Re.蒼碧の艦隊3199 〜黒の剣士よ永遠に〜   作:短号司令官

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坂本艦隊の窮地を脱する事に成功したキリト達、しかしその艦隊にはどうもキリト達とは異なる世界の住人がいるようだった。


第伍話 交わる世界

 

シリウス星系

 

先の戦闘で傷を負った艦は《しきしま型自航式浮きドック船》の力も借りて艦艇の修復を行なっているが、その中には明らかに地球艦ではない船が1隻混じっていた。

 

全長は恐らく2km以上はあり、紺・赤・白のトリコロールカラーで塗装を施され、中央部のブリッジにはサイバトロンを象徴する顔のマークが描かれた、その艦の名は『マキシマス』という。

 

 

古代「なんて大きな船だ……」

 

真田「これだけの巨大な船を作り上げるとは一体どのような種族なんだ……?途轍もない文明だぞ……」

 

マキシマスを訪れていた古代はイスカンダル・ガミラス以上の迫力を持つ巨大戦艦に圧倒されていた。自身が艦長を務めるヤマトを余裕で格納できる広さの格納庫を見渡す。

 

一方真田は自身の頭脳や持てる知識で隅々まだ見てマキシマスを分析しようとしていた。

 

扉が開いてフォートレスが姿を見せる。

 

フォートレス「ようこそ、我がマキシマスへ。私は総司令官のフォートレスです」

 

古代「宇宙戦艦ヤマト 艦長の古代進です」

 

真田「ヤマト副長兼技師長の真田志郎です」

 

構図で言えば二人はフォートレスを軽く見上げており、逆にフォートレスは二人を見下ろすようになっている。

 

フォートレス「君のような若いのが艦長とは……いや驚いたな」

 

古代「若い…?」

 

フォートレス「あぁ失礼、何せ400万年以上生きているもので」

 

古代「よ…400万年……⁉︎」

 

人類が誕生してまだ一万年程経つのにも関わらず彼…いや彼らはその400倍を生きている事を知り真田はこれだけの船を建造する文明に更に興味が沸いた。

 

フォートレス「まぁ立ち話もこれくらいにして、ブリッジへどうぞ」

 

先導するフォートレスの後を二人は歩いて行く。

 

真田「古代…もしかしたら、彼らはイスカンダル以上の文明かもしれんぞ」

 

古代「えっ……⁉︎」

 

真田「考えてみろ、これだけの規模の船を容易く建造する。そんな彼らが人類が誕生する遥か大昔から生きているのだぞ?可能性は充分にあるぞ」

 

珍しく彼が熱を帯びたように話す事から古代は少なからず彼が興奮している様子であるのを察する。

 

古代「えっと…フォートレス司令達はどういった種族で?」

 

フォートレス「あぁまだ話しておりませんでしたな。我々はトランスフォーマーという超ロボット生命体なのです」

 

真田「ロボット生命体…?」

 

フォートレス「既にご存知の通り、我々はロボットでありながら貴方方人間と同じように豊かな感情を有している」

 

古代「!言われてみれば……」

 

フォートレス「我々トランスフォーマーはセイバートロン星というこの世界とは別の宇宙に存在する星そのものが都市のような惑星の出身なのです。トランスフォーマーは名前の通り身近にある乗り物の姿に変形する能力を進化の過程で身につけたのです」

 

真田「変形できるのは無機物だけなのですか?」

 

フォートレス「大凡は、ですが一部に動物の姿を模したような形態に変形する者もいます」

 

真田「これは種類の類別が難しそうだな……」

 

 

 

 

 

 

春藍 格納庫

 

金剛「デ・ス・カ・ラ!私たちは()()()()()()()!人のようにも見えマスケド!()()()()()()()‼︎」

 

金剛は口調を強くして自身のことを説明しているが、その相手はキリト達であった。

 

アリス「つまり……船の記憶を宿した人…?」

 

金剛「その通りデース!やっと理解してくれましたカー?」

 

リズ「い…一応」

 

アスナ「でもまだ信じられません……」

 

金剛「無理もないデース。いきなりこんなこと言われても信じられまセン」

 

シリカ「えっと…金剛さんはなんでこちらに…?」

 

金剛「え?あー私のシスターの榛名と何人かが無断で乗り込んだのでそれをブッキー達と降ろそうと乗ったらいつのまにか来てしまったデース!」

 

ユージオ「え…てことはまだ何人かいるってことですか…?」

 

金剛「イエス、榛名・羽黒・翔鶴・瑞鶴・鳳翔・羽黒・ブッキー・夕立・ムッキー・時雨・武蔵・暁・響・雷電…じゃなくて雷・電がイマース!」

 

キリト「な……中々多いな…」

 

アスナ「私達も人のこと言えないけど……」

 

金剛「お?ヘーイ!ブッキー!榛名!こっちデース‼︎」

 

金剛に呼ばれてた榛名・吹雪・睦月・夕立がやって来た。

 

榛名「お姉様、榛名只今参りました!」

 

吹雪「この人達も坂本司令官と同じ世界の人なんですか?」

 

金剛「それが違いマース!なんと、この人達も別世界の人間みたいデース‼︎」

 

睦月「えぇー⁉︎」

 

夕立「世界は広い…じゃなくて多いっぽい…」

 

榛名「それはなんと…!あ 申し遅れました。私金剛型戦艦三番艦の榛名です!宜しくお願いします」

 

吹雪「吹雪型駆逐艦一番艦の吹雪です」

 

睦月「睦月です!吹雪ちゃんとは同じ部隊です!」

 

夕立「夕立っぽい!夜戦なら任せるっぽい‼︎」

 

キリト「俺はキリトです」

 

アスナ「アスナです。宜しく」

 

シノン「シノンよ」

 

リーファ「リーファです。皆さん宜しくお願いします」

 

リズ「私はリズ、でこの子はシリカ」

 

シリカ「シリカです」

 

ユージオ「ユージオです」

 

アリス「私はアリス、宜しく頼みます」

 

自己紹介を終えると吹雪はキリト達をぐるりと見回す。

 

アスナ「どうかしました…?」

 

吹雪「いえ、別の世界の人って言っても殆ど私達と変わらない人間なんだなって…」

 

キリト「それを言ったら俺たちもですよ。船の記憶を持ってるって言っても外観や中身は俺達と大差ないなんて、信じられないよ」

 

リーファ「そうだね…金剛さんの言うような戦いを本当にしてるとは思えないな……」

 

榛名「ありがとうございます。ところで皆さんはどう言った理由でこちらに?」

 

ユージオ「オオイシさんの付き添いで来たんですけど、待っていたらコンゴウさんに声をかけられて」

 

睦月「それでここに居たんですね」

 

夕立「ってことは金剛さん、艤装見せたっぽい?」

 

金剛「イェース!でも付けただけデース‼︎」

 

榛名「それならよかったです。もし空砲と言えど撃っていたらお姉様坂本司令からお説教を受けてたでしょうね」

 

金剛「ソレハイヤデース……」

 

シノン「金剛達はなんで逆にこの船に乗ってるの?」

 

睦月「あぁそれは…」

 

そのとき格納庫内にアナウンスが流れた。

 

[右舷ハッチ閉じろ、ビクトリーセイバー入ります。整備班は待機]

 

榛名「司令官!」

 

アナウンスを聞いた榛名は目を輝かせながら彼の元へと走る。

それを見たキリト達は「え?」という表情を浮かべて後を追う。

 

榛名「おかえりなさい!司令官」

 

スターセイバー「やぁ榛名、大丈夫だったか?」

 

榛名「はい!司令官や皆様が守ってくださったお陰です」

 

スターセイバー「それはよかった」

 

二人の会話を見たキリト達の頭には?が浮かぶのを察した吹雪が説明する。

 

吹雪「私たちがやって来たのは榛名さんの影響なんです。あの人が司令官に惚れてしまったせいで……」

 

リズ「え それじゃあ恋人追いかけて来たってこと⁉︎」

 

金剛「要はそういう訳デス」

 

キリト「マジかよ……」

 

 

 

 


 

 

 

 

場所は再び変わってマキシマス。フォートレスは古代達からデザリアムについての話を聞いていた。

 

フォートレス「なるほど……随分と計画的な侵攻だな……」

 

真田「我々の波動エネルギーとは異なる位相エネルギーと呼ばれる別の…未知のエネルギーを使うのですが、何かご存知ですか…?」

 

フォートレス「うむ…………いや、我々も知り得ませんな」

 

古代「そうですか」

 

「それにしてもそいつらは本当に未来の地球人なのか?どうもやり口がきな臭いというか…」

 

サイバトロンヘッドマスターズの指揮官:クロームドームが古代に問いかける。

 

古代「どういう事だ?」

 

クロームドーム「いやな、俺がもしそいつらなら"助けてくれ!俺達は未来の地球人類なんだ!"って言うのは同じだが、何の連絡も無しに来るような真似はしないし、同じだっていうなら地球軍の艦隊には手を出したりはしないと思って……」

 

古代「言われてみると……」

 

確かにデザリアムが来る事は地球側もある程度は予想していた。

しかしもし彼の言う通りなら太陽系を訪れる前に何かしらのメッセージを送っておいてもおかしくはない。

 

ハードヘッド「確かにクロームドームの言うことに一理あるな」

 

フォートレス「真田君、君達は敵本星の大凡の位置は割り出していると言ったね?」

 

真田「えぇですが、ピンポイントでは」

 

フォートレス「それなら我々に丁度いいメンバーが居ます。クロームドーム、テックボットを連れて来てくれないか?」

 

クロームドーム「分かりました、ですが何をさせるんですか?」

 

フォートレス「コンピューティコンに合体させて彼らのデータを演算処理にかけるんだ」

 

クロームドーム「なるほど!そうでしたか、直ぐに連れて来ます!」

 

真田「それ程凄いメンバーが?」

 

フォートレス「えぇ コンピューティコンの演算要領はほぼ無限に等しく、スーパーコンピュータ200台分に匹敵します」

 

真田「200台分…⁉︎益々興味が沸いてきたな……!」

 

その瞬間古代はこう悟った。

 

古代(これ……やばいぞ)

 

その後クロームドームが連れて来たテックボットのメンバーは合体してコンピューティコンとなり、ヤマトから転送されたデータを彼らの電子頭脳で解析した。

 

コンピューティコン「解析完了 敵本星の座標が判明 暗黒星雲中心部」

 

古代「暗黒星雲中心部…」

 

真田「この銀河系の更に外縁部に位置する場所か……ありがとう」

 

古代「途中でガルマン・ガミラスの領地は通る事になりそうですね。通行許可を取れるか連絡を入れておきます」

 

フォートレス「それがいいでしょう。真田君、よかったら本艦の中を見て回ってもいいですぞ」

 

古代「えぇ…⁉︎」

 

真田「宜しいのですか…?」

 

フォートレス「先程から我々にとても興味をお持ちの様子ですから、時間の許す限り」

 

真田「ありがたい、是非そうさせてもらいたい」

 

そうしてフォートレスは真田をマキシマス艦内の案内に連れて行った。

 

古代「大丈夫かな……」

 

クロームドーム「どうしたんだい、艦長さん?」

 

古代「いや……真田さんは貴方方の技術を理解してしまってはいけないような気がして……」

 

ハイブロウ「まさかぁ、そんなに凄いのか?」

 

ブレインストーム「確かに興味ありげな様子だったな。あそこまで俺達の技術が気になる人間なんて今まで見た事ないような……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真田「なるほど……この特殊なエネルギー:エネルゴンが貴方方の動力源に」

 

フォートレス「左様です。エネルゴンは、エネルギー資源を精製して得られる「純エネルギー体」とも言える物質で我々トランスフォーマーには欠かせない存在なのです」

 

真田「エネルギー資源から精製されると聞きましたが、それは?」

 

フォートレス「原料となるエネルギー資源に特に制限はありません。例えば地球にある原油や石炭、発電所から出力される電流など、幅広く原料として利用できるのです」

 

真田「つまり波動エンジンと組み合わせれば、永久にこれを生み出し続けられるということか…!」

 

マキシマスの動力室でエネルゴンを目の前に二人は案の定 技術話で盛り上がっていた。

 

フォートレス「我々も坂本提督と同じ世界に流された際エネルギーに困りましたが、彼らのお陰で今があると言うのです」

 

真田「凄い…キューブ状に凝縮して貯蔵する事もできるのですか」

 

フォートレス「それが一番手っ取り早い方法ですのでな」

 

真田「これがあればエネルギー問題も解決できそうだな……」

 

フォートレス「まだまだこれは序の口です。まだ上が存在するのです」

 

真田「これより凄まじいエネルギーが存在するのですか⁈」

 

フォートレス「こちらへ」

 

動力室を出ると二人はある場所へと向かう。

 

フォートレス「ここです」

 

艦内でも一際厳重な扉を開けた先にはスターセイバーと同クラスのトランスフォーマーがいた。

 

「これは司令」

 

フォートレス「やぁダイアトラス、ゾディアックの調子はどうかね?」

 

ダイアトラスと呼ばれた髭が生えたようなデザインの顔を持つ戦士が二人を出迎える。

 

ダイアトラス「問題ありません。いつも通り安定しています」

 

フォートレス「紹介しよう。彼はダイアトラス、我々サイバトロンのパワードマスターだ」

 

真田「宇宙戦艦ヤマトの真田です」

 

ダイアトラス「貴方方の事は大凡聞いています。してどのような要件で?」

 

フォートレス「彼にゾディアックを見せようと思ってな」

 

ダイアトラス「宜しいのですか…?」

 

フォートレス「見せる分には問題ないさ、それにまともに扱えるのは君らだけだ」

 

そう言われたダイアトラスは少し考え込む。

 

ダイアトラス「…………分かりました」

 

フォートレスの手から乗った真田は台座、彼らのサイズのテーブルの上にある物を見て驚愕した。

 

真田「こ……これは…⁉︎」

 

円筒状のガラスケースの中にはまるで銀河系を丸く小さく納めたような青色の光を放つ球体が浮かんでいた。

 

ダイアトラス「我々パワードマスターのみが制御できる超エネルギー。ゾディアックです」

 

真田「ゾディアック……」

 

それを見た瞬間から彼もこれがただのエネルギー体ではない事は容易に察しが付いた。

 

フォートレス「このゾディアックは現状把握できているだけでも、宇宙創造の力を秘めたエネルギーという事しか分かり得ない謎の超新星エネルギーです」

 

真田「宇宙を……創造…………⁉︎」

 

ダイアトラス「どういう原理かは不明ですが、常に膨大なエネルギーを放出し続けているのにも関わらずそれが減少することは一切無い。ましてやゾディアックそのものが減少する事もない……」

 

真田「何という事だ……波動エネルギーや位相エネルギーさえも上回るものが実在しただなんて………」

 

波動エネルギーは確かに無限にエネルギーを生み出し続ける事は理論上は可能だが、生み出せるエネルギー量はたかが知れている。

だがそれを上回り尚且つデメリットが存在しない超新星エネルギーが存在するとは予想だにしてなかった。

 

真田(宇宙創造のエネルギー……私は……今途轍もない何かを感じている………)

 

トランスフォーマーという存在を前に真田も畏怖の念を抱くのと同時にさらに好奇心が少しずつ掻き立てられていくのだった。

 

 

 






サイバトロンという強力な味方を付けた一行は銀河系外縁部に存在すると言われる暗黒星雲へとその歩みを進める。
しかしその道中は必ずしも安心とは言えるようなものでは無い。

次回:第陸話 山場を越えて
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