失恋して彼女を寝取られてしまいましたが、学校一のおひいさまに溺愛されています   作:瓜生史郎

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17話

 次の日の放課後、何時ものように一緒に帰っていると、ふいに彼女が振り返る。

 

「ねぇ、PC壊れちゃったんだけど、和也君直せる?」

 

 突然の話に、俺は少し戸惑った。だが、修理系の相談ならわからなくもない。IT系が得意とはいえないが、それなりに知識はあるつもりだし、凛華に頼られるのは悪い気がしなかった。

 

「まあ、できる範囲でなら見るけど」

 

 そう答えると、彼女はにっこりと笑う。

 

「じゃあ、私の家に今から来てくれる?」

「うん、わかった。え? 凛華の家に……?」

 

 こうして俺は、まさかの凛華の家へ行くことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 凛華の家は、俺の住んでいる所から、2駅離れた場所にある高層マンションだった。

 

 エントランスのオートロックを抜け、案内されるままエレベーターに乗る。美咲の家にも行った事のない俺の心臓は、既に緊張でドキドキである。

 

「部屋から、PC持ってくるからリビングでくつろいでてね」

 

 中に入った俺はリビングに案内され、そこで1人待つことなった。

 

 ソファに腰かけた俺は、リビングを見渡す。ピンクが好きなのだろうか?カーペットや家具、クッション等全てピンク色だ。

 

 家具の上には、俺達がやっているゲームの小さなフィギュアが飾っており、その隣には動物のぬいぐるみが置いてある。

 

 結構可愛い趣味をしてるんだな。

 

「おまたせ」

 

 リビングに入って来た凛華の服装は、黒い長いスカートのワンピースというリラックスした私服姿だ。

 

 良かった……。刺激の強い服装じゃなくて……。

 

「で、これが私のPCなんだけど……」

 

 そう言って、凛華はピンク色のケースに入ったPCとモニターを置く。

 

 貼ってあるラベルを見る限り、かなりいいスペックの物を使っているようだ。

 

「どう?直りそう……?」

「1つ1つのパーツを、見て見ないことには……」

 

 まず俺は、凛華から借りた工具でPCのパーツを外す作業を始めていく事にした。

 

 1つ1つのパーツを電源に接続し、反応するかを試していく。

 

 そして、しらみつぶしに調べていった結果、どうやら原因はグラフィックボードの故障だと判明した。

 

「これ、グラフィックボードが壊れてるな。交換するしかない」

「そっかぁ……。でも、どれを買えばいいかわからないんだよね。適当に良さげなもの注文しようかな?」

 

 凛華が机に肘をつきながら、ちょっと困った顔をする。

 

 普段は完璧に見える彼女が、こうして無防備な表情を見せると、なんだか少し安心するというか、可愛らしく思えてしまう。

 

 だが、こんな凛華に1人でグラボを選ばせていいんだろうか?適当に選んでしまうと、ゲームが快適にできなくなってしまう可能性もある。

 

 不安だ……。そう考えた俺は意を決して口を開く。

 

「じゃあ、今から一緒に買いに行こうか?まだ家電量販店は開いてるし」

「え? いいの?」

「グラボって意外と種類多いし、性能もピンキリだから、ちゃんと見て選ばないと後悔するぞ」

 

 俺がそう言うと、凛華は嬉しそうに微笑んだ。

 

「うん、それならお願いしちゃおうかな! ちょっと着替えてくるから、外で待ってて」

「わ、わかった……。」

 

 彼女が立ち上がり、部屋の奥に向かう。俺は促されるままに部屋を出て、外で待つことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 外で待っていた俺は顔を赤くしていた。

 

「誘ってしまった……」

 

 声に出して悶絶せずにはいられない。あの場の勢いとはいえ、まさか自分から「一緒に行こう」なんて誘うとは。すっごい恥ずかしい。

 

 いや、冷静になれ。これはただの用事だ。ただの買い物だ。

 

 と、心を落ち着けていると、玄関のドアが開く。

 

「おまたせー!」

 

 出てきた凛華に、俺は思わず目を見張った。

 

 さっきまで部屋着のようなラフな服装だった彼女が、すっかりおしゃれな装いに変わっていた。白いブラウスにベージュのプリーツスカート、上には薄手のカーディガンを羽織り、足元にはさりげなくヒールのあるパンプス。シンプルだけど洗練されていて、彼女にとてもよく似合っている。

 

「どうかな? 最近買ったやつなんだけど……」

 

 少し照れたように髪をかき上げる仕草をする。その自然な仕草がまた心臓に悪い。

 

「に、似合ってる。すごくいいと思う」

「ふふ、ありがと。じゃあ、行こうか!」

 

 彼女が嬉しそうに微笑みながら先を歩き出す。俺はその後ろ姿を追いながら、なんだか自分が彼氏か何かになったような錯覚を覚えてしまっていた。

 

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