Re.蒼碧の艦隊3199 〜黒の剣士よ永遠に〜   作:短号司令官

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デザリアム事件から一年後、敵の本星で回収された詳細不明のコンボイ総司令官のボディ。
その秘密が今明かされる。


Return of convoy

 

富士宇宙港

サイバトロン マキシマスシティの一角

 

マキシマス内にある研究室にて現総司令官を務めるフォートレスは何やら機器で調査を行っていた。自身はかつて科学者だったという経験もある。

そんな彼は以前デザリアム本星でスペースパンチが発見した謎のコンボイのボディを検査していたのだ。

 

フォートレス「……やはり…この結果は間違いなさそうだな……」

 

パネルに表示された結果を見てフォートレスが呟く。

 

そして翌る日、彼はメンバーに招集を掛けた。

 

 

 

 


 

 

 

招集を受けたメンバーに遅れてフォートレスが入ってくる。

 

フォートレス「皆 揃っているな?」

 

辺りを見回して揃っているのを確認する。

 

クロームドーム「司令官。今日集めたのは例の、第二のコンボイ長官については何か分かったのですか?」

 

フォートレス「結論から言うとそうだ。だがその前に君達に前置きとして説明しなければならない事がある」

 

スターセイバー「説明しなければならない事?」

 

フォートレス「君達は『多次元宇宙論』というのを知っているかね?」

 

彼のその説明に一同は互いに顔を見合わせる。

 

ダイアトラス「聞いた事があります。確か複数の宇宙の存在を仮定した理論物理学の説ですね」

 

フォートレス「その通りだ」

 

ハードヘッド「でもそれとこれがどう関係してるんですか?」

 

フォートレス「実は、スペースパンチが発見したもう一つのコンボイ長官のボディ…あれは我々が元いた世界とはまた別の世界の…別の歴史を歩んだコンボイ長官だったんだ」

 

「「⁉︎」」

 

ブレインストーム「ど…どういう事ですか⁉︎」

 

フォートレス「大まかに説明すると、発見された方のボディに記録されていたデータによるとな。あのコンボイ長官は2010年までは、我々と同じような歴史を歩んでいたようだが2011年から大きく分岐していたようなのだ」

 

スターセイバー「つまりは……並行世界…パラレルワールドのコンボイ長官だと…?」

 

フォートレス「そうとしか言いようがない、それに幾つかの違いもあったんだ」

 

ソニックボンバー「違い?」

 

フォートレス「パラレルワールドの長官は、かの時代では《バトルコンボイ》と呼ばれメガトロンと戦いを続けていたそうだ。だがある戦いで命を落としボディを修復しても彼は目覚めなかった、だからその世界のサイバトロンは長官のボディを宇宙葬にした。だが何かの拍子でこの宇宙に流れ込んで、デザリアムの本星へと辿り着き彼らの管理下に置かれたというわけだ」

 

クロームドーム「バトルコンボイ……」

 

フォートレス「それに彼のボディにはエネルギーが充填されているがスパークがない、反対に我々の長官のボディにはエネルギーがない代わりにスパークがある」

 

フォートレス達の宇宙では、コンボイはかつて暴走するベクターシグマをコントロールすべく自身の生命エネルギーを解放して安定化させる代わりにその命を落とした。しかしボディには彼のスパークが残されており、現在もマキシマスの中で厳重に安置されている。

 

フォートレス「ここまで来れば、私が何を言いたいか分かるな?」

 

ダイアトラス「コンボイ長官を……蘇らせる…と?」

 

フォートレス「そうだ」

 

しかしここで異を唱えるものが出た。

 

スターセイバー「待ってください。自分も確かにコンボイ長官を蘇生させる事は賛成です。ですが、それにはマトリクスが…」

 

 

《マトリクス》

それは代々サイバトロン歴代総司令官に受け継がれてきた叡智の結晶である。外観は青白い結晶体を黄金色の容器が囲む形である。この容器を開放することで内部のエネルギーを開放できる。

 

2010年 彼らの世界で蔓延した宇宙ペストを鎮静化させる為に復活したコンボイがマトリクスを解放したが、マトリクスは空となった。

その後コンボイはマトリクスにエネルギーと叡智を充填する為、隠された後再びロディマスコンボイの手に渡った。

 

だがセイバートロン星がスコルポノックの手で破壊された際、彼はそれを新総司令官となったフォートレスに託す事なく新天地を求めて旅に出たのだった。

 

 

フォートレス「それについては大丈夫だ。スターセイバー」

 

スターセイバー「どうしてです?」

 

フォートレス「実は艦娘の宇宙に来る前、ロディマスが一度私の元を尋ねて来てな。その際に……」

 

 

 

ロディマス『リーダーでない私がこれを持っていてもしょうがない。フォートレスよ、君からまた次の代の司令官達に引き継いでいってくれ』

 

 

 

フォートレス「……そう言って私にマトリクスを託して再び旅に戻られた」

 

スターセイバー「そうだったのですか……」

 

クロームドーム「司令官!早くやりましょう!」

 

フォートレス「あぁだが待て、単に蘇らせると言っても莫大なエネルギーが必要なんだ。マトリクスだけではそれは賄い切れない」

 

クロームドーム「なんですって…⁉︎」

 

フォートレス「私の計画としては、二つのコンボイ長官のボディを融合、そして再構築させて新しいボディを生み出すつもりだ。だがそれにはこのマキシマスとマトリクスのエネルギーだけではな……」

 

一同に沈黙が流れる中、ダイアトラスが口を開く。

 

ダイアトラス「司令、でしたら我々のゾディアックを使えば?」

 

フォートレス「うむ……私もそれは思った。だがどうするかなんだ……」

 

ダイアトラス「マトリクスが純正エネルギーと叡智の集合体だとするなら…そこにゾディアックのエネルギーを流し込むのです。勿論強力すぎるのでマトリクスが崩壊しないようごく僅かですが……」

 

ハイブロウ「司令官…」

 

フォートレス「……よし、それで行こう!」

 

かくしてサイバトロンによるコンボイ復活プロジェクトが始動するのだった。

 

 

 

 


 

 

 

手始めにダイアトラスはフォートレスが保管していたマトリクスを預かり、超新星エネルギー:ゾディアックのエネルギーを流し込む事にした。

 

ダイアトラス「いくぞッ……」

 

ゾディアックから放たれた波のようなエネルギーがマトリクスのコア部分に吸収されていくにつれてマトリクスにも変化が現れ始めた。

 

ソニックボンバー「見ろ!マトリクスが……」

 

なんと、マトリクスが次第に銀色へと変化していくではないか。

ダイアトラスはエネルギーの注入をやめたが、マトリクスの変化は止まらず遂に全体が銀色に包まれた。それでも叡智の結晶からは青白い光が放たれたている。

 

ソニックボンバー「成功……なのか?」

 

ダイアトラス「分からん…だが少なくとも失敗ではない。これをフォートレス司令の元へ」

 

 

 

 

実験室では二つの診療台に横にされた二体のコンボイと、周辺の機器を操作して準備を整えるフォートレスとパーセプター・ホイルジャックらの姿があった。

 

ホイルジャック「なぁパーセプター、上手くいくと思うかね?あっしは自信がないよ…」

 

パーセプター「自信がないのは私も同じだよ、ホイルジャック。だがゴッドジンライをビクトリーレオにしたときのようにやるしかいない」

 

黙々と作業が進められる中、パワードマスターの二人が変貌したマトリクスを持参した。

それを受け取ったフォートレスは驚愕した。

 

フォートレス「なんだこれは…⁉︎まさかゾディアックのエネルギーでこうなったのか⁉︎」

 

ダイアトラス「お察しの通りです。ですが効力は失われてはいません」

 

ソニックボンバー「マトリクスとしては充分機能する筈です」

 

フォートレス「……分かった」

 

マトリクスを受け取ったフォートレスはエネルギーの無い方のコンボイのボディにマトリクスをセットする。

台座が沈降し、透明なプレートを覆われる。

 

フォートレス「準備はいいな⁉︎いくぞッ‼︎」

 

レバーを倒すと光が迸るように流れ、稲妻が辺りに走る。

 

フォートレス「いいか!二つのコンボイ長官のボディの機能とマトリクスのパワー、ゾディアックのエネルギー、そしてコンボイ長官の記憶と意思を持った全く新しいコンボイ長官が誕生する!各自、再生機能の操作を怠るな‼︎」

 

パーセプター「了解!」

 

ホイルジャック「任せんしゃい‼︎」

 

 

 

 


 

 

 

再生手術は三日三晩に渡って続いた。

彼程複雑な機構を持つ二つのボディを融合させるのだから当然だ。

しかしフォートレスらが根を上げる事はなかった。

 

そして遂に、その時が来た。

 

フォートレス「……皆、我らの総司令官の帰還だ……‼︎」

 

上昇してきた台座の上には生まれ変わったコンボイの姿があった。

両肩に二門の連装キャノン砲が搭載され、頭部や胸部には新しい装飾が施され全体的にヒロイックな容姿に変化している。

また両足の後部にはキャタピラが装着されている。

 

コンボイの再生と同時に、新総司令官スターコンボイの誕生であった。

 

スターコンボイ「ここは…?」

 

目覚めたばかりのコンボイの記憶はヘッドマスターズがやってきた直後の時点で止まっていた。

 

フォートレス「お目覚めですか、コンボイ長官」

 

スターコンボイ「君は……あの時の…」

 

スターセイバー「どうやら、2011年で記憶が止まっているようですな……」

 

ダイアトラス「司令、私を覚えてますか」

 

スターコンボイ「君は…ダイアトラスか!」

 

コンボイとダイアトラスの付き合いは古く、トランスフォーマー達が地球へとやってくる遥か400万年前からである。

他のコンボイの部下もいるが、彼と旧友と呼べるのはダイアトラスの他いなかった。

 

スターコンボイ「ダイアトラスよ、私はあの時確かにベクターシグマを制御する為に生命エネルギーを解放して死んだ筈、なのに何故生きている⁉︎ロディマスは何処だ?」

 

ダイアトラス「司令、落ち着いてください。時間をかけてゆっくり全てをお話しします」

 

 

 

それから彼らはコンボイが死んだ後の世界や、自分達がこの世界へやってくるまでの経緯、そして現在は至るまでの話を包み隠さずコンボイに話した。

 

 

スターコンボイ「そうか……するとロディマスは我々の安住の地を探す為に……」

 

フォートレス「はい、しかしそれ以降もデストロンによる破壊活動は…」

 

スターコンボイ「分かった。ところでこの世界ではトランスフォーマーは我々だけなのか?」

 

スターセイバー「生憎と他のトランスフォーマーは確認されません。それに類した種族も」

 

スターコンボイ「すると……この世界の宇宙にはヒューマノイドタイプしか存在しないのか……元の世界に帰れる術は無いのか、フォートレス?」

 

フォートレス「それについては現在地球の科学者達と研究中です」

 

スターコンボイ「そうか、ありがとう。話は分かったが私が再び総司令官の座に就いて良いのか?」

 

ダイアトラス「異論はありません。皆満場一致で大賛成です」

 

フォートレス「貴方の他に居ません」

 

スターコンボイ「しかし……スターセイバー、君も適任だと思うが?」

 

スターセイバー「いえ、私は一戦士…勇者の端くれです。貴方のような方に指揮を取っていただいたなら、我々の士気も上がります」

 

辺りを見回してみると皆が復活した自分へと期待の眼差しを向けているのが分かる。

こうなってしまったなら折れるしかない

 

スターコンボイ「そうか…皆がそう言うなら致し方あるまい。よかろう‼︎これよりサイバトロンの指揮は私が取るッ‼︎」

 

「「オォォォ‼︎」」

 





こうして蘇ったコンボイによって再びサイバトロンはその士気を高めるに至った。
新総司令官スターコンボイ、彼の活躍は如何なるものになるのか?
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