから、ざっと1か月くらい経っていた。

 

 

 聖羅のメンタルは、まあまあボロボロになった。

 

 

 その理由は、この学院の理事長『スカーレット』が、ルミの面倒を見てもらう事を聖羅に頼んだことが発端だった。

 

 

 理事長曰く、ルミは『とある事情』により、世間的に言う『お嬢様』とは色々とかけ離れている所謂世間知らずであるため、当分の間面倒を見て欲しい、との事。そのため、ルミと聖羅が行動する機会が多くなった。転校初日に踏みつけられたのもあって、問題があり過ぎる事を悟った聖羅は徹底的にルミを矯正させる事を決めた。

 

 

 だがしかし。ルミは案外、作法や勉強自体は割としっかりしていた。専属の講師にも協力してもらってマナー等をルミに叩きこませようと思っていたが、最低限必要なマナーや作法は、完全完璧に出来ていた。

 

 聖羅は最初はこの事に関して疑問に思っていたが、この後はそれどころじゃなくなった。色々問題過多な部分が何かと発覚したのだ。例えば、授業中滅茶苦茶爆睡するわ、時折どこからか変なもの(着火済み花火や避雷針、虫やら見た事のない物体やらなど)を持ってくるわ、何をしているのかたまに滅茶苦茶制服を汚すわ、何故か隙あらば(聖羅の)髪を食まれるわ。

 

 そう言うルミのテンションに聖羅は引っ掻き回され、ここ最近、体を壊さない程度ながら物凄く疲れる。

 

 なのに肝心な時には作法もマナーも物凄くしっかりしていて、勉強も出来てかなり好成績を取り、運動神経の高さで体育面、特に剣道で好成績。ついでに料理もそれなりに出来る。総括してスペックが割と高い……なのに、普段はかなりのトラブルメーカーになる。

 

 このわけの分からない彼女の行動の差に対し、聖羅はあることを悟った。ルミはマナーや社交性が特に求められる場面に限って、適切な動作が自然と出来るだけ。たったそれだけであって、そう言ったものとそこまで関係が無い普段の時は大胆、ガサツ、マイペースな一面が強く出る。故に物凄く落差が激しいのだ。

 

 

 

 

「生徒会長さんも大変ね。先生もビックリなおちゃめな転校生がこの学院に来ちゃったんだもの。」

 

 

 放課後、アロマの香りが御香から漂う保健室にて。疲労でぐったりした態勢を何とか立て直そうとする動きをしながら、色々とルミの事を保険医『久留井』に話す聖羅。話を聞いた久留井は、ちょっと面白がっている。

 

 

「おちゃめって……そんなレベルではありませんよ……危うく生徒会の活動にも支障が出るくらい大変なんですから……」

 

 それに対して、呆れたようにそう言う聖羅。

 

「フフッ、冗談よ冗談。とりあえず琴月さん、今はちょっと休んでおきなさい。頑張り過ぎると体を壊しちゃうから。」

 

「それは……まあ、そうですよね。」

 

 久留井にそう言われ、此処は大人しく保健室のベッドに入って仮眠を取る事にしたようだ。

 

 

「久留井先生、ちょっといいですか?」

 

 と、そのタイミングで、学院長『波田野』が久留井を呼び出す。

 

「あら?どうしたのかしら心美ちゃん……じゃなかった、波田野学院長。……あ、ちょっと待っててね。」

 

 

 そして久留井が保健室を後にする。

 

 

「(まあ、たまにはこう言うのも有りですかね――)」

 

「ヘーイ元気してますかい!!!」

 

 仮眠を取ろうと思った聖羅だったが、カーテンが開き叩き起こされる。声の主はルミではない。だが聖羅からすると聞き覚えのある声だ。

 

「あ、彩音さんじゃないですか……」

 

 活発そうな感じのある、黒い長髪の少女。彼女は『彩音奏』と言い、聖羅の幼馴染に当たる人物だ。

 

「へいへい、ノリが悪いですよ聖羅ちゃんホント。というかいつもみたいに奏ちゃんって言っていいんじゃないですかぁ?」

 

「いや、学院内ではお互い名字って話でしたでしょう……」

 

 やけにノリの軽い物言いの奏でに対し呆れ気味の聖羅。

 

 奏は、ハッキリ言ってトラブルメーカーの面が強い。彼女は新聞部の所属で、学院内で起きた物事を新聞に載せていた。……ただし、写真を撮ったり特ダネを見つけた際の現場急行の過程で、隠し撮りをしたり廊下を全速力で走ったり、人に聞き込みをする時ぐいぐい迫るなど、ラインぎりぎりの行動を取る事が多い。ついでに、たまに更衣室に堂々とカメラ持ち込んで怒られることもしばしば。下手するとルミより酷い。

(まあ、隠しカメラを仕込む盗撮魔よりは遥かにマシではあるかもしれないけれども。)

 

 逆によく許されているなとは思うが、その分成績や作法は良い方だし、そして奏は実際に何度も学園内で起きそうになった事件を未然に防いだ実績が30を超えるために、理事長に大目に見られている。

 

 そう言うのもあって、問題解決に動くこともする生徒会の聖羅とは腐れ縁のような関係だ。

 

 

「で、わざわざ私の所に押しかけて来るとなると、何か特ダネでもつかんだのですか?」

 

「ええ、それはそれは中々興味深いものを。まずこれ見てくださいよ。」

 

 と言われ、奏に写真を見せられる聖羅。その写真には、廊下で黒いコートを着た人影が何かをしている様子が写っている。

 

「これは……?」

 

「肝心なのは、この黒い人の手元に写ってるコレですよ」

 

 写真を近づけられ、それに写る黒コートの手元を見てみる。それには、夜中の学院で、戸棚に置かれているアロマの御香を、黒コートが別の御香にすり替えている様子が写されていた。

 

「更に、似たようなのが何枚も撮れちゃいましてね。」

 

 さらに見せられた他数枚の写真には、化粧室の洗面所に置かれたスキンケア用品やハンドソープなど、それらも謎の黒コートが、瓜二つの見た目の別物にすり替えている場面が写っていたのだ。

 

「すり替え……?一体どういう事ですか。」

 

 聖羅の顔色が変わり、奏にどういう事かと聞く。

 

「私の推測ですと……すり替えた道具に、催眠作用のある薬が混ぜられているんじゃないかって思うのですよ。」

 

「催眠!?それまたどうしてその推測に行きつくんですか。」

 

 聖羅がそう聞くと、

 

「これに関しては、石動さんの証言が7割なんですよ。」

 

 奏は、用務員の男性の名を挙げる。その事を何故と聞いてみると、続けてこう言った。

 

「この写真を撮れた経緯として……まず最初に、石動さんに関するある噂の事を、私が直接石動さんに聞いてみた事が発端でした。

 

 

彼は、面接の際にこんな事を聞いたようでして。『この学院では、生徒の心を落ち着かせるために催眠の薬を使った用具を使用しているのですか?』と。その事を本人に聞いてみたらホントに言ってたそうなんですよ。どうやら鼻が利くとの事で。」

 

「そ、そんなあからさまな……そんな妙な事を聞いたのなら、何故彼は採用されているのですか。」

 

「そこで、石動さんの前任だった男の事も関係してくるのではと思いましてね。」

 

「……何故そこで前任が出てくるのでしょうかね?」

 

 その言葉を聞いて、少し顔をしかめつつもそう聞く聖羅。

 

 補足を兼ねて説明をすると、石動くろとは、ルミが転校する数日前に用務員としてこの学院に就職した人間だ。前任の男は、更衣室やトイレに隠しカメラを仕込んでいたのを奏に撮られ、回収されたカメラを証拠品として、警察に突き出されてクビになった。なので新しく用務員を雇う事になり、それで選ばれたのが石動くろとその人。

 

 所々偏見を持ちがちな大抵の若者からすると、わかりやすく中年と言う感じの前任の印象はまあまあ悪い。それに対し、学院長と同年代くらいで風貌も良く、フレンドリーな印象と女性のような風格を持つ石動は生徒からの定評も良かった。

 

「前々からここの用務員の採用理由がいささか不透明な気がするなと思っていたのですが、石動さんに面接時の事を聞いてみた時にあるものを見つけまして。これで、最初に言った推測に行きつきました。」

 

 と、奏は次にこんなものを取り出した。何かの道具の破片だ。それがジップロックにいくつも。

 

「これは……もしかして、すり替えられたスキンケア用品や御香の……!?」

 

 聖羅は、ソレが何なのかにすぐ気づいた。奏はこくりとと頷き肯定。

 

「処分されそうになってたのを見つけまして。これの事が気になって張り込んでみたらビンゴでしたよ。次の日確認して貰ったら、同じく粉々に解体された用品が見つかりました。」

 

「しかし、何故わざわざこのような事が行われているのですか。それに、石動さん及び用務員の話と結びつく気がしませんが……」

 

「え?……あやや、まあ流石にそうでしたね。普通ならこんな突飛な結論になりませんでした。……あー、ちょっとあれなので耳貸してくれませんか?」

 

 聖羅が首を傾げていたが、奏は聖羅の耳に顔を近づける。

 

「単純な事ですよ。犯人は、用務員を利用して何か破廉恥な事をしでかそうとしてたんですよ。」

 

「えっ。……ん?……ああ、そう言う、事ですか。」

 

 

 一瞬フリーズした聖羅だったが、察したようだ。

 

 

「本来はあの男でその手の計画を企てていたのに、私が彼を警察に突き出した故に破綻。次に面接を行った際には、石動さんに催眠の事を暴かれそうになり、外部に催眠の事が漏れるのを恐れたのかやむを得ず採用させた、と言う感じですかね。」

 

 聖羅が察したのを把握し、話を続ける奏。

 

「となると、催眠を仕込んだ犯人、おそらくこの黒コートとして怪しい人物が浮上してくるわけなのですが。

 

 

聖羅ちゃんは、ここだと学校関係者を採用する時に、面接官の役をやる人物が3人いるのは知ってますよね?」

 

「ええ。学院長と久留井先生、あと、理事長の秘書の『十六夜』さんでしたね。……そこが怪しいと言うのですか。」

 

 ちょっと睨む聖羅だったが、引き続き奏での話を聞く。

 

「はい。ですが、まあ分かってるとは思いますが、学院長は男嫌いで有名。それ故に用務員の採用時には久留井先生にも手伝ってもらっているという話をシスターから聞いています。故に、男が嫌いなハズなのに用務員を利用した企みをする理由が分からない。

(*補足:聖スカーレット女学院には教会が建てられている)

 

かと言って、久留井先生の可能性も低い。あれらの用品は久留井先生が用意しているもの。催眠を仕込むなら、わざわざ夜中にすり替える理由などありませんからね。……となれば、怪しいのは『十六夜』さんなわけです。」

 

 と、理事長の秘書だという人物が怪しいと言う奏。

 

「確かに、そう言った消去法なら一番怪しいですね。」

 

 話をある程度聞いて、聖羅はベッドから立ち上がる。

 

「まあ、流石にあの人を完全に犯人と決めつけるわけにはいきませんが、どの道不審人物は見逃せませんね。

 

 

今回もありがとうございます。話している間に休めた感じもするので、生徒会室に戻り、この事について対策を練らせておきます。」

 

 と、聖羅はこの場を後にする。

 

「いえいえ、こちらこそ。学院長にはこの事伝えたので、捕えるのは其方にお任せします。」

 

 奏は、保健室から出る聖羅に軽く手を振った。

 

「ふぅ……

 

 

 

まあ、ここまで台本通りですかね。」

 

 

*****

 

 

「催眠、ですか……」

 

 

 この時代、色々と事情があるようで『催眠』に関する法律が少し厳しい時代。仮に、理事長の秘書が犯人なのだとすれば、相当重い罪になるだろうし、理事長も責任を取らされるだろう。

 

 

「本当に理事長の秘書が犯人だというのなら、理事長はこの事を知っているのでしょうか……」

 

「ふぁふぃふぁふぃっふぇふぃふふぁっふぇ?」

 

 そんな聖羅は考え事をしていた時、多分『何が知っているだって?』と言ってるっぽい言葉が聞こえたので振り向くと、案の定と言うか、聖羅自身の結んだ髪を食んでいるルミがいた。

 

 

「――ってぇ!!毎度毎度っ!!」

 

「あうっ」

 

 ルミの顎辺りを手のひらで上方向に突いた後、その衝撃で開いたルミの口から髪を救出。すぐさま近くの化粧室に入ってよだれでべたついた髪を水とハンカチで入念に拭いた。

 

 

「はぁ……隙あらば髪を噛んで来るんですからほんと……まぁ学ばない私も私ですけれど……ん」

 

 すると、目の前にあるハンドソープに目が付く。

 

「(この中に、催眠作用のある薬を仕込んでいるのでしょうか……)」

 

 ハンドソープを手に取って見つめていると、

 

「って、そう考え事するに限って隙をついて来るんでしたわ」

 

「あぐっ」

 

 ルミがまた聖羅の髪を食もうとしてきたので、流石に横に避ける。

 

「全く、流石に一日に二度も……いやそれ以上隙つかれて髪を噛まれてましたけど……どの道なんでそう言う行動するんですか村雨さん貴方は。」

 

「だってつやつやなんだもん」

 

 避けられたので、ルミはふくれっ面で不満気そうにしている。

 

「そこ評価してくれるのは素直に受け取りますが……だったら平然と食まないでくださいって。それとも『油かけたらもっと輝くのでは』的な感覚でよだれをつけてるとでも?」

 

「普通に何言ってんの」

 

 物の例え交えた、らしくない指摘をしてみた聖羅。でも普通にマジレスされた。

 

「・・・。

 

すみません、今のは忘れてください……;;;」

 

 純粋に恥ずかしくなった聖羅であった。

 

「で、それはそれとしてそのハンドソープがどうかしたのさ。」

 

 と、手に取っていたハンドソープの事をルミに聞かれる。

 

「え?……あ、いや、何でもありませんわよ。」

 

 聖羅ははぐらかすようにそう言い、ハンドソープを洗面所に戻した。

 

「ふぅん……それならまあ言及しないけど……あ、それはそれとしてさぁ、ちょっと面白い話を聞いたんだけどいいかな?」

 

 その後突然、ルミが顔を近づけて来て、何か話を聞いてほしそうにし出す。

 

「話?……すみませんが、生憎今は――」

 

「数年くらい前だったかなぁ、そこら辺の時期に見つかった物質があるらしいんだけどさ。催眠効果?とか鎮静効果?ってのがあるらしいけど、これとは別でとっても不思議な性質があるの。」

 

 断ろうとした聖羅だったが、ルミはそれをガン無視して一方的に話し出して来た。

 

「その物質、柑橘系の汁をかけると、真っ黒い泡がブクブク出て来るんだって。ジェル状でも固形状でも黒い泡になってなくなっちゃうの。面白くない?」

 

「く、黒い泡?そう言えば、偶然見かけた理科実験の番組で見た事はありましたが……」

 

「あ、知ってるんだ。なら話が早いかな。1つの物質にああいうギミックがあるなんて、面白いと思わない?聖羅も心当たりあるやつにやってみたら?まあ場所考えるべきだけど」

 

 ルミはそう言って、聖羅に何故かくし切りレモンを1切れ渡してくる。

 

「え、あの、話の内容にしても何故このタイミングでレモンを……というか何処で仕入れたものなんですか」

 

「お弁当のから揚げにかけようかと思ったけど使わなかったやつ。いらないけど勿体ないからあげる。」

 

「そこは潔く廃棄する選択肢を選んでくれませんかね」

 

 すっごく呆れた表情を浮かべる聖羅。

 

「まあそう言うわけだから。それじゃ」

 

 と、一方的にそのまま立ち去ろうとするルミだったが……

 

「あの、村雨さん。1つ良いですか?」

 

「ん?」

 

 聖羅は止める。そして、ルミにこう聞く。

 

「村雨さんは、理事長の事をどう思っていますか?一応貴方、あの人の手引きで転校して来た身ですので気になりましたが……」

 

「んー、理事長さんかぁ。」

 

 手を顔につけながら、ちょっと悩むそぶりを見せた後にルミはこう言った。

 

「私あの人とそこまで関わった事無いからなぁ。そんなわかんないや。」

 

「そう、ですか……すみません、もう大丈夫です。」

 

「……そっか。」

 

 そのまま、ルミはこの場を後にした。

 

「(彼女は……理事長の手引きで聖スカーレットに転校して来た……もし、理事長の秘書が奏の言っていた件の犯人だとすれば、理事長に責任を問われる可能性が高い……

 

 

そうなったら、彼女は……)」

 

 そう考えながら、渡された1切れのレモンを見る。そして、さっきの話の事が気になったか、洗面所に置き戻したハンドソープの方を見つめる。

 

 

「確かこれは、すり替えられたままのものだったはず……そうでなければ先生に回収されていないとおかしいですからね。」

 

 

 そう言いながら、ハンカチに石鹸液を垂らす。その次にレモンを絞り、汁を一滴かけた。

 

 

「これは……!!」

 

 

 

 

 

*****

 

 

 

 

 

 そしてその夜。

 

 

 黒コートの服装をした怪しい人物が、学園内を歩く。

 

 

「回収されている、か……」

 

 

 戸棚に置かれているはずの御香、化粧室に置かれているはずのスキンケア用品、洗面所に置かれているはずのハンドソープなどが無くなっているのに気づく。

 

 

「見つけましたわよ。」

 

 

 と、その黒コートの後ろに誰か現れる。聖羅と、生徒会の副会長であろう少女だ。

 

 

「何を企んでいるかは分かりませんが……この神聖な学び舎に忍び込み悪事を働くというのならば、見過ごすわけにはいきません。大人しく縛に就いてもらいます。」

 

 

「まあ、そうなるわよね。とは言え、そう言うわけにも行かないの。」

 

 

 黒コートの人物は、聖羅とは逆の方向に逃げ出す。

 

 

「お願いします、学院長!!」

 

 

 と、聖羅の一声と共に、その方向に学院長が。

 

 

「報いは受けてもらう!!」

 

 

 学院長は黒コートを捉え、柔道技で叩き伏せる……その瞬間だった。

 

 

「セーフ、っと。」

 

 

 何故か黒コートは、学院長の目の前ではなく、真後ろの離れた距離にいた。

 

 

「なっ……!?」

 

 

 戸惑う学院長らだったが、その黒コートは今のうちにと逃げていく。

 

 

「っ、仕方ありません、学院長、穂波さん、此処は回り込みましょう!私はあちらの方から!」

 

 

 と言って、聖羅はやむを得ずと方向転換。

 

 

「え、会長!?」

 

 

 副会長は独断で走って行った聖羅に戸惑ったが、黒コートが逃げた位置の位置の予測はつくため聖羅とは別の方向に、学院長共々黒コートを追っていく。

 

 

 

***

 

 

「さて……」

 

 

 聖羅は、黒コートを追い……かけずに、向かったのは保健室。もしもの時にと数時間前に学院長に渡されていたマスターキーを使って、保健室に入った。そしてすぐに、戸棚に置かれてあるアロマの御香の元に近づく。

 

 そして取り出したのは、ルミに押し付けられたくし切りレモン1切れだ。

 

 

「ここまで来てしまった以上……確かめるしかありませんよね……」

 

 

 と言って、聖羅は躊躇いなく、その御香にレモンの汁を垂らす。……その瞬間だった。

 

 

「ひゃっ!!?」

 

 

 ちょっと変な声を上げてしまった聖羅だったが、急いで保健室から出て、戸を閉める。

 

 

 

 

 

 

 夜になる前、あの時、回収される前のハンドソープで試した時は、黒い泡など出なかった。最初は、ルミの話とは無関係なのだろうかとも思ったが、ふと『そう言えば』と思い出したことがあった。

 

 それは、保健室にあるアロマの御香だった。保険医の久留井が独自で作ったものだというあれだけは、すり替えようがないもの。本人が、『混ぜると鎮静効果があるという、珍しい物質を使って作った』と言っていた。それが、ルミの言っていたものと同じだとすれば。そう思って、レモンの汁を垂らした。

 

 

 

 

 

 

 

 その結果、出てきたのだ。『黒い泡』が。かつて理科実験のテレビ番組で見たソレと全く同じもの、柑橘系の汁を垂らすことで化学反応を起こす物質が発つ黒い泡が、保健室を覆うようにボコボコと出てきたのだ。

 

 ルミは、その物質には『催眠効果』も含まれていると言っていた。保健室が催眠薬を用意しているというのは聞いたことが無いし、仮にあったとしても学校の用品に混ぜるものじゃない。

 

 つまり。これがその催眠作用と鎮静作用を含んだ物質だという事は、『あの人』が生徒や教師たちにいつでも暗示をかけられるように仕込んでいた事になる。

 

 

 

「(黒コートが置き換えていたとされる用品には、あの物質は入っていなかった……つまりあの黒コートの人は、すり替えた用品に催眠作用が仕込まれていたのを知っていて、それで――)」

 

 

 

「あらら、バレちゃった?」

 

 

 と、その時。聞き覚えのある声……『あの人』及び、久留井の声が、聖羅の真後ろから聞こえて来た。

 

 

 

「く……久留井先生……」

 

 

 

 後ずさりする聖羅に対し、久留井は頬に手をつけながら、困ったような顔をしている。

 

 

「どこで知ったのかしらねぇ。アレが柑橘類の果汁に化学反応起こすって事。前に貴方にあの御香の事を教えちゃったのは、失敗だったわね。反省。」

 

 

 と言って、ため息をつく。

 

 

「けど先生がっかりよ?これって要するに、先生より、琴月さんが感じた違和感の方を信じたって事なんだから。やっぱり貴方、精神が強すぎるわねぇ」

 

 

 そして、聖羅にゆっくりと近づいてくる。

 

 聖羅は引き続き後ずさり。と、すると背中が誰かにぶつかる。誰かと思い振り向けば、学院長と副会長だ。

 

 

「が、学院長と、穂波さん……っ……!?」

 

 

 安心しそうになったが、2人の様子がおかしい事に気付く。

 

 

「2人とも、捕まえて」

 

 

 しかし逃げるのが遅れ、聖羅は2人に腕を捕まれてしまう。

 

 

「気づくのが遅かったわね。学院長(心美ちゃん)にも穂波さんにも暗示はとっくに仕込み済みよ。」

 

 

 と、笑顔で聖羅に迫ってくる久留井。

 

 

「久留井……先生、何故こんな……こんな事をして許されると……!!」

 

 ショックと怒りが入り混じった表情を向ける聖羅だが、久留井はそれを無視するかのように、何か喋りだした。

 

「私ね、中学の頃に性被害に遭った事があるの。道端にいたホームレスにいきなり襲いかられて、純潔を穢されちゃったのよ。」

 

「え……」

 

「その時の感覚が、今でも忘れられないの。事あるごとにあの時のことが脳裏に浮かび上がる。

 

 

……それくらい、最っっっ高だったの♡」

 

 

 そして久留井が浮かべていたのは、恍惚とした表情だった。

 

 

「その時私は理解したわ。みすぼらしい男に、一方的に追い込まれ、罵られ、穢される。その瞬間こそが、女が一番輝く時だって。

 

その快感を、貴方達にも広めようと思って、そこから勉強したの、催眠をね。」

 

 

 何を言ってるのか全く分からなかった。自分のやろうとしたことが悪事だと思っていないような久留井の物言いは、何か、狂気のようなものを聖羅は感じたのだ。

 

 

「学院内に仕込んだ催眠用の薬剤を利用して、用務員として雇った逞しい殿方にハーレムを提供する。そんな計画だったのだけれど、彩音さんの邪魔が入って破綻しちゃってね。その上、石動くろとに催眠の事に気付かれたせいで理事長側にも感づかれれちゃったみたいだし……

 

だから、こうなったらと理事長も手籠めにしたかったけれど、まさか用品をすり替えられていた上に、琴月さんにバレるなんて。ここまで上手く行かないと……ねぇ?」

 

 

 と、久留井の表情が、聖羅を睨むような風に変わる。

 

 

「まあ、こうなった以上はやるしか無いわね。もっとも、計画が停滞した時点でやるべきだったかもだけど……

 

 

琴月さん……貴方にも教えてあげる。女の一番の幸セヲ……ネ♪」

 

 

 その瞬間、バグ状の物体と『繧ス繝輔ぅ繝シ縺ョ繧「繝医Μ繧ィ(ソフィーのアトリエ)』の文字化け、何かのクレストが久留井を覆う。

 

 スライムモンスターが大釜に浸かっているような頭部を持つ、魔法使いのコートに近しい装飾が施された、そんな姿をした怪物『不思議鬼』に変貌したのだ。

 

 

「なっ……!!?」

 

 

 

 突然人間が怪物になるという唐突な出来事。聖羅は困惑と恐怖の感情が浮き彫りになっていた。

 

 先程の久留井の狂気を垣間見た事、そして何より、信頼していた人物がこのような面倒な方向に歪んでしまった人間だったという事実で動揺してしまったせいだろう。

 

 

「元々ノ精神ノ強サノセイカ、貴方ニハドウモ催眠ノ暗示ガ一切効カナカッタケド……」

 

 

 不思議鬼は、何やら有機物を沢山取り出したかと思えば、頭部の大釜部分に入れ込まれる。かき混ぜるような動作が行われた後に、奇妙な液体が出来上がる。そしてそれがコップに入れられた。

 

 

「原液ヲ飲マセレバ……一瞬デ堕ルハズ……大丈夫ヨ、死ニハシナイカラ……ネ♡」

 

 

 と言って、不思議鬼は聖羅に近づいてくる。

 

 

「っ……!!!」

 

 

 危機を感じて聖羅は逃げようとするも、副会長と学院長に手を掴まれているため逃げられない。副会長はともかく、学院長も力が強い故に振り払えないのだ。

 

 

「サァ、オ口ヲアーンシテ……」

 

 

 と、そうこうしていると不思議鬼は既に目の前に。無理矢理口を開けさせられ、さっき作成されていた液体を飲まされそうになる。

 

 

 

 

 

 その時だったか。横方向から何か飛んできて、床に直撃し爆発が起きたのは。

 

 

「っ!!?」

 

 

 何が起きたのか分からず戸惑う聖羅だったが、すると掴まれていた腕が放された。誰かが、爆発の煙に紛れて背後から副会長と学院長を気絶させたらしい。

 

 とその瞬間、聖羅の身体がふわっと浮き上がり――

 

 

 

「ナ、何事!!?ッテ……!!!」

 

 

 不思議鬼が煙を振り払うと、視界には聖羅がおらず、気絶し倒れた学院長と副会長だけ。

 

 

「作製能力を持つヒトツ鬼……その力で、催眠作用持ちの薬品を作っていたんだね。」

 

 

「誰ッ……!?」

 

 

 不思議鬼が後ろを振り返ると、そこにいたのは……

 

 

 

 

 

「む……村雨、さん……!?」

 

 

 それは、『村雨ルミ』だ。

 

(現在ルミにお姫様抱っこで抱きかかえられている)聖羅は、何が起きたのか良く分からず困惑したが、少なくともルミが自分を助けたという事は明確だった。

 

 そしてルミの表情は、聖羅から見て初めて見る、険しくもあり、冷たい目で相手を見ているようなものだった。現在ルミは何故かミッドナイトブルーのサングラスをしているが、それ越しでもそう言う表情をしているのが分かる。

 

 

 

「大丈夫かな、琴月さん?」

 

「え、ええ……」

 

 

 そのまま降ろされた聖羅は困惑しつつも、立って埃を払う。

 

 

「で、お前がその姿になるまで様子を見てたけど、随分好き放題しようとしてたね」

 

 

 そしてルミはため息をつきながら、同じく状況が分からずの不思議鬼に、呆れ気味にそう言って来た。

 

 

「ナッ……!?」

 

 

 

「み、見てたって、それってまさか……」

 

 その言葉を聞いた聖羅は、ルミが久留井の悪事を元から知っていたという事に気づく。

 

「そうだよ。転校する時(此処に来る前)に理事長に教えられた。」

 

 

 

「ソ、ソンナマサカッ……」

 

 

 

「そりゃそうでしょ。理事長だよ?怪しいところに気づいた時に何も対処しないわけないじゃん。それともお前、何か隠し通せる手でも持ち合わせてるから大丈夫だとでも思ってたの?」

 

 

 と、もっと呆れたような表情を不思議鬼に向ける。

 

 

「ホント、何から何までくだらないよ。お前がやろうとしたしょーもない価値観強要と言い、シンプルな犯罪行為の計画と言い、さ。」

 

 

 

「ショ……ショウモナイワケナイデショオオオオオオオ!!!?」

 

 

 不思議鬼は逆上し、攻撃をしようとする。

 

 

「遅い。」

 

【LunaType 03・Murasame】

 

 

 その前に。不思議鬼に、突如斬撃が3つ飛んできて命中。

 

 

「ウ……!!?」

 

 

 

「そのテンプレートには慣れてるの。」

 

D Shark Lumia Chain Sword(D鮫・ルミアチェーンソード)

 

 

 ルミの手元には、片刃チェーンソードと思しき、ミッドナイトブルーをベースに、紅と紫と黒色も含まれたカラーリングの武器があった。これで斬撃を放ったようだ。

 

「村雨さん、それって……」

 

「琴月さんは下がってて。後は私がやるから。」

 

 

 そう言って聖羅を下がらせたルミは、何やら歯車型のアイテム……『アバタロウギア』を取り出す。そしてそれを、峰辺りの部分に付く『ギアテーブル』のカバーを開け、セット。そしてカバーを閉じる。

 

 次に刃部分のフォアグリップを上部にまでスライド。

 

【Approve!!】

 

 手を放すとそれが元の位置にまで下がり、

 

【What's right!!?】

 

「アバター……チェンジっ!!!」

 

 そして最後に、トリガーを押す。

 

【Exrumia!! Midnight sharkness!!】

 

 

 その瞬間、放たれたギア状のエネルギーがルミの身体を包む。ルミの身体が、ミッドナイトブルーがベース(所々黒と紅と紫と銀)の装甲を纏い、かけていたサングラスも形状を変化させる。そしてその姿は、スーパーヒーローとも違う、ダークな雰囲気を漂わせていた。そして彼女は、こう名乗る。

 

 

「宵闇を喰らう者……字は、『エクスルミア』!!」

 

 

「エクス……ルミア……それが……?」

 

 

 壁際に隠れて様子を見る聖羅は、エクスルミアの姿を見て、困惑混じりの反応で驚いていた。

 

 

 

 

「良ク分カラナイガドウデモイイ……消エナサイ!!!」

 

 

 しびれを切らしたか、不思議鬼は問答無用で攻撃を開始する。

 

 

「ハッ!!!」

 

 

 接近して来た不思議鬼の打撃攻撃をエクスルミアは避け、チェーンソードを振り下ろし攻撃。

 

 

 不思議鬼を弾いた後、次にチェーンソードに付いているディスク部分を一回転させる。

 

【LunaType 01・Kirisame】

 

 トリガーを押した瞬間、エクスルミアの姿が消え、周囲に紅色の霧が発生。

 

 

「ナッ、ドコニ――ギャッ!!?」

 

 

 と、不思議鬼の背後に何やら斬撃攻撃が命中。それが何度も繰り返される。

 

 

「小癪ナッ!!!」

 

 

 不思議鬼は、頭部の大釜部分に霧を吸い込ませ、作製するは、スライムモンスターみたいな風貌をした大量のミサイル。それを周囲に乱射し、辺り一面が爆発とその煙で覆われる。

 

 

「コレナラ――」

 

 

 

「残念フラグだよ」

 

【DUMMY DONBLASTER】

 

 と、エクスルミアは不思議鬼から離れた位置にいつの間にかおり、黒い銃型のアイテムで発砲。そして命中。

 

「ッ!!!?」

 

 

 

「す、すごい……何が何だかですが、村雨さんが優勢です……」

 

 

 

「マ、マダヨッ!!!」

 

 今度は、大量の銃弾を作製して放つ。しかもドリルのように回転しており、(ミサイル乱射の時の)煙をかき消している。

 

 

 

「うえ、そう言うのもあるの?……なら、ここはこれで。」

 

 するとエクスルミアはベルトのバックルから、別のアバタロウギアを取り出す。ギアを付け替え、もう一度フォアグリップをスライド。

 

【Approve!!】

 

【Mash up!! 『リコリス・リコイル』!!】

 

「ふぅ……アバターシフト!!」

 

【Avatar!! 『DirectAttack』!! Is that so!】

 

 

 トリガーが押されると、ギア状のエネルギーから何やら赤色制服の白髪少女の幻影が現れた。

 

 

「え、どちら様!?」

 

 

 聖羅がそう思ってると、その幻影がエクスルミアの方に入っていく。

 

 

「よしっ!!」

 

 

 するとエクスルミアは、不思議鬼が放つ銃弾に向けて走っていく。

 

「馬鹿ナ事ヲ――アラ?」

 

 驚くことに、エクスルミアは次々と放たれる銃弾を軽やかに避けていく。何発撃っても何発撃っても、全く当たらない。

 

 

「隙ありっ」

 

 

 と、エクスルミアは隙あらば銃型武器で撃っていく。銃弾を避けては何度も撃つ。

 

 

「ガッ、ッアッ!!コノッ……!!!」

 

 

 劣勢状態の不思議鬼は、作製のために、戸棚など周囲の物体を大釜の頭部に取り込む。そして作成したは、先程と同じの何だかスライムモンスターっぽい見た目のミサイル。

 

 

「それはもういいから。」

 

 

 と言ってエクスルミアはまた1つギアをバックルから取り出し、チェーンソードにセット。

 

 

【Mash up!! 『パトレンジャー』!!】

 

「アバターシフト!!」

 

【Avatar!! 『警察戦隊』!! Is that so!】

 

 警察のような風貌の戦士の幻影を纏うと、メガホンのようなアイテムが装備され、それを口元に近づける。

 

「『そこのミサイル!止まれ!!』」

 

 

 メガホンを通してそう言い放つと、何とミサイルが止まる。

 

 

「『全員整列!!右に回れ!!全体進め!!』」

 

 

 続けてそう言うと、ミサイルが整列、不思議鬼の方向に向き、直進。

 

 

「エッ、何ソレッ、アアアアッ……!!?」

 

 

 困惑した不思議鬼に見事直撃。

 

【撃退!ダメ!ゼッタイ斬り!!】

 

 

 メガホン型アイテムからロッドが伸び、電撃を纏わせたそれで不思議鬼に斬撃の攻撃。

 

 

「ッ……コ、コウナッタラ一時撤退――」

 

 

 

「逃がさない……引き続き実力行使!!」

 

 次にエクスルミアは、またチェーンソードのディスクを回転させる。

 

【LunaType X(Cross) 『パトレンジャー』 Style changing!!】

 

 

 そしたら今度は、右腕にクレーン車のような人間大サイズの大砲『クレーンバズーカ』が装着される。

 

 

【警察ブースト!】

 

 

「ストロング撲滅突破!!」

 

 クレーンからドリルが放たれ、逃げようとした不思議鬼に対し直撃。

 

 

「アアアアッ!!!?」

 

 

 学院の壁ごと爆発し、外に放り出される不思議鬼。

 

 

「ハッ!!!」

 

 

 と、それを追撃するように、エクスルミアはクレーンバズーカのクレーンで不思議鬼を引っ掛け、空中で振り回す。ある程度まわしたらソレを地面に叩きつけ、ついでにクレーンを伸ばしパンチ攻撃の如く直撃させた。

 

 

「ッア……コンナ……コンナ……認メナ――」

 

 

「残念ながら、終わりにするよ。」

 

 

【Approve!!】

 

 再びチェーンソードのフォアグリップを上部分にスライドさせ、今度はディスク部分を4回転させる。

 

【Party Time!!】

 

 

 そうすることで、チェーンソードが光を纏い、その光が結構な長さに伸びて螺旋を描く。

 

月夜滅衝(げつやめっしょう)……ムーンライトブレイク!!!」

 

【LunaType Overdrive!! D Lumishark Punishment!!】

 

 トリガーを押すと同時に、チェーンソードを不思議鬼の方向に突き出す。そうすることで、纏っていた光がレーザービームの如く放たれ……

 

 

「アアッ!?ッ……グッ……ギャアアアアアアアアア!!!!」

 

 

 不思議鬼に見事命中、そして貫通し、不思議鬼は派手な音と共に爆散した。

 

 

「さて、と……」

 

 

「村雨さん……貴方は、一体……?」

 

 物陰に隠れて状況を見ていた聖羅が、外に出てエクスルミアの元に。

 

「ん……あ、ちょっと待った!!」

 

 するとエクスルミア何故か制止。すると……

 

 

「え?……ひゃっ!?」

 

 

 警報音と共に、爆発した場所にエネルギー状のバリゲードが、三角形に囲うように出現。『蟾ィ螟ァ蛹(巨大化)』の文字化けが表示された瞬間、禍々しい紫色の炎が天に向かって放たれる。

 

 

「こ、これは……!?」

 

 

 そんな事が起きると、更には周囲にホログラムのようなエネルギーが浮かび上がり、炎と共に天に上がっていき……

 

 

 

***

 

 

 

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

 

 そうして浮かび上がる、『脳人レイヤー』と呼ばれる空間に形成された、未来都市のような電脳バトルフィールド。そこに、倒したはずの不思議鬼……否、胸部に鬼の形相が浮かび上がった黒色ベースの身体、巨大な鎧の腕らしき銀色の両腕など、頭部以外の見た目が多少変わっている。欲望が暴走して更に変貌した『不思議鬼ング』が出現した。

 

「ウオオオオオオオオオオオアアアアアアアア!!!!」

 

 不思議鬼ングは不思議鬼の行動時のソレと同様、周囲の物体(この場合電子部品状のブロック建設物)を頭部に取り込ませ、爆弾を生成し周囲にばら撒く。その爆発で、更に周囲の建設物が壊れていく。

 

 

 

***

 

 

 

「な、なななななっ、何がどうなっているんですか!!?勝手に建物が……!!!」

 

 

 一方、現実の方は大変な事になっており、不思議鬼ングが取り込んだり壊したりした建設物にリンクするように、こっちにある周囲の建物が粒子状になって消えたり壊れたりしていく。その様子を見て聖羅は余計に大混乱。

 

 

 

「とうとう私にも、このパターンが来たのね……!!!」

 

 

 崩れてくる建設物を黒い銃で撃ち抜きながら、エクスルミアはそう言っている。

 

 

「え、どういう意味で――ひゃああっ!!?」

 

 

 聖羅はどういう事なのかと聞こうとしたが、後ろの方から崩れる建設物が落ちてくる。

 

 

 

「全く、危ないわね。」

 

 

 直撃する瞬間に、聖羅はいつの間にかそこから離れた位置にいた。隣には、学院内に現れていた黒コート。どうやらこの人物が聖羅を助けたらしい。

 

 と、その黒コートがフードを外す。その容姿は、銀髪ボブカットで、もみあげ辺りを三つ編みにしている髪型の、青系の色をした瞳を持つ女性だった。そしてその姿もまた、聖羅は見覚えがある。

 

 

「やっぱり、用品のすり替え自体は貴方がやっていたんですね……『十六夜』さん。」

 

 まさに、理事長の秘書に当たる人物『十六夜』だ。

 

「色々言わないといけないけれど……貴方が真実に辿り着いてくれた事は喜ぶべきかしらね。」

 

 と、目を瞑りながらそう言う十六夜。するとエクスルミアの方を向いて

 

「理事長からの指示よルミア、琴月さんは私に任せて、久留井のヒトツ鬼を頼むわ!」

 

 

「言われなくたってそのつもりだから。」

 

 対するエクスルミアは、何処からか現れた黒色の大きめバイクに乗り、走っていく。その後、何やら道路に敷かれた不思議なジャンプ台でバイクを止め、上空にある脳人レイヤーへ突入。

 

 

***

 

 

「アノ快感ヲ!!!私ハアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 

 そして不思議鬼ングの元に辿り着くエクスルミア。相手は金棒のような剣『鬼険棒』を2本持ち、振り回してこちらに攻撃しようとする。

 

 

***

 

 

「アイツが言っていたイレギュラータイプのヒトツ鬼ング……11年の時を経て、ついに来たのか……」

 

 上空の様子を見る人物が1人。紫色ベースで、胸部、靴、腕、脇からふくらはぎまで辺りが、白色装甲のスーツの戦士。声的に変身者は青年のようだ。

 

 その青年が取り出すは、鳥モチーフと思しき紫色ベースのガトリングガン。そこに、アバタロウギアとも違う歯車型アイテム(紫のカラーリングで番号『16』が記されている)を取り出して、逆向きに装填。その次に銃に付くレバーをグルグル回す。

 

 そしてトリガーが押されると、脳人レイヤーに黒いティラノサウルスのようなロボットが呼び出された。

 

 

***

 

 

 その瞬間、周囲に電子基板の様な赤いエフェクトが出現し、バイク『Dブラックロスライドン』が右半身、その黒いロボ及び『ブラックジュランティラノ』が左半身としてそれぞれ変形、合体する。

 

 

【DD Blacrosskaioh!! Ankoku no Fever!!】

 

 

 そして出来上がったのは、『DDブラックロスカイオー』と呼ばれる巨大ロボだ。

 

 

「アアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

 

 不思議鬼ングはその姿を見るや否や、作製した誘導ミサイルを放つ。

 

 

「さーてと……じゃあ『Dレッグバスター』!!」

 

 

 ロボのコックピットに転送されたエクスルミアが早速そう言うと、ブラックロスカイオーの右肩についていたギアのようなパーツがその右脚に付けられ回転、弾幕が発射され、ミサイルを撃ち抜いて行く。

 

 そしてすべて撃ち落とした後は、そのまま不思議鬼ングの元に接近しキックを喰らわせる。

 

 

「ガァッ!!?」

 

 

 そして吹き飛ばす。続いて、立ち上がって来た不思議鬼ングに右腕に付いてる剣で攻撃。また、鬼険棒による攻撃を、左腕にある盾で防ぐ。

 

 

「グ……アアアアアアアアアアアアア!!!」

 

 

 不思議鬼ングは、また周囲の物体を取り込み作製を行う。爆弾を大量に生成し、周囲を無暗に爆破していく。

 

 

「それはもういいからって言ったでしょうが!!!」

 

 エクスルミアは引き続き『DDブラックロスカイオー』を操作。上方向に跳び上がり、爆発を軽く避けた。

 

 

「グググ……!!!オオオオ――……ン?」

 

 

 不思議鬼ングはもう一度作製を行おうとしたが、何も起こらない。

 

 

「あーあ、無暗に材料にするから。」

 

 

 エクスルミアのその言葉を聞き周囲を見回してみると、作製の材料に出来そうなものが1つも無くなってしまっていた。

 

 

***

 

 

「周囲が……さ、更地、に……」

 

 脳人レイヤーの建設物とリンクしていた建物が丸ごと無くなってしまったため、現実の方ではこれでもかと言うほどの更地に。あまりにもあんまりすぎて、聖羅はドン引きした上気絶しそうになっていた。

 

「自棄になった結果ねこれは……」

 

 十六夜は呆れていた。

 

 

***

 

 

「はっ、せいっ、たぁっ!!!」

 

 

 作製による攻撃手段を失った不思議鬼ング。エクスルミアはDDブラックロスカイオーを操作して、剣を振るいまくる。

 

 

「ガッ、ッ、アアッ!!!ヤダッ、イヤダッ!!」

 

 

 攻撃された弾みで鬼険棒を2本とも落とし、取り出したロッドの魔法攻撃も防がれ、また攻撃されロッドも落とす。そして、不思議鬼ングは完全に追い込まれる。

 

 

「じゃ、これで終わらせるから!!!」

 

 

 ルミがそう言うと同時に。右肩のギアが回転し、剣にエネルギーがチャージされる。

 

 

「『DD暗黒(ブラックダーク)ラッシュ』!!」

 

 

 縦一文字に剣を振るい、ギア状のエネルギーが不思議鬼ングに命中。トドメに、剣を突き出してそれを押し出し、不思議鬼ングの身体に貫通させる。

 

 

 

「イヤ……ソンナ……イヤダアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」

 

 

 そして、不思議鬼ングはそのまま爆散した。

 

 

「これで……大勝利!」

 

 

 DDブラックロスカイオーを着地させたと同時に、爆散した不思議鬼ングからはアバタロウギアが1つドロップされた。

 

 

*****

 

 

「これは……」

 

 

 その『ソフィーのアトリエ』のギアを、聖羅がキャッチ。

 

 

 

「これで『4つ目』、か。」

 

 

 そして紫と白い色をした戦士は、その様子を確認した後、どこかへと去って行った。

 

 

***

 

 

 その後。不思議鬼ングが材料に変換していた建設物が、すべて元に戻っていく。

 

 

「あ、そこはちゃんと元に戻るのですね……」

 

 

 聖羅が安心していると。

 

 

「なんで……こんな、はずじゃっ……」

 

 

 浮かび上がっていた脳人レイヤーが姿を消し、元に戻った久留井が地面に倒れこむ。

 

 

「女のっ、あるべき幸せを……悦びを……感動を……どうして理解してくれないの……?」

 

 

 と、すぐに立ち上がり、よろよろと聖羅と十六夜の方に迫って来る。聖羅の前に十六夜が立ち、守ろうとする動作を行っている。

 

 

 

「何も分かってないんだね、君。」

 

 

 その時。久留井から、どす黒い霧状のエネルギーが出て来て、それが後ろ方向……変身を解いていたルミの元に。ルミは口を開け、そのエネルギーを吸い込み喰らって行った。

 

 

「あ……あ……」

 

 

 エネルギーが全て吸い込まれた後、久留井は再び地面に、ぐったりと倒れていった。

 

 

「んー、それなりの味。」

 

 

「村雨さん……今のは一体……久留井先生に何をしたんですか?」

 

 

 聖羅が複雑そうに、久留井に目線を向けつつルミにそう聞く。

 

 

「何って……ああ、そっか。君は見たことないからよく分からないのね。」

 

 

 少し首を傾げたルミだったが、納得したように続けて、こう答えた。

 

 

「……食べたんだよ。あの人の『悪意(度が過ぎた欲望)』を。

 

 

 

 

私はそう言う力持ってる『ノッカーズ』だから。」

 

 

「えっ……?」

 

 どこかで聞いた事のあるような、重要そうな単語が聞こえて、少し驚く聖羅。

 

 

「そう、『ノッカーズ』。11年前に発生した『オルタレイション・バースト』を機に定期的に出現するようになった、特殊な力を得た人類の総称……『村雨ルミ』はその1人。まあその中でも色々と特殊なんだけど。」

 

 

 そこで、説明混じりの発言と共に誰かが近づいてくる。その姿は、少し幼い雰囲気を漂わせる、身長低めで、ウェーブのかかった青白い髪で深紅の瞳を持つ女の人。彼女は……

 

 

「さて、琴月・ミカエラ・聖羅。そろそろ説明する必要があるわね。私が何故、村雨ルミを聖スカーレット女学院に転校させたのか。

 

 

 

結論から言うと、彼女を貴方の『ボディーガード』にするためよ。」

 

 

「え?」

 

 

 その女性……聖スカーレット女学院の理事長『スカーレット』にそう言われた聖羅は、ルミの方向を1回見た後フリーズし……

 

 

「・・・な、

 

 

 

 

 

なあああああああああああああああああああああああああああああっ!!!!?」

 

 

 

 

―――――

 

 

「じかーい じかい。

 

その日、私の日常はより一層変わった。おとぎ話だと思ってた事が本当だ何て誰が思ったでしょうか。

 

ヒーローに怪物、別種の超能力者、宇宙から来た存在、異邦人等々盛り込まれていて、しかも知ってる人は時間停止能力持ちにに吸血鬼!?私が知らなかった事ちょっと多すぎません?まあ動く饅頭や心を持つロボットみたいなのは認知してますけど。

 

……え、『11年以上前の話にも関わらず何も知らなかったお前が悪い?』『今じゃとっくに当たり前のことなのに無知過ぎない?』ですって?いや、ちょっ、誰ですかハッキリ言ったの!!覚えておきなさいよ!!?

 

 

ドン2話『ヒーロー、いろとりどり』と言うお話 (by聖羅」

 

 

 




NEXT
Writing Start:『裂目揺交叉伝』



キャラ・用語

『D(シャーク)・ルミアチェーンソード』
村雨ルミが使用していたチェーンソード型の武器。片刃タイプ。某ライダー武器の『ゾンビブレイカー』と混ぜたイメージ。
アバタロウギアを使って『エクスルミア』に変身(アバターチェンジ)が可能。なお、変身時の『Midnight sharkness!!』の『sharkness』には『恐ろしさ』と言う意味もある(翻訳やったらそう出た)
また、『アバターシフト』と言う機能があり、誰かさん方のとは違って他のスーパー戦隊に変身できない代わりに、読み込ませたアバタロウギアの様々な機能を引き出せる。
音声は例の紫色の戦士の剣と同じイメージ。

『ヒトツ鬼』
出典:暴太郎戦隊ドンブラザーズ
人間の欲望に憑りつく鬼。ドンブラザーズ本編でも、様々な理由で人に憑りつき、人を襲う。
本編だと歴代の戦隊モチーフのヒトツ鬼がメインで出ており、今作では他作品モチーフのヒトツ鬼が登場。
出現するタイミングや憑依者、能力や行動などは、作品の元ネタに関するアレコレが元になっていたり、一種のディスペクトが籠められているようなものを持つ。
また、これらのヒトツ鬼を倒した場合、そのモチーフ元の力が籠められた『アバタロウギア』が手に入る。
欲望が更に暴走すると、蟾ィ螟ァ蛹(巨大化)の文字化けと共に、『脳人レイヤー』と言う空間を通じて巨大化して『ヒトツ鬼ング』になる。

『銃鬼』
繝ェ繧ウ繝ェ繧ケ(リコリス)
クレストイメージ:リコリス制服のエンブレム
モデル:銃モデル
スキン:不殺のエージェント
憑りついた人間:通りすがりの男性
欲望:強い力で好きなだけ暴れる
ドロップしたアバタロウギア:リコリス・リコイル
プロローグ、11年前にて突如発生したヒトツ鬼。人を超えた乱射の鬼となり、頭部や腕部分にある銃を乱射して攻撃する能力を持つ。
その行動原理は、不殺を貫いている錦木千束どころか、日本の治安を維持するために暗殺を行っているリコリス達とも真反対と言えよう。
ドロップしたギアに描かれているのは『錦木千束』。

『不思議鬼』
繧ス繝輔ぅ繝シ縺ョ繧「繝医Μ繧ィ(ソフィーのアトリエ)
クレストイメージ:プラフタ(本)の表紙のマーク
むかしむかし:久留井は中学の時から、催眠術を勉強していたそうな……
モデル:不思議モデル
スキン:摩訶不思議錬金術士
憑りついた人間:久留井
欲望:かつて体感した女の快感を広め続ける
ドロップしたアバタロウギア:ソフィーのアトリエ
保険医の久留井が変貌したヒトツ鬼。人を超えた薬作りの鬼となり、その能力で強い催眠用具を作成。その過程で、材料としてとある特殊物質を使用していた。
誰かのためと評し、自らの価値観強要と欲のために動き、他者の未来を歪ませるその姿勢は、ソフィーの目標と真反対な上、危険な錬金術を研究し続けていたとある錬金術士よりもタチが悪い。
見た目としては、頭部はアトリエシリーズ恒例の敵キャラ『プニ』と錬金術の大釜、身体はソフィーの服装(大きなコートとか)をイメージ。右手にロッドを、左手に本を持つ。
ドロップしたギアに描かれているのは『ソフィー・ノイエンミュラー』。

『不思議鬼ング』
スキン:摩訶不思議アトリエ
得意スキル:根絶やしの作製スキル
欲望が暴走し、不思議鬼が巨大化した姿。脳人レイヤーにあるブロックなどを吸収し兵器を作成していた。
その際、それとリンクしていた建設物が消滅するなどの事象が起きたが、倒された後にそれらは復元された。
両腕は『ソフィーのアトリエ』のキャラクターであるプラフタが使用する巨大な鎧の腕『ヘクセ・アウリス』を模している。


*補足

『錦木千束』
出典:リコリス・リコイル
『リコリス・リコイル』の主人公。秘密組織『DirectAttack』所属の、暗殺を許可されたエージェント少女『リコリス』の1人でありながら、ある出来事により不殺を心がけている(なので使用する銃弾は殺傷能力の無い特殊なもの)。
相手の照準と射線を正確に読み取ることが出来、その実力は至近距離からの銃撃ですら1発も命中しないレベルで回避するほど。
本作ではリコリス・リコイルのアバタロウギアにより、エクスルミアが千束と同等の回避能力を一時的にに得た。

『パトメガボー』
出典:快盗戦隊ルパンレンジャーⅤS警察戦隊パトレンジャー
『警察戦隊パトレンジャー』が使用する武器。雑魚敵を足止め出来る催眠音声を使用出来る『メガホンモード』と、近接攻撃の『警棒モード』の2つの機能を持つ。
本作ではパトレンジャーのアバタロウギアの使用で顕現。不思議鬼が繰り出した『プニプニ弾』と同等の性能と思われるミサイルを操り返した。
(*補足『プニプニ弾』:アトリエ作品に登場する攻撃アイテムの1つで、出来によっては自動的に攻撃する機能を持つ(この時の効果を『生きている』『活きがいい』と表現されている))

『クレーンバズーカ』
出典:快盗戦隊ルパンレンジャーⅤS警察戦隊パトレンジャー
VSビークル『トリガーマシンドリル』&『トリガーマシンクレーン』の使用で右腕に装備される大砲型武器。クレーンによる攻撃と、収納されたドリルを発射する技を使える。
本作ではパトメガボーと同様にパトレンジャーギアの力で顕現。
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