Re.蒼碧の艦隊3199 〜黒の剣士よ永遠に〜   作:短号司令官

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西暦2207年
地球に侵攻したデザリアムの本陣を叩くべく、その歩みを暗黒星雲へと進める一行。新たな仲間も迎え入れ、遂に目的の星雲へと辿り着くのだった。


第漆話 王者の一撃

 

 

ヤマト 中央作戦室

 

真田「この星雲は直径凡そ10万光年ある。何故今まで観測されなかったかは恒星のように光を発しなかったからだ」

 

足元のスクリーンに映る暗黒星雲を指差しながら真田が説明をする。

 

島「直径10万光年って……ほぼ俺たちがいる銀河系そのものじゃないですか」

 

真田「そうだな。だが中心部はガス状の星雲で覆われていて、向こう側の光を全くといっていい程通さない」

 

雪「つまり…反対側には何があるか分からない……ということなんですか?」

 

真田「その通り」

 

古代「だとしても、それを承知で行くしか……」

 

島「最短ルートで突っ切るなら、連続ワープで行くのはどうですか?沖田さん」

 

沖田「うむ……副長できるかね?」

 

真田「残念ながら不可能としか言いようがありません。これだけの規模の星雲を迂回するとなるとタイムロスにも繋がりグランドリバースの炸裂の可能性が高まります。それに…」

 

彼の合図に合わせて林がパネルを切り替える。

 

真田「この星雲は外縁部の方に行けば行くほど、回転速度が速くなりワープの途中で抜け出した際にこの渦に巻き込まれる可能性が大となります」

 

島「じゃあ…どうすれば…?」

 

真田「最も安全に行けるのは中央だ。星雲の中心部は外縁部に比べて回転も緩やかだ。それに探しようによっては反対側に出られるゲートのような場所を発見できるかもしれん」

 

沖田「よし、それで行こう。各艦に通達、これよりヤマトは星雲中心部へ向けて突入する。全艦戦闘配置のままだ」

 

「「了解!」」

 

ヤマトから発せられた通信は間をおかずして各艦に伝わり、艦隊は厳重警戒のままその足を星雲中心部へと進める。

 

中心部は説明にもあったように、ガス状の星雲が溜まっている為辺りは緑色に濁っているように見える。

 

アスナ「あ…あれ?」

 

キリト「どうした、アスナ?」

 

アスナ「うん、何だかレーダーが反応しなくなったの」

 

大石「何?」

 

不調を訴えたのはそれだけではなかった。

 

ロニエ『こちら全天球レーダー室!レーダーが反応を失いました!』

 

ユージオ「なんだって⁉︎」

 

リズ「一旦なんで…?整備してから一年は不調無く動く筈よ……」

 

大石「………おそらくこのガス雲のせいだろう。密度が高くなればなる程レーダーの反射は効かなくなる。朝田君、射撃用のレーダーは?」

 

シノン「まだ辛うじて動いてます。でもその場合になっても私が直接照準でやれますよ」

 

キリト「頼むぜ、シノン」

 

ユージオ「まだ目視で見えるからもう少し進めそうです」

 

富森「…となると、しばらくは有視界航行に頼ることになりそうですな」

 

しかしその直後目の前が赤い閃光に包まれるのと同時にヤマトから爆発と同時に火の手が上がる。

 

キリト「なんだッ⁉︎」

 

大石「敵か…結城君、左舷上方のガンカメラの映像を出してくれ」

 

アスナ「はい!」

 

ガンカメラの映像には多数の敵護衛艦クラスが映し出される。

目測ながら大石は距離を割り出す。

 

大石「左舷上方、推定距離1万、戦闘用意ッ!」

 

富森「ユージオさん、右舷に濃いガス雲があります。そこに退避しつつ全速で敵艦に近づきますぞ」

 

ユージオ「分かりました!」

 

時間も経てば流石に他の艦にも攻撃が炸裂するが波動防壁で難なくこれを退けることもできる。

ガス雲へと突入すると見失ったと見て敵も攻撃を中止した。

 

キリト「敵との距離推定8000」

 

大石「主砲1番から3番、発射用意」

 

退避した艦隊はそれぞれ主砲を旋回させて向かって左側にいる敵に砲口を向ける。

 

林「敵、左舷45度 水平方向に最接近」

 

沖田「島、左40度回頭!ガス雲から抜けて一気に敵を叩く!」

 

島「左40度、了解!」

 

ガス雲を隠れ蓑にしての奇襲を仕掛けるべく、ヤマトを先頭に日本武尊や春藍も遅れて続く。

 

そしてガス雲を抜けたタイミングで艦隊は砲撃を開始した。

 

沖田「撃ち方始めぇ‼︎」

 

古代「撃ちー方ー始めぇー!」

 

 

大石「主砲発射!」

 

キリト「てぇー!」

 

 

坂本「攻撃開始ッ!」

 

各艦か放たれたショックカノンは青白い閃光を引きながら敵艦隊へ向けて伸び、命中した敵護衛艦は次々に爆発していく。

また間髪を容れず舷部魚雷発射管から魚雷攻撃も浴びせる。

 

しかし態勢の立て直しが早く、小回りの効く護衛艦は直ぐに艦隊へと襲いかかる。

それに対抗して駆逐艦・巡洋艦が回頭して前に出るが、その網を潜ってくる敵に対して更に主砲射撃を浴びせる。

 

島「コースターン!左80度!」

 

沖田「待て島!このまま撃つッ!古代!」

 

照準が敵艦を捉える。

 

古代「ってぇ!」

 

主砲斉射を受けて突破した敵艦も殆どが撃沈破された。

しかし旗艦と思しき改プレアデス級の一隻が味方を残してその場を離脱しようとする。

 

キリト「なんだ、逃げるのか?」

 

アリス「味方を置いて逃げるとは、情けない奴らです」

 

大石「もしや出入り口が……?追撃する」

 

ユージオ「分かりました!」

 

艦隊はすぐに追撃戦に移ろうとしたが、地球から追ってきたとされる敵艦隊が攻撃を仕掛けてきた。

 

坂本「追手か…!」

 

「長官!マキシマスからオープンでの通信です!」

 

すぐに各艦のメインパネルにフォートレスらサイバトロン戦士らが映し出される。

 

フォートレス『提督、ここは我々が引き受けます!』

 

スターセイバー『君達は逃げた奴を追ってくれ!』

 

古代「大丈夫なのか⁉︎」

 

クロームドーム『心配すんなって艦長さんよ!』

 

ハードヘッド『あんな奴ら、俺たちに掛かれば安いもんよ!』

 

古代「済まない…頼んだ!」

 

沖田「追撃する!面舵30、あの小惑星の間に飛び込め!」

 

島「了解!」

 

ヤマト以下の地球艦はプレアデス級の追撃に入る一方、マキシマス以下サイバトロン戦士達は反転してデザリアム艦隊に戦いを挑もうとしていた。

 

 

フォートレス「よしッ!ではこれより敵艦隊の迎撃に当たる!くれぐれも気をつけてくれ!」

 

「「了解!トランスフォームダッシュ‼︎」」

 

変形したヘッドマスター達は直ぐにブリッジから姿を消して出動する。

甲板上に出るとそのまま空間飛行で敵艦へと向かっていく。

 

シルバーボルト「ヘッドマスターズに遅れをとるな!エアーボット、スペリオンに合体だ‼︎」

 

ホットスポット「プロテクトボット!ガーディアンに合体‼︎」

 

スキャッターショット「テックボット、合体‼︎」

 

サイバトロンの合体戦士達はそれぞれ[スペリオン][ガーディアン][コンピューティコン]に合体する。

 

スターセイバー「準備はいいな?ビクトリーレオ」

 

ビクトリーレオ「いつでも行けます!」

 

「「トランスフォーム‼︎」」

 

両者も合体して[ビクトリーセイバー]となる。

出動したサイバトロン戦士達がデザリアム艦隊へと襲い掛かる‼︎

 

「小型の人型兵器が接近!」

 

「構うな、艦載機を…」

 

「司令!艦載機隊が……全滅と…」

 

「な……なんだと…⁉︎」

 

ヤマト航空隊が苦戦を強いられたその相手をいとも容易く撃破したのには訳がある。

簡単に言えば、彼らの宇宙空間における戦闘力が高すぎたからだ。

 

サイバトロン戦士らは手持ちの火器に殆どがフォトン(光子)エネルギーを使用し、彼ら自身が生命体であり、装甲が頑丈なことも合わさり変態機動が取れるカタピラスといえど撃破されるのだ。

 

また合体戦士達の見かけに合わない素早い動きの前に、手掴みで破壊されるは投げられるはとほぼ一方的であるのだ。

 

フォートレス「攻撃開始!」

 

マキシマスの前部に二門搭載された連装大型レーザー砲がフォトンレーザーを発射する。

幾ら位相変換装甲といえど、全長がkmを越える戦艦の砲撃の前にはなす術もなく、位相変換装甲の許容限界を遥かに上回る一撃の前に敗れ去った。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

一方で逃げ仰た敵を追ったヤマトらはどうしたであろうか?

 

狭い渓谷のようになっている惑星の間を縦陣形で進むと開けた空間に出る。警戒の為艦隊を展開させたがそこである事に気がついた。

 

キリト「な…なんだあれ⁉︎」

 

目の前にはこけし状の巨大な構造物が6つ程不気味に浮かんで、こちらを取り囲んでいた。

 

島「あれは……浮遊要塞…⁉︎」

 

古代「っ……敵に謀られたか…!」

 

彼らを待ち受けていたのはデザリアムの誇る巨大要塞「自動惑星ゴルバ」の[ゴルバ・サトゥ][ゴルバ・ドゥア][ゴルバ・ティガ][ゴルバ・ウンパッド][ゴルバ・リマ][ゴルバ・エナム]が鎮座していた。

全長が10kmもある巨大要塞に対してこちらは高々500m前後が手一杯と多勢に無勢であった。

 

 

 

 

ゴルバ・エナム

 

アズール「ふふふ…随分とてこずらてくれたが、ようやくだ。渡してもらおうか『イスカンダルの欠片』」

 

ゴルバ・エナムから一部始終を見ていたアズールは指示を出す。

 

アズール「全要塞、攻撃開始!但しヤマトは沈めるな、せいぜい痛ぶってやれ」

 

装甲が開くと無数の砲口やミサイル発射管が姿を見せる。

そして次の瞬間、一斉に重核子ベータ砲・アルファ砲がヤマト一行に砲撃を浴びせ始めた。

 

容赦のない十字砲火が浴びせられ、耐圧限界の短い駆逐艦・巡洋艦は波動防壁を破られ次々に爆沈していく。

 

ユージオ「ぐっ…‼︎」

 

アスナ「うぅっ……!」

 

キリト「っくそぉ…好き勝手にやりやがって……‼︎」

 

 

坂本「応戦する!主砲発射ぁ‼︎」

 

春藍の51cm四連装砲がゴルバに向けてショックカノンを浴びせるが、位相変換装甲の前にはまるで効果が無い。

 

坂本「やはり駄目か…!」

 

そのお返しとばかりにゴルバは更に攻撃を強める。

次第に補助艦艇も撃ち減らされていく。

 

古代「真田さん!こうなったら波動砲を!」

 

真田「無理だ、この状況下での波動砲の使用は自殺行為だ!チャージ中は兵装のエネルギーを切るんだ、その間はヤマトは丸腰となり波動防壁も無い!発射前にやられるのがオチだ」

 

古代「だからってこのままやられるわけには…!」

 

痺れを切らした古代は波動砲の使用ができるか聞くが、真田の言う通りであった。今は波動防壁があるからなんとか持ち堪えているが波動砲発射となるとそのエネルギーすらも遮断することになる。

どうしようもない状況に古代は悔しさを滲ませる。

 

 

 

 

だがそれとほぼ同じ頃、敵を一掃し終えたサイバトロン戦士達が到着する。

 

クロームドーム「なっ…なんだあれは⁉︎」

 

ゴルバからの攻撃を受ける地球艦隊を見てクロームドームが声を上げる。

 

フォートレス「⁉︎」

 

その光景を見たフォートレスは直ぐに状況を理解した。

 

フォートレス「なるほど…例の位相変換装甲とやらのせいでまともに反撃ができない訳か……ならば!」

 

ある方法を思いついたフォートレスは仲間達に指示を出す。

 

フォートレス「皆!地球艦隊の援護に向かってくれ!私が奴らを倒すッ‼︎」

 

『『了解!』』

 

交信を終えたフォートレスは司令席の下から剣が格納された台座を取り出す。

柄を握り、剣を引き抜くと艦内のエネルギーが一気に上昇し始める。

 

フォートレス「マスターソォード‼︎」

 

マスターソードと呼ばれる剣を引き抜いたフォートレスはそのままブリッジのハッチを開けて艦の外へと飛び出す。

 

フォートレス「ビッグモード!トランスフォーム‼︎

 

するとその掛け声に合わせてブリッジが真っ二つに折れ、艦首が垂直に曲がり後部エンジンが艦首方向に曲がる。そして後部ハッチが折り畳まれるとフォートレス自身が巨大なヘッドマスターにトランスフォームする!

 

フォートレス「ヘッドオン‼︎

 

なんとマキシマス自体が巨大なトランステクターであり、フォートレス自身も巨大なヘッドマスターであったのだ。

 

「マスターソード‼︎」

 

エンジンノズルから収納されていた拳を出して天高く突き上げると、そこから先程のものより遥かに巨大なマスターソードが召喚され、彼の右腕がしかとそれを握りしめる。

 

こうして史上最大のサイバトロン戦士[フォートレスマキシマス]の完成である‼︎

 

クロームドーム「司令官!」

 

スターセイバー「あれは、フォートレスマキシマス‼︎」

 

 

島「なっ……なんだありゃ⁉︎」

 

古代「マキシマスが……変形して…⁉︎」

 

真田「マキシマス自体も…巨大なトランステクターだったというのか…⁈」

 

 

アズール「なんと…⁉︎まさかあれが例の人型兵器だと言うのか⁈」

 

 

全高3kmのその巨体に、その半分の大きさの「マスターソード(王者の剣)」はマキシマス変形の為のキーであり、扱えるのはフォートレスただ1人。

このフォートレスマキシマスは変形に途轍もないエネルギーを使用する為、彼以外のものが使用しようものなら己の生命エネルギーを著しく削り取る事になる。

またマスターソードのエネルギーも使用してしまえば再度使用するまでに、長い時間を要するのだ。

 

フォートレス「さぁ 行くぞ!デザリアム‼︎」

 

マスターソードを構えたフォートレスはそのままゴルバ・サトゥへと突進する。

 

 

 

 

ゴルバ・サトゥ

 

「敵巨大兵器接近!」

 

「近づけるな‼︎」

 

フォートレスマキシマスの接近を察知したゴルバ側も迎撃の為、兵装を使って応戦するも3kmともなると流石に通用しづらくなる。

 

フォートレス「ぬぅッ…なんのこれしき‼︎」

 

重核子ベータ砲・アルファ砲をものともせずフォートレスは至近距離まで近づくとマスターソードを振り翳す。

 

フォートレス「覚悟ぉ‼︎」

 

如何に頑丈な位相変換装甲といえど、km単位の物体が、それも実体剣が当たればタダで済む訳もなく多少刃の通りが悪いが、その巨体に確かな大ダメージを負わせた。

 

アズール「っ!………何をしてる!奴を沈めろ!収束式ベータ砲発射用意‼︎」

 

残る5隻のゴルバは上昇して下部を展開して「超大型重力場収束式ベータ砲」という超巨大砲の砲口をフォートレスに向ける。

 

フォートレス「なにッ⁉︎」

 

しかしいち早く気づいたフォートレスは直ぐに行動に出る。

 

フォートレス「私ごと味方を道連れにするつまりか⁈ だがそうはならんよ‼︎ぬぉぉぉぉ‼︎」

 

突き刺したマスターソードごとゴルバを頭上に持ち上げて、彼自身も上昇する。

 

フォートレス「エネルギー全開ッ‼︎」

 

アズール「なんだとっ…⁉︎」

 

足裏のエンジンを最大出力にして敵向かって突進するマキシマスの姿にアズールも目を疑った。

 

フォートレス「うぉりゃぁぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

サトゥを抱えたフォートレスはマスターソードを振り翳してゴルバから抜くと同時にサトゥを5隻に向けて放り投げる。

 

なす術もないサトゥはそのまま兄弟達にぶつかり、発射態勢に入っていた5隻はバランスを崩す。

 

フォートレス「今だッ‼︎」

 

マスターソードを構え直すとフォートレスは再びゴルバの群の中へと突っ込んでいくと、次々に斬り刻み始める。

全体に深刻なダメージを負ったゴルバ達は各所から爆発を起こしていく。

 

フォートレス「覚悟ぉぉぉ‼︎」

 

最後に残ったエナムにフォートレスは勢いそのままに斬りかかる。

 

アズール「あり得ない………」

 

その光景を内部から見ていたアズールは何が敗因かも正確に理解しきれないままマスターソードでゴルバごと真っ二つに斬られて崩壊していった。

 

フォートレス「……これが、地球に侵攻した報いだ…!」

 

崩壊していくゴルバを前にフォートレスは口にする。

 

 

 

島「なんて戦い方だ……」

 

真田「話には聞いたが…まさかあれ程のものとは……」

 

古代「知ってたんですか…⁉︎」

 

真田「一応な。だがこの目で見るまで信じられなかったが……」

 

 

 

キリト「でっけぇ……」

 

リズ「凄い……あんなデカブツをああも簡単に……」

 

富森「凡そ3倍はあろうあの巨体によく挑まれた……」

 

アスナ「私なら一つが精一杯です……」

 

大石「これでなんとか、危機を脱したな……」

 

 





敵の待ち伏せもフォートレスマキシマスの活躍で難なく切り抜けた一行はいよいよその歩みを星雲中心部へと進める。
しかし、その先で一行が目にした光景とは………


次回:第捌話 偽りの故郷
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