箭吹シュロ怪聞録   作:イッセ

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伍話

 

 

とある高層ビルのオフィスにて・・・・・

 

 

「・・・格下のチンピラごときでは、あの程度が限界か。せっかく最新鋭の重火器まで出したというのに、このザマとは。」

 

 

恰幅のよい機械の体をした人物が、今回の騒動に対する報告を受けていた。

 

どうやら、カタカタヘルメット団の使っていた重火器を提供していた人物であるようだ。

 

 

「ふむ・・・となると、目には目を、生徒には生徒を・・・か。専門家に依頼するとしよう。」

 

 

そう言うと、ディスクにある電話をおもむろにつかみ、何処かに連絡を入れるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「おやおやおや、どこの誰がヘルメット団を雇っているのかと思えばぁ、天下のカイザーグループでしたかぁ♪」

 

そのやり取りを、シュロはアビドスの廃墟から覗いていた。

 

 

前回の戦闘で、カタカタヘルメット団がどこかから物資の提供を受けていたことには気づいており、今回の黒幕が誰なのかをずっと探っていたのである。

 

 

『仕事を頼みたい、便利屋』

 

 

シュロの前には、透明な口が浮いており、その口からはカイザー理事とその電話先の声が発せられている。

 

 

「便利屋68・・・ゲヘナの生徒からなる不法会社ですか・・・うん♪面白そうですねぇ♪」

 

 

次のちょっかい先が決まったようだ。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

「それでは、アビドス対策委員会の定例会議を始めます。」

 

 

ところ変わってアビドス高校。

 

セリカ救出から3日が経過していた。

 

 

先の戦闘では、対策委員会の皆がケガを負っており、特に誘拐時に負ったダメージと脱出の際の激戦で、セリカのダメージが大きく。

 

2日は保健室での養生を必要とした。

 

 

とはいえそこはキヴォトス人。

 

 

3日目の今日には、セリカも全快して、こうして対策委員会の定例会議を開くことができたのである。

 

 

「本日は先生にもお越しいただいたので、いつもより真面目な議論ができると思うのですが・・・。」

 

 

司会を務めるアヤネが会議を進める。

 

彼女の言い方から、普段の会議がどんなものか少し想像がついてしまう。

 

 

「は~い☆」

 

「もちろん」

 

「何よ、いつもは不真面目みたいじゃない・・・。」

 

「うへ、よろしくね~、先生。」

 

 

「“うん、よろしく。”」

 

 

とはいえ、今回は大人である自分が参加するのだ。

 

少しでも彼女たちの力になろうと、気合いを入れる。

 

 

「早速議題に入ります。本日は私たちにとって非常に重要な問題・・・『学校の負債をどう返却するか』について、具体的な方法を議論します。」

 

 

・・・やはり、アビドスが抱える1番の問題は、この約9億という膨大な借金だ。

 

彼女たちの大事な学生時代を、全て借金の返済に費やすというのは、先生としても何とかしたいところである。

 

 

「ご意見のある方は、挙手をお願いします!」

 

 

「はい!はい!」

 

 

どうやら1番手はセリカのようだ。

 

 

「現状は毎月の返済額が利息だけで788万円!私たちも頑張って稼いではいるけど、正直利息の返済も追いつかない。このままじゃらちが明かないわ!何かこう、でっかく一発狙わないと!」

 

 

こうして聞かされると現状の厳しさが良くわかる。

とはいえ、彼女の声色から何やら良い案があるのだろう。

 

これは結構期待して・・・・・・・

 

 

「これこれ!街で配ってたチラシ!」

 

「これは・・・!?」

 

「どれどれ、『ゲルマニウム麦飯石ブレスレットであなたも一攫千金』・・・ねえ?」

 

 

・・・・・・・・はあ?

 

 

「そうっ!これでガッポガッポ稼ごうよ!」

 

 

「・・・・・・・」

 

「・・・・・・・」

 

「・・・・・・・」

 

 

沈黙が痛い。

 

・・・ギャクか?

 

いや、セリカの表情から本気で稼げると思っているのだろう。

 

 

「これね!身に着けるだけで運気が上がるんだって!で、これを周りの3人に売れば・・・」

 

 

笑顔が、笑顔がまぶしい。

 

こんなにイキイキと、明らかなマルチ商法に騙されるなんて・・・。

 

 

「却下―。」

 

「セリカちゃん・・・それ、マルチ商法だから・・・。」

 

「儲かるわけない。」

 

「えっ!」

 

 

委員会のメンバーから総ツッコミが入る。

 

 

「そもそもゲルマニウムと運気アップって関係あるのかな・・・。こんな怪しいところで、まともなビジネスを提案してくれるはずなんてないよ・・・。」

 

「そっ、そうなの?私、2個も買っちゃったんだけど!?」

 

 

・・・この子が会計をしていて良いのだろうか?

 

アビドスにいる間に、詐欺被害についての補習をすべきなのかもしれない。

 

 

「セリカちゃん、騙されちゃいましたね。可愛いです☆」

 

「まったく、セリカちゃんは世間知らずだね~。気を付けないと、悪い大人に騙されて、人生取返しのつかないことになっちゃうかもよ~?」

 

 

ホシノのいう通りである。

 

変な契約を結ばないように、言い聞かせるべきだろう。

 

 

「そ、そんなあ・・・そんな風に見えなかったのに・・・せっかくお昼抜いて貯めたお金で買ったのに・・・。」

 

「大丈夫ですよセリカちゃん。お昼、一緒に食べましょう?私がご馳走しますから。」

 

「“契約会社と契約日とかが分かるなら、クーリングオフも可能だから・・・後で書面の書き方教えてあげるね?”」

 

「ぐすっ・・・ノノミせんぱぁい・・・せんせぇぇい・・・。」

 

 

後でヴァルキューレに連絡しておこう。

 

 

「えっと・・・それじゃあ、他にご意見がある方は・・・。」

 

「はいは~い!」

 

 

どうやら次はホシノのようだ。

 

ホシノはアビドスの3年で一番の先輩である。

 

きっと良い意見を・・・・・。

 

 

「我が校の一番の問題は、全校生徒がここにいる数人だけってことなんだよね~。生徒の数=学校の力!トリニティやゲヘナみたいに、生徒数を桁違いに増やせば、毎月のお金だけでもかなりの金額になるはず~。」

 

 

おお!やはり先輩!

 

かなり的を射た見解である。

 

これは、その対策の方も期待ができ・・・・・

 

 

「だから~、他校のスクールバスを拉致ればオッケー!」

 

 

・・・・・・・ふぁ?

 

 

「はい!?」

 

「だ・か・ら~、登校中のスクールバスをジャックして、うちの学校への転入学書類にハンコを押さないとバスから降りられないようにするの~。うへ~、これで生徒数がグンと増えること間違いな~し!」

 

 

聞き間違いじゃなかった!

 

言ってることがメチャクチャだ!

 

・・・まあ、流石に冗談だろう。

 

きっとみんなも止めてくれる・・・・・・

 

 

「それ、興味深いね。ターゲットはトリニティ?それともゲヘナ?ミレニアム?」

 

 

シロコさーーーん゙!!

 

 

「ん、狙いをどこに定めるかによって、戦略を変える必要がある。大丈夫!こっちには指揮に特化した先生がいる!」

 

 

や゛め゛て゛~~!免職になる~~~~!!

 

 

「ちょ、ちょっと待って下さい!他校の風紀委員が黙ってませんよ!」

 

 

ア・ヤ・ネ!

 

君なら止めてくれると信じてたよ!!

 

 

「ん、ならやっぱりこの方法しかない。」

 

 

シロコ?

 

そうだよね、ちゃんと君も真面目な案を考えて・・・・・

 

 

「銀行を襲うの。」

 

 

予想してたよ畜生!!

 

「確実かつ簡単な方法。ターゲットも選定済み。市街地にある第一中央銀行。」

 

 

まって、止まって、続けないで~!

 

 

「金庫の位置と警備員の動線、現金輸送車の走行ルートは事前に把握しておいたから、後は近場のヴァルキューレからの応援時間を予測して、撤退までのシミュレートを詰めていく!」

 

 

私から見ても、成功しそうなほどにシミュレートしてる~~!!

 

 

「覆面とボストンバッグは用意してるから、約5分で1億は稼げる!」

 

 

やだ!この子準備いい!!

 

Sの覆面って私用!?!?

 

 

「犯罪はいけません!!」

 

 

良く言ったアヤネー!

 

先生、“ちょっと修正したら成功するな”とか考えちゃったよー!

 

 

「はあ、皆さん。もうちょっとまともな提案をしていただかないと・・・。」

 

「あのー!はい!次は私が!」

 

 

最後はノノミか・・・・。

 

先生、もう疲れちゃったよ・・・。

 

 

「・・・・・犯罪や詐欺は無しでお願いしますよ?」

 

「はい!私の意見はずばり!アイドルです!スクールアイドル!」

 

 

・・・・・・・・・・・・いいかも?

 

 

「ア、 アイドルですか!?」

 

「そうです!アニメで見たんですけど、学校を復興する定番の方法はアイドルです!私たち全員がアイドルとしてデビューすれば・・・。」

 

「却下。」

 

 

かなり良い意見に思えたが、ホシノが無慈悲にも却下を唱える。

 

 

「なんで?ホシノ先輩なら、特定のマニアに大うけしそうなのに。」

 

「うへ~、こんな貧相な体が好きとか言っちゃう輩なんて、人間としてダメっしょ~。ないわ~、ないない。」

 

 

・・・かなり良い意見だったのだが、生徒がしたくないのならそれはしょうがない。

 

しょうがないのだが・・・・・・。

 

 

「“ホシノ、それは違うよ。”」

 

「うへ?」

 

 

ここは先生として・・・いや、男として語らねばなるまい。

 

 

「“まず、日本における男性の性的思考としては小柄な女性の方が大柄な女性よりも人気がある、これは外国の場合は宛てはまならないんだけど、ことキヴォトスにおいては全体的に小柄な獣人が多いことからもグラマーな女性より、より身長の近い低めの身長をした女性が魅力に思われる可能性が高い。さらには、先生としてはセクハラになるかもだけど、胸の大きさも要は体系が崩れていなければ魅力的にとられる場合が多く、ホシノの身体的特徴を見るに下手に育っているよりもバランスの良い現状の方が魅力的と言える。また、童顔なことはアイドル活動において、有利に働く場合が多く、ホシノはオッドアイにアホ毛と特徴も確立されていて大変よろしい!さらにさらに!可愛らしい声や独特な話し方は大衆の記憶に残りやすく!小柄で可愛い女の子がめいいっぱい体を使って踊る様子は絶対に需要が見込めて!”」

 

 

「う、うへ~、せ、先生おちついて「“先生じゃない!プロデューサーと呼べ!”」うへ~(>_<)」

 

まだまだ言いたいことは山ほどある!

 

そもそも、生徒たちは自分の容姿に対して無頓着すぎるのだ!

 

普段の仕事中でも、私がどれほど目のやり場に困っているのか、わかってくれるだろうか!?

 

 

 

 

 

「いい加減にして下さ~~~い!!」

 

“ガッシャーン”

 

 

話しは進み、ホシノだけでなくシロコやノノミ、セリカにアヤネがどれだけ可愛いかを熱弁している最中。

 

アヤネが限界を迎えて、ちゃぶ台返しを披露することで、この話は流れてしまった。

 

 

 

その後、アビドスの皆と一緒にアヤネにめちゃくちゃ説教されるのだが・・・・・。

 

 

アビドスのみんなでアイドル活動・・・・結構やりたかった(´・ω・`)

 

 

 

 

 

「いやぁ~悪かったってば、アヤネちゃ~ん。ラーメン奢ってあげるからさ、怒らないで、ねっ?」

 

「・・・怒ってません。」

 

 

ぐだぐだに終わった定例会議でアヤネの機嫌を損ねたアビドスの面々は、ご機嫌取りのために紫関ラーメンへと来ていた。

 

 

「はい、お口拭いて。はい、よくできましたねー☆」

 

「赤ちゃんじゃありませんからっ。」

 

「アヤネ、チャーシューもっと食べる?」

 

「(もごもご)ふぁい。」

 

 

・・・からかい半分でもあるようだが、だんだんアヤネも機嫌を直しているようだ。

 

 

「・・・なんでもいいんだけどさ。なんでまたウチにきたの?」

 

「“いや、ラーメン美味しいし。アヤネも機嫌なおってきたし。・・・お財布にもやさしいし。”」

 

「・・・最後の小声は聞こえなかったことにしたげる。」

 

 

アルバイト中のセリカと皆を見ながらやり取りをする。

 

・・・これは内緒だが、制服姿のセリカが見られるというのも、この店の良い所だ。

 

 

 

“ガタッ、ガラガラッ。”

 

 

そうしていると、店の入り口が音をたてて開く。

 

隣にいたセリカも、新しい来店客へと対応しに行った。

 

 

「・・・あ、あのう。」

 

「いらっしゃいませ!何名様ですか?」

 

「・・・こ、ここで一番安いメニューって、お、おいくらですか?」

 

「一番安いのは・・・・580円の紫関ラーメンです!看板メニューなんで、美味しいですよ!」

 

「あ、ありがとうございます。」

 

“ガララッ”

 

「???」

 

 

何気なしに見ていたが、少しおどおどした様子の少女は、一番安いメニューの料金を聞いて、そのまま出ていった。

 

・・・まだ、店外にはいる用だけど?“ガララッ”・・・っと思ったら帰ってきた。

 

今度は複数人で来たようだ。

 

 

「えへへっ、やっと見つかった、600円以下のメニュー!」

 

「ふふふ。ほら、何事にも解決策はあるのよ。全部想定内だわ。」

 

「そ、そうでしたか、さすが社長、何でもご存知ですね・・・。」

 

「・・・はあ。」

 

 

どうやら4名での来店らしい。

 

濃いキャラクターをしている面々だ。

 

失礼にならない程度に、そちらに意識を向ける。

 

 

「4名様ですか?お席にご案内しますね。」

 

「んーん、どうせ1杯しか頼まないし大丈夫。」

 

 

・・・そういえば一番安いメニューを聞いてたな・・・金欠なのだろうか?

 

 

「1杯だけ?・・・でも・・・どうせならごゆっくりお席にどうぞ。今は暇な時間なので、空いてる席も多いですし。」

 

「おー、親切な店員さんだね!ありがとう、それじゃあお言葉に甘えて。」

 

 

・・・近くの席に案内されてくる。

 

視線は向けないように、だけど耳だけはそちらに集中する。

 

 

「あ、わがままのついでに、箸は4膳でよろしく。優しいバイトちゃん。」

 

「えっ?4膳ですか?ま、まさか1杯を4人で分け合うつもり?」

 

「ご、ご、ごめんなさいっ。貧乏ですみません!!お金がなくてすみません!!」

 

 

・・・なんとなく想像していた通りだが、フォローにまわるべきだろうか?

 

 

「そんな!お金がないのは罪じゃないよ!胸を張って!」

 

 

・・・・・うん。心配はいらないだろう。

 

やはりセリカは良い子だ。

 

意識を食べかけのラーメンへともどす。

 

 

・・・しかし、彼女たちも生徒なのだろうか?

 

2人は頭から角をはやしていたし、おそらくゲヘナの生徒だろう。

 

小遣いをためて食べにきたのだろうか?

 

紫関ラーメンは料金のわりに量もあるし、4人で分けてもある程度楽しめるだ「はい、お待たせしました!お熱いのでお気をつけて!」“ダンッあ!”!?!?!?

 

 

やけに重い音に、思わず目を向ける。

 

見ると彼女たちのテーブルには、10人前はあるだろう超大盛ラーメンが置かれていた。

 

 

「ひえっ、何これ!?ラーメン超大盛じゃん!」

 

「こ、これはオーダーミスなのでは?こんなの食べるお金、ありませんよう・・・。」

 

 

あまりの大きさに、彼女たちも圧倒されているようだ。

 

・・・これは、やっぱり。

 

 

「ちょっと手元が狂って量が増えちまったんだ。気にしないでくれ。」

 

 

・・・やっぱりというか、ニヒルに笑う大将が言う。

 

かっこいいな、この大人。

 

私がキヴォトスに来て出会った中でも、トップレベルに良い人だ。

 

 

「よくわかんないけど、ラッキー!いっただきまーす!」

 

「ふふふ、流石にこれは想定外だったけど、厚意に甘えてありがたくいただきましょうか。」

 

“ズズズズッ”

 

「「「「お、美味しい!!」」」」

 

 

そうだろうそうだろう♪

 

この料金と量でこのクオリティー

 

私が食べてきた中でも、トップレベルのコスパと味をしている!

 

・・・・いや、なぜに私が得意げなのか。

 

 

「でしょう、でしょう?美味しいでしょう!」

 

「あれ?・・・隣の席の。」

 

 

と思っていたら、早速ノノミ達が絡みにいっていた。

 

隣を気にしていたのは、私だけではないようだ。

 

 

「えへへ、私たちここの常連なんです。他の学校の皆さんに食べていただけるなんて、なんか嬉しいです・・・。」

 

「その制服ゲヘナ?遠くからきたんだね。」

 

 

アヤネやシロコも続く。

 

やはり地元の店をほめられるというのは、アビドスに住む人間として嬉しいのだろう。

 

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・!・・・。」

 

「うふふふっ!いいわ、こんなところで気の合う人たちに会えるなんて。これは想定外だけど、こういう予測できない出来事こそ人生の醍醐味じゃないかしら。」

 

 

 

・・・・うん、仲良くなれたようでよかった。

 

シロコ達も楽しそうだし、アルという子も良い子のようだし・・・。

 

私は気配を消して見守ることにする・・・・・。

 

 

 

 

 

 

「「・・・・・・・・・・・」」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

(何かに気付いたようなあっちの2人と、ホシノが警戒しているようだしね。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ気を付けてね!」

 

「お仕事、上手くいきますように!」

 

「あははっ!了解!あなた達も学校の復興、頑張ってね!私も応援してる!」

 

 

社長がラーメン屋で仲良くなった娘たちと、別れの挨拶をかわしている。

 

お店の子もだけど・・・・常連と言ったあの子達も、とっても優しい子達だった。

 

社長も気があったようで仲良く互いを応援し合っていた・・・・・・・・・・・だけど。

 

 

「社長。・・・あの子たちの制服、気づいた?」

 

「えっ?制服?何が?」

 

 

・・・やっぱりというか社長らしいというか。

 

店から少し離れた先で、社長に改めて彼女たちの所属に気づいているかを確認すると、案の定な反応が帰ってきた。

 

 

「ははは!アビドスだよ、あいつら。」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 

ムツキの指摘に固まる社長。

 

少し長めの沈黙の後、社長の表情はみるみる変わっていき。

 

「なななな、なっ、何ですってーーーーーー!!!!????」

 

 

いつもの反応が返ってくる。

 

・・・やっぱり全然気づかなかったのか(汗)

 

 

「えっ?そ、それって私たちのターゲットってことですよね?わ、私が始末してきましょうか!?」

 

 

・・・・ハルカも気づいてなかったのか。

 

恩を受けた相手・・・しかも、その後に意気投合した友達相手に、果たして社長は襲撃判断をできるか・・・・・・・。

 

・・・・・・・・なんか今回も、ただ働きになる気がする。

 

 

「う、うそでしょ・・・・あの子たちが?アビドスだなんて・・・う、うう・・・何という運命のいたずら・・・。」

 

 

社長も完全に参っている。

 

普段なら、社長の判断を改めて仰ぐところだけど・・・・今回はもう傭兵の募集をかけた後。

 

アルバイトの子たちは、もう待機場所に控えてもらっているし・・・・襲撃の中止は不可能だろう。

 

 

「ハイハイ!しっかりしてアルちゃん!『情け無用』『お金さえもらえればなんでもやります』が私たちのモットーでしょ!」

 

「うう、・・ううううううううう!・・・やってやるわよー!襲撃の準備よ!!」

 

 

ムツキの発破で、何とかやる気を取り戻したみたいだけど、やりにくそうではある。

 

とはいえ、ここまでくると止まれない。

 

 

傭兵連中と待ち合わせしている、倉庫街に向かい、歩を進めていった

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・のだけど。

 

 

「な、なによ・・・・コレ。」

 

 

集合場所につくと、そこには・・・・・。

 

 

雇った傭兵全員が、意識を失って倒れ伏している。

 

 

積み重ねられた彼女たちの上には・・・・・

 

 

「おやおや、遅かったですねぇ♪便利屋・・・68の皆さん?」

 

和服姿の少女が・・・・・・・・

 

 

「はじめましてぇ、手前、箭吹シュロというモノですぅ♪」

 

 

・・・・・・倒れ伏した傭兵を足蹴にして

 

 

「早速なのですがぁ、ビジネスのお話を致しましょぅ?」

 

 

邪悪に嗤っていた。

 

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