Re.蒼碧の艦隊3199 〜黒の剣士よ永遠に〜 作:暁司令官
ボラー連邦による米第8艦隊壊滅の報は地球側に行動を促すようになり、ボラー連邦との戦いは間近に迫っていた。
西暦2208年
先のボラー連邦との冥王星沖での戦いの最中、実はもう一つ事件が起きていた。
というのも地球側の注意が冥王星方面に向いている中、ボラー連邦の惑星間弾道ミサイルが太陽系内に飛来。
複数発ある内の一つが太陽に着弾し異常なまでの熱暴走を発生させ始めていた。
その影響は地球にも及び、赤道直下では連日50℃以上を記録。
他の地域でも異常気象は見られ日本列島各地でも連日30℃以上を記録していた。
富士宇宙港 マキシマスシティ
メインパネルに表示される太陽の状態を見てフォートレスは唸り声を上げる。
フォートレス「うぅむ………やはり無理か…」
腕を組んで考えている最中、扉が開いてスターコンボイが入ってくる。
スターコンボイ「やぁフォートレス、状況はどうだ?」
フォートレス「おぉこれは司令官。やはり太陽の熱暴走は止まる様子がありません。解析によると発生させられる熱エネルギーの量が先週の時点でから倍近くにまで増加しております」
スターコンボイ「うむ……止められんか?」
フォートレス「出来ても暴走の遅延程度です。我々トランスフォーマーに対して影響がないのは別として、このままでは異常気象が連発するばかりです……」
スターコンボイ「………」
フォートレス「司令……」
コンボイは沈黙を破って本題をフォートレスに伝える。
スターコンボイ「フォートレス、実は折りいって君に話しておく事が出来たんだ」
フォートレス「…なんでしょう?」
スターコンボイ「近々私はダイアトラスとスターセイバー、それと仲間達を連れて旭日艦隊と共に銀河系中心部へ赴く事になった」
フォートレス「なんと…」
スターコンボイ「それでだ…この地球の守りを君達ヘッドマスターに任せようと思ってな」
フォートレス「しかし……どのようにして行かれるおつもりなのですか?拠点としても我々が同行すべきです!」
彼にしては珍しく強く意見を言うが、コンボイはそれを宥めて言う。
スターコンボイ「気持ちは分かる。だがこの星を守る者がいなくなっては不味いだろう?だから君が適任なんだ」
フォートレス「司令官……」
スターコンボイ「頼むぞ」
コンボイとフォートレスのやり取りから数週間後のある日。
日本列島 内陸部のとある道路
日本アルプスにある宇宙港に向けて走る一台の車に乗って、古代と雪が話していた。
古代「それにしても、なんでわざわざこんな山奥に宇宙港なんて作ったんだ?」
雪「臨時でだって、異常気象で普通の宇宙港じゃあ通常通りの出港が出来ないからですって」
古代「そうか……」
雪「それに船体にも影響があるからって」
古代「だからといって日本アルプスに作るなんて……」
それからしばらくして信号待ちで止まっている最中、横に一台のバイクが止まった。
「アレ?古代さん?」
古代「?」
バイクの運転手が突然声をかけて来たがヘルメットを被ってたせいで顔が見えない。
古代「えっと……何処かで会ったかな…?」
すると後ろに座ってた女性が彼に話しかける。
「キリト君、古代さん見えてないよ?」
「え?あっいけね!」
そう言って彼はヘルメットのバイザーを上げると、古代も見知った二人が居た。
古代「和人君!」
雪「それに結城さんも!」
キリト「お久しぶりです。古代さん」
アスナ「こんにちは、雪さん」
古代「驚いたよ……でもなんでここに?」
古代の疑問に答えるようにキリトが口を開く。
キリト「古代さん達が日本アルプスのヤマトに向かってるように、俺とアスナも黒部にある日本武尊のところに」
古代「なるほど……そういう事だったのか。ところでそのバイク……」
キリト「あぁ、GSX-R1000R ABS です。以前大石さんに昇進祝いで買ってもらったんです。っ!じゃあまた!」
青信号に変わったのを見てバイザーを下ろして二人を乗せたABSは軽快に走り出して行った。
雪「あれ確か200万ぐらいするバイクよ……」
古代「ッスーー……は?」
一方で当の本人らは
アスナ「ねぇキリト君」
キリト「ん?」
アスナ「なんで私達の方はダムの中になったの?北海道とか択捉島とか、元々あった辺りにもいい場所あったんじゃないの?」
キリト「あぁ、他の場所の船を避難させてて場所が一杯一杯だったんだ。だから黒部ダムの中になったんだ、アルプスの方はヤマトが先に席を取ってたみたいだし」
アスナ「そうだったんだ。もう他の皆は着いてるんだよね?」
キリト「あぁ日は別々だったみたいだけど準備とかで先に皆行ってるよ。おっ!見えたぞ、アスナ!」
そう言って正面に見えてきたのは日本最大の大きさを誇る黒部ダムと黒部湖が二人の視界に入る。
アスナ「わぁぁ!大っきい‼︎」
キリト「高さ186m、1963年に建てられた日本最大級のダムだ」
バイクを降りて、ダムの脇にある建物に入る。
中にあったエレベーターから下へ降り、水中ドックにある日本武尊の下へと向かった。
キリト「大石さん」
大石「おぉ来たか、我らが戦術長」
大石の出迎えを受けてキリトとアスナは応礼で応える。
大石「皆君達が来るのを今か今かと待ち侘びておったぞ」
アスナ「遅くなってすいません。皆は?」
大石「被服室に向かった。今回からまた新しい物に変えたよ」
キリト「また新しくしたんですか?」
大石「あぁ、今回は君達の意見をふんだんに取り入れた物になってるよ」
そう言われた二人はそれぞれ被服室に行って仲間達との再会を果たしつつ新たな制服に袖を通す。
そして着てみて気づいたが、それは前世世界でARを使った《オーディナル・スケール》の時の服装だという事に気づくのだった。
制服に着替えた一同が向かったのは中央作戦室であった。
ここで大石は改めて今度の航海の目的を説明していた。
大石「既に周知の通り、今回の我々の目的地は銀河系中心部だ」
レックス「俺達の目的はガルマンの連中と連携して輸送船団を守りつつ、太陽の異常暴走を鎮静化させる術を探す…と」
大石「その通り。だが後者に関してはあくまでもついでだ」
シノン「ついで?なんでですか?」
原「元々はヤマトの役割だったんだが、方角的に我々も近い事からその役割を我々も担う事になったんだ」
ユージオ「なるほど…確かにその方がヤマトの人達の負担軽減にもなりますね」
リーファ「でも護衛が任務なら、もう少し手数はあってもいいんじゃないですか?」
アリス「確かに今の私達だけでは困難としか言いようがありませんね…」
大石「心配無用だ。それについては、後で前衛打撃艦隊、航空基幹艦隊と合流すると手筈が整えられている。護衛には必要な数はそこで揃う」
シリカ「初めて聞きますけど…?」
キリト「今まで外縁系で訓練や艦艇の建造とかで殆ど出てこなかったからな」
ファイヴス「今回から本格始動というわけだ」
リズ「なるほどねぇ〜その人達も含めて数はどうなるの?」
富森「大凡50隻前後となります。ですがヤマトは以前と変わらず単独行動になりますが」
アスナ「そこは私達と古代さん達って割り切りましょう」
キリト「あぁ」
大石「何か質問はあるか?無ければ解散、出港は明朝〇六〇〇だ。それまで各自充分休養を取るように。以上」
翌朝には日本武尊は水中ドックから浮上し、黒部湖にその姿を表していた。
リーファ「天気良好!視界良しッ!水面も安定してます」
リズ「全機構異常無し…うん!上々ね」
日本武尊に乗艦してはや数年が経つが皆大分慣れた様子であった。
富森「波動エンジン内、エネルギー充填120%。フライホイール始動」
ユージオ「フライホイール始動。波動エンジン点火10秒前…9…8…7…6…」
補助エンジンが始動し日本武尊は微速前進し始める。
いよいよメインエンジンへの点火だ。
ユージオ「5…4…3…2…1」
大石「発進ッ‼︎」
大石の号令の下、爆音と共にエンジンノズルから炎を噴き出す。
艦首を切る水飛沫を払いながら日本武尊は離水し、空へと舞い上がる。
サイバトロンシャトル
ハウンド「コンボイ司令官、ヤマトタケルが発進しました」
スターコンボイ「よぅしホイルジャック、我々も発進だ!」
ホイルジャック「よし来た‼︎」
日本武尊の後を追うようにサイバトロンシャトルもエンジンを始動させて離陸する。
ダイアトラス「我々も行きますか」
スターセイバー「えぇこの世界の銀河へ」
「「トランスフォームッ‼︎」」
さらにそれに遅れてスターセイバー・ダイアトラスの両名もトランスフォームし一同に追いつく。
再び大宇宙へと飛び立ったキリト達、波乱に満ちた銀河系で何が起こっているのか……?
しかしそんな中ヤマトに危機が訪れる。
次回 episode.4 ヤマト救出