様々なトラブルを解決し、俺たちはようやく落ち着いてゲームをする事が出来る様になった。
という訳でゲームを遊ぼうという事になり、ゲームを選んでいたのだが……。
「さて、どのゲームをやるかね。ドラゴン以外で」
「えー。ドラゴン楽しいのになぁー。大暴れ! うおー! って感じで楽しいのになぁー」
「今は疲れてるからね。明日以降にまたやろう」
「はぁーい」
あれだけミクちゃんの世界で暴れていたというのに、まだ暴れたりないのかとジーナちゃんを見て驚愕しながら、俺はテーブルに置かれたゲームの数々を見る。
が、しかし……多いな。
誰だよ、こんなにゲームを買った奴。
なんて言ったら、俺が俺自身に刺される事になる為、黙っておくが……。
まぁ多い。
山積みになったゲームを一本一本見ながら、どれがちょうど良いのかな。なんて考えて、選んで……。
「リョウお兄ちゃん」
「ん? どうしたの。ココちゃん」
「ココ、前はすごい楽しかったから、みんなのゲームやるまで、だいじょうぶ」
「そっか。ココちゃんは優しいね。ありがとう」
「えへへ」
ふしぎ探検隊のゲームを抱きしめながら可愛い自己主張をしてくるココちゃんに笑いかけながら感謝を告げ、じゃあ一緒に選ぼうかとココちゃんを抱きかかえる。
一緒にゲームを見ながら、決めていく方針だ。
「ふむ。人生ゲームか。えー。このゲームは初回のみ多くの時間がかかります。遊ぶ場合は食事、飲み物をご持参いただけると快適に遊ぶ事が出来ます。途中中断も可能ですが、推奨は出来ません……か」
「ながいんだ」
「そうみたいだね。やるなら明日以降かな」
「うん」
「次は……国家運営大戦略。それぞれのプレイヤーが国の王様になって、国を運営しながら世界の覇権をかけて争うゲーム。シンプルながら奥深い世界観は……うんぬんかんぬん。なるほど。面白そうだけど、今やるには中々ハードだね」
正直なところ、まだ昼過ぎというところだが、体力は中々に削られているし、精神力などもっと削られている。
あんまり頭は使わず、呑気に遊べるゲームがやりたい所だ。
まぁ、みんながやりたいのなら多少は無理するけどね。
「お兄ちゃん。コレ」
「んー? 洞窟探検隊。未知なる洞窟へ足を踏み入れた我々は、様々な鉱石を発見した。君たちには是非とも未発見の鉱石を集めてきてもらいたい! って、これ。ふしぎ探検隊と同じ人が作ったゲームか」
「キラキラきれい」
「そうだね。じゃあ、これやろうか」
「うん……! っ! だ、だめ。この前ココのゲームやったから、だめ」
「そうかい? じゃあ、また落ち着いたらやろう」
俺は洞窟探検隊を横に置き、次なるゲームを探すのだった。
「おー? おー! リョウ君! リョウ君! 面白そうなゲーム見つけたよ!」
ココちゃんと一緒にゲームを探していた俺は、テーブルの向こうから聞こえてきたジーナちゃんの声に顔を上げる。
そして、渡してきた箱を受け取り裏面を見るのだった。
「伝説のギャンブラー。ルールはシンプル! 様々なギャンブルに挑戦し、持ちコインを増やせ! ただし、君からコインを奪おうと、様々なインチキを仕掛けてくる店員や客がいる! 上手くかわして多くのコインを集めよう! か」
「うんうん! どうどう?」
「あんまり激しく動かないだろうし。俺は良いと思うけど、みんなはどう?」
俺は桜やフィオナちゃん、リリィちゃんとミクちゃん、そしてココちゃんに問うた。
皆、このゲームが良いと頷いてくれ、俺たちは『伝説のギャンブラー』で遊ぶ事にするのだった。
遊び方は『ふしぎ探検隊』と同じ。
魔導具を使って、ゲーム空間へと移動するだけだ。
そして、俺たちは煌びやかな賭博場の会場へと足を踏み入れる。
服装は葬式の時に着ていた様なスーツ姿になっており、桜たちは可愛らしいドレス姿になっていた。
「なるほど。こういう雰囲気なのか」
「キラキラで楽しそうだねー」
「そうだね。じゃあまぁ、特に危険は無さそうだし、それぞれ好きな場所で遊ぼうか」
「「さんせーい!」」
「じゃあさ! じゃあさ! 誰が一番多くコインを集められるか勝負しようよ!」
「あぁ、そうだね。良いと思うよ。目標がある方が面白いだろうしね」
ジーナちゃんの元気な提案を受け、みんなそれぞれの場所に散っていった。
俺は俺で、どうやって遊ぶかとか、何があるのかとかを考えながら周囲を見渡す。
が、そこで気づいた。
最初のコインはどうすれば良いのかと……。
「お客様。遊ぶ用のコインをお求めですか?」
「えぇ、はい。そうですね」
「ではこちらを。100コイン入っております」
コインを探して周囲を見渡していた俺は、ピシッとした服を着た人に話しかけられ、親切そうなその人に100枚のコインが入った籠を渡して貰った
数えてないけど、まぁ……嘘を吐く理由も無いしな。
「こちら、ゼロ枚になりましたら、またお声がけ下さい。100枚配らせていただきます。コインが無くなる事を気にせずお楽しみ下さい」
「それは、ご丁寧にありがとうございます」
俺は親切な方にお礼を言いながら、コインを持って歩き出した。
が、すぐに近くを通りかかった男が籠からコインを盗もうとしていた為、腕を捕まえて制圧する。
「いだっ、いだだだだ、折れる!」
「窃盗は駄目だぞ」
俺は男の腕を捻り、背中に押し付けながら床に抑え込んで、警備の人を呼んで連れて行って貰うのだった。
「お客様。ありがとうございます。僅かですが、これはお礼です」
「あぁ、これは丁寧にどうも」
男を警備の人に渡してから、店の人にお礼だという事でコインを100枚程貰う。
これで俺の持ちコインは200枚となった訳か。
なるほど。
このまま盗人を捕まえ続ければ、コインは十分に稼げそうだが。
「それじゃゲームにならないもんな」
俺は桜とココちゃんが仲良く遊んでいるゲームの近くへ行き、二人を狙う盗人が居ないかを気にしながらテーブルのゲームに参加するのだった。
「おや! お客さん。初めましてかな!?」
「えぇ。そうですね」
「じゃあ、このゲームのルールを紹介するよ! このゲームは……!」
「っと、失礼」
店員さんの言葉を遮って、俺は近くを通りがかった店員が持っていたステーキのナイフを借り、ココちゃんの籠に手を伸ばしていた女に向かって投げた。
ナイフは女の顔ギリギリの場所を通過して、壁に突き刺さる。
「ひっ、ひぃい」
「え? なに?」
「どうしたの? おねえちゃん」
「いや、何か、後ろの人が」
キョロキョロと周囲を見渡している桜やココちゃんに見つからない様に俺は女を呼び寄せて、警告する。
「次はない」
「……ワカリマシタ」
女は怯えた顔でここから離れてゆき、俺は再び店員さんへ向き直るのだった。
「話を遮って申し訳ないですね。続きを聞かせていただいても?」
「えぇ。勿論! しかし、貴方はとても素晴らしい力を持っている様だ!」
「……」
「貴方ならこのゲームを十分に楽しめるでしょう!」
「ふむ」
「では! オープン! バトルフィールド!」
店員さんが両手を広げて、笑った瞬間、テーブルの上が光り輝き、俺の前に半透明のテレビ画面の様な物が浮かび上がる。
そこには様々な物が掛かれており、名前と数値が書かれている様だ。
「ルールは簡単! このバトルフィールドで、勝ち残る魔物がどれかを当てるゲームだ!好きな魔物を選んでくれ! もし 一番最後まで生き残れたら画面に記されている一番上の枚数がもらえるよ! 後は順位によって上から順に2番目、3番目となっていく方式さ」
「なるほど。一番最後まで生き残る魔物を選ぶ。外れても救済措置はあるという事かな」
「イエース!」
「じゃあ、考えてみるか」
俺は浮かび上がった半透明の画面を見ながら、どんな魔物が居るのか。数値と共に見比べて考えるのだった。