Re.蒼碧の艦隊3199 〜黒の剣士よ永遠に〜   作:短号司令官

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遂に太陽系へとその足を踏み入れたガトランティス、多くの犠牲を出しながらも戦線を維持。
太陽系へと急ぐキリト達は果たしてそこで何を見るのか


第6話 新生・生きるために

 

 

火星軌道上 応急ドッグ

 

アンドロメダ改の牽引でゼムリアからここまで来たヤマトはヤマト型4番艦銀河より武装パーツの供与による強化と修理の真っ最中であった。

 

その最中、ヤマト救出の報を受けた日本武尊が到着した。

 

ヤマト

 

キリト「古代さん!」

 

古代「和人君!なんでここに…⁉︎」

 

突然の来訪に古代も驚きを隠せないでいた。

 

キリト「ヤマトが無事に救出されたって聞いて古代さん達の無事を確かめに来たんですよ」

 

古代「それだとなんだか俺だけ死んでますみたいじゃないか……まぁでもよく来てくれたよ。君がこの場にいるって事は」

 

キリト「はい、テレザートは無事に解放しました」

 

古代「そうか、ありがとう。おや?」

 

ちょうど古代は彼に同伴していたアスナに気がつく。

 

古代「えっと…どちら様?」

 

アスナ「はじめまして、結城明日奈です。日本武尊で訓練生としてキリトくんと一緒に乗っています」

 

古代「俺は古代進だ、よろしく」

 

古代が差し出した手をアスナが握る。

 

アスナ「キリトくんからお話は聞きました。半年程キリトくんを指導してくださったみたいで、ありがとうございます」

 

古代「そんな事ないよ、和人君の呑み込みが早いお陰さ」

 

これから最後の戦いを迎える者には見えない会話であるが、三名とも志は同じくしている。

 

「古代くん」

 

聞きなれた声に古代が振り返ると、金髪で黄色の船務課の服を来た女性が立っていた。

 

古代「雪」

 

雪と呼ばれた彼女は古代の恋人でヤマト船務長の『森雪』であった。

 

古代「どうしたんだい、こんなところで?」

 

雪「うん、実は迷子の子が居てその子が"パパとママを探してる"っていうの」

 

古代「パパに…ママ?」

 

キリト「えっとー…」

 

アスナ「…もしかして、古代さんの恋人の方ですか?」

 

二人のやり取りから瞬時にアスナは見抜いた。

 

古代「こ…⁉︎」

 

雪「…ふふ正解。貴方が桐ヶ谷 和人君ね?」

 

キリト「は…はい」

 

雪「私は森雪。ヤマトの船務長よ」

 

キリト「こちらこそ…」

 

古代「ところで…雪。その迷子の子は?」

 

雪「えぇここよ」

 

少し身体をずらすとそこには一人の少女が居たが、キリトとアスナにとっては居たらまずいあの子であった。

 

ユイ「やっと見つけました!パパ ママ!」

 

「「ユイちゃん⁉︎」」

 

古代「えっ…パパ……ママ?」

 

ユイが言った言葉が誰に対して向けられたものかはこの際古代でも容易に想像がついた。古代は視線をゆっくりと彼の方に向けた。

 

古代「………和人君…?」

 

キリト「⁉︎…いや待ってください古代さん‼︎これには…その…訳が!深い訳があるんです‼︎」

 

アスナ「そうですそうです!訳があるんですよ‼︎」

 

雪「うふふw二人共若いわね」

 

「「雪さん⁉︎」」

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

大石「大分手酷くやられましたな…」

 

大石は日本武尊から改修作業中のヤマトを見ながら『藤堂早紀』に言う。

 

早紀「この状態で帰って来れたのがほぼ奇跡です。アンドロメダの…山南司令のお陰でもありますが…」

 

富森「山南司令は現在どちらに?」

 

早紀「銀河の医務室で安静にされてます。重症は負いましたが、幸い命には別状はありません」

 

大石「彼が死んでしまえば今後の海軍には大きな影響がある。くれぐれも頼みます」

 

早紀「はい。ところで大石長官」

 

大石「何か?」

 

早紀「まさかとは思いますが…長官もヤマトと一緒に戦われるおつもりなのですか…?」

 

彼女も頭では分かっていたが、念の為に聞いておいた。

 

大石「無論です。ここまで来て何もせず静観…という訳にはいきませんからな」

 

早紀「……くれぐれもお気をつけて」

 

噂に違わない人物である事を再認識した彼女は無事を祈って敬礼をして日本武尊を後にする。

 

シリカ「……なんだか今の人の声…」

 

リーファ「リズさんに似てたような……」

 

リズ「えっ私が?」

 

 

その後作業が順調に進められる中、ヤマトが放つトランジット波動砲の輻射に耐えられる装備としてデスラーよりデウスーラ2世を元にした大型の抑制装置が補給部隊と共に送られて来た事により若干作業に延長が発生したがやれる事は全てやると皆意気込んでいた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

古代「なるほど……つまりその子は君達の養子という事なんだね?」

 

キリト「はい…」

 

ユイちゃんについて一通りの説明を終えたキリトとアスナは大変な目に遭っていた。

 

雪「びっくりしたわ。結城さんと和人くんってまだ大学生くらいだから…」

 

アスナ「そんなに早く子供作ったら身体が持ちません!」

 

雪「ふふふwごめんなさいね」

 

キリト「ところでユイはなんでここに?」

 

ユイ「パパがお世話になった人がいるって大石さんに聞いたのでお礼を言いにこっそりついて来たんです」

 

古代「なるほど…できた娘じゃないか」

 

古代はユイの頭を撫でながらキリトに微笑む。

 

ユイ「えへへ〜」

 

キリト「ところで古代さん。今後のヤマトの指揮は誰が?やっぱり古代さんが?」

 

古代「いや、土方さんが…」

 

「生憎ハズレだ、古代」

 

その一言を聞いた古代は耳を疑った。その声の主は本来ならここにいる筈のない人物だからだ。

 

古代「……沖田さん…」

 

古代の視線の先に立っていた白鬚を蓄えた老人こそ、かつてヤマトを率いて外宇宙へと向かった『沖田十三』その人であった。

 

古代「沖田さん!なんでここに⁉︎地球で療養中の筈では⁉︎」

 

驚きを隠せないのも無理はない。沖田は2199年以降、持病の胃癌の治療に専念していた筈であったからだ。

 

沖田「癌ならとっくに摘出しておる。この通りワシは五体満足だ。今回はそのリハビリも兼ねてだ」

 

ユイ「雪さん、このお爺さんは誰ですか?」

 

雪「ヤマトの前の艦長さんの沖田さんよ」

 

沖田「こんなところに子供がおるのか。うん?君はもしや…」

 

沖田はキリトの顔を見て何かに気づいた。

 

キリト「えっと…はい?」

 

沖田「そうか……君が噂の異世界から来た青年か」

 

キリト「知ってるんですか?」

 

沖田「知っとるも何も、君は上層部じゃあちょっとした有名人さ。話によると大石君のところにおるそうだな?」

 

キリト「はい」

 

沖田「そうか……彼はいいぞ。性格に少々癖があるが腕は確かだ。演習じゃあワシでも勝てん」

 

古代「沖田さんでも…⁉︎」

 

沖田は静かに頷く。

 

沖田「ともかくだ古代。これからは土方に代わってワシが指揮を取る。よいな?」

 

古代「……はい!」

 

沖田「君たちも気をつけるんだぞ。必ず生きるんだ」

 

キリト・アスナ・ユイ「「「はい」」」

 

その後無事に作業を終えたヤマトは武装を大幅に強化した上で日本武尊と共に地球圏へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

火星沖を突破し、最後の無人艦隊を突破した白色彗星は地球圏まであと一歩のところまで迫っていた。

 

リーガン「急げ‼︎奴らが来るぞ‼︎MS隊は直ちに発進し迎撃態勢を構築せよ‼︎」

 

最終防衛ラインを任されたリーガン提督の元には先の土星沖海戦で生き延びたドレットノード級・アイオワ級・サウスダコタ級、その他の主力戦闘空母の殆どが集結していた。

 

リーガン(こうも早く突破されるとはな…だが戦力の立て直しはなんとかなったぞ!)

 

時間断層工廠での修復を終え、乗組員の交代・休養・補充を済ませている。

 

 

その頃、ズォーダーは玉座の間に腰掛け頬杖を突いていた。

しかし何かを察したのかいきなり目を開いた。

 

 

それと同時に、白色彗星の前にヤマト・日本武尊がワープアウトして来た。

 

沖田「トランジット波動砲 発射準備!」

 

ヤマトが前衛に出てトランジット波動砲の発射態勢に入る。

 

古代「目標 彗星中心核 波動砲への回路開け!」

 

徳川「非常弁全閉鎖!」

 

真田「CRSブースター接続‼︎」

 

森「予定位置にデウスーラ二世 ワープアウト」

 

ヤマトの艦首と接続されたデウスーラ二世が遅れてワープアウトして現れた。

 

徳川「エネルギー充填120%!」

 

南部「発射10秒前!」

 

古代「総員、耐ショック・耐閃光防御!」

 

トランジット波動砲のエネルギー輻射からデウスーラ二世がヤマトを守る。そんな保証はどこにも無いが、今は信じるしか無いと古代は覚悟を決める。

 

南部「3…2…1!」

 

古代「トランジット波動砲 発射ぁぁあ‼︎」

 

デウスーラ二世を崩壊しながら作り出したエネルギーの光球から勢いよく放たれた一本の黄金の光が彗星中心核を貫通すると同時に土星沖時以上の大爆発を起こす。

 

ユージオ「当たった…!」

 

キリト「いやまだだ…見ろ!」

 

爆炎の中から姿を現した都市帝国は確かに傷ついていた。だがそれでも見たところは良くて半壊と言った状態であった。

またこれでヤマトの波動砲は使い物にならなくなった。

 

それでも都市帝国に与えたダメージは大きい。

 

ズォーダー「そこまでして阻むか……テレサに導かれし者達よ…!」

 

その直後、待ってましたと言わんばかりに赤いワープエフェクトと共にガルマン帝国艦隊が現れた。

 

相原「デウスーラ三世より入電!」

 

デウスーラからの通信が地球艦隊の全艦に映る。そこにはデスラーの姿があった。

 

古代「デスラー総統…!」

 

デスラー『ヤマトそしてヤマトタケルに告げる。これより我がガルマン帝国軍は諸君達を都市帝国の中枢まで送り届ける。地球の守りには我らも加わる。作戦は共有している』

 

そう言いながらデスラーは視線を半壊している都市帝国へと向ける。

 

デスラー『目指すは…滅びの方舟:大帝玉座の間 ワープでは無理だが、我々の技術を持ってすれば』

 

それに合わせてヤマトの周りにはUX-01〜04までの4隻の次元潜航艦が浮上、日本武尊の元には前原一征麾下の紺碧艦隊が浮上する。

 

前原『長官!』

 

大石「前原か!」

 

前原『遅れて申し訳ありません。クラーケン少佐より装備の使用法を聞いてて手間取りました』

 

大石「構わん。それで先輩方は?」

 

前原『無論です』

 

 

 

そこへ更なる増援として、『戦略戦闘空母 健御雷』『戦略指揮戦艦 春藍』『戦闘空母 八咫烏』の他日本海軍艦艇の殆どに、モンタナ級・キングジョージ五世級までもワープアウトで現れた。

 

健御雷

 

高杉「やれやれ…遠征から戻ってみればこんな事になるとはな……」

 

遠征隊は不幸中の幸いと言うべきか、銀河系中心部へ向けて大遠征に出撃していた為先の戦闘では全くと言っていいほど被害を受けておらず、今日に至るまで戦力を保持する事ができた。

 

坂本『高杉さん。どうも遅くなったようなのでは?』

 

高杉「いや、ちょうどいいタイミングだろう。まだ王手は取られておらんようだし、遅れた分はここで取り戻せば良かろう」

 

川崎『さて、どこまで取り戻せるやらな』

 

高杉は交信を終え、参謀に声をかける。

 

高杉「参謀長、マストにZ旗を掲げろ」

 

「はッ!」

 

彼の命令でホログラムでZ旗が表示されるがその中央には地球が描かれていた。

 

坂本「"地球ノ命運 コノ一戦ニアリ 各員一層奮励努力セヨ"」

 

川崎「か…まさにこの状況にピッタリだな…」

 

 

沖田「これも……“縁"の成せる技……か。次元潜航艦に舵を託す!」

 

四隻がヤマトを角錐状に取り囲むと次元潜航ができない筈のヤマトがみるみる内に潜航していった。

 

大石「我々も続くぞ!」

 

日本武尊も次元バラストに注水しつつ残りの舵を紺碧艦隊に託し、ヤマトの後を追った。

 

バーガー「アイツらが目的を達成するまで持ち堪えてみせる‼︎絶対にな……!」

 

半壊した都市帝国の内部から未完成状態の黒いガイゼンガン兵器群が姿を現す。

防衛艦隊はあらゆる手段を持って迎撃せんと奮戦するのだった。

 

 

 

 


 

 

 

 

都市帝国内部に侵入し一部兵器群の操作をジャックするところまでは良かった、がしかしそこまで甘くないのが現実である。

 

操作を受け付けなかったものが束となって2隻に襲いかかってきた。

 

キリト「シノン!」

 

シノン「任せなさい‼︎」

 

降下して来た敵に対して51cm砲・48cm砲50口径verがそれぞれ猛威を振るう。命中した箇所から船体を綺麗に削り取り次々に爆散させていくが、本拠地ということもあって処理が追いつかない。

 

 

止まらない猛攻

 

増える負傷者

 

艦内に響く悲鳴

 

焼けつく砲身

 

傷つく船体

 

地獄が次から次へと増えていくばかりだった。

 

 

大石「ぐっ‼︎」

 

船体に攻撃が当たったのか激しく揺れる。

 

原「損傷報告‼︎」

 

『艦尾に敵弾が命中!』

 

『機関異常無し‼︎』

 

リズ「こっちはまだ全然大丈夫みたいだけど…!」

 

アスナ「っ……ヤマトが‼︎」

 

日本武尊にはヤマト程激しい砲火は浴びせられることは無かったが、ヤマトはそれ以上に酷いものであった。

それは『桂木透子』が乗っているか否かの違いだけであった。滅びの方舟の操作権が彼女にある以上、サーベラーのコピー体があっても意味がない為そちらから先に叩こうという算段なのだろう。

それでも被害は出ている。

 

 

 

ヤマト

 

沖田「っ…‼︎」

 

艦橋付近の直撃弾による爆炎が飛び込み、沖田の真上の天井が崩れ落ちてきた。

 

古代「艦長ぉ‼︎」

 

直様駆け寄った古代が瓦礫をどかして沖田を抱える。

 

古代「直ぐに!佐渡先生を‼︎」

 

沖田「構うな…!」

 

沖田は負傷しながらもなんとか意識を保っていた。

 

沖田「まだ……大丈夫だ!」

 

古代「……‼︎」

 

安静に座らせると古代に何かを伝えた。

 

沖田「古代…アレを見ろ」

 

沖田は操作を奪ったカラクルム級を指差しながら言った。

 

沖田「アレ達は…まだ桂木透子の支配下にある。このヤマトのシステムと組み合わせて……より有効に…」

 

古代「アステロイドリング…!」

 

沖田「それで加藤達を守って…一気にゲート内へ突入する……!…できるな……?」

 

古代「……はい…!」

 

沖田は咳き込んで血反吐を吐きつつ続ける。

 

沖田「古代進…これより本艦の指揮を君に一任する……未来を……明日を掴むんだ……!」

 

古代「っ……艦長‼︎」

 

直ぐに沖田は医療班によって医務室へ運ばれていく。

 

古代「……」

 

古代は血が付いた己の手を見て沖田の言った事を反芻していた。

 

古代「未来を……明日を掴む……!沖田前艦長の命令を決行する‼︎」

 

 

 

 





彗星都市内部 ゴレム:大帝玉座の間にて対峙するキリト達、そこでズォーダーは何を語るのか

地球の救う希望と絆とは⁈


次回 最終話 絆の戦士たち
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