Re.蒼碧の艦隊3199 〜黒の剣士よ永遠に〜   作:短号司令官

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今回キリト君の手にある物が渡ります。


第一話 過去と未来と並行と

 

キリト「えっと……はい?古代さん、今なんて…?」

 

何やら衝撃的な一言を聞いたのか、彼は古代に何事かを聞き返していた。

 

古代「だから、高野軍令部総長が君に会いたいって」

 

キリト「……古代さん、軍令部総長って……」

 

古代「簡単にいうと君が前に会った大石長官のさらに上の方だよ…」

 

キリト「嘘でしょ………」

 

それを聞いた彼は頭を抱え込んだ。

彼がこの世界へ来て早一月、ある程度この世界の生活に慣れたということを踏まえ、また彼の経歴を見た高野総長が直々に会いたいとのこと。

 

キリト「つまり……めっちゃお偉いさんってことですか……?」

 

古代「うん、そうだね」

 

キリト「なんでそんな人が……」

 

古代「やっぱり…君の経歴じゃないかな?」

 

キリト「アレですか……」

 

しかし事はもう進んでる。今更どうこう言っても事態は変わらない、もはやされるがままと言わんばかりの心境で彼は事に当たることにした。

 

 


 

 

数日後、彼は富士宇宙港から首都の東京へと向かった。

 

車中から見える景色は自身が生きていた時代とは変わらないようで変わっていた。

町行く人の格好は至って普通だが、ビルや掲示板などは大いに変化している。

 

会談場所である海軍省に到着した頃には日はすっかり暮れており、人目も疎らであった。

 

車から降りると赤色のマーキングを施したクローントルーパーが出迎えた。

 

「総長閣下より出迎えを言いつかりました。CC-4477サイアです。どうぞ、ご案内いたします」

 

先導するサイアの後に続くようについて行く。

政府施設に入る事など今までに無かった彼に途轍もない緊急感が押し寄せていた。

 

キリト(俺に会いたいなんて……一体どんな人なんだ……?)

 

しばらく行くと応戦室と書かれた札のある部屋の前にまで来た。

サイアがノックをして中に確認を取る

 

サイア「閣下、例の人物をお連れしました」

 

「入ってくれ」

 

扉を開けるとテーブルを挟むように二人の人物が座っており一人にはまた別のトルーパーが、部屋の隅にはさらに四名のトルーパーが陣取っていた。

 

奥側に座っていた白髪の紳士が立ち上がってきた。

 

「ご足労をお掛けします。首相の大高弥三郎です」

 

「軍令部の高野五十六だ、よろしく」

 

キリト「…えっと、桐ヶ谷和人…です」(古代さん、首相さんまでいるなんて聞いてないんですけど⁉︎)

 

と内心思いつつも、表には出さず大高に差し出された手を握る。

彼に促されて3人は席に座る。

 

高野「諸君。すまんがキャプテンとコマンダーを残して他は出てくれんか?」

 

「了解しました」

 

そう言われた4人は退室、ソーン・サイア両名は扉の横にそれぞれ並んだ。

 

大高「さて、桐ヶ谷さん。貴方の経歴は一通り目を通しましたが、よもや我々と同じとは」

 

キリト「えっ同じ…?」

 

高野「総理、それは早すぎますぞ」

 

大高「おっとこれは失礼w」

 

開口一番に"我々と同じ"と言われて流石のキリトも訳が分からないといった様子だった。

 

キリト「えっと……大高さん、同じとは…?」

 

大高「あいや失礼、簡潔に申し上げると実は私も総長も貴方と同じ生まれ変わりを経た者なのです」

 

キリト「え……えぇ⁉︎」

 

驚きの連続とはまさにこの事、自分と同じ経験をした人物がこうもあっさり現れるなど想像できるだろうか。

 

高野「驚くのも無理は無かろう、だが君が生きていた時代とは違う時代から生まれ変わってきたのだよ」

 

キリト「違う…?」

 

高野「我々の前世は太平洋戦争で死んだ軍人なのだよ」

 

キリト「⁉︎」

 

大高「総長は当時の連合艦隊司令長官、私は陸軍の軍人だ」

 

もう驚かない気でいたが、予想外の返答に流石のキリトも驚きを隠せないでいた。

 

大高「だが事実でもある」

 

キリト「でも……それと俺がどう…?」

 

高野「そうだな、だが君の経歴を見るにある仮想世界でそれこそ"世界大戦"と言っても良いような出来事を君は経験しているね」

 

彼がいうのは「異界戦争」の事だとキリトも察した。

確かにアレはAI開発の枠を超えたVRワールド内における一種の世界大戦にまで発展した大事件であり、キリト自身もその中心的な人物である事は確かであった。

 

大高「真の目的がなんであれ、ある種の国家間での戦争が引き起こされたのは間違いない」

 

高野「例え何であれ、君達が生きていた時代にまでそのような禍根を遺してしまった事を私は内心悔やんでおる……」

 

キリト「……」

 

大高「もう二度と……罪もない若者が苦しむ事など………我々はしたくは無かった」

 

高野「君はそれを乗り越えて平和を掴んだ、我々がなし得なかった事を」

 

キリト「……でも完全な平和なんて無理でした。現に戦後直ぐや200年経った後にも禍根が残ってしまって……俺にも無理だったんです……」

 

高野「だが、君のその経験をそのままにしておく訳にはいかん」

 

大高「貴方の経験は非常に価値がある、そして何より貴方には若者としての視点や価値観がある。我々にはない発想などもお待ちだ」

 

キリト「つまりは……協力して欲しいと…?」

 

高野「言ってしまえばそうだ。本来なら心苦しい事だが、君の経験をそのままにしておく訳にはいかんからな」

 

それを聞いた彼は少し考える素振りを見せてこう答えた。

 

キリト「その申し出、受けさせてもらいます。但し一ついいですか?」

 

大高「伺いましょう…」

 

キリト「俺を軍に入隊させてください」

 

「「………」」

 

キリト「駄目ですか……」

 

大高「総長」

 

高野「私情だけで反対するのは簡単だが、現に君には何の身分も無いからな……今後の事を考えると………許可しよう」

 

キリト「ありがとうございます…!」

 

高野「だが一口に入隊と言ってもな、君の学力や特性等を見てどの階級かどの科目に配属が良いかなどは決めさせてもらうよ」

 

キリト「はい」

 

大高「総長、私は彼を501軍団につけてはどうかと思うが?」

 

高野「…と言いますと?」

 

大高「確か彼らも以前は騎士のような人物らが率いていたと……お!そうだ。コマンダー」

 

すると彼は何かを思い出したのかソーンを呼ぶ。

 

大高「総長の部屋に例の物があった筈だ。アレを取ってきてくれんか?」

 

ソーン「…えっと……アレとは?」

 

大高「総長に見せたアレだよ」

 

ソーン「……宜しいのですか?」

 

大高「彼なら扱えそうな気もする。頼むよ」

 

ソーン「……分かりました」

 

総長室にあるものを取りに向かったソーンを見送ると3人は話に戻る。

 

高野「実をいうとだな、生まれ変わりをしているのは我々だけではないよ」

 

キリト「え?」

 

高野「君が会った大石君やキャプテン・レックスもそうだ」

 

キリト「え……えぇ⁉︎それじゃあ…」

 

高野「あぁ彼もまたそうだ」

 

大高「何なら、先程のコマンダーもそうだよ」

 

キリト「古代さんは…?」

 

高野「残念だが彼は違う、だが何かしらの影響で突然前世の記憶を得る事もあるからな。今後は彼が転生することもあるよ」

 

キリト「なるほど…」

 

それから少ししてソーンが縦長の小さなトランクケースを片手に戻って来た。

 

ソーン「閣下、例の物をお持ちしました」

 

大高「ご苦労、コマンダー。桐ヶ谷さん、これを」

 

そう言ってケースを渡し、彼は開いて中身を取り出す。

 

キリト「これは……」

 

取り出したそれは一見すると刀の柄・鍔(はばき)が一体になり、刀身の無い刀ような金属製の物体であった。

 

大高「縁の辺りにボタンがあるでしょう?それを押して見てください」

 

言われた通り縁の根元辺りにあったボタンを押してみると鎺の部分から

起動音と共に光刃が形成される。

刀身は真っ黒だったが、ぼんやりとした白色光に縁取られ、不気味な輝きを放った。

 

キリト「おぉ…!」

 

大高「遥か大昔の銀河に存在したジェダイという騎士が使ってた武器だそうです。如何です?」

 

キリト「ちょっと重いような気もしますけど……扱う分には全然問題ありません。でもいいんですか?」

 

大高「構いません。昨年持ち帰って以降調査もあらかた終わって半ば私の私物と化していました。私が扱うには向きませんが、貴方は剣術が達者とお聞きしましたので」

 

キリト「何から何まで……ありがとうございます!」

 

後日、キリトには一等宙尉の階級と共に日本武尊戦術科及び、501軍団への配属が言い渡されたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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