今回も少し長めです。
それでは、どうぞ!!
「なぁ、鴉」
どうもみなさん、鴉です。
いま、教室でイッセーと話をしている真っ最中です。
「どうしたんだよ、イッセー」
「お前しか真剣に頼める奴が、いないんだ」
「だからどうしたんだよ、イッセー」
「実は明日、夕麻ちゃんとデートなんだけど」
「よかったじゃん。おめでとう」
「あぁ、ありがとう。じゃなくて!そのデートのことで、悩んでるんだよ」
「デートのなにを悩むんだよ」
「ほら俺、夕麻ちゃんが初めての彼女だろ?」
「そうなの?」
「そうだよ!」
「それで・・・」
「それで、どんなところに行けばいいのかとかをアドバイスが欲しいんだ」
「なるほどね。でも、なんで俺なんだ?松田や元浜がいるだろ」
「あいつらは、ダメなんだ。俺が言うのもなんだけど・・・頭の中にエロいことしか入ってない」
「どんな質問をして、どんな答えが返ってきたんだ?」
「Q、初デートで行くところは?A、元浜は、『ラブホ』。松田は、『下着屋』だった」
「どちらも、論外だな」
「だろ!だからもう鴉しか、相談できる相手がいないんだよ」
「わかったよ。で、なんだっけ?初デートで行くところだっけ」
「そうそう。お前なら、いいところ知ってるかなって思って」
「俺ならってなんだよ。俺ならって。まあいいや。その前に、イッセー。一つ聞いていいか?」
「なんだよ?」
「デートは何曜日の何時だ」
「えっと・・・日曜日の午後1時からだな」
「それだったら、ぶらぶらと買い物がいいかな」
「なんで、ウインドウショッピングなんだ?映画とかじゃないのか?」
「デートは、最初の方は自分と一緒にいると楽しいぞ!と相手に思わせたもん勝ちだ。だから、ウインドウショッピングなんだよ」
「具体的には?」
「服屋で相手の服をみたり、3時くらいになったらファミレスで、なにか食べるのもいいな。まぁ、俺から言えるのはこのくらいだな。あとは自分で考えろ」
「ありがとな、鴉!勉強になったよ」
「おう。初デートがんばれよ」
「おう!絶対に成功させるよ」
そして、二日後の午後1時・・・(イッセー視点)
イッセーは、初デートの相手を待ちながらわくわくしていた。
(今日は夕麻ちゃんとデート!デート!はぁ、今まで生きていて良かったぁ~)
そのとき、イッセーにチラシを配っていた女の人が近づいてきた。
「どうぞー」
「あっ、ありがとうございます」
チラシを配ったら、すぐさま行ってしまった女の人を尻目に、イッセーはチラシの内容を見ていた。
(ついつい、貰っちまった。えっと、なになに。あなたの願いを叶えますぅ?なんかの宗教勧誘かな。まぁいいや、家に帰ったら捨てよ)
そして、そのチラシをポケットにしまった瞬間に夕麻ちゃんが来た。
「ごめんね、イッセーくん。まった?」
「全然大丈夫だよ、夕麻ちゃん。俺も今来たところだから」
(くぅ、このセリフ一回は言ってみたかったんだよなぁ~)
そして、俺は夕麻ちゃんと手をつなぎながら街へと歩いて行った。
とうぜん、美少女と手をつないだ時点で俺のテンションは上限を知らないくらいに上がっていたが、それを表にだすほど、俺も子供じゃない。
嘘です。本当は、目から熱い水があふれ出そうになるのを、必死に我慢してたさ・・・ああ、そうだよ!俺はチェリーボーイだよ!チェリーボーイで何が悪い!
それからは、服屋で互いに似合う服を探したり、夕麻ちゃんが部屋に置く小物が欲しいっていうから雑貨屋を見たり、ファミレスで食事したりした。
たぶん、いや絶対この時間が俺の人生で最高の時間だ!と何回思った事か・・・
お母さん。俺を産んでくれてありがとう!お父さん。どうにか家の遺伝子を俺の代で、とぎらせずにすみそうです。
そして、日が傾いてきれいな夕焼けを少し見た後、小さくて人が全くいない公園に来た。
そんなところに来たら、健全な男子高校生だったら、色々な妄想をしてしまうわけで・・・
こんな人気のない場所に来て・・・もしかして、キ、キスを期待しちゃってもいいんでしょうか!
そこで、夕麻ちゃんが噴水に腰かけてこっちに向き直り、
「イッセーくん、今日は楽しかったよ。ありがとう」
「いや、夕麻ちゃんが楽しんでくれて良かったよ。もちろん俺も楽しかったよ」
「それで、私たちの記念すべき初デートってことで、1つだけ私のお願いを聞いてくれる?」
首を少し傾けて、聞いてきた。
き、きたああああああぁあぁぁぁあああ!
つ、ついにきた!もうこれは、キスしかないよな!そうだよな!口の臭いは、よし!心臓はバクバクいってるけど、問題ない!
「な、何かな。お願いって?」
うわずった声で聴き返す。しまった!ここにきて、なんていうミスを!
夕麻ちゃんにバカな妄想してることが、ばれちまう!でも、夕麻ちゃんは俺に微笑んでいるだけだ。
よ、よかった。ばれずにすんだみたいだな。
そして夕麻ちゃんは、俺に向かってはっきりとした口調で、
「イッセーくん、ここで死んでくれないかな?」
と笑顔で言ってきた・・・・・・
俺は少しの間、フリーズしていたと思う。今、夕麻ちゃんはなんて言った?
「ご、ごめん。夕麻ちゃん。俺の耳おかしくなったみたいだから、もう一度言ってくれないかな?」
聞き間違いだ。だから、聞き返した。あたりまえだろ!
でも、夕麻ちゃんは笑顔のまま、もう一度
「死んでくれないかな?」
さっきよりも、はっきりした声で言った。
俺の思考は完璧に止まっていた。だれだって、こうなると思うぜ。
そんな思考が止まった状態のまま、俺は夕麻ちゃんに「冗談キツイなぁー、夕麻ちゃん」と言おうとした瞬間に・・・
バサッ。何かが、羽ばたく音が聞こえた。しかも、目の前から聞こえた気が・・・
俺が音の音源の方に顔を向けると、夕麻ちゃんの背中から翼が生えていた。真っ黒な翼が・・・
夕麻ちゃんが、何回か羽ばたくと黒い羽が数枚宙を舞い、俺の足元に落ちてきた。
「なんだ、あれ・・・」
心で思ったことが、自然と口からこぼれていた。
あれは、天使のように可愛い夕麻ちゃんなりのドッキリなのか?
でも、あの翼どうやってできてるんだ?何かの最新技術を使った、演出か?
夕闇を背に真っ黒な翼を羽ばたかせる彼女は、幻想的なまでに美しかった。
だが、そんな幻想的な場面を見ても、そんな現象を俺が信じられるわけがない。
そして、彼女―夕麻ちゃんの両目が優しい物から、冷たく獲物を狩るときのような狩人の目に変わった。
「あなたとのデートや過ごした日々が、楽しかったのは本当よ。まるで、子供のおままごとのようで」
夕麻ちゃんの声は、優しくて包み込んでくれるような声色ではなく、冷たく大人っぽい妖艶な声色に変わり、口元に冷笑が浮かんでいた。
ブゥン。TVゲームを起動させるときに鳴る音に近いが、それよりも重い音が鳴った。
耳鳴りに等しい音を出しながら、夕麻ちゃんの手の中に槍のような物が一本収まった。
その槍のような物は、光っていた。
「あれ、槍のような物じゃなくて・・・槍じゃねえか!」
俺がそう言った瞬間に、ヒュッ。
何かを投げたような風きり音。そしてすぐに、ドン!と鈍い音がする。
俺の腹に何かが通り抜けたと感じたとき、夕麻ちゃんが持っていた、光の槍が俺の腹を貫いていた。
あの風きり音が鳴ったときに、投げられていたのか!いや、でもなんで?
槍を抜こうと、槍をつかもうとしたけど、槍はふっと消えてしまう。
残ったのは貫いていた槍が消えて、ポッカリと穴の空いた俺の腹だけ。その穴から、溢れ出す血。血。血。
素人目にも、やばいのがわかる。
頭がくらくらしてきた。視界が靄がかかったようにボヤける。体もぐらぐらしてきて、足元が崩れて、倒れてしまった。
コツコツと俺に近づいてくる足音。
耳に響くかすかな声。夕麻ちゃんだろう。
「ゴメンね、イッセーくん。あなたは私たちにとって危険な存在だから、早めに殺させてもらったわ。恨むなら、あなたの体に
霞む意識の中、夕麻ちゃんの声が聞こえてくる。
セイ・・・なんて言った?
聞き返すことも、できない。そのまま、足音は遠ざかって行った。
それに伴い、俺の意識も遠のいていく。腹にポッカリと空いた穴。どこからどう見ても、重症だろう。だが、痛みは全くない。
けど、意識が急速に無くなって行くのがヤバイってのはわかる。
このまま、眠るように意識を失ったら、どんだけ心地よいのだろうか?だけど、そうしたら、俺は確実に死ぬ。
えっ?マジかよ。高2で死んじまうのか、俺。
まだ人生の半分どころか、1/4しか過ごしてないぞ!
こんな人気のない公園で、つい最近できた彼女に殺されて、オサラバとかマジで、笑いごとじゃねえ!
そんなことを思っているうちに、俺の意識はどんどん薄れていく。
そんな薄れていく意識の中で俺は・・・
ああ、明日の学校では、俺なんて言われるのかな・・・女子には、心配されないだろうな。ていうか、自業自得なんて言われたりな・・・松田達は、悲しむかな。まあそれこそ、あいつらに限ってな・・・
お袋、親父。まだ、ろくな親孝行もしてなのに・・・
あっ!今思い出したけど、俺の部屋にある、俺の宝物が死後に見つかるのは、いたたまれなさすぎるぞ!
ていうか死ぬ前には、よく走馬灯を見るとかいうけど、実際にはこんなどうでもいいこと考えちまうもんなんだな・・・
手を動かしてみると、まだ動いた。
その手で、腹のあたりをさする。顔の近くまで持ってくると、紅く、紅く染まっていた。
そのとき、俺はふっと、ある一人の人物を思い出した。それは、この手と同じかそれ以上の紅い髪を持つ、美人な女の子。あの人を学校で見かけるたびに、あの紅い髪が俺の目に、鮮烈に映ったものだ。
どうせ、死ぬならあんな美少女に抱かれ、おっぱいに手を置いて、死にてえなぁ。
だが夕麻ちゃんという可愛い彼女がいるのに、他の女子のこと考えてしまう俺って、浮気性なのかな?と考えてしまう。
まぁ、その夕麻ちゃんに殺されたわけだけども・・・
ていうか、夕麻ちゃん。どうせ殺すなら、おっぱいぐらい揉ませてくれたって、いいじゃねえか。
ははっ。死ぬ前まで、エロい妄想しかしてないのか俺。もしかしてこのせいで、俺って彼女できなかったのかな?
あぁ、ヤバイ。頭が働かくなってきた。いよいよ、ラストってことか・・・
ちくしょう!あまりに薄っぺらくて、充実感が少ない人生だった・・・
もし、もしも。生まれ変われるとしたら、俺は・・・・・・
そして、誰かの声が聞こえたところで意識がなくなった。
夕麻視点・・・
「ふぅ、やっと終わったわ」
そうつぶやいた瞬間に、どこからか四人の男たちが出てきた。
「お疲れ様です」
「あら?いたの」
そう返しながら、夕麻はこの四人組のことを思い出す。こいつらは、流れの何でも屋で組織名をたしか・・・『
「あぁ、堕天使様たちの仕事の後始末が、俺たちの仕事なんでね」
「そう。じゃあ、後は頼むわ。私はもう行くから」
そういって、夕麻は去って行った。
「よーし。それじゃあ、死体の回収をして、とっとと帰るか」
「そうしようか」
そう話す、四人組の近くに新たな四人組が現れた。
「そうはさせるか」
「誰だ、テメェ!」
「何でも屋だよ。ただのな」
「なら邪魔しないでくれるかな?こっちも仕事なんでね」
「あいにくと、その仕事を邪魔するのが俺たちの仕事なんでね」
「ちっ。めんどくせーけど、殺すしかねえか」
「ヤルとしたら、別の場所がいいな。『
「
「な、なんだこれは!?」
そう言い残して、四人組の男たちは突如として、出現した時空の穴に飲み込まれていった。
少し前から、イッセーたちのデートを見守っていたんだが。あの夕麻って子、俺がにらんだ通り堕天使だった。
そして、イッセーが殺されてから少し経ったら、謎の四人組がイッセーを回収しようとしたのでそれを邪魔してやった。
移動して、町はずれの空き地。
「いってー。どこだここ?」
「町はずれの空き地だよ」
「テメェはさっきの!」
「俺たちを殺すんだろ?ヤレルもんなら、ヤッテみな!」
「いいぜ。ヤッテやる!お前ら、準備しろ!」
安い挑発にまんまと乗ってくれた男たちは、懐からケータイのようなものを取り出した。
「いくぞ、お前ら!」
「「「おう!」」」
「「「「変身」」」」
そういって、男たちはケータイの0を三回連続で押した。
そして、腰に巻いていたベルトにはめ込む。
『コンプリート』
そう機械音が言った瞬間に、男たちはオレンジとシルバーが基本のスーツに包まれていた。
「なんでしょう~。あれは~?」
「・・・わからない」
「スーツっていうか、バトルアーマー?」
「お前ら、覚悟しろよ。殺してやるからなぁ!」
「よし。こっちも神器発動だ」
「了解しました~」
「わかったよ♪」
「・・・うん」
「「「「
「かかれ!お前ら!!」
「行こうか!みんな!!」
そうして、四対四の闘いが始まった・・・
???視点。
チラシの魔法陣から呼び出されたと思ったら、呼び出し人は血まみれで倒れている、うちの学校の後輩だった。
しかも、前から気になっていた後輩だ。
「あなたね。私を呼んだのは?」
声をかけても、反応がない。どうやら、意識を失っているらしい。
「あら、もう死んでるのかしら?でも・・・ふふっ。面白いわね。・・・本当に面白いわ」
魔法陣から呼び出された、人物は倒れているイッセーを見て、くすくす笑っていた。
そして・・・
「どうせ死んでしまうなら、私があなたを拾ってあげるわ。これからは、私の為に生きなさい。まぁ、どうせ聞いてはいないでしょうけど」
そういって、イッセーを担ぎ上げまた魔法陣で消えていった。
罪喰い視点。町はずれの空き地にて・・・
「はぁ、やっと終わった」
そこには、四つの死体とその傍らで休んでいる、四人の人影があった。
「なかなか、強かったですねぇ~」
「あの装甲硬すぎ」
「・・・攻撃、通りにくい」
すでに、あの四人組と戦って10分は過ぎていた。
そして、あの四人組をかなり苦労して倒して、得た情報は・・・
彼らは、ほんのしたっぱに過ぎないこと。
彼らは、『変身ベルト』なる『神器』にも対抗する力を持っていること。
彼らの組織の名前を『
「死体の回収をして、帰ろうか」
「わかりました~」
そう返事をした『
「あ!イッセーはどうするの?」
「・・・心配ない」
「
「問題って、なんですかぁ~」
死体を喰らい終わったらしい、天使喰いが聞いてくる。
「それは、帰ってから話すよ。とりあえず帰ろう」
「・・・回廊、オープン」
そうして、彼らも闇に消えていった・・・
多重視点って難しい・・・
わかりにくいと思いますが、勘弁してください。いや、マジで・・・
もうやりたくないですね。
次回からは、またオリ主視点です。