Re.蒼碧の艦隊3199 〜黒の剣士よ永遠に〜   作:短号司令官

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西暦2207年
地球への電撃的侵攻、制圧を成功させたデザリアム。その魔の手から逃れた古代・キリト達は古巣『ヤマト』『日本武尊』への合流を果たした
敵の本陣を叩くべく彼らは再び大宇宙へと航海に出たのだった。




第参話 群青の一撃

 

発進した四隻は太陽系からの脱出を図り、現在は第十一番惑星沖の『ガトランティスベルト』に差し掛かっていた。

 

この場所は数年前のガトランティス戦役からそのまま放置されたカラクルム級が無数に漂っている。

軍はこの宙域が太陽系外縁部に位置することから、監視の意味合いも込めて航宙保安庁の巡視船から艦隊を編成し、ボラー連邦からの領海侵犯とカラクルム級の監視に当たらせていた。

 

ユージオ「このまま行けば無事に太陽系を抜けられそうですね」

 

大石「何事もなければな……」

 

キリト「よして下さいよ、大石さんがそう言ったときって大体何か起こるんですから…」

 

そう口にしたまさにその瞬間だった。レーダーがワープアウト反応を検知する。

 

アスナ「左舷2時方向にワープアウト、敵です‼︎」

 

大石「おや?」

 

キリト「そら来た‼︎」

 

従来のデザリアム艦に比べて流線的なデザインが多くみられるその船は、2205年の地球・ガミラスとの戦闘のデータを参考にして建造されたことを色濃く示しており砲塔配置も独特とはいえ船体上部に集中している。船体下部にはフィンのようなパーツが合計四枚付けられている。

 

「貰い受けるぞ、イスカンダルの欠片」

 

グロデーズ級殲滅型戦艦 グロデーズ艦長の『ランベル』は足元のスクリーンから四隻を見る。

 

アスナ「目標 方位207 上げ3 射程圏内まで40秒!」

 

大石「主砲 ヤマト及び後続艦と連動、発射用意!」

 

主砲の仰角を上げて照準を取って接近する。

 

大石「撃ち方始めぇ‼︎」

 

キリト「てぇー‼︎」

 

主砲から放たれた青白い閃光は敵艦へと伸びていく。だが命中したと思った次の瞬間には呆気なく弾かれた。

 

シノン「ショックカノンが…効かない⁉︎」

 

大石「噂の位相装甲とやらか…!」

 

続けて第二射を叩き込もうとするが流石に避けられ、更には敵はステルス機能を有するのか短時間で姿を消して見せた。

 

キリト「アスナ!」

 

アスナ「っ……ダメ、完全に見失ったわ‼︎」

 

大石「来るぞ、回避運動‼︎」

 

スラスターを吹かしてそれぞれ回避運動を開始するも直後に敵からの砲撃を受けて飛鳥が被弾する。

 

雪「飛鳥被弾!」

 

北野『推力低下!こちらは何とかする‼︎』

 

土門『古代艦長、俺達に構わず離脱を‼︎』

 

古代「っ…すまない」

 

シナプス「アスカを守るぞ!」

 

被弾した飛鳥を守るべくアルビオンはその場に留まり二隻はガトランティスベルトの中へと退避していった。

 

 

 

 

 

ランベル「沈めちゃ不味いが、動きを止めねば欠片は手に入らない」

 

逃げる二隻を見ながらランベルは言う。

 

ランベル「匙加減ってか…?俺が一番苦手なヤツだ。ところで…」

 

スクリーンを見ながらふと疑問を口にした。

 

ランベル「()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

主砲を撃ちながらも回避を続ける一方でカラクルム級を弾除けに逃げ続ける二隻。

 

大石「結城君、まだ見つからんか⁈」

 

アスナ「駄目です、重力波・次元震どれも観測できません」

 

ユージオ「次元潜航艦ってことは…?」

 

キリト「いやない…だとしたらこれだけの砲撃は無理だ。敵は間違い無く俺達の目の前にいる」

 

シノン「だとしたら…とんでもないステルス機能ってことになるわよ……」

 

敵の位置が掴めない以上は下手に動けない。かと言って有効な手立てがあるわけでもない。座して死を待つのみか…?

するとキリトはその瞬間何か閃いたのか顔を上げる。

 

キリト「‼︎」

 

ユージオ「キリト?」

 

キリト「大石さん、俺に一つだけ…手立てがあります」

 

大石「ほぉ…?」

 

 

 

 


 

 

 

 

アスナ「そんなこと…本当にできるの⁈」

 

キリトの口から語られた手段に一同は驚愕の様子を見せる。

 

シノン「一歩間違ったらアンタが死ぬわよ…⁉︎」

 

キリト「だとしても他に手段は無い…大石さん!」

 

大石「……………良かろう。やってみろ」

 

大石は笑みを浮かべて言う。キリトはガッツポーズを取ってマイクを手にする。

 

キリト「ユウキ、聞こえるか?」

 

ユウキ『ほいほ〜いどうしたのキリト?』

 

キリト「少し席を外すから、俺の代わりに戦闘の指揮を頼む」

 

ユウキ『えっいいの⁉︎』

 

キリト「あぁその代わり敵は何処にいるか分からない、できるだけ時間を稼いでくれ」

 

ユウキ『任せて‼︎』

 

通信を終えたキリトは席を立つと艦橋を後に何処かへと向かった。

 

 

市川「日本武尊から通達!…敵の居場所を暴けるそうです‼︎」

 

日本武尊からの通信の内容にヤマトクルー達も驚く。

 

島「できるのか…そんなこと⁉︎」

 

沖田「……大石君達を信じるぞ、このまま敵の気を引く!」

 

古代「了解‼︎」

 

 

二隻が主砲で応戦する最中、日本武尊の第三格納庫のハッチが開き中からフルクロスが姿を見せた。

 

[エアロック閉鎖。作業員は退避せよ]

 

大石『桐ヶ谷君、聞こえるか?』

 

フルクロスのコックピット内ではパイロットスーツ*1に着替えたキリトが座っていた。

 

キリト「はい、よく聞こえます」

 

大石『こちらの準備は整った。後は君の出番だ』

 

キリト「お願いします」

 

アスナ「キリトくん、気をつけてね…」

 

通信がアスナに切り替わって彼女の声が聞こえる。

 

キリト「あぁ…安心しろ、無事に帰ってくるさ」

 

[発進どうぞ]

 

キリト「クロスボーン・ガンダムX1フルクロス、桐ヶ谷和人 出ます‼︎」

 

フックから切り離され、船外へ出るとX字に配置されたスラスターを吹かして勢いよく飛翔して行った。

 

 

雪「日本武尊より、MSが発進」

 

島「MSが⁉︎一体何を考えているんだ……⁈」

 

雪「敵艦は尚も本艦と並走している模様」

 

 

敵の砲撃を予測しながら、キリトの駆るフルクロスはカラクルム級を盾に敵のいるとされるポイント付近にまで来た。

 

キリト「さて…大雑把な位置は分かるが……」

 

ショックカノンの青白い閃光と交互に赤色の閃光が放たられる位置を見ながら場所を見極めている。

 

キリト(何処だ……?)

 

目を細めてモニターを見ている最中、突然彼の頭に稲妻が走るような感覚と共に一瞬だがぼんやりと敵艦のフォルムが彼の目には見えた。

 

キリト「当たれぇぇぇ‼︎」

 

フルクロスの右手に持っていた『クジャク』を[スマッシャーモード]へと変形させて合計13門のビーム砲口からピンク色の閃光をグロデーズ目掛けて発射した。

 

 

 

ランベル「ゴミに隠れてちょこまかと……これがヤマトかい⁈」

 

二隻との砲撃戦に苛立ちを見せたランベルも愚痴りだした。

 

ランベル「無限ベータ砲で撃っちまうか…?」

 

「左舷後方より熱源接近」

 

ランベル「⁉︎」

 

「敵艦からではありません。方位156 小型の物です」

 

ランベル「何だと⁉︎」

 

命中したビームが船体に直撃し赤い光が波紋のように広がる。

 

キリト「っ‼︎ そこだぁぁぁ‼︎」

 

場所を見極めると足裏から内臓されたヒートダガーを蹴り出すように発射させビームが当たって装甲が弱くなった部分に突き刺す。

 

キリト「こちらフルクロス、目標捕捉 座標を送るからダブルチェックを‼︎」

 

送られた座標に飛鳥が波動防壁弾を発射しグロデーズの動きを封じると共にステルス化を解いた。

 

ランベル「なんだとぉッ⁉︎」

 

 

この隙に大石らは動いていた。

 

大石「波動カートリッジ弾発射用意‼︎遮蔽物を排除しつつ目標側面に回り込む」

 

二隻はスラスターを吹かして方向を変え前進、邪魔なカラクルム級は波動防壁で無理矢理押し除ける。

その間グロデーズは波動防壁から逃れようと必死になっており無防備だった。

 

そして射程距離にまで到達した二隻の主砲がグロデーズを捉える。

 

シノン「目標捉えた、ユウキ‼︎」

 

ユウキ「いっけぇぇぇぇ‼︎」

 

二隻から放たれた計18発の波動カートリッジ弾はグロデーズへと飛翔していくが、そこで彼の敵艦は防壁を突破した為に砲弾は後一歩届かなかった。

 

ランベル「ヤマト……お前面白いな…」

 

そう言い残してランベルを乗せたグロデーズはワープと共にその場を後にした。

 

古代「逃げられたか……」

 

 

 

 


 

 

 

機体を収容した後、キリトは帰還した。

 

アスナ「おかえりなさい キリトくん」

 

キリト「あぁ ただいま アスナ」

 

ヘルメットを取って顔を見せて言葉を交わす。

 

アスナ「驚いちゃった。まさか本当にあんなやり方で敵を見つけるなんて」

 

キリト「偶々だよ。SAO譲りの索敵能力があってかな」

 

アスナ「ふふふw生身であるわけないでしょ」

 

キリト「あははwそうかもな」

 

笑って誤魔化すが、実際のところ当人には心当たりがあった。

 

キリト(あの時の()()…なんだったんだろ……?)

 

頭に稲妻が走ったような感覚と共に敵の位置が見えるようになるのも気になるところだが、実際自身の健康自体は至って良好だ。

 

キリト(ま…考えても仕方ないか……)

 

頭を掻きながらキリトはアスナと共にその場を後にするのだった。

 

*1
デザインはクロスボーン期





無事に敵の魔の手を退け、無事太陽系外へと抜け出ることに成功。
次に彼らが向かう先には何が待ち受けるのか



次回:第肆話 霹靂の宇宙
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