Re.蒼碧の艦隊3199 〜黒の剣士よ永遠に〜 作:短号司令官
西暦2202年
着々と会合を果たすキリトと仲間達。
しかしそんな一方で危機が迫るメンバーもあった。
「ハァ…ハァ…ハァ…強い……」
ユージオは戦いの経過と共にそう実感した。
相手は赤い騎士に暗黒騎士が多数に巨人族が相手であった。
もしこの場にアリスが居なかったら自分達はあっという間にやられていただろう……
巨人族に攻撃を当てようにも周りの騎士達が邪魔をして中々攻撃が通らない。
辛うじてシノンが遠距離からダメージを与えているが余り効果が無さそうであった。
それに
ユージオ(こうなったら……)
意を決した彼は《青薔薇の剣》を逆手に持って駆け出す。
アリス「ユージオ⁉︎」
ユウキ「⁉︎」
ユージオ(この一瞬で!)「エンハンス・アーマメント!」
剣を地面にに突き刺すと切り口から氷が迸り次々と敵を凍らせていく。
ユージオ「今だ!」
彼に合わせてユウキ・アリスが飛び込み巨人に攻撃を仕掛けようとするが並々ならぬ力で氷を砕くと拳を振り翳す。
咄嗟に二人は避けられたが場所が悪くユージオはそのまま殴り飛ばされた。
ティーゼ「先輩!」
ユウキ「ユージオ!」
シノン「っ‼︎」
巨人はそのまま足元の氷も割って再び歩き出す。
そしてユージオには暗黒騎士の生き残りがトドメを刺そうと近寄っていく。
シノン「させない!」
ヘカートを構えるも巨人の攻撃が邪魔で援護ができない。
ティーゼ「先輩!逃げてください‼︎」
ユージオ「っ‼︎」
彼が再び顔を上げた時には既に相手は剣を振り翳しており、とても避けられるような距離では無かった。
セルカ「ユージオ‼︎」
彼は駄目だと感じ、目を瞑った。
が次の瞬間には何も起こらなかった。恐る恐る目を開けて見ると、目の前には相手の頭が転がっており顔を上げると首の無い胴体が血を吹き出して立っていた。
ユージオ「…⁈」
何が起こったのか分からないでいると、死体が倒れて別の人影が現れた。
彼はその人物を見て一目で騎士では無いと理解した。
何故なら彼が身に纏っている物を見ると鎧にしてはどうも簡素すぎる上、黒を基調として所々に白や赤の塗装が入っている。
その人物が近づいて倒れ込むユージオと視線を合わせてしゃがむ。
「大丈夫か?」
そう聞かれた彼は戸惑いながらも頷いて応答する。
「そうか、俺はハンター。キリトに言われてお前達を助けに来た」
ユージオ「えっ⁉︎」
一瞬聞き間違えたかと思って驚く彼を他所に、立ち上がったハンターは手を差し出して彼を引き起こす。
ユージオ「あの…」
ハンター「ん?」
ユージオ「今……キリトって……」
ハンター「あぁだが詳しい事は後だ。名前は?」
ユージオ「ユ、ユージオです」
ハンター「OK、ユージオ。あのデカブツを叩きのめすぞ」
そう言いながら彼は左腕に収納していたナイフを取り出す。
ユウキ「誰なんだろ…アレ…」
二人のやり取りを見ながらユウキは不思議に思っていたが、その油断が一瞬の隙を生んだ。
シノン「ユウキ!危ない‼︎」
ユウキ「えっ」
彼女が視線を横にやると巨人がどうやら自分を標的にしたようで今にも殴りかからんとしていた。
ユウキ「ちょっとちょっと嘘ぉ⁉︎」
距離的に避けられなくは無く避けようとしゃがもうとしたその瞬間、彼女の目の前に影が覆い被さり巨人の拳を受け止めたでは無いか。
ハンター「来たか、レッカー」
巨人の拳の陰から顔を出したのはクローンの中で恐らく最高峰のパワーを持つメンバーのレッカーであった。
レッカー「ハハッ!中々いいパンチだったぜ‼︎」
そして彼はお返しにと言わんばかりに目一杯のパンチを繰り出して拳を弾き返して巨人をたじろがせた。
レッカー「なんだどうした?もっと来いよ!」
それに触発されたように巨人は雄叫びを上げる。
レッカー「ハッハハ‼︎そう来なくっちゃなぁ‼︎」
ユウキ「凄い……のかな?」
仲間の無事を確認したシノンはヘカートから弓矢に変更するが、変更し終えたその瞬間だった。
ユイとセルカから赤い騎士が近寄るのを見て構えるがその人物の背後からも敵が現れる。
シノン「しまっ…!」
反応が遅れたと回避しようとするが間に合いそうに無い。
しかし次の瞬間、赤い騎士の頭を横から青白い光弾が貫きそのまま反動で押し飛ばす。
シノン「……⁈」
「同じスナイパーなら、もう少し周りは気にした方がいいぞ」
影から現れたのは先程の二人と似たアーマーを着込みスナイパーライフルを持った男であった。
シノン「同じ……ね…」
クロスヘアー「ふっ」(なるほど…キリトが言ってたのはコイツか…)
彼は以前キリトが言っていたのが彼女であると推測を立てる。
それを知らないシノンは思い出したかのようにユイ達の方を見ると敵の姿は無く、彼女らを守るように別の二人が脇に立っていた。
クロスヘアー「アイツらは俺の仲間だ。心配するな」
シノン「……その保証は…?」
クロスヘアー「…敵ならお前をもう殺ってる」
シノン「……ふん、分かったわ…」
クロスヘアーはユイ達の脇にいるエコー・テクに通信を繋ぐ。
クロスヘアー「テク、二人は保護したか?」
テク『大丈夫、周りの敵は排除したよ』
クロスヘアー「そのまま二人を守っておけ」
エコー『任せな』
交信を済ませるとシノンの横に並び、レッカー・ハンターらと戦闘を繰り広げる巨人の様子を伺う。
シノン「それで、何か手立てはあるの?」
クロスヘアー「あぁ…一応な」
シノン「一応…?」
クロスヘアー「タイミングが合えばそれを発動できるがな…」
シノン「ところで名前は?」
クロスヘアー「クロスヘアーだ…お前は?」
シノン「私はシノンよ」
クロスヘアー「OKだ。面白いものを見せてやる」
そう言って彼は自慢のライフルを構えると巨人とは別方向の木を狙った。
シノン「…?」
訝しむ彼女を他所に彼がトリガーを引いて放たれたブラスターボルトは木に当たって弾道を変え巨人の後頭部にヒットする。
シノン「⁉︎」
クロスヘアー『ハンター』
ハンター「良くやった」
まともにブラスターを喰らった巨人はふらついており、今が絶好のチャンスとなっていた。
ハンター「ユージオ、やれ!」
ユージオ「はい…!エンハンス・アーマメント!」
彼の指示で再び氷を張って拘束する。彼のその攻撃に合わせてハンターは走り出す。
ハンター「レッカー、ナイフ!」
レッカーは指示通り足につけていた鞘から専用のナイフを取り出しハンターに投げ渡す。
受け取ると同時に右手に持っていたもう一本を巨人の目を目掛けて投げつけ片目を潰した。
激痛の余り悶絶するその瞬間、ジャンプで飛び上がったハンターが受け取った方で相手の首を切り落とした。
首は落ち、不可抗力で首から下が倒れる。
ハンターは頭に残ったナイフを抜く。
ハンター「良くやった」
レッカーに受け取った方を返しながら礼を言う。
レッカー「ガッハハハwいつも通りですぜ」
ハンター「この場にいるのはこれで全員か?」
彼はユージオにメンバーについて問いかける。
ユージオ「はい、これで全員です。ところでハンターさん…キリトに頼まれたって…」
アリス「頼まれた……⁉︎」
シノン「キリトに……?」
ハンターが口を開こうとしたその時、茂みの奥から人影が現れ構えるが瞬時に味方だと判断し武器を降ろす。
リーファ「シノンさん!皆!」
リズ「おっ!いたいた!」
シリカ「ユージオさん!」
アリス「リーファにリズ…!」
シノン「無事みたいね」
ハンター「上手く見つけたようだな」
グレガー「あぁ俺だってコマンドーの端くれだぜ?」
更に遅れてファイヴスらも現れた。
ファイヴス「おぉ?お揃いかな?」
ロニエ「ティーゼ!」
ティーゼ「ロニエ!」
バラバラになったメンバーの顔を見て安心するユージオらとそれを見て安堵するハンターらであった。
自己紹介等も軽く終えて一通りお互いの名前は理解できるようにはなった。但しヘルメットを取る事はしなかった。
それからハンターらは彼女達がここに来た経緯を聞き、自分らがここに来た経緯も話した。
アリス「つまり…私達は
テク「君達の証言を聞く限りだと、そういうことになるね」
ユイ「あのー…エコーさん」
エコー「なんだ?お嬢ちゃん」
セルカ「私たち、キリトがいるって聞いてるんですけど……」
ユウキ「あっ確かに」
ロニエ「そうです。先輩は…この世界にいるって事ですよね……」
そう言われて当人が居ない以上なんとも言えないのが現状である。
ヘヴィー「ファイヴス、キャプテンとは連絡は…?」
ファイヴス「一応したが……まだなんとも」
ジェシー「ハァー…なんでこう重要な時にキリト共々居ないんだ……」
グレガー「コマンダーもだよ…」
リズ「そういえば……アスナも無事なのかしら……」
シノン「アスナ……」
若干のお通夜ムードみたいな空気の流れそうになったそのときだった。
レックス「皆、遅れて悪かったな」
ハンター「キャプテン…!」
ヘヴィー「やっとお出ましですか」
コーディ「悪いな、ちょいと道に迷ってな」
グレガー「全く頼みますよ、コマンダー」
シリカ「あっ……あぁ…‼︎」
彼女が驚いた声を上げるのは、別の二人組を傍に見たからでそれを見て他のメンバーを息を飲んだ。
アスナ「大丈夫そうね、皆」
リーファ「アスナさん……!」
シノン「それに………‼︎」
キリト「よっ、久しぶりだな。みんな!」
「「キリト(さん・パパ・先輩)‼︎」」
懐かしい声と顔を見てキリトも薄っすらと涙を浮かべつつもその顔は満遍の笑みであった。
遂に仲間達との再会を果たしたキリト。
そして彼らに語るこの世界の概要にアスナ達は驚愕する。
そして彼女達の運命は…?
次回:再出発