あの事件の翌日・・・私立駒王学園、二年の教室。
「お前ら、本当に覚えてないのか?」
「なんども言わせるなよ、イッセー」
「俺たちは、そんな記憶はない」
どうも、鴉です。朝登校してきたら、あの三人トリオが、白熱?の議論をしていたので、俺も加わります。
「おはよ、三人とも」
「おぉ。おはよ、鴉」
「おはよーさん。鴉」
「よぉ、鴉。おはよう」
「で、何の話してるの?」
「なぁ、鴉。いきなりだけど、質問良いか?」
「どうしたんだ、イッセー?」
「お前はさ、『天野 夕麻』って女の子の事、覚えてるか?」
俺は心の中で、きたっ!と思った。
彼女は、元イッセーの恋人で堕天使の女。
あいつがイッセーの前から消えたっていうことは、記憶の消去からなにまで徹底的に行っているはずだから、ここは知らないふりをするか・・・
「『天野 夕麻』ねぇ?俺はそんな子、知らないけど。元浜たちは?」
「俺たちも知らないんだよ、そんな女の子」
「なぁ、イッセー。やっぱり一度、病院に行った方がいいんじゃねえか?」
「いや、大丈夫だ」
「まぁ俺らは、思春期だからな。そんな、自分に彼女ができました!みたいな幻想を見ることもあるさ。だからイッセー、元気出せって」
「俺の秘蔵のDVDとか、見ようぜ。な?」
と言って、元浜がイッセーの机の上に秘蔵のDVD―つまりは、エロDVDだ―を惜しみなく出してく。
あっ、遠くから女子の「ヒッ」ていう悲鳴と、「朝から最低!」「鴉くん以外は、死ねエロ餓鬼ども」という罵詈雑言が、聞こえてきた。
「見るな見るな、女子供は見るな。脳内で、きわどいプレイで犯すぞ!」
「あと今さりげなく、鴉以外は死ねって言ったの誰だ!なんで鴉はいいんだ!」
「元浜、セリフが最低だぞ。松田、落ち着け」
「ところでどうした、イッセー。お前にしてはテンション低いじゃねえか。こんなお宝を目にしたら、嫌でもテンションあがると思ったんだけどな・・・」
「いや、俺も普段だったらこの時点で、元気が出るけど。最近、朝が辛くてな」
「お前、風邪でも引いたのか?」
「いや、まさか。エロの権化たるイッセーが、風邪をひくとは考え難い」
「松田、お前失礼だぞ?」
「よっし!イッセー。今日の帰り俺の家に寄れ。皆で、このすばらしきDVDを鑑賞しようじゃないか!」
すると、元浜がそのテンションに乗っかり、
「それは、名案じゃないかね!松田くん。ぜひともそうするべきだよ!もちろん、鴉も来るよな?」
「わり。今日は用事があるから、無理だわ」
「ちっ!どうせお姉さま方とデートでもあるんだろ」
「違うよ」
「まぁいい。で、どうするイッセー」
「わかったよ、元浜。松田。今日は無礼講だ!ポテチとコーラで祝杯をあげて、DVD鑑賞としゃれ込もうじゃないか!」
「おう!それでこそイッセーだ!!」
「その意気で、青春を謳歌しようじゃないか!」
そんな、バカなことを話し合っていたら、イッセーが窓の外をボーっと見ていた。
「ん?どうした、イッセー」
「い、いや。なんでもない」
イッセーがそういったところで、チャイムが鳴った。
「そうか。じゃあ、今日も一日がんばるか」
こうして、俺たちの一日が始まる・・・
そして、夜・・・
「今日は、松田達の家の周辺を巡回するよ」
「もうお仕事ですかぁ~」
「今日は、何が起こるかな♪」
「・・・早く行って、早く帰ってくるの」
俺たちは、仕事の無い日は散歩と称して、見回りをしている。
「あっ、それと一つだけ連絡事項があるよ」
「なんですかぁ~?」
「イッセーが悪魔になった」
「イッセーが?」
「・・・なんとなく、気が付いてた」
「さっすが、
「・・・気配が違った」
「まぁ、ということで・・・散歩に行きますか」
そんな訳で、散歩をしていたら件のイッセーが、堕天使に襲われるところに遭遇した。
「あっ、イッセーだ」
「また、殺されそうだね♪」
「・・・まぁ、ほんとに」
「良く死ぬ子よねぇ~」
そんなことを遠くで見ながら話していたら・・・
「あっ!イッセーまた、刺された」
「しかも今度は、男ですねぇ~」
「イッセーも運がないよね♪」
「・・・だれか、出てきた」
そう剣喰いが言うのと同時に、魔法陣が出現した。
その魔法陣からは、赤髪の女子が出てきた。
「なんか、喧嘩してる」
「あぁ。わかりましたぁ~」
「わかったって、なにが?」
「あの人ですよぉ~。イッセーさんを拾った人」
「・・・あぁ。なるほど」
納得していると、さっきの堕天使がこちらに向かってきた。
「・・・こっちに、来る」
「散開して、あいつを取り囲んで。会話する役は俺が引き受ける。俺の友達に、手を出したんだ!あいつには、死んでもらわないと・・・」
「そんじゃ、散開!」
そして、三人の気配が消えたところで、堕天使がこちらに気が付いた。
「今日は、良くわからない奴に出会うな・・・そこにいる、人間!出てこい!!」
「どうも。堕天使さん。こんばんわ」
「貴様は、誰だ。少なくとも普通の人間には、我々の姿は見えないからな」
「流れの何でも屋だよ。俺は」
「何でも屋ね・・・で、俺に何の用だ?人間よ」
「あんたが、堕天使のドーナシークで間違いないな?」
「いかにも、私がドーナシークだ。だが、人間。なぜ俺の名前を知っている」
「そんな理由は、どうでもいい。今日、お前はここで死ぬんだから」
「貴様ごときが、俺を殺す?ふっ、人間が大口をたたくな。逆に殺してくれよう」
「殺せるもんなら、殺してみな!」
俺がそう言った瞬間、ドーナシークが光の槍を持って、俺に突進してきた。
いきなりの事で、対応が遅れ、俺は体を貫かれて息絶えた。
「ふん。口ほどにもない」
ドーナシークはそう言い残すと、自分の翼で空に上がった。
しかし、上がった瞬間に上から降ってきた物体が背中に乗り、翼を両方とも切り落とされた。
「ぐっ!」
地面に着地したドーナシークの背中からは、血が流れていた。
「何者だ!」
そう質問すると、返ってきた声にドーナシークは驚いた。
「さっきまで、話していた相手に向かって、何者だ!なんて、ひどいなぁ」
「き、貴様は!なぜ!?確かにさっき俺自身が、槍で体を貫いて殺したはず!!」
「あぁ、あれはひどかったね。でもその死体、良く見てみな」
そう言われ、死体をよくよく見ると・・・死体は水になって消えていくところだった。
「水だとっ!?」
「そう、水。この神器の能力だけどね」
そう言いながら、両手に持ってる日本刀を掲げて見せた。
「なに!?貴様、神器持ちなのか!それに、そんな神器は見たことがない」
「名前は・・・教えなくていいか。お前、どうせ死ぬし」
その瞬間、ドーナシークは背後からの殺気にきずき、振り返りバックステップで距離を取った。
「あれ~?外しちゃいましたぁ~」
「なんだ、こいつは!どこから現れた!?」
「上からだよ♪」
その声が聞こえると同時に、背中に激痛が走り数歩前によろける。
「・・・そこから、動かないで」
さらに両足に足払いをされ、思わず倒れたドーナシークの両手、両足に剣が刺さっていた。
「ぐあぁぁあぁ!」
そして、罪喰いがそばまで歩いて行き・・・
「俺の友達を殺そうとした罪を、死んで償え」
ドーナシークの首に右手の刀を。心臓に左手の刀を突き刺した。
「ぐぁっ!」
「さようなら、ドーナシークさん」
そう言いながら、刀をそれぞれ横に薙ぐ。
ザシュ!ガっ!
「あれ?骨に引っかかちゃった。しょうがないか。『双水の型』」
ごとっ。そして、音もなく溢れ出してくる血。
「よしっ。今日の散歩終了。天使喰い、死体の回収よろしく」
「はい。わかりましたぁ~」
そして、死体を回収し終わった彼らは、闇に消えていった・・・
自分で書いていて思ったけど、誰かを殺して散歩終了って・・・
そろそろテストが来るので、更新が遅くなるかもしれません。