Re.蒼碧の艦隊3199 〜黒の剣士よ永遠に〜   作:短号司令官

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西暦2207年

太陽系へと電撃侵攻をしてきたデザリアム、それに対して壊滅的な被害を受けた首都から脱出したキリト達一行は高野五十六が示した『イカロス天文台』へと向かうのだった。


第弐話 暁の出撃

 

地球圏を無事に脱したキリト一行は、旧地球連邦軍が建造したペガサス級強襲揚陸艦『アルビオン』に身を寄せていた。

 

 

 

アルビオン ブリッジ

 

古代「今回の救援 誠にありがとうございます。シナプス艦長」

 

シナプス「いやいや、礼には及びませんよ。それもあのヤマトの艦長からだなんて」

 

古代は単身シナプスの元を訪れていた。

現在一同はアルビオン・飛鳥の2隻で行動しており、敵の発見を警戒し短距離ワープをバラバラの場所に繰り返し行っている。

 

古代「本当に感謝しかありません。貴方の方が歴戦の艦長です、自分はまだまだ半人前もいいところですよ」

 

シナプス「半人前だろうと艦長は艦長、貴方も私も同じですよ」

 

古代「ありがとうございます。ところでシナプス艦長」

 

シナプス「ん?」

 

古代「艦長は何故あんな場所に?」

 

あの時何故アルビオンが運良くいられたのか不思議に思っていた古代はふと疑問をシナプスに投げかけた。

 

シナプス「あぁ…実はある積荷をイカロスに届ける為に天文台の座標を受け取ろうと待機してたんですよ」

 

古代「積荷…?イカロスへ……?」

 

シナプス「まぁその渡す相手も無事に収容できたのである程度の手間は省けて良かったよ」

 

古代「??」

 

シナプスの言う渡す相手、それは一体………

 

 

 

アルビオン 格納庫

 

先の脱出戦で損傷した機体の補修や整備をハンガーでは主に行っており、戦闘空母ではない為搭載量は若干劣るものの整備設備等で言えば同等である。

 

ハンガーにはジェガン・ジムⅢ・ネモと言った欧米圏の主力機が乱立している。

 

そんな中でキリトらは格納庫の一角にいた。

 

キリト「俺の機体…?」

 

「はい」

 

担当官の一言にキリトは思わず一瞬聞き返す。

 

「アドミラル高野が貴官用にと」

 

キリト「そういうことかぁー……」

 

溜め息を吐きながらキリトは頭を抱える。

 

アスナ「そういうことってどういうこと、キリトくん?」

 

キリト「いやさぁ…高野さんから2年くらい前からMSの操作とかをやるように言われたからシュミレーターとか機体を借りてやってたのよ……」

 

リーファ「うんうん」

 

キリト「なんでだろうってずっと思ってたら…高野さんが内緒で俺用に作ってたってこと……」

 

「「えぇぇぇ⁉︎」」

 

「機体の調整も粗方済んでおります。こちらへ」

 

案内された先に彼が受領する筈の機体がハンガーに鎮座していた。

 

頭部と胸部に髑髏の意匠を施され、肩からマントのようなアーマーを装着し骨が交差したようなX字状のフレキシブル・スラスターを有する。

 

シノン「なんで言うか……まるで海賊ね」

 

キリト「機体名は?」

 

「XM-X1Fクロスボーン・ガンダムX1フルクロスです」

 

型式番号:XM-X1F

機体名:クロスボーン・ガンダムX1フルクロス

 

スペック

頭頂高:15.9m

本体重量:9.5t

全備重量:26.9t

ジェネレーター出力:10,560kw

装甲材質:ガンダリウム合金ハイセラミック複合材

スラスター総推力:100,000kg

 

武装

頭部バルカン砲

胸部ガトリングガン

ビームサーベル(ビームガン)×2

ヒートダガー×2

シザー・アンカー

スクリュー・ウェッブ

ザンバスター(ビームザンバー/バスターガン/グレネードランチャー)

ブランドマーカー(ビームシールド)

ムラマサ・ブラスター

多目的攻撃兵装「クジャク」*1

フルクロス

 

 

レックス「成程、お似合いだぜ」

 

キリト「だとしても髑髏のレリーフはいらん…」

 

アスナ「私もなんだかキリトくんっぽくないっていうか…」

 

ユージオ「僕ならあの骸骨はいらないかな……」

 

 

高野からのプレゼントを受領したキリト一行は、この後最後のワープに入り遂にイカロス天文台へと進むのだった。

 

 

 


 

 

 

「ワープ終了」

 

ワープを終えた2隻はアステロイド帯に到達していた。

 

シナプス「航海長、座標はこの位置で合ってるな?」

 

航海長のアクラム・ハリダに話しかける。

 

アクラム「アスカから共有された座標によるとここです。ですが……」

 

ブリッジの外を見ながら言う。

 

イワン「浮遊する岩石が多すぎてどこに天文台があるか……」

 

そう言ったのは操舵手のイワン・パサロフであった。

現状途方に暮れかねない状況にシナプスも腕組みして考えているとオペレーターの二人が口を開いた。

 

ピーター「艦長、後方から接近する物体があります」

 

シナプス「何?数は」

 

シモン「一機、速度から見て戦闘機と思われます。IFFは味方です」

 

戦闘機はブリッジの横を通りすぎると前方に出てきて翼を振った。

 

シナプス「誘導してくれるようだな、アレに着いていけ」

 

イワン「了解」

 

二隻は誘導に現れたコスモタイガーの跡を追ってアステロイド帯を抜けて遂にイカロス天文台へと到着したのだった。

 

シナプス「遂に来たか……上陸艇と輸送艇を物資と一緒に降ろせ」

 

古代・キリト一行を乗せた上陸艇が天文台のドーム型の発着場に降りる。

 

 

天文台内の施設に進むと奥のブリーフィングルームに大石と沖田が待ち構えていた。

 

大石「よく来たな諸君」

 

沖田「やっと来たか、古代」

 

キリト「大石さん」

 

古代「沖田さん」

 

安心して一行は二人の元へ向かう。

 

相原「誰も出迎えに来てくれないのでヒヤヒヤしてましたよ」

 

沖田「すまんかったな、我々も少々やることがあってな」

 

大石「ともかく無事でよかったよ」

 

アスナ「大石さん、ユイちゃんや皆もここにいるんですか…?」

 

不安げな様子でアスナは大石に問いかける。

 

大石「安心しろ、残りの者も皆いる」

 

リーファ「よかった…」

 

すると向かい側のエレベーターが開いて真田・徳川らが続々と出てきた。

 

古代「真田さん!」

 

真田「やぁ久しぶりだな古代」

 

徳川「太助、無事で何よりだ」

 

太助「父さん!どうして出迎えてくれなかったのさ…⁈」

 

徳川「そう怒るな、技師長と機関周りの最終チェックに入っててな」

 

真田「この一年半でヤマトと日本武尊には大改装を施したからな。そうそう桐ヶ谷君、君のところの篠崎君を借りたよ」

 

そう言うと彼の後ろからリズが姿を現すのだが、彼女の目の下には今までに見たことないレベルのクマができて少々ふらついていた。

 

キリト「リ…リズ?」

 

リズ「あっ……キリトぉ…ミンナ……久しぶり…」

 

アスナ「ちょっ…リズ大丈夫⁉︎」

 

リズ「えへへ…ダイジョブダイジョブ……」

 

リーファ「絶対大丈夫じゃない……」

 

シノン「リズ…貴方何があったの……?」

 

リズ「へ?…あぁこのね…真田サンって人とここんとこ毎日ぶっ通しでね……改装手伝ったの…」

 

キリト「ぶっ通しって……どれくらいなんだ……?」

 

リズ「そぉね……大体……二週間…ぐらい?」

 

アスナ「リズ…」

 

変わり果てた親友の姿にアスナはショックを受けるも、それだけ身を粉にする思いで手伝ったのだと思うと感謝しか無かった。

 

アスナ「ありがとう、リズ。しばらく休もっか」

 

リズ「そう…ね……ZZZ」

 

遂に疲労に負けたのか彼女はその場に倒れ込んで眠った。

驚いて徳川達が日本武尊に運んでいく為退出するのと入れ替わりに今度はユイ・シリカらが入ってきた。

 

ユイ「パパ!ママ!」

 

シリカ「キリトさーん!」

 

ユウキ「みんなー!」

 

アリス「キリト、ユージオ」

 

ユイはキリトとアスナに飛びつき、二人はそれを優しく抱きしめた。

 

アスナ「ユイちゃん…!よかった、無事で…!」

 

キリト「いい子にしてたか、ユイ」

 

ユイ「はい!いい子でお留守番できてました‼︎それに新しいお友達も出来ました」

 

リーファ「新しい…友達?」

 

真田「あぁそうだった、ユイ君達が彼女のお世話をしてくれてね。多いに助かったよ」

 

そう言って彼の足元には4〜5歳程の金髪の女の子が一人いた。

 

真田「紹介しておこう。『真田澪』、私の姪という肩書きで預かっている。だが古代、君達には本名の方が通りがいいな」

 

古代「え?」

 

沖田「ほれ、見覚えはないか?」

 

そう言われて古代達は彼女の方を擬視すると西条が気づいた。

 

西条「もしかして……サーシャ…⁉︎」

 

「「⁉︎」」

 

真田「その通り、彼女はサーシャ・イスカンダル・古代。古代お前の兄、古代守の子供だ」

 

古代「兄さんと……スターシャさんの……」

 

古代の兄 古代守は2199年の外宇宙探査航海の際、イスカンダルのスターシャと恋に落ち彼はそのままイスカンダルに残留した。

そして時が流れた2205年、彼らはデザリアムの襲撃からなんとか生き延びられたものの、いつまた敵が再び来ないとも限らないとのことから、弟である古代進達に託したのだった。

 

 

沖田「これで役者は揃ったな」

 

大石「えぇ行きますか」

 

シノン「行くって、地球へ?」

 

大石「いや、敵の本陣……王手を取りにな…!」

 

 

その後彼らはそれぞれ、ヤマト・日本武尊へと乗艦し発進の準備を整える。

 

 

ヤマト

 

沖田「岩盤爆破!」

 

天文台の地下内部のドックは内惑星戦争時代のものをそのまま利用していた為破壊して出る必要がある。

そこで岩盤各所に爆薬を設置し破壊と同時に発進するという手筈だ。

 

徳川「5…4…3…2…1 フライホイール接続!点火‼︎」

 

沖田「抜錨、ヤマト発進ッ‼︎」

 

島「ヤマト発進します‼︎」

 

 

岩盤の崩壊と共に発進した二隻はそのまま太陽系を脱し、外宇宙へと向かうのだった。

 

 

だがそれを見逃す程デザリアムも優しくは無かった。

 

 

*1
ムラマサ・ブラスターとピーコックスマッシャーの合体兵装





再び大宇宙という名の海への航海に出たキリト達、しかし行手にデザリアムの魔の手が忍び寄る。

次回:第参話 群青の一撃
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