Re.蒼碧の艦隊3199 〜黒の剣士よ永遠に〜 作:短号司令官
地球に侵攻したデザリアム壊滅を狙って暗黒星雲へと突入した一行
度重なる脅威もサイバトロン戦士達の活躍もあり、無事に退ける事に成功する。
そして遂に敵の本拠地があるとされる暗黒星雲のその先へと進むのだった。
ゴルバの危機から脱した艦隊は、損傷した艦をその場に修理の為残す事にした。
ゲートがあるとされる場所には主力艦となるヤマト・日本武尊等で向かう事になった。
途中、岩石流の中に突っ込む事があったが頑丈なフォートレスマキシマスを最前衛にして突き進んだ。
フォートレス「……!…抜けるぞ!」
青白い閃光を抜けた先に広がっていたのは自分達の住む銀河系と瓜二つの天体が目の前にあった。
そこはめくらめく神秘の宇宙であった。
40万光年という果てしない旅の終わりに………クルー達の目の前に広がった世界………それは地球。人類が未だかつて想像・予想もしなかった世界が…遥か無限の彼方まで広がっていた。
だが彼らは気づいていなかったが、先程彼らが通過した暗黒星雲はこの空間のほぼ真後ろに重なるように位置しており、まさにここは『二重銀河』となっており、暗黒の黒色銀河と広大な白色銀河が織りなし、まざまざと宇宙創生の神秘を見せつけていた。
古代「あれは………?」
艦橋から銀河を眺めていた古代はふと、一際光って見える光点に気がつく。
真田「もしや敵の本星か…?」
沖田「島、あの光点に向かってワープだ」
島「分かりました」
ヤマトが先陣を切ってワープするのに合わせて日本武尊以下の艦もワープに入る。
だが、ワープを抜けた先には信じられない光景が広がっていた。
古代「っ!これは………⁉︎」
相原「航海長…確かにワープしたんですよね………?」
島「あぁ………舵は反転させていない………ましてやこの距離で着くはずがない………」
雪「じゃあ………あれはなんなのよ…」
徳川「ワシらの目が確かならアレは………」
真田「………地球だ………」
青い海・渦巻く雲・緑の大地を持つ、天体が彼らの前に存在しない筈のそれが目の前にあった。
ユージオ「あり得ない………あり得ませんよ!こんなの‼︎」
アリス「ですが、私達の目の前に広がるこの光景は事実です………紛れもなく………」
アスナ「何が………どうなってるの………⁈」
キリト「あそこまで来ていきなり地球に戻る筈はない………」
富森「航路室!進路計算は正確にやったのか⁉︎」
『勿論やりました…艦長…寸分の狂い無く………』
原「長官………」
大石「あぁ……俺でも目を疑ってるよ………」
艦隊は警戒しつつ地球に見えるそれに接近、地球の主要都市・遺跡を映像にとらえた。ピラミッド・万里の長城・ニューヨーク・凱旋門と様々な場所が映し出される。
古代「本当に…地球なのか………?」
キリト「嘘だろ………」
大石・沖田「「………」」
クルー達が驚嘆の感に包まれる中、一部の者はそれに違和感を感じていた。
キリト「先発隊?」
大石の発言に疑問を浮かべる。
大石「うむ、敵が居たとしてこれだけ物静かなのもどうも不気味でな。沖田艦長と話し合って決めたんだ」
キリト「それで、俺達も?」
大石「あぁ ヤマトから数名、本艦から俺と君と結城君とキャップ、あとサイバトロンから二、三名程な」
キリト「降りて奴らが襲ってきたら…?」
大石「………」
それを聞いた彼は無言のまま引き出しを開ける。
大石「これは海軍の主力拳銃のコンぺで落ちた代物だが、威力は折り紙つきだ。護身用に持っておけ」
そう言って彼が取り出したのはコルト・パーカッションリボルバーのような形状の拳銃だった。
少々大振りだがキリトが待つ分には問題なく、大石はそれを手渡した。
キリト「…なんですか、これ?」
大石「海軍40式拳銃 通称:コスモドラグーンだ。我々紺碧会の技術陣が持てる技術を結集して作った史上初の次元反動銃……まぁ簡単にいえば人間サイズの超強力な光線銃だ」
キリト「えっ………そんな代物を……」
大石「俺はこの97式で落ち着いてるからな、元は記念にと持っていたが使い所がなくてな。前々から君に渡そうと思ってたんだ」
キリト「なるほど………とりあえず、ありがとうございます」
ホルスターに入れてキリトは礼を言う。
その後降下したヤマト・日本武尊からコスモハウンドが降り、マキシマスからはクロームドームがやってくる。
レックス「街は綺麗に整備されてるようだな…」
アスナ「でもなんだが不気味……人の気配を感じないわ……」
キリト「確かに見た目は派手だけど活気っていうか……そういったものが無い……」
郊外の着陸場に一同は降り立つ。
レックス「へっ…なんだ、出迎えも無しか?」
アスナ「キリト君、やっぱり何か可笑しいわ…」
キリト「あぁ…」
古代「俺もそんな気が……ん?」
待機所のような場所からデザリアム兵を連れた女が現れるのが見え、レックスがホルスターからDC-17を抜こうと身構える。
大石「何者だ…?」
「私はサーダ。聖総統スカルダート様の補佐官です」
大石「目的は…?」
サーダ「聖総統の御命令で皆様をお迎えに上がりました。どうぞこちらへ」
淡々とした口調に不気味な雰囲気を感じつつ、一同は彼女に着いて行く。
案内された先には自動歩行路が伸びており、それに乗って先へと進む。
一同が警戒する中、大石は………
大石(頼むぞ伍長…できるだけ多くの情報を持ち帰ってくれ……)
大石が考えていたのとほぼ同じ頃
コスモハウンドの格納扉が開き、中から2人の人影が現れる。
エコー「よし、いいぞお嬢ちゃん」
ユイ「はい、エコーさん!」
エコーはそう言ってバッグを背負ったユイ(ラスコレ衣装)を呼び出す。
エコー「よし、もう一度確認する。俺たちはこれから奴らの施設に潜入してあるだけの情報を掻き集める。奴らが本当に未来の人類なのか確かめる為に」
ユイ「はい!スパイ映画みたいでとてもワクワクします」
エコー「ハハ、だといいな。もう一人予定で来る筈だが……」
彼はそう言って空を見上げると上空から一人のサイバトロン戦士が降下してくる。
エコー「オタクか、スペースパンチってのは?」
二人の目の前に現れたのはサイバトロンのダブルスパイ:スペースパンチであった。
スペースパンチ「あぁいかにも。司令官から君達の諜報活動を支援するよう言われて来たぜ」
エコー「ありがとう、助かるよ」
ユイ「よろしくお願いします。パンチさん」
スペースパンチ「ん?パンチさん?アハハw中々面白いお嬢ちゃんだ。よしッ!それじゃあ行くか!」
エコー「あぁ」
ユイ「はい!」
エコーとユイはトランスフォームしたスペースパンチに乗り込むとそのまま市街地へ向けて走り出した。
通路を進んだ先には広い部屋が広がっていたが、中は暗闇に包まれており、涙点型のケースに飾られた絵画の場所だけがスポットライトで照らされていた。
キリト「これは……」
アスナ「モナリザ…?」
ケースには世界的にも有名な絵画が幾つも飾られており、まるでここは未来の地球だと言っているようなものだった。
「ようこそ、皆さま」
荘厳に満ちた声が響くのと同時に正面のスポットライトが灯り金髪・赤眼の男が立っていた。
「我が名はスカルダート。マザー・デザリアムの信任を受け聖総統の座に付く者」
大石「聖総統……つまり貴様が一連の騒動の首謀者だと…?」
スカルダート「騒動とは失礼な、我々は貴方方です。我々の星の話をさせてもらいたい」
そう言って彼は椅子に腰掛けて話し始める。
スカルダート「多くの知的生命がそうであるように、我々もまたアケーリアス文明の子です。ただ…近隣の星間文明より進化の速度が遅かった、光の速度を超える術を知らず 生まれ育った恒星系の外に出ることも叶わず、この宇宙に我々以外の生命体が存在することを知らなかった……しかしそれは突然訪れた。未知の文明が残したテクノロジーを調べ我々は遂に外宇宙に生命体の存在を感じとるようになった」
「「………」」
スカルダート「そして……それは最悪の形…侵略という形で訪れた。ここからは年表も含めてご覧いただきたい」
彼の背後に立体映像が映し出されるのと同時に年表が現れる。
2203年 ガトランティス戦役集結
2206年 ガルマン・ガミラス帝国建国
2213年 ガルマン・ガミラス帝国、ボラー連邦へ宣戦布告
2215年 ボラー連邦、
2219年 ガルマン・ガミラス帝国=地球とボラー連邦、休戦に合意
2225年 デスラー・ドクトリン
2232年 地球連邦、ガルマン・ガミラス帝国を中心としてサジタリウス条約機構結成
2237年 ボラー連邦、ペルセウス条約機構を結成
2241年 第二次銀河系大戦勃発
2250年 オリオン腕事件
2252年 地球連邦、ボラー連邦へ宣戦布告
2255年 恒星間弾道弾により南半球壊滅
2256年 地球連邦、北銀河方面へ波動砲艦隊派遣
2266年 イスカンダルを仲介として停戦に合意
2268年 アベルト・デスラー総統逝去
2274年 バレラスで民主派によるクーデター(ガミラス人民共和国樹立)
2301年 ガルマン・ガミラス帝国分裂
2303年 ガミラス人民共和国、ペルセウス条約機構加盟
2308年 ザルツ解放機構、銀河=マゼラン同時テロ
2309年 波動砲艦隊整備計画
2311年 ガミラス臣民戦争(ガルマン・ガミラス内戦)
2322年 積極的波動砲外交の推進
2352年 サレザー危機
2357年 ボラー連邦がガミラス星、イスカンダル星を破壊
2384年 無制限型戦略AI・DEZARIAM(Ver.1.0)完成
2409年 波動砲拡散防止条約調印
2430年 ゼスパーゼ動乱(ボラーの春)
2431年 ボラー連邦崩壊(銀河系内戦時代)
2435年 ガトランティス資源活用解禁
2437年 第一回銀河平和会議
2441年 銀河恒久平和機構設立
2447年 正統ガミラス帝国、銀河恒久平和機構を離脱
2483年 第一次バラン紛争
2491年 地球連邦主導で銀河秩序維持軍を設立
2496年 地球政府が第13回銀河新秩序大会で代表を務める
2517年 G3計画に基づく兵員強化策最終案
2521年 位相デバイスを使用した次世代の攻撃艦隊の建造計画
2529年 正統ガミラス帝国、波動砲拡散防止条約を破棄
2535年 第二次ガミラス戦争、アンドロメダ級9207番艦「アークトゥルスCXCI」が建造
2541年 無制限自律型総合管理AI・Mother DEZARIAM完成
2798年 旧土星宙域にて空間裂傷発生
2799年 太陽系全域にMother DEZARIAMが緊急事態を宣言
3001年 全地球人類、ホモ・デザリアムへの進化を承認
スカルダート「大まかになりますが、これが我々の歴史です」
古代「これが……未来…なのか…⁉︎」
スカルダート「受け入れがたいのは先刻承知」
大石「なるほど……よく分かりました。貴方方が人類であるということは」
キリト「大石さん…⁈」
スカルダート「ほぉ……受け入れてくださるのですか?」
大石「
古代「長官……」
スカルダート「……では…あくまでも否定なさると…?」
大石「あぁそうだ。それに同じ地球人類だとしても、貴方方が我々の歴史に関わってる時点で歴史は分岐してるということはご存知の上なのですね」
「「っ⁉︎」」
大石「行くぞ、皆」
キリト「…え、はい……」
大石はそのまま一同を連れてその場から早々と立ち去った。
サーダ「肝心な事を忘れてましたが……如何しますか、総統?」
スカルダート「あの男の言ったことは確かだ、だが……これしきの事許容範囲だ。このままでいい、全てはマザー・デザリアムの意思のままに……」
彼女はそのままスカルダートに対して耳打ちする。
サーダ「ところで聖総統、彼らとは別にどうもコソ泥が入り込んだようですが……」
スカルダート「なんだと…?それはいかんな……即刻抹殺しろ」
サーダ「はい、ただいま」
都市内部
到着後、スペースパンチと別れてある建物の中に潜り込み情報収集にエコーとユイは勤しんでいた。
エコー「大凡のデータは回収できたな……」
ユイ「はい、こちらも歴史や出来事に関するデータを取得することはできました」
機器に差し込んだプラグを抜いて荷物を整理するユイにエコーが話しかける。
エコー「お嬢ちゃん、最後の仕上げだ。アレを貸してくれ」
ユイ「はい」
ユイはバッグからスティックメモリを取り出すと彼に投げ渡し、それを受け取った彼はデバイスに差し込む。
エコー「これで
ユイ「はい!」
二人が部屋を出て外へ向かい始めたのと同じ頃。
スペースパンチ「なんて街だ……車どころか人一人も見かけないぞ……」
道路を軽快に走るスペースパンチは疑問を口にする。
スペースパンチ「そろそろ予定の時間だな、迎えに…ん?」
進路変更しようとしたそのとき、ふと搭載している分析探知機にエネルギー反応を検知した。
スペースパンチ「なんだ……?この先の広場からか……」
左手に曲がると先にある広場からの物だと分かると彼はそこに向けて走らせる。
広場に着くと同時にトランスフォームした彼は周囲を探るが、特別何かがあるというわけでは無く、何もない広場がそこにあるだけだった。
スペースパンチ「反応は……この下か…」
彼は地面の下にある反応の正体を確かめる為二連式ブラスターを取り出して構える。
スペースパンチ「気づかれませんように…!」
周囲を警戒しながらその場所にレーザーを撃ち込むと爆発と同時に下に空洞があることが分かった、そこを覗き込むと彼は信じられない物を目にする。
スペースパンチ「…こっ……これは⁉︎」
肩が上にせり出し、ボディの色が灰色になっているが他の部分の形状や何よりもそのマスクをした青い頭部は彼らサイバトロンにとって最も馴染み深い人物がそこに横たわっていた。
スペースパンチ「………コンボイ…司令官……⁉︎」
細かい形状に差異はあるが間違いなくコンボイがそこに横たわっているが、目に光は灯っていない。
スペースパンチ「エネルギー反応はこの司令官から……でもなんでこんなところに……?」
様々な疑問が浮かぶがそれ以前に彼はやるべき事を決める。
スペースパンチ「ともかく…司令官をこんなところに置いて行くわけには…!」
彼をそのまま抱えてトランスフォームすると回収ポイントにまで急いで向かう。
レックス「提督、全員乗りました。さっ早く」
大石「いや…まだだキャップ……」
レックス「まだ……ですか?」
大石「あぁ……まだだ………」
そう言って大石は荒野の先の都市を見つめていた。
すると土煙を上げながら、一台のスポーツカーがこちらに向かって走ってきた。
クロームドーム「あれは……」
大石「来たか…!」
大石が待ち侘びていたのは潜入していた三人であった。
エコー「提督、遅れて申し訳ありません!」
大石「二人とも無事で何よりだ。それで成果のほどは?」
ユイ「シャトルの中で話します。追手が来てるので早く行きましょう!」
大石「良かろう、キャップ!発進するぞ‼︎」
レックス「サーイエッサー‼︎」
エコー・ユイは無事にコスモハウンドに乗り込んで発進し、スペースパンチもクロームドームと共に上空のマキシマスの元へと戻って行った。
聖総統スカルダートの語った歴史を否定した大石、その確証は一体何なのか?
そして遂に敵の猛攻が激しくなる。古代は…大石は…キリト達は果たして地球に再び平和を齎し、真の故郷に帰ることができるのか⁉︎
次回:第玖話 激闘の果てに